*「変だぞ?キャンセルしたんじゃなかったのか?」 ※「後で調べておきます。」【第三新東京駅】 「この町に、若き才能の集う音楽堂が所在する。」 「コンサートホールの舞台に立つなんて、胸がドキドキする。」 【国立音楽劇場】 「こんな大きなコンサートホールで演奏するの?」 「参加者は32名、僕達は8番目だ。」 【国立音楽劇場・控え室】 「初めて着るんだけれど、何だか結婚式みたいだ……。」 「似合っている、君はとても可憐だよ。」*「男に可憐と言ってもなあ…。」 ※「言われた方もなんだかなぁ…。」遠くから観客の拍手が聞こえる。 「膝が震える……汗が滲む……手が滑ったらごめんね。」 「シンジ君に限って、それは無い。」 「そんな……。」 「君はかなりの弾き手らしい。」 「家で気まぐれに弾く程度なのに……そんな話、誰から聞いたの?」 「君の事は何でもわかるよ。」 【箱根・小涌谷・渓谷】 「この寂しさはなんだろう。」 「孤独という感覚は、大人になる成長過程で、誰もが体験する。」 「大人になりたくないって言ったら?」 「‘喜び’を知れば背伸びさえする。」 「よろこび、か……。」 「彼女とは、また学校で会える。」 「わかるよ……でも。」 「僕の気持ちを考えた事、あるかい?」*「♪悪魔のブルースを唄う、俺の気持ちがわかるかい?」「カヲル君の気持ち?」 「傷つきやすい天使なんだ。」 「そうか。」 シンジは想像した。翼を広げたカヲルに抱き上げられる自分を。 「カヲル君の痛みを考えた事は無かった。」 「君の事が好きなんだ。」 “カヲル君に抱かれたら……僕は優しくなれるかもしれない……。”※「如何にも腐女子の喜びそうな絵ですな。」