「シンジ・・すまなかったな・・・・」 ん?私は初号機に噛み砕かれたのではないのか? ここは?駅前か・・・何故こんな所にいる? ん?シンジがいるのか・・・ そして私が見たものは、ガラスに写る私の姿だった。 ・・・・・ユイ・・・・これが私に与えられた罰か・・・・ 日付けは、第参使徒襲来の日・・・サードインパクトは当然阻止せねばならんが・・・それ以前に初号機を動かせるのか? 爆音が響いた。 しまった、長居しすぎたか! 山の陰から使徒が姿を表した。 「くそっ」 私はミサイルが飛び交う中、荷物を抱えて走った。 轟音が近づいて来た。 青い車が急停車した。 「乗って!!」 でかした葛城3佐!いや、葛城2佐だ。 私は急いで乗り込んだ。 葛城2佐・・・いや、1尉だったな・・・・まあ良かろう 国道に出て少しアクセルを緩めたようだ。 「大丈夫だった?」 「問題ない」 葛城1尉の顔が引き攣った。 「どうした?」 「い、いや、ねぇ、随分お父さんに似てるのね」 「当然だ」 私なんだからな。 初号機の事は着けば分かる、それまでに、これからの事を考えておこう。 サードインパクトを阻止するには、この世界の私に勝たなくてはいけない、その為には力が必要だ。 冬月・・・・説得は難しそうだな・・・・ 赤木博士・・・・話してる途中で人体実験されそうだな・・・ 葛城1尉・・・・味方になったところで何の役にもたたんな・・・・ 加持1尉・・・・無駄である事を前回証明したではないか・・・・ ・・・・なんだ・・・話にならんでは無いか・・・ レイ・・・・・・・下手に話せば、この世界の私に報告されて消されてしまうではないか・・・ セカンド・・・どうやって手なずければ良いんだ?そうか、徹底的にやってしまって、奴隷にすれば・・・ちょっと待て、ユイが知ったらどうなるんだ? ・・・・・・・ あとは・・・・・ あとは・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ 何だ孤立無援ではないか・・・・ ・・・・・・・・・・ とりあえず、レイをこちら側に引き付けねば話にならんな・・・・ ん?何時の間にか、ジオフロントに入っているではないか。 葛城1尉は、かなり不満そうな顔をしているが、どうかしたのか? 葛城1尉、昇進はなしだ。 現在、本部施設内で迷子になっている。 漸く赤木博士が救出に来た。 「人の作り出した究極の兵器汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン。そして、これはその初号機。開発は超極秘裏に行われた。」 ユイ・・・私に動かす事ができるのか? 私との対峙か・・・シンジをある程度装わねばな。 『久しぶりだな』 私は、顔を上げた。 「3年ぶりだったかな」 『出撃』 「条件がある」 『良かろう、後で執務室に来い』 「後払いは高いぞ」 『ふん、問題ない、赤木博士』 そして、起動、シンクロ率は36.77%だが、一部のハーモニクスに異常があるらしい。 止むをえんだろう。 そして使徒との戦い、初号機の正拳突きがコアに炸裂した。 コアが砕け散る。 「使徒殲滅・・・か」 今、赤木博士の尋問を受けている。 「父は?条件の交渉に行きたいのですが?」 「今、司令は、会議中よ」 補完委員会か、下らん。 「ならば、私はまだ、ネルフ関係者じゃないな、ボランティアでの協力者に尋問は酷いと思うが?」 「尋問ではなく単なる質問よ」 「まあ、よかろう」 「じゃあ、初号機に乗ってみてどうだった?」 「交渉の材料に使いたいのでその質問には答えない」 赤木博士は黙り込んだ。 「じゃあ、質問は止めておくわ、貴方にわざわざ、こちらが知りたがっている事を教える必要も無いしね」 「そうだな・・・こちらから質問だ、交渉無しで、操縦者として登録された場合の諸条件は?それが分からなければ、交渉も何も無かろう」 「・・・そうね、大体でいい?」 「問題ない」 「・・・作戦部所属の3尉扱い、給料は1尉並、但し未成年であるため、その使用には、具体的には分からないけど制限が掛かるわ、そして、エヴァによる戦闘と訓練、それと実験の協力義務、作戦命令に従う義務が生じるわ・・・住居に関しては、準士官用の住居が用意されるわ、そして、警備及び監視がつくわね。あとは、守秘義務かしら?」 「・・・・確か、私がサード、3人目だったな」 「ええ」 「そして、あの自衛隊の主力部隊を壊滅させた使徒相手に楽勝で勝ったエヴァは、少なくとも自衛隊の総力よりも強いわけだな」 「・・・そうね・・・」 「それを動かす者が3尉か・・・十分すぎるほど酷い扱いだな」 「・・・まあ、その辺は交渉次第ね」 「警備は分かるが何故監視がつく?」 「機密情報の露呈を防ぐためよ」 「交渉決裂時は、今回の件に関する報酬の交渉に入るからな」 「そう」 「それが、決裂した場合、守秘義務もへったくれも無いと言う事を予め伝えておいてくれるかな?色々と困るぞ、14歳の少年を無理やり乗せたと、少し 誇張気味に言っただけで、結構困ると思うぞ、それに、エヴァに関する情報、戦自辺りは欲しがっているだろうしな」 「分かったわ、伝えておくわ」 そして総司令執務室、対峙している。 間違いなく怪しんでいる。 「シンジ、条件と言うのは何だ?」 威圧感を掛けてどうする?毒蛇は自分の毒では死なんぞ 「赤木博士から、操縦者になった場合の条件、待遇を聞いた。その内容は既に知っているだろう?」 「ああ」 「先ず、1佐待遇と、作戦命令の拒否権を要求する。」 「・・・・・・・」 さて、何を考えているのかな? 「・・・・良かろう・・・・」 「セキュリティーレベルもそれに見合うものを」 「・・・・・・・良かろう・・・・・」 「それと、訓練及び実験に関しても拒否権を要求する」 「・・・良かろう・・・」 「警備及び監視は必要ない、私設のセキュリティーを雇う、そして、その費用を負担する事を要求する」 「・・・何故だ?」 「監視が嫌だからだ、他に理由がいるか?費用に関しては、その分浮く保安部の予算を当てればいいだろう」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・良かろう・・・・・・・」 「では、報酬に関してだが、基本給は、1000万。使徒1体に付き、成功失敗に関わらず、1億。訓練、実験は、時給100万、夜間、休日の場合5割増し。」 「高い」 「じゃあいくらならいいんだ?」 「基本給3000万のみ」 「・・・・・・・・8000万」 「4000万」 「7800万」 「4200万」 「7500万」 「4500万」 「7200万」 「5000万」 「7000万」 「5000万」 「7000万」 「5000万」 「7000万」 「5000万」 「7000万」 「5000万」 「譲らない気か」 「お前もな」 「では、5000万、半年後との契約交渉と、契約金2億」 「・・・・・・・・・・・・良かろう」 ネルフ高官用の制服を着て歩いている。 取り合えず、挨拶に行くか、 発令所、 「碇シンジ、サードチルドレンだ、1佐扱いとなる、以後宜しく」 絶句している。 「し、シンジ君・・・」 「葛城1尉、何か言いたい事があるのか?」 「い、いえ、特に有りません・・・碇1佐・・・・」 では、挨拶回りも終わったしレイに会いに行くか、 私はネルフ中央病院のレイの病室に向かった。 レイが私の目の前にいる。 「・・・」 ちょっと待てよどう接すれば良い? 「・・貴方、誰?」 「私は、碇シンジ、サードチルドレンだ。1佐扱いとなる」 「・・そう・・」 うっ、しまった。レイは興味を無くしてしまったようだ。 ど、どうすれば良い。 私がうろたえている内に面会時間が終わり閉め出された。 「ふっ・・・問題無い・・・」 私は決め台詞を呟くと、宿舎に向かった。 レイの隣にでも住むか?