リリン

第7話

◆捕らわれし者と克服せし者

7月10日(金曜日)、ネルフ本部、技術棟、
シンクロテストが行われていた。
レイラが一人で、見学をしている。
「弐号機80.11%、参号機71.33%、四号機30.22%、伍号機31.11%です」
「そう・・・処で、レイラ2佐」
リツコが声をかけた。
「・・はい?」
「どうしてここにいるのかしら?」
「・・アスカさんに付いてきたんです・・」
「リリンの方は良いの?」
「・・・・ええ・・・・暫くはシンジ君と一緒にいたくはありませんから・・」
レイラは目を伏せ軽く俯きながら答えた。
「そう・・・ネルフの方の機体とシンクロ実験してみない?」
「はい?」
・・・・
レイラのシンクロ率は、弐号機36.22%、参号機13.66%、四号機23.22%、伍号機30.33%であった。
リツコはデータを見て感心している。
「凄いわね、」
「そうですか?」
「ええ、本当に欲しいくらい」
「先輩、同時シンクロは?」
「やってもらえるかしら?」
「・・はい」
・・・・
結果、アスカ96.36%、トウジ42.66%、ケンスケ28.36%、マナ36.22%であった。
「相変わらず、同時シンクロはなぞの部分が多いわね・・・」
リツコはボールペンでファイルを叩きながら呟いた。
「アタシと弐号機に乗ったら96か・・・そういや、あの綾波レミって言うレイの妹は9thになるわけ?」
「それはないわ・・・零号機とレイの移譲の際の契約内容に、リリンのチルドレン選抜の凍結が含まれていたわ」
アスカの問いにリツコは回答した。
「じゃあ、ネルフが選抜するわけ?」
「それは、何とも言えないわ・・・マルドゥック機関は委員会直属の機関だから我々の報告が行くかどうかも怪しいわ」
「・・・そう」
「・・・選抜されたら・・・アスカさん・・・危ないでしょうね・・・・」
レイラが小さく呟いた。
「どう言う事?」
人並み外れた聴力を持つアスカは聞き取った。
「え?」
「アタシが危ないってどう言う事?」
「だから・・・」
「あ・・・なるほど・・・そうか・・・」
アスカとレイラが同時に大きな溜息を付いた。
(何故アスカが危ないの?ダミーシステムでは理論上初号機と零号機しか動かない筈・・・何故?・・・・まさかキョウコ博士をサルベー・・・それはあり得ないわね・・・分からないわ)


リリン本部、
シンクロ実験をしている。
    シンジ  レイ レミ シンジ&レイ シンジ&レミ レイ&レミ
初号機 100  94 23   326    187    0   
零号機  89 100 17   200    101    0

シンジは結果を見て首を捻った。
「レイとレミが同時に乗ったらエヴァは起動しなかった・・・何故?」
「さ、さあ・・・それは」
ジュンコは答えに困った。
「二重シンクロと同時シンクロが混じっているわね」
「ふ〜ん、やっぱアタシは弐号機じゃないと駄目ね」
「じゃあ弐号機のデータ用意するわね」
レミのシンクロ率は96.98%だった。
「う〜ん、もうちょっと欲しいかな」
ものすごい贅沢を言っている。


夕方、リリン長官室、
アスカは一人でシンジに会いに来た。
「シンジ!」
「何?」
「レミについて説明しなさい」
シンジは軽く溜め息をついた。
「・・・アスカの処に、赤い光が来なかった?」
「あ・・・・・まさか・・・」
アスカは光の正体が分かった。
「そ、あれが、未来のアスカの魂・・・で、アスカは追っ払っちゃったから同化できなくなってしまった。それで、光は僕の処に来たんだ。」
「で、でも、なんで、」
「ああ、クローン体を大急ぎで用意したんだ。魂だけだと食事が出来ないから五月蠅くて五月蠅くて」
アスカの額に汗が見えた。
何となく予想できたようだ。
「・・・で、なんで、レイのクローンなのよ」
「それは、まあすぐ用意できたからだけど、仮に、アスカのクローンは用意されてても使わなかったよ」
「何で?」
「全く同じ容姿の、同じ性格の同じ人間が2人いたらどう思う?」
アスカはちょっと想像して直ぐに首を振った。
「・・・確かに・・・いい気はしないわね」
「じゃあ、レミ側の見解、アスカの魂が誰かのクローンに移植されるとしたら誰が良い?」
「・・・・アタシ自身が駄目だとしたら・・・・なるほどね」
「と、言うことで、大急ぎで用意して入ってもらったわけ、1週間遅れてたら、僕は、死んでたよ」
「そんな大げさな」
「いや、マジで」
シンジの顔に縦線が入っている。
「そ、そう・・・・」
「で、レミは弐号機に乗るの?」
「いや、乗せない」
「どうして?」
「1、アスカの立場を奪うことになる。2、レミの正体は極秘である。3、アスカとの同時搭乗による事故の防止と、ネルフの大幅な戦力アップの防止かな?」
「事故って?」
「エヴァのシンクロ率はいったいいくつが一番良いと思う?」
「???」
「約100%なんだよ。そして、それ以上を過剰シンクロと呼ぶ、イエローライン、そして、400%以上がレッドライン、412%、理論限界値を超えると、搭乗者の体がLCLに溶ける」
「・・・・マジ?・・・でも、100%より200%の方が」
「そう、一人の人間では100%が理想だけど、2人なら200%になる。と言っても4人で400%にはならないよ。でもね、アスカとレミは同じ人間なんだよ100%を越えれば過剰シンクロなんだ。そして、シンクロ率が爆発的に上がってしまう可能性がある。」
「なるほどね・・・」
「で、事故が起こらず300台で止まったとすると、理論値の3倍の強さのエヴァがネルフの管轄下にあることになる。」
「・・・そうね」
「・・・・・・・・そうそう、次の使徒だけど、」
「何?」
「不用意に近付いちゃ行けない、ATフィールドを貫通する破壊力を持っている」
「・・・・冗談じゃないわよ」
顔を顰めて答えた。
「中和されたら、手の打ちようがない。だから中和距離まで近付いちゃ駄目だ」
「でも作戦はどうすんのよ」
「先の戦闘はリリンが勝ったからね・・・リリンにやらせるように要請している。通った場合、勝利はネルフの物になる」
「?どう言う事?」
「リリンは負けるって事さ」
「はあ?」
意外過ぎる言葉にびっくりした。
「あんな攻撃、綾波に伝えるわけには行かない、だから、初号機は僕一人で出撃する。だから、適当に攻撃して、適当に避けて、退却する」
「で、どうしろって言うの?」
「今、戦略自衛隊と東京帝国グループに十分な出力の陽電子砲がある。因みに戦略自衛隊の陽電子砲はぎりぎり、東京帝国グループの陽電子砲は余裕がある。ネルフはどちらを選ぶか分からないけど、戦略自衛隊のならば史実通り、東京帝国グループの物ならば、結果的にリリンの力を示すことになるからね。」
「そう・・・」
「さて、これはネルフ上層部の判断しだいだな」
「戦略自衛隊の陽電子砲を使った場合どうなるの?」
「日本政府の発言力が増す。日本政府もリリン側に付いてるからね、後で結局リリンが有利になる。」
「既に手は打ってあるって事か」
「うん」
「処で、レイラのことだけど」
シンジは表情を変えた。
「・・・・どうしたら良いんだろうな・・・・特にレイラの場合・・妹みたいに思ってたから、恋愛対象として全く見てないんだよな・・・」
「それをはっきりと言ってやったら?」
「レイラは知ってるよ、そんなこと、でも人は分かっていても認めたくないんだよ。昔のレミみたいにね・・・そして、レイラも分かってはいるけど、認めたくはなかったんだ。でも、綾波をリリンに引き込み、同居を始め、現実を突き付けられて、追い詰められていったんだ。そして、綾波が虚像から実像になった。もう自分には望みは殆どない、綾波が死にでもしない限りね。で、レミの登場、それで、完全に望みは絶たれた。」
「今、レイラは認めることから逃げてるんだ。かつてのレミがシンクロ率0%と言う現実から逃げたのと同じように・・・・でも、レミのケースとは違って、レイラの傾倒は単に恋愛対象と言うだけ、自分の全てをかけているわけではないと言う事と、周りの環境が十分に家出した少女を保護できる状態にあるから、時間的余裕がある。だから、僕もレイラも答えがでるまで考えられる。だから、まだ動いてないんだ」
「そうなの、でも・・」
「うん、これ以上悪化した場合すぐに会長に動いてもらうようにしてある。下手に僕が考えなしに動くよりはずっと良い」
「そうね・・・」


人類補完委員会、
「緊急の呼び出し・・・何かありましたか?」
「碇・・・良い知らせと悪い知らせだ」
「どうぞ」
「死海文書第18章が解読された」
「それはそれは、で、悪い知らせとは」
「その内容だ。我々人類が第拾八使徒だったのだ」
「まあ、予想されたことですね」
「そうだ、だが、ここまでは良い知らせだろう、悪い知らせというのは、我々人類の使徒名がリリンであると言う事だ」
碇の表情に動揺が走った。
4人の委員は嬉しそうだ。
「碇・・・」
「特務機関、リリン・・・・偶然にしては」
「出来過ぎておる」
「死海文書は、リリンには渡っていないはずではないのか?」
「碇殿、問題はそうではありませんぞ」
「我々ですら、漸く解読したものを12年には既に知っていた可能性があるのです」
「・・・確かに謎だな」
「死海文書以外にも古代文明の残した遺物があったのかもしれん」
「どうされますか?」
「奥の手を使う、9thチルドレンを派遣する」
「9th?」
「我々の切り札だ、余計な干渉はしないようにな」
「畏まりました。」


ドイツ、第3支部付属空港、
エヴァ六号機と9thチルドレンを乗せた輸送機が離陸した。
銀髪の9thチルドレン、渚カヲルの膝の上で小さな猫が気持ちよさそうに寝ていた。
「ドイツともお別れか・・・・所詮僕も仕組まれた子か・・・・」
カヲルはその赤い瞳に光景を焼き付けた。


第3新東京市、シンジのマンション、
3人で夕食を食べている。
「ん〜、シンジのハンバーグ美味しい」
「ありがとう」
電話が鳴った。
シンジが電話にでた。
『シンジ君?、』
蘭子である。
「あ、はい」
『ドイツを9thチルドレンと六号機が発ちました』
「・・・ネルフは焦ってますね」
『はい』
「9thに関する情報は?」
『現在調査中です』


7月11日(土曜日)午後、ネルフ本部、作戦部、
「今日は、9thを紹介するわ。この子が、9thチルドレン、渚カヲル君、六号機で参戦してくれるわ」
「渚?渚カヲル・・・・タブリス?」
アスカの呟きにカヲルが狼狽えた。
「どうしたの?」
「い、いえ・・・何でもありません」
「何でもないって事は無いでしょ、第拾七使徒タブリス」
「「「「「「「「は?」」」」」」」」
「な、何を言ってるんだい?たちが悪いよ・・・あはは」
カヲルは冷や汗でびっしょりになっている。
「あんた使徒でしょ、第拾七使徒タブリスくん」
カヲルは後ずさりを始めた。
「あんたの目的を言いなさい、サードインパクトを起こすつもり?」
アスカはカヲルに詰め寄った。
『赤木博士、葛城1尉、チルドレンは、直ちに総司令執務室に出頭せよ』
「くふふ、総司令の前で断罪してあげるわ」
カヲルは真っ白になってアスカに引きずられて行った。
「・・・なんで・・・・まだ・・・・なんにもしてないのに・・・・・・」
カヲルのつぶやきは意味のないものであった。


総司令執務室、
「さて、タブリス」
カヲルは碇の前に引き出されて、汗を滝のように流している。
「君には、第拾六使徒殲滅までは、チルドレンとして戦ってもらう。その後に処遇を考える」
「「「「「「「「は?」」」」」」」」
「使徒には、順番というものがある。第拾七使徒である君は、第拾六使徒を倒すまでは放っておいて良いと言うことだ。ならば戦力として使いたい。そして、君にとっても他の使徒は邪魔なはずだ」
「・・・・・ええ・・・・」
「と言うことで、その時までは普通のチルドレンとして扱ってくれ」
「は・・・はい」
リツコが返した。
ミサトはカヲルを睨んでいる。
警報が鳴った。
『未確認飛行物体が進行中』
「渚君、早速君の力を見せてもらおうか」
「・・・はい・・・・」


リリン本部、発令所、
「結局、移譲はなしか・・・」
シンジが呟いた。
「6号機射出されます。」
「使徒内部に高エネルギー反応!!」


六号機、
「ちょちょっと!!ラミエル!!!嘘だろ!!!!!」
ラミエルの加粒子砲が火を噴いた。
「ぎゃああああああ!!!!!!!!!!!!!」
六号機とカヲルのATフィールドはあっさり貫通され六号機の胸部を貫通した。


ネルフ本部、ケージ、
戻された六号機からカヲルが助け出されすぐに医務室に搬送された。
アスカは真っ青になっていた。
「あんなの・・・洒落んなんないわよ・・・・」


作戦部、作戦会議室、
「先の戦闘ですが、9thは本気になったようで、自分でもATフィールドを展開しました。しかし、貫かれました。」
マヤが報告した。
「シンクロ率は100.00%だったわ」
「・・・エヴァぁによる近接戦闘なんかしようものなら即死か」
やはりカヲルが使徒だからか、この絶望的状況下でも、少し嬉しそうである。
「六号機は完全大破で修復は相当の時間を要するものと、」
「・・・・委員会の切り札消えたわね」
「ひょっとしたら人類の切り札だったのかもしれませんが、」
「諸刃の剣は砕かれたか・・・」
「現在、使徒は、シールドで掘削中ですがどうします?」
「・・・やってみたいことがあるの」
「やってみたいこと、ですか?」


総司令執務室、
「目標のレンジ外からの超長距離射撃かね」
「はい、それしか方法はありません」
「マギは?」
「賛成が1、条件付き賛成が1、反対が1でした」
「条件とは何だ?」
「リリンとの共同作戦でした」
「・・・く・・・・許可する。冬月、頼む」
「分かった」


リリン本部、長官室、
ラミエルの攻撃の映像を再生していた。
「なによ・・・これ・・・」
レミはマジかと顔を引き攣らせた。
「強くなってる・・・」
「困ったわね」
「・・・ネルフとの共同作戦を考える必要がありますね・・直ぐに案を出してください」
「「はい」」
シンジの命を受けた蘭子と榊原は直ぐに部屋を出て行った。


そして、案が届いて暫くして冬月が訪れた。
「共同作戦ですか・・・」
「お願いできるかな?」
シンジは考えた。
「僕の作戦を聞いてくれますか?」
「ん?どうぞ」
「ネルフとて公然と共同戦線を張っては色々と大変でしょう。」


千葉、東京帝国グループ、特殊兵器開発研究所、
ミサトと日向が陽電子砲を徴発に来ていた。
「なんと言ってもお断りします。我々東京帝国グループは民間企業であると同時に、東京条約によって政治的独立が承認されております!」
東京帝国グループは、単なる企業に収まらない、国際組織でもあるのだ。
当然の悉く担当者からは拒否された。立場上国際連合と同階級の組織であり、命令書ではなくあくまで借用依頼書である。初めは、戦自の陽電子砲を徴発する予定だったが、出力に耐え切れない事が判明した為である。
「しかし、人類の緊急事態です」
ネルフの大義名分。そして、それを片手に一体どれだけの人間を犠牲にしてきたか、しかし、ネルフの上層部とミサトは、そんな事の為に戦っている、いや、チルドレンを生け贄にしているわけではない。
妻に再会する為、愛弟子に再会する為、男に捨てられない為、仇だと思いこんでいるものを滅ぼす為・・・
「それを何とかするのがネルフでしょう、その為に、先進国の経済を圧迫し、復興途上国の経済を崩壊させ、後復興国で、難民避難民を出し、そして、多くの餓死者を出しているのでしょう」
「うぐ」
職員が携帯電話を持ってきた。
「どうした?」
「シンジ様からお電話です」
担当者の表情が変わった。
「なにぃ!早く寄越せ!」
「はっ!佐藤で御座います!」
『あっ、シンジです。陽電子砲は、ネルフに貸して下さい』
「ははっ!畏まりました!」
佐藤は腰を直角に曲げてお辞儀を繰り返している。
・・・
「よかったな、シンジ様直々のお許しだ。陽電子砲を貸し出す」
ミサトの額に青筋が浮かんでいる。
何か騒がしい。
レミが秘書や親衛隊を連れて歩いてきた。
「綾波レミ、リリン2佐です。碇シンジ1将の代理としてきました。」
「ははっ!」
「今回の件は、私が指揮を執ります」
「ははっ」
「葛城1尉」
「・・はい」
「行くわよ」
「・・・はい」
どうやら、リリン関係者の言う事なら直ぐ聞くらしい。


双子山山頂、
シンジとレイは、ラミエルを見ていた。
「綾波・・・覚えてる」
「・・ええ・・」
「綾波には新しい絆は出来た?」
「・・ええ・・」
暫く二人は寄り添うようにして座り、口を開かなかった。
二人は前回のヤシマ作戦を思い出している。
レイの初出撃、そして、二人の触れ合い、レイが人形から人へと変わる道の第1歩。
やがて、時間がやって来た。
「じゃあ、行こうか」
レイは軽く頷いてシンジに従った。


東京湾上空、輸送編隊、
レミとミサトは向き合っていた。
「綾波2佐、」
「?・・何?」
「リリンは協力を?」
今回、リリンとの共同作戦がマギの提示した条件であった。
「いえ、アタシが独断で行ってるだけ、今回、公式にネルフを支援するはリリンじゃなくて、東京帝国グループよ」
「東京帝国グループが?」
「ええ、不満だったかしら?」
「いえ・・・」
不満と言えば不満である。
「葛城1尉、一つのことにあまりにも執着しすぎると、自分を傷つけるだけよ」
「・・・・」
「アタシも昔はそうだった。一つのことに全てをかけ、それが、自分の全てであることを誇りに思っていた・・・・・でも、あとからぽっと出てきた奴がアタシを抜いていった・・・・対してアタシはどんどん落ち込むばかり・・・・やがては身を滅ぼした・・・・でも、アタシの価値は一つじゃないって気付いて、変わったと思う・・・・・」
「・・・そうですか」
「私怨だけで使徒と戦おうとは思わない方が良いわ」
ミサトの表情が大きく変わった。
「あんたがセカンドインパクトで失った父親の仇討ちのためにネルフにいることは分かってる。でも、そんなことのために自分を犠牲にすることはないわ。たとえ使徒を倒しても、死んだ人は戻ってこないのよ・・・・仇討ちなんね、自己満足でしかないのよ・・・その為に自分の全てをかけるなんて・・・昔アタシと同じくらい愚か・・・死んだ人が望んでいたことは、生き残った者の幸福・・・・・・それだけよ」
「・・・・・・・・そうかも知れません・・・・しかし・・・」
ミサトの表情も言葉も暗いものだった。
「何もわすれろって言ってるんじゃないわよ、他に自分をかけるだけの理由を見つけろって言ってるのよ。」
ミサトは顔を上げ、レミの表情を見た。
レミは暖かい表情をしていた。
「・・・・・はい・・・・」
やがて、双子山に到着した。
「あの・・・綾波2佐が全てをかけていた物って?」
「エヴァよ」
レミは笑みを浮かべ、降りていった。

あとがき
スーパーラミエル登場です。
初のネルフと東京帝国グループの合同作戦が行われます。
レミがかなり成長していますね。
因みに、人気投票では、レミとアスカは同一視します。
シンジ争奪戦にレミとアスカを参戦させるかどうかは思案中です。
又々、神威さんからタイトルの応募を頂きました♪