『!シンクロ率急上昇、80%・・100%、まだまだ上がります!!』
シンクログラフを見ていたマヤが叫ぶ。
「!!いけない、シンクロカット!!」
リツコが叫びながら指示を出す。
『だめです信号受け付けません。シンクロ率360%・・・400%』
『自我境界線突破!!!シンクロ率400%で安定しました・・・』
マヤはなんとも言えぬ顔で報告する。
『プラグとの通信を確認!映像をメインモニターに回します』
日向がパネルを操作しプラグ内の映像をモニターに回す。
「そんな・・・・」
ミサトが絶望的に呟く。
プラグ内にはさっきまでシンジが着ていた制服が漂っているだけだった・・・・
≪初号機内≫
(ここは・・・エヴァの中?前来たときはこんな所じゃなかったような・・・・)
(待っていたぞイカリ・シンジ・・・・)
シンジの後ろから神々しい青年ぐらいと思われる声が聞こえてきた
(!?だれ!!)
シンジが声をしたほうを見ると白銀髪、碧眼で二十歳くらいの青年が立っていた。
(待っていたぞイカリ・シンジ・・・・)
(なぜ僕の名を?)
(貴様が我と同化した時に記憶も取り込んだ。貴様が何をしにここに来たのかも知っている。)
(それじゃあ話は早いや、僕に協力して欲しい。)
(・・・断る!)
(!なぜ!?)
(貴様は闘う覚悟はあるか?)
(僕は自分の目に映る大切な人たちを守るためなら命を捨てでも闘う覚悟はある!!)
シンジは力を込めて叫んだ。その瞳には決意が宿っていた。
(・・・・だめだな!!)
(な!?・・・一帯何がだめなんだよ!!)
“彼”はシンジの問いには答えず。手を前にかざした。するとそこに黒い空間が生まれその中から黒漆の鞘に納まっている刀を取り出した。
(ちょっと待ってよ僕は争いにきたんじゃない!!)
(貴様はさっき『命を捨てでも闘う覚悟はある』と言ったな?ならばその覚悟見せてもらおう。貴様が勝った言うことを聞こう。だが負けた時は・・・・死だ!!!)
(!?ちょっと!!僕刀なんて持ってないよ!!)
(すでに貴様は持っている)
(え!?)
言われてシンジは辺りを見回すとそこにはあの刀がすでに存在していた。
(なぜこれがここに?)
シンジは刀に手を伸ばす。
(また力を貸してくれるんだね?)
シンジは、その刀をにぎり構える。
(僕は四神居合い流碇シンジ・・・・勝負!!)
シンジは“彼”の懐に飛び込み第一撃を放つ
バキンンンンンン!!!!
しかし軽く流されそのまま“彼”の縦に切りつける反撃を食らう。
シュッ!!
シンジは“彼”の攻撃を紙一重でよける。
だがその後を追うように刃を返し横に薙いだ“彼”の一閃を刀で受け止めるが力で押され後ろに吹き飛ぶ
ガギィィィィィンン!!!ズザザザザザザザ!!
(ゲホ・・ゲホ・・くそ!)
(どうした?もうお終いか?)
(ウオォォォォォォォォォォ)
シンジは再び“彼”に向かって走り出す。
このときシンジは自分のはるか後ろにある、人が三人は余裕で寝れそうな大きなベットで人影がもぞもぞと動いたのに気がつかなかった・・・・
≪ベット≫
人が三人は余裕で寝れそうな大きなベットに外見からして二十歳前後の女性が寝ている
(う〜〜ん!!!)
小さな呻き声を上げ、女性が上半身だけ起き上がった。
(も〜うるさいわね)
『ユイ、覚醒・・・・』
≪発令所≫
『ウオォォォォォォォォォォン』
『初号機、再起動!!』
『自ら顎部拘束具を引きちぎりました!!』
「パイロットがいないのに動くはずないわ!!・・・まさか!・・・暴走!?」
リツコは何かに気づいたように叫ぶ。
「勝ったな。」
「ああ・・・」
ゲンドウと冬月は初めからわかっていたような口調で話している。
初号機は眼前に迫った使徒に対して四つん這いになった状態から体当たりでその差を詰める。しかし、それを前もって予測していたかのように使徒の前にA・Tフィールドが展開され初号機はA・Tフィールドにぶち当たる。
「「A・Tフィールド!!」」
リツコとミサトが同時に叫ぶ。
「やっぱり使徒も持っていたんだわ」
ミサトは何もできない自分に地団太を踏んだ。
「フィールドを張っている限り使徒には近づけない!」
リツコも悔しそうに呟く。
『初号機もA・Tフィールドを展開!位相空間を中和していきます!』
驚きマヤが叫ぶ。
「初号機が!!?」
ミサトが驚き声を上げる。
「違う・・・侵食しているんだわ・・・・」
リツコはただ呆然とモニターを眺めた。
初号機は目の前に現れた壁を両手で無理やりこじ開けるように開いた。
その瞬間使途の目が光りビームが打ち出されるが初号機のA.T.フィールドに跳ね返され使徒に当たり後ろに飛ぶ。
そこに初号機が飛び上がり空から使徒のコア目掛けて両膝を立て落ちる
ビシッッッ!!!
使徒のコアが音を立てる砕けた。
その瞬間!!使徒が蛸のように初号機に巻きついた。
「まさか・・・自爆!!!!??」
カッ!!ドッ!ズドーーーーーーーン!!!
使徒が引き起こした爆発は上方にのび、その先端は十字でまるであのイエス・キリストが張り付けにされたという十字架のようだった・・・・・
「葛城一尉・・」
今まで黙ってみていたゲンドウがミサトに声をかける。
「は、はいなんでしょう?」
「初号機の回収を急げ」
「し、しかし・・」
ミサトが何かを言おうとしたが、ゲンドウの『これは命令だ』の一言には従うしかなかった。
この五時間後シンジは自力でエヴァの中から戻ってきた。