2月24日(水曜日)、早朝、第3新東京市、ミサトのマンション、 シンジが戻って来た事でこの家も、色々と元に戻りつつあった。 幸い、ミサトは帰ってくる回数も少なく、アスカは本部の宿舎に保護されていたため、シンジの予想よりは汚くは無かった。 もし、ミサトが常に帰っていたら、丁度シンジが初めてこの部屋を訪れた時と同じ・・・いや、アスカがいる分、或いは・・・ 予想したくない物であろう、 今、シンジは、朝食の準備をしている。 「おはよ」 「え?」 シンジは、アスカから声を掛けられて、アスカがこんな朝早くから起きている事に驚いた。 「おはよう・・・今日は、随分早いんだね」 「別に・・・只、目が覚めただけよ・・・それと、鈴原の事聞いてる?」 「トウジがどうかしたの!?」 「・・・全く・・ミサト、何にも伝えてないのね」 アスカは軽く溜息をついた。 「鈴原兄妹、県外の大きな病院で手術を受けるのよ、ネルフの中央病院は、機能が低下してるから」 「そうなんだ」 良い知らせで、シンジはほっとした表情を浮かべ、フライパンに火を入れた。 アスカは暫くシンジを眺めていて、それから、シャワーを浴びに浴室に向かった。 A.M.7:48、第3新東京市市内、交差点にレイが鞄を持って、佇んでいた。 目立つ薄い青色の髪と赤い瞳、かなり少なくなってきたとは言え、通り過ぎるものはみなレイを見、そして、超美少女である事で、目を奪われる。 対してレイは気にしない。 暫くして、シンジとアスカがやって来た。 「綾波、おはよう」 「おはよ」 「・・おはよう」 「さっ、行きましょ」 3人は1月ぶりに、いつも通りの位置関係で第3新東京市立第壱中学校に向かって歩き出した。 A.M.8:13、第3新東京市立第壱中学校2−A、 1月ぶりに登校したシンジを見たクラスメイト達は先ず、驚き、次いでシンジとアスカを質問攻めにした。 レイは群衆を無視して席についた。 「あの・・碇君・・・ちょっと話が」 ヒカリが言い辛いのか、俯き加減にシンジに告げた。 「じゃ、屋上に行きましょ」 大体話の内容が予想できたアスカは、シンジとヒカリを連れて屋上に向かった。 取り残されたクラスメイトは未だ色々と聞きたいことがあったのに・・・と残念そうである。 屋上から見下ろされる第3新東京市は、先の使徒の攻撃で破壊された個所の復旧工事が各所で行われている。 「トウジが、妹さんの事、本当に、済まなかったって・・・そして、本当に有難うだって」 アスカは、呼び方の変化に気付き、雨降って地固まるね等と考え細く笑んだ。 「・・・そう・・・」 ケンスケが屋上に出て来た。 「やあ、シンジにアスカ、本当に、心配したんだぞ」 「アンタなんかに心配されるようじゃ、お終いね」 「そんな事言うなよ」 ケンスケは苦笑した。 そして、HRが近付き、ヒカリが先に教室に戻ると、ケンスケが本題を切り出した。 「・・・何があったんだ?」 「・・・・」 シンジは黙って都市を眺めていた。 「・・・先の戦闘で、ネルフは大きなダメージを受け、防諜、保安、その他、各機能の大幅な低下が発生し、反ネルフ組織の第3新東京市侵入を許し、チルドレンの身の安全の確保のため、ネルフ本部内に保護していた。これで良い?」 「・・・それは知っている。俺が聞きたいのは、その時、シンジに何があったかなんだよ、」 又、親父の情報でも見たのかと、二人は溜め息をついた。 「・・・ケンスケ、下手に首を突っ込むと首が切れるわよ」 「「「・・・」」」 「・・・・・分かったよ・・・・」 ネルフ本部、作戦部長執務室、 ミサトはセキュリティーが通常に戻ったため、レベル4の情報を閲覧していた。 そして、驚いた。 しっかりマルドゥック機関が存在していない事、候補者が存在すること等が載せられていた。 流石に、第3新東京市立第壱中学校2−Aに集められている事は載ってはいなかったが・・・ 「・・・・」 ミサトは頭を抱えて暫く固まった。 他にも様々な情報がある。 自分が、疑問に思っていた事不審に思っていた事、その半分以上の答えがそこにあった。 余りにもバカ過ぎる・・・・ 日向が報告書を持ってきた。 「葛城さん、報告書、ここにおいて置きますよ」 ミサトが報告書を殆ど読まない事は知っているので、日向が見て、特に重要だと思われるものは他の多くの報告書とは分けて置いた。 これで、此方さえ読めば、実際、問題は無い。 「ん、ありがとう、いつも済まないわねぇ」 日向は軽い笑みを返した。 「いえ・・・ところで、マルドゥックが存在しないってのは驚きましたよね」 「え、ええ」 突然こんな事を言い出したので、ミサトは思いきり慌てたが何とか封じ込めた。 「しかし、何でセキュリティーのレベルが下がったんでしょうか」 「下がった?」 「え?レベル5からレベル4に下がったんですよ」 (・・・加持・・・拙いわよ・・・) 昼、第3新東京市郊外、展望公園、 ミサトはビールを片手に第3新東京市を見下ろしながら、加持を待っていた。 加持がやって来た。 「こんな所に呼び出して結婚の申し込みかな?」 ミサトはビールをベンチに置いた。 「馬鹿言ってないで、アルバイト直ぐに止めなさい、このままじゃ」 ミサトの表情は真剣である。だが、勿論加持の方は何があったのかは知っている。 「・・・俺は、真実に近付きたいだけなんだが」 「死ぬわよ」 二人は、お互いの目をじっと見据えた。 暫く沈黙が流れ、ふっと加持が緊張を解いた。 「・・・ま、考慮しておくよ・・・」 軽い言葉を残して、加持は去っていった。 暫くその場に佇んでいたミサトは急いで本部に戻った。 同じ頃、第3新東京市立第壱中学校の屋上では、ヒカリとアスカが弁当を食べながら話をしていた。 「あのね、アスカ」 「何?」 「トウジがどこの病院に移されたか聞いてない?」 「チルドレンを狙う組織は多い、そんな中で治療のためとはいえ、第3新東京市を離れる事は危険よ、だから、多分偽名を使っていると思うし、何よりも私達が見舞いになんか訪れたら自殺行為、だから、私達には一切情報が降りてこないようになっているわ」 「・・・そう」 ヒカリは残念そうに俯き、そんなヒカリを見てアスカは無性にからかいたくなった。 「ねぇ、ヒカリ」 「何?」 「鈴原と何があったの?」 「え?な、なにってべ、べつに」 ヒカリは赤くなって慌てている。 「呼び方変わってるじゃない」 「あ・・・い、いえ、その」 ヒカリは真っ赤になって俯いた。 「おめでとう」 「・・・・あの・・・ありがとう・・・」 今度はアスカが俯き加減に話し始めた。 「・・あのさ・・・アタシ・・・気付いたんだ・・・あいつがいなくなって・・・・あいつの事が好きになってたんだって」 「・・・碇君?」 アスカは赤くなって首を縦に振った。 ヒカリは、教室に視線をやった。 教室の窓際で、シンジとレイが机をくっつけて弁当を食べている。 「・・・」 「・・・」 「頑張ってね・・・私はアスカを応援してるから」 「・・・うん・・・」 教室、 レイは卵焼きを口にいれた。 「どうかな?」 「・・・おいしい・・」 シンジが顔を綻ばせて笑顔を見せた。 「これからも迷惑じゃなければ、お弁当作ってくるけど」 「・・・私は迷惑じゃない・・・でも、私は来ない日もあるから・・・」 「綾波が迷惑じゃないなら良いよ、作ってくるから」 「・・・ありがとう・・・」 レイは少し顔を赤らめて俯き加減に言った。 それを見た者全てが思わず見惚れてしまった。 ただ一人、ケンスケは二人の食事シーンをばっちり撮影していた。 特に最後のレイが有難うと言うシーンは、1枚3000円で売られたそうだ。 帰路、アスカはシンジの真右を歩いていた。 シンジは今日のアスカなんか変だなくらいに思い、レイの方は気にしていなかった。 「綾波、今日、夕飯食べてかない?」 レイは軽く頷いた。 ミサトのマンション、リビング、 今、シンジが夕食を作っており、二人は出来上がるのを待っている。 アスカは寝転がってテレビを見ており、レイは壁に凭れて本を読んでいる。 「そういや、ファーストいったい何読んでんの?」 レイは無言で呼んでいた本をアスカに手渡した。 《人類の源流 4》 アスカはページを捲って見た。 細かい文字で書かれておりさまざまな図やグラフが踊り、何かの古文書や壁画などの写真も載っていた。 「・・・あんた、こんなの読んで面白い?」 アスカはこめかみを押さえながら尋ねた。 「・・・別に面白いから読んでいるわけじゃない・・・」 「なんな訳?」 「・・・赤木博士に渡されたから」 「リツコか・・・」 何と無く納得した。 「ファーストが面白いって思った本は?」 レイは鞄から文庫本を取り出した。 文庫本サイズの童話集だった。 「・・・そう・・・ありがと・・・」 レイは童話集を鞄に戻した。 「綾波〜!、アスカ〜!、御飯出来たよ〜!」 二人はダイニングに移動して食卓についた。 アスカがシンジの対面に座り、レイがシンジの左隣に座った。 夕食後、レイは帰って行き、アスカは、自室に篭もり、シンジの事を考え始めた。 (あいつのどこが好きになったんだろ?) (主夫?自分の世話をしてくれるから?) 「う〜〜」 アスカは、それじゃまるで好きというよりもただ単に甘えているだけじゃないかと思い、否定しようとしていろいろ考えたが否定できずに、唸った。 (そうよ、他の要因を考えてみましょう、家事能力はシンジの付加能力に過ぎない筈よ) (エヴァの操縦技能?) (技能といってもただシンクロ率が高いだけで、まともに扱えやしない、却下) シンクロ率に拘り続けていたアスカだが、漸く気付いたのだろうか (命を助けられたから?) 「う〜〜」 これも否定できずにこのままでは、シンジにおんぶに抱っこされているような感じで、又唸った。 (ルックス) (上の下だが、言い寄ってきたものの中にはもっと上がいた、これも却下) ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ 「うご〜〜〜!!!」 ・・ 「アスカ!どうしたの!?」 「な、何でもないわよ!それより、お風呂の用意は出来たの!?」 「あ、うん、出来たよ・・・すぐに入る?」 「ええ」 ・・・ 「・・・シンジってアタシにとって、いったい何なんだろ・・・」 結論が出せず、アスカは蹲った。 2月25日(木曜日)、人類補完委員会、 「碇君、先の、初号機の覚醒」 「更には、SS機関を自ら取り込んだこと」 「しかし、それよりも」 初号機の理知的な攻撃の映像が流された。 「なんだねこれは?」 「資料による限り、サードチルドレンが操っているとは考えられん」 「説明してもらおうかね」 「お言葉ではありますが、暴走するエヴァを如何こうする力は人類にはありません。そして、初号機には多数のブラックボックスが搭載されたままです。返答しかねます」 「では、サードチルドレンの尋問を拒否した理由は?」 「資料にある通り、現時点で、サードチルドレンがファースト、並びにセカンドチルドレンと離れれば、再び戦力外になる可能性が非常に強く、又、サードの精神状態も不安定な部分が多く、余計な不安要因は入れるべきではないと判断しました。」 「それを決めるのは我々だ」 「残念ですが、起こってからでは遅いのですよ、今回我々の尋問も最小限に押さえているのはそういった理由からです。もし、この場で尋問を受けている際に発狂でも、しようものならば、その時点で、サードインパクトは決定なのですよ」 「まあ、良い・・・だが、碇、裏切りは許さん、分かっているな」 「裏切り?すべては、修正範囲内ですが」 「ふざけるな!」 「ドイツで建造中の伍号機と六号機を本部に輸送して初号機と参号機の代わりとすれば予定通りの戦力は揃いますが」 「う・・・」 「碇、今、余分な予算は無い、2体のエヴァで残る3体の使徒を葬れ」 「それは、サードの尋問は今後ともありえないととって宜しいですね」 「・・・ああ」 ネルフ本部、赤木研究室、 リツコはエヴァ3機のデータをチェックしていた。 「・・・初号機が凍結か・・・難しいわね・・・」 弐号機のシンクロ率が低下していることから、戦力的にかなりきつい。 「・・・シンジ君と零号機のシンクロもう一度試してみようかしら」 リツコはため息をついた。 「駄目ね・・・・レイの方が良いわね・・・」 吸っていた煙草の火を揉み消した。 昼、東京、東京帝国グループ総本社ビル会長室、 耕一の机の上は凄まじい量の書類やディスクが山積みになって埋まっていた。 良く見てみると、その中でパソコンが起動しており、耕一が情報を整理している。 「うみ〜〜!」 耕一が奇声をあげた。 主席秘書官室、 蘭子の部屋も同じように様々な資料で机が埋め尽くされており、蘭子がソファーで仮眠をしていた。 第2秘書官室、 耕一と蘭子の通常業務が榊原のところにしわ寄せられていた。 耕一の仕事は重要なものが多いが量は多い訳ではない、むしろ少ない、だが、蘭子は、多い。その上、榊原の仕事も多い。 ミユキ、コトミの二人が、重要度の比較的高い情報の整理に借り出されているため、上級秘書官は、榊原とユナのみで、二人は労働基準法とか言う問題ではない、1日20時間超労働を強いられていた。更に、中級秘書官も半分ほどが、重要度が比較的低い情報の整理に借り出され、中級秘書官の業務も空きが無く人手が借りれない状況になっていた。 今、この部屋では、有志で超時間外労働をしている中級秘書官6人が榊原の仕事を手伝っている。 榊原は、半分眠りながら判を押している。 かなり重要な判であるため、耕一、蘭子、榊原の3人にしか押すことが出来ない為である。 もちろんとんでもない書類に押さないように、完全により分けられてはいるが・・・ そんな中ついに榊原が倒れた。 中級秘書官達は慌てて駆け寄ろうと思ったが、直ぐに、メディカルセンターに連絡して仕事に戻った。 1分もかからずに医師達が雪崩れ込んで来て、榊原をメディカルセンターに搬送していった。 会長室、 「お〜い、耕一ぃ、手伝いに来たぞ〜」 蘭が手伝いに来たようだ。 「・・・蘭か・・・吉川達の方を手伝ってくれ・・・ターニアも」 「うん、分かった」 二人は会長室を出ていった。 「耕一さん、差し入れを持って来ました。」 耕一は本気で大汗をかいた。 「・・・ちなみに何ですか?」 「紅茶ですよ」 耕一は胸を撫で下ろした。 ルシアは紅茶と市販のケーキを耕一に渡した。 「頂きます」 耕一は紅茶に口をつけた。 「うん・・美味い・・・」 ルシアが機械に弱い上に凄まじいドジをすることを知っているので、あえて、手伝ってくれとは言わない。 「耕一さん、何か手伝えることありますか?」 モニターに榊原が倒れたことを知らせる文字列を見つけ外交に関するファイルを取り出した。 「・・・そうですね、外交の方をお願いします」 ルシアにファイルを渡した。 「じゃあ、行って来ますね」 ルシアは軽く笑みを浮かべて会長室を出ていった。 「あともう少しだ」 ・・・と言うことは、全体の量っていったいどれくらい? 「やはり最大のキーワードは、」 モニターには、碇ユイ、と言う文字列が複数表示されていた。 「ユイ君か・・・」 昼休み、第3新東京市、第3新東京市立第壱中学校2−A、 どうもあれ以来レイは積極的にシンジの側にいようとしているようで、アスカは少々危機感を感じていた。 ヒカリはいらついているアスカを心配そうに見つめている。 一方、ケンスケは、レイとアスカどちらが勝つか賭けを行っている。 現時点での比率は、レイ:アスカ:その他=45:54:1である。 レイは、その素直な性格とシンジへの過剰なまでの傾倒とNN兵器並みの破壊力の微笑みが評価され、アスカは、同棲(同居)とその行動力が評価され、一方その性格がマイナス評価されている。その他だが・・・霧島マナカムバックや、ヒカリ、トウジと決裂後、シンジに惹かれる等と言ったものが中心である。 もし、本人達にばれたらどうなる事やら・・・ シンジとレイが弁当を食べ終わった後、二人とも窓の外を眺め始めた。 ・・・ ・・・ アスカがシンジに近付いた。 「シンジ、」 「何?」 「帰りに、買い物付き合って」 シンジはレイに視線を移し、それから言葉を発した。 「良いよ」 「そっ、じゃあ」 アスカはシンジの側を離れた。 放課後、西武百貨店、婦人服売り場、 アスカはシンジを連れて買い物に来た。 シンジの両手には大きな紙袋がぶら下がっている。中はアスカの服で一杯である。 シンジはどうせいつもの事だし、片方くらい持ってほしいけど、言ったら罵られた上に殴られるんだろうな・・・と思い、軽く俯いてアスカの後を付いて歩き出した。 「シンジ、片方貸しなさい」 「え?」 シンジは一瞬アスカの言った意味が理解できずに立ち止まった。 「なんて言ったの?」 「アタシの荷物なんだから片方はアタシが持つわよ」 「なんで?いつもは両手に抱えきれない荷物を持たせても、こんな美少女のアタシの買い物のお供が出来るんだから、これくらいの荷物喜んで持つべきよよか何とか言って」 「そ、そんなの良いから早く片方貸しなさい!」 そんな事公衆の面前で言わなくても良いじゃないと、少し赤い顔をしてアスカは半ば無理やり片方の荷物をシンジから奪い取った。 「い、行くわよ」 シンジは釈然とせず、首を傾げたが、アスカについて歩き出した。 暫く歩いていたが、突然、アスカが立ち止まった。 シンジが何事かと視線を向けたその先には、高校生風の男が3人立っていた。 「そんな冴えないやつなんかほうっといて、俺達とどっか行かない?」 (冴えないか・・・そうだよな・・・僕って・・・アスカみたいな) 「ふ〜ん、じゃ、聞くけど、アンタ達、アタシに命の危険が迫った時、アンタ達は自分の命を盾にしてアタシを守れる?」 男達は一瞬何を聞かれたか分からなかったようだが、暫くして男の一人が口を開いた。 「もちろんさ、美しい女性を守るのは男の務めだろ」 アスカはにやりと笑みを浮かべた。 「出て来い!2課!」 直ぐに、6人ほどの黒服が現れた。 突然の事に男達は何か恐怖を感じているようだ。 「実弾を使用しても良いわ・・・で、もう一度言える?」 3人の男はぶんぶん首を振った。 「そっ、行くわよ」 「あ・・・うん」 なんだか良く分からないが、シンジはアスカに付いて先へと進んだ。 因みに、ネルフ本部保安部2課セカンドチルドレン班には、いつの間にやら、アスカ親衛隊又は、アスカ様の下僕達等の俗称が付いていた。セカンドチルドレン班は24名で4〜8名ずつの交代制、全体的に練度が高く優秀なメンバーが揃っている。ファーストチルドレン班は、16名で、4名前後の交代制、比叡を初めとして、保安部の古株が多く正義心溢れる者が多い。サードチルドレン班は32名で、6〜8名の交代制、3人のチルドレンの中で唯一自らで防衛手段を持たない上に、最も外部から狙われ易い為に、新たに、保安1課からの増員を加え、現時点で、保安部最強の班である。 展望レストラン、 シンジとアスカは軽食を取っている。 アスカは、ヒカリから聞いたトウジとヒカリの事を話している。 「で、ヒカリってば、トウジって呼んじゃって、まさに雨振って地固まるね、もう、あつ〜い、カップルよ」 シンジは顔を綻ばせ笑みを浮かべた。 そして、帰路でも、二人の手にはそれぞれひとつずつ荷物がぶら下がっていた。
あとがき う〜ん、少々話が飛んでしまった気が・・・・ 話の入れどころを間違えたかな? さて、トウジとヒカリの関係が良い感じで進行中です。 一方、シンジとレイは急速に進行しそう、対するアスカはどうするのか? このまま・・・行かないんだよな〜・・・・ 絶対話の並べ方下手だな、折角ああなったのに・・・ってのが多過ぎる。 次回予告 ネルフを混乱させたのは一つの電話だった。 存在しない筈のマルドゥック機関からのチルドレン選抜の報告。 東京がネルフの取り込みに向けて動き出した。 セカンドインパクト当日に生まれたと去れ、猫を連れた少年はシンジ達のクラスに転校して来る。 アスカは少年に何かを感じる。 再び3人の絆を脅かされる事に成るのか、 次回 第参拾参話 5人目の適格者