12月21日(月曜日)P.M.9:42、ミサトのマンション、シンジの部屋 シンジはベッドに寝そべってウォークマンを聞いていた。 轟音を上げて外をハリアーが飛んで来た。 (ん?何だろう?) どこか遠くで爆発音がした。 シンジは飛び起きた。 ベランダ、 アスカが裸で叫んでいた。 「何で!?、何で非常事態宣言が発令されないのよ!」 街の南の方で火事が起こっている。 「ホントにこの国ってとろいんだから!」 シンジがベランダに出てきた。 「敵は?新手の使徒!?」 「も〜、シンジもミサトもどこほっつき歩いてるのよ〜!」 「僕はいるよ」 「い〜」 「ゴ、ゴメン、その、頭隠して尻隠さず、何てね」 シンジはヤバイ事しっちゃったな〜と思いながら誤魔化そうとはしたが、 「Vielen Dank!」 アスカは一旦身構えた後、シンジに強烈な飛び蹴りを食らわした。 「うぐ」 シンジは吹っ飛び倒れた。 「くぇ?」 アスカが怒り、シンジが痛みで苦しむ中、相変わらず暢気な奴もいた。 12月22日(火曜日)A.M.7:50、第3新東京市、路上、 レイがシンジとアスカを交差点で待っていた。 「「おはよう」」 「・・おはよう・・」 「さっ、行くわよ」 「うん」 3人は学校へ向けて歩き出した。 アスカが二人の数歩前を歩き、シンジの真横左をレイが歩く、いつもの登校スタイルである。 「昨日の爆発事故に、正体不明の移動物体、いったいこの国の警察は何をしているのでしょうか」 「・・・管轄は、戦略自衛隊若しくは、国際連合軍、警察の出る幕ではないわ・・・」 レイが冷静に突っ込んだ。 確かに、街中に残る足跡らしきものを見る限り、警察では役に立ちそうに無い。 「ファースト、あれの正体知っているわけ?」 「・・・詳しくは分からないけれど・・・ロボット兵器だと聞いているわ・・・」 「どうして知ってるわけ?」 「・・赤木博士に聞いたの・・」 「なるほど、リツコか、ミサトは知らなくてもリツコなら知っている可能性は高いわけね」 アスカは何回か小さく頷いた。 「ネルフは?」 「・・原則としてノータッチ、但し、ネルフ関連施設が攻撃、若しくはその恐れがあるときは、攻撃が出来るわ・・」 「JAみたいなもんかな」 「JA?」 「あ、日重の作ってたロボット、アスカは知らないか」 「知らないわよ」 そのまま、話を続けながら、通学路を歩いた。 レイが自ら話し掛ける事は殆ど無いが、レイに話し掛ければ何らかの答えが返ってくるので、一応会話は成立している。 A.M.8:31、第3新東京市立第壱中学校、2−A。 今日、転校生が来るらしい。終業式は、明日なのに・・・ 老教師が教室に入って来た。 「起立!」 「礼!」 「着席!」 「今日は皆さんに転校生を紹介します。」 転校生が教室に入って来た。女の子だ。 「霧島・・マナです。宜しく御願いします。」 「宜しゅう」 トウジの反応にクラスから笑いがこぼれた。 「はい宜しく、霧島さんの席は・・・碇君の横の席に座って下さい。」 マナがシンジの横の席に座った。 「碇君、ね。」 「え?」 「ふふ、可愛い」 マナは笑ったが、シンジは突然の事に戸惑った。 「宜しくね、碇君」 クラス中からシンジを冷やかす声が聞こえた。 「む〜〜」 只、アスカの視線だけはきつかったが・・・。 休み時間、 「担任の先生が優しそうな人で、私安心しちゃった」 マナは人懐っこい笑顔を浮かべてシンジに話しかけてきた。 「良かったら碇君の下の名前教えて」 「・・シンジ・・・・碇・・・シンジ」 「シンジ君ね」 「本日、私、霧島マナはシンジ君の為に午前6時に起きて、この制服を着て参りました。」 「どう?似合うかしら?」 マナは1回転その場で回転し、尋ねた。 「・・うん・・」 「ねぇ、この学校って屋上出られるの?」 「・・まあ・・」 「私シンジ君と眺めたいな〜」 アスカが青筋を浮かべて近付いて来た。 「女の子なら誰でも良いって感じね」 「な、何アスカ、なんか用?」 「来た早々、ファーストネームで呼ばれるなんて、幼なじみかしら?」 「たまたま、話があっただけよ」 「シンジ君、屋上行こ」 「・・うん・・」 「む〜〜〜!」 アスカは不満を顕にしていた。 屋上、 「・・・綺麗ね・・・」 マナは、景色を見ながら呟くように言った。 「第3新東京市は」 「違う」 マナはシンジの言葉を遮った。 「え?」 「山よ、」 「山?」 「町の向こうの山、自然が残ってる」 シンジは山を見た。 確かにとても大都市の直ぐ側とは思えないほど緑が残っていて綺麗である。 しかし、実際は、その下には様々な防衛施設やエヴァ関連施設が隠されている。 「・・・風景なんてゆっくり見た事無かったよ」 「シンジ君エヴァのパイロットだもんね」 「し、知ってるの!?」 「誉めてくれる?」 マナは無邪気な笑みを浮かべた。 「あ・・・そ、そうだね」 「私ね・・自分が生き残った人間なのに何にも出来ないのが悔しい・・・羨ましいのよシンジ君が」 「・・・そう・・・」 「・・碇君、実験の時間・・」 「うわあ!!」 「きゃ!!」 何時の間にかレイが二人の直ぐ後ろに立っていた。 二人とも全く気付かなかった。 「シンジ〜!!」 アスカが階段を掛け上がって来た。 「ネルフ本部に・・・ファースト」 「碇君」 「あ、霧島さんごめん、僕これからエヴァの実験で」 「実験?」 マナは何か聞きたそうな顔をした。 「あ、あの、エヴァってのは」 「碇君、機密情報を外部に漏らした場合、処罰されるわ」 「あ・・そうだね、ごめん、兎に角行かなくちゃ行けないんだ、また、明日」 アスカはマナを睨み付けていた。 3人はネルフ本部に向かった。 その後、非常召集が掛かり、3人はネルフ本部に向かった。 第3新東京市環状線、普通電車内。 アスカ、シンジに絡み中。シンジはウォークマンで音楽鑑賞中、レイは読書中。 「デレデレしちゃってね〜、良いわね〜もてる人は」 「全く、あの霧島って子も嫌らしいわね。来た早々、男にちょっかい出してさ〜」 「ちょっと、音楽ばっか聞いてないで人の話も聞きなさいよ!」 「ん〜?」 女の子の影が見えた。 「こんにちわ」 「き、霧島さん」 「来ちゃった」 マナは微笑んでいる。 「来ちゃったって、でも、授業は?」 「学校退屈なんだもん、私もネルフに連れてって」 とんでもないことを言い始めた。 マナが凄まじい恐怖を感じて跳び上がった。 シンジとアスカが何事かと見まわすと、レイがマナを凍れる視線で睨んでいた。 単なる無表情なのだが、なぜか半端じゃなく怖い・・・ マナは小刻みに震えている。 肌に当たる空気が冷たい。 まるで、猛獣と同じ檻に入れられる方がマシかもしれないと言うほどの恐怖である。 直接向けられていないシンジとアスカでも、怖い。 (な、なんなのよファースト・・) シンジは、レイの視線の意味に漸く気付いた。 「あのさ・・綾波、そんなに警戒する事無いよ」 「・・・そう・・・」 レイは視線を本に戻した。 車内の気温が元に戻った気がする。 レイの警戒の視線から解放された、マナが座り込んでしまった。 (もうちょっとで漏らすとこだった・・・) ネルフ本部第4ゲート前。 「お先に」 アスカとレイは先に入って行った。 「入ろ」 「霧島さん、駄目なんだ、ここから先はIDカードが無いと入れないんだ。」 シンジは困った顔をしながら言った。 「こうすれば通れるんじゃない?」 マナが後ろからシンジに抱きついた。 「あっ」 「これで1人分でしょ」 「あ、う、でも、ネルフの人以外は」 シンジの顔は赤くなっている。 「シンジ君、優しい☆」 その後、結局、シンジはマナを中に入れて、自分が実験をしている間は第6男子ロッカールームで待っているように言いつけた。 P.M.4:36、ネルフ本部中央回廊、 マナが壁に隠れながら様子を窺っている。 「何をしている」 マナが振り向いたその先には、碇が立っていた。 「ひっ!」 碇が怖くてマナは逃げ出した。 「・・・・ふっ・・・問題無い・・・」 あからさまに怖くて逃げられた事が分かった碇はどこと無く淋しそうだった。 P.M.5:25、今日の実験が終了して、シンジがロッカールームに戻ると既にマナの姿は無かった。 《シンジ君へ、先に帰ります ごめんね マナより》 張り紙が張られていた。 「結局、霧島さん何しに来たんだろ?」 P.M.7:24. ネルフ本部、セントラルドグマのどっかの通路。 マヤは見なれない女の子を見つけた。 「あら?貴女は?」 「え?」 マナである。 「迷子になっちゃたんですけど。」 マナは泣きそうな顔で訴えた。先ほどはそんな顔はしていなかったが、マヤはそんな事には気付かなかった。 「貴女は?」 「わ、わたし、霧島マナって言います。」 「あ、なるほど、シンジ君と一緒に入って来た子ね」 「え!?」 マナはばれていた事に驚いた。 「ネルフ本部は全てスーパーコンピューターマギの管理下にあるのよ、」 「・・・済みません」 「まあ良いわ。これから私も帰るから一緒に出ましょうか?」 仕方ないと言う感じで言った。 「御願いします」 マヤはマナを連れて本部を出た。 12月23日(水曜日(きいろの日)) 今日の終業式は、校長が風邪を拗らせて入院した為に普段の半分ほどで終わった。 午後、第3新東京市立第壱中学校の図書室。 シンジはマナと待ち合わせをしていた。 そして、二人で、色々と話している内に、話が膨らんできた。 「あっ、そう言えば、初詣に皆で一緒に行かない?」 「えっ、初詣?」 「そう、伊勢神宮に、僕は別に近くで良いんだけど、アスカがどうしてもって言い出したことなんだけど」 「嬉しい!」 「詳しい事が決まったら、連絡するよ。・・電話番号教えてくれる?」 「うん。」 マナはシンジに電話番号を書いた紙を渡した。 その夜、ミサト宅。 アスカがホワイトボードまで持ち出してきて、何だかマナについて力説していた。 「霧島マナはスパイよ。」 アスカは指示棒で、ホワイトボードに書いたマナを指した。かなり、アスカの偏見とか何とかが入った関係図と似顔絵だが・・・。横にある三角の目の女性は誰だろうか・・。 「そんなの嘘だ。」 「霧島さんって、シンちゃんのこれでしょ」 小指を立ててミサトがからかいに入った。 「ま、未だ彼女と決まったわけじゃ」 シンジが照れながら俯いた。 「転校生なんだってね」 「そこよ!あの謎の移動物体が現われた翌日に転校して来た。」 アスカが指示棒でホワイトボードを叩いた。 「何か満たされないシンジに、私を貴方の女にしてぇ〜とか何とか言って接触!」 アスカのテンションが上がっていく。 「エヴァ初号機のパイロットであるシンジから、エヴァに関する情報を執拗に聞き出そうとしているのよ!!ネルフ本部に侵入したのが良い例だわ!!」 「ちがうよ」 「面白そうね、今度家に連れてきなさいよ。おね〜さんが見てあげるわ。」 ミサトは陽気である。 「あっ、僕はそんなつもりじゃ」 「シンちゃん照れてる〜」 アスカが机を叩いた。 「甘い!あの女に絶対防衛線を突破された日こそ、地球最後の日となるのよ!」 余りにマナを悪く言い続けるアスカに腹が立って来た。 「アスカなんて・・嫌いだ」 「・・碇君・・・弐号機パイロットは貴方の事がとても心配なのよ・・」 シンジの左に座っているレイが言った。 アスカが又机を叩いた。机の上に置かれていたコップに入っていたジュース等が飛び散った。 「誰が!心配するもんですか!」 アスカは部屋を出て行った。 「い〜だ!」 アスカは襖を勢い良く閉めた。 「シンジ君、霧島さんの事、信じてるのね」 「はい」 「シンジ君の判断に委ねましょ、私達の任務は人を疑う事じゃないわ。何が大切なのかは自分で良く考えて行動するのよ。」 ミサトは諭すような口調で言った。 その後、シンジはレイを送って行く事にした。 歩道を歩いている。 レイはシンジの左側を歩いている。 (霧島さん・・・・彼女は、碇君にとって特別な存在になるの?) 「行動するったってアスカが邪魔をするに決まってるんだ。」 「本当に心配してるのかな?・・・綾波はどう思う?」 横を車が通り過ぎた。 ・・・ 「・・そうね、弐号機パイロットは確かに貴方の事を心配しているわ。・・・霧島さんに関しては、何とも言えないわ・・」 相変わらず表情が読めない。 上空に消音ヘリが飛んでいる。 「そう・・・・」 「・・ただ・・・」 「何?」 「・・・戦略自衛隊がネルフにスパイを送ったという未確認の情報はあるわ・・・それが霧島さんに関わっている可能性は、そんなに低くは無いわ・・」 「綾波って冷たいんだね」 「・・冷たい?・・・感情を無視して行動を起こす事が冷たいのだとしたら、私には当てはまらないわ・・」 「そうなの?」 レイは頷いた。 「・・私には霧島さんとの絆が無いから・・」 「・・・・それもそうか・・・・でも、霧島さんとも仲良くしたほうが良いよ」 レイは少し考えたようだ。 「・・碇君はその方が良いと思うの?」 「うん・・・可能性だけで人を敵視したり、敬遠するのはいけないことだと思うから」 「・・・そう、そうなのね」 「綾波、」 「・・何?」 「もし、霧島さんがスパイだとしたらどうする?」 「・・ネルフの敵ならば排除するわ・・」 「そう・・・・」 「・・でも、」 「でも?」 「・・調査目的によっては別の方法を取るかもしれない・・」 「調査目的?」 レイは頷いた。 綾波宅前 「じゃ、御休み。また」 レイは軽く頷いて、中へ入って行った。 (それにしても、この家大きいよな。) シンジは帰路についた。 12月24日(木曜日(魔導国友好記念日、クリスマスイブ))朝、東京帝国グループ総本社ビル会長自宅ルシアの部屋。 因みにルシアの部屋は東に窓、西に1箇所だけドア、面積は南北が10メートルぐらい、東西が25メートルぐらい、(約150畳間)北側が蘭の部屋でその更に北がターニアの部屋南が耕一の部屋。ルシアの部屋には色々と家具等があるが、北側の壁に大きな本棚が10個並んでいて、蔵書数は、約5000冊。南側にも本棚が有るが、こっちは雑誌など。所々に花瓶があり白い小さな花を咲かす花がいけられている。この花は、実は新種と言うかなんと言うか名目上は未発見種、学会に報告されていない花で系統が全く不明の花、通称ルシア草。後は特徴的な点は・・・特に無いかな? ルシアは目を覚ました。 ルシアはベッドから出てリモコンのボタンを押した。 カーテンが開かれ快晴の空が現われた。朝日が眩しい。 「良い天気・・・」 例年通り、12月24日はしなくてはいけないような事は特に無い。 ルシアは、着替えをして部屋を出た。 リビングダイニング、 面積的にはパーティーが出来るような面積で南北が30メートル東西が20メートル、横に最新のシステムキッチンが有る。 「姉さんおはよ」 蘭が挨拶した。 「おはよう、耕一さんは?」 「さあ、あいつの事だから今日は未だ寝てるかな?」 「かも知れないわね。」 「誰が、寝てるって?」 耕一が突然現われた。 「ひゃぁ〜!」 蘭が吃驚して悲鳴をあげた。 「おはよう御座います、耕一さん」 「おはよう御座います。」 ターニアが、猫がプリントされたパジャマのまま歩いて来た。 「ふぁ〜あ、おはよ〜」 「おはよ」 そして、朝食の準備中、 蘭は野菜を炒めている。 「姉さん、皿出しといて、」 「うん」 ルシアは食器棚から皿を取り出そうとしたが、 「あっ」 「げっ!!」 食器棚に並べられていた皿が一列まとめて落ち、床に当たり全て砕け散った。 「トロ姉!何やってんの!」 「なんだ?如何し・・・」 床には50枚の皿の破片が飛び散っていた。一枚5万円ぐらいの物であるが・・・。 「あれ〜、最近やってないと思ってたけど、遂にやっちゃったか」 「ふみ〜ん」 「何可愛い声出してんだよ!さっさと片付けるもん持ってきて。」 「はい〜」 「蘭、煙でてるぞ」 「何ぃー!」 野菜が真っ黒焦げ。 朝っぱらから慌しいこったで。 耕一は家を出て会長室の方へ行った。 「「「「「おはよう御座います。」」」」」 上級秘書官5名は既に会長室で待っていた。 「おはよう」 耕一は椅子に座った。 蘭子がスケジュールを報告し始めた。 「本日の予定は18:00より開かれる魔導国友好記念祭のみです。」 「パーティーは22:00には終わる予定です。」 「欠席だ」 「しかし、A.S.14年度もA.S.13年度も欠席で今回もとなると日本政府が厄介ですが」 「家族で誕生パーティーを開く事もできんのか。それ以前に、もうあいつ等もここに向かっているんだ。今更」 「しかし、会長、使徒の件を考えますと日本政府の面目も立てておいた方が良いのでは?」 榊原が進言した。 「内閣総理大臣に電話しろ。」 ・・・・ 『はい、』 「今日の、魔導国友好記念祭、もしも我々にも参加して欲しければ、14:00から18:00までにしろ。」 『暫く御待ち下さい』 ・・・・ ・・・・ 『申し訳ありません、やはり無理です。』 「そうか、では又いつかな、その時は昼からにしてくれ、毎年この日は夜は家族でパーティーをする事に成っているんだ。」 『では、失礼します。』 耕一は電話を切った。 「ところで、A−001の件ですが、間も無く完成します。」 「そうか・・・サハクィエルの前に出来ていたら有り難かったんだがな・・・」 P.M.7:15、会長宅LD 既に、救也、レイラ、可憐、裕也、雄佐、蘭子、和也、沙羅、エリ、レンコが来ている。 後は雷也と理香の到着を待つだけなのだが。 やっぱし凄いメンバー、サミット並、ここを襲撃されたらどうなるんだ?・・・・・返り討ちか・・・ ドアが開かれ雷也と理香が入って来た。 そして、ルシアの誕生日を祝う会が開かれた。 P.M.11:36、耕一の部屋。 ルシアと耕一の二人はベッドに寝そべっていた。 「耕一さん」 「何ですか?」 「あんまり女の子にちょっかい出しちゃ駄目ですよ」 (ギクッ!!!!!!!!) 「ふふ」 ルシアは上半身を起して、耕一の頭を膝の上に乗せた。 「ルシアさん」 「何ですか」 「暫くこうしていてくれませんか?」 「はい」 やがて耕一は眠りに落ちて行った。 12月25日(金曜日(クリスマス))、A.M.0:00、第3新東京市ミサト宅シンジの部屋。 赤いサンタの服を着込んだアスカが大きな白い袋を持ってシンジの部屋に飛び込んで来た。 「シンジィー!メリークリスマス!!」 「うわぁあ!」 シンジは突然の事に吃驚した。 直に机の上に置いてあった伊勢観光マップを隠した。 「メリークリスマス」 「め、めりー、くりすます」 「はいプレゼント、」 アスカは袋の中からプレゼントの包みを取り出してシンジに渡した。 因みに袋は発砲スチロールで一杯だった。 「開けて良い?」 「良いわよ」 シンジは包みを開けた。 中には東京第1エレクトロニクスの最新型のウォークマンが入っていた。東京第1エレクトロニクスの製品は性能は良いが値段は市場価格の5割増ほどである。 「これ、本当に良いの?」 「良いわよ。但し、」 「但し?」 「但し、あの霧島って子の事忘れなさいよ」 「・・・」 「じゃあ、御休み」 アスカは部屋を出て行った。 (・・・・アスカこの為にわざわざ着替えたの?) 年度末と言う事で、東京リサーチグループが色々な調査結果を発表した。 葛城ミサト 戦略指揮能力 E+ 戦術指揮能力 C 個人戦闘能力 B+ 実績 E− かなりの下方修正である。 赤木リツコ 創造力 A 分析能力 AA+ 応用力 AA− 指揮能力 A+ 功績 A− 現役ランキング 1位 歴代ランキング 36位 凄いの一言である。 伊吹マヤ 創造力 C 分析能力 A− 応用力 B+ 指揮能力 C なかなかである。指揮能力が低いのは役職と階級のせいであるので、実際はかなりのものである。
あとがき マナが転校してきました。しかし、タイムコードの関係上、冬休み直前に・・・デートは芦ノ湖では無く、アスカの我が侭で、伊勢に行く事になりマナがそれについていくという形に、 なにやら、レイとの仲が本編より良く、マナの存在価値がかなり薄くなりそうな予感。 次回予告 伊勢行きは中止され、耕一達の年越しパーティーに出席する事になった。 ホテルの屋上で、耕一がレイに教えた事、それは、レイの心に深く残る事になる。 一方、アスカとマナは衝突を繰り返す。 次回 第弐拾参話 分岐点