【シンジの自宅・台所】 台所を確認するトウジ。 「シンジの家、いろいろ揃ってんな。」 「探し物?」 「棚の中の金属ボウル、貸してくれ。」 「いいよ。」 【シンジの自宅・居間】 居間。シンジとヒカリが手早く餃子を包む横で、アスカは一人苦戦している。 「ムムムムムッ、ムズい。」 「皮を合わせるところを水で濡らすの。」 「フムフム、成る程。」 「何個ぐらい作る?」 「みんな育ち盛りでしょ、全部包もうよ。」 台所の方からトウジの声が。 「ヒカリ。」 「なあに?」 「出来た分、持ってきてくれ。」 「『ヒカリ』、だって、グフッ。」 「ファースト・ネーム呼び捨て……。」*「お前らも同じだろ。」台所で仲睦まじいトウジとヒカリ。それをこっそりとのぞき見するシンジとアスカ。 「お、ええ感じ。この金魚みたいに膨らんだヤツがヒカリのやな。」 「やだ、もう。」 「トウジが台所に立って料理している……。」 「あ〜あ、私も誰かの愛で包んで欲しい。」 そんなこんなで夕食は完成した。 「今日はお祝いや!ワシら4人の友情に乾杯するで〜、シンジからどうぞ!」 「どうも……何のお祝い?」 「餃子記念日!」 「僕達の餃子記念日に……。」 「「「かんぱーい!」」」*「この餃子、みんながいいねと言ったから、今日はみんなの餃子記念日:田原総一郎(嘘)」 ※「♪今日は〜私の〜餃子記念日です〜。」テーブルに並ぶ餃子を食べる一同。 「焦げ目の部分が歯応えが軽い。香ばしくて美味しいね。」 「焼く時に片栗粉をちょっと加えるんや。んー!うまい!」 「おいしい、ドイツ人もビックリ。」*「♪インド人も〜びっくりだ〜。」「みんなで作ったから美味しさも2倍3倍なのね。」 「餃子って楽しい。」 「精もつくで!夜なんか、もうギンギン!」 「それが目的だったりしてね。」 「恥ずかしい。」 「ええやないか。これから先、何があるかわからん。こんな世の中やから、体力をつけて強く生きな。」 シンジは箸を置いた。 「アダムって知ってる?」 「アダム、光る人間のアレか。テレビでやっとるな。雪男とか、ネッシーとか、そんな話やろ、アホらしい。」 「僕は見たんだ。」 「今、考えんでええ。明るく楽しくしたら、それでええやないか!」 「何ムキになっちゃって。」 「餃子喰えや!腹減ってイライラするやろ。」 「何だか美味しくない。」 「トウジ、私が知らない話だから、気を使ってるの。」 「ええって……。」 「人造人間エヴァンゲリオン。人類の為なのよね、きっと……。」 「ヒカリは気にすんな。いつまでも笑顔でおってくれ……。」 「トウジと委員長は、この肉汁のように熱々なんだな……。」*「山田君、座布団一枚。」「よ!ご両人!お熱いでげすな!」*「げす!?下衆と申されたな!!」 ※「それはもうええっちゅうねん!」「やだな恥ずかしい。」 トウジとヒカリは顔を真っ赤にした。 【駅前通の公園】 4人が夜道を歩いている。 「ワシら、あのバケモンと戦う事になるんやろか。」 「そう考えるのが自然だろうな。」 「それがワシらの運命か。」 「まだ時間はある。」 「残された時間は、めっちゃ少ないんやろ?」 「今夜も大切な時を過ごしていると思う……。」 「そやな。何でも大人の言いなりはアホ臭いもんな……ワシとヒカリはここで帰るわ。」 「碇君、今日は色々とありがとう。」 「ごちそうさま。」 「夜はこれから。大切な時間を過ごしてね。」*「夜はまだまだこれからだぜえ!!」4人はそれぞれのカップルに別れて家路に着いた。