【シンジの自宅・居間】 シンジが着替えていると、アスカが乱入してきた。 「あら、ママから置手紙?」 シンジに抱きつくようにして手紙を見るアスカ。*「器用なやっちゃな。」「着替えの邪魔したら、遅刻しちゃうよ。」 「何々?シンジへ。今日は研究所の仕事で帰る事ができません。松代へ出かける為一泊します。食事はいつものように外で食べてください。母より。」 「久し振りの留守番で夜更かしもできるし。晩御飯はコーラとポテトチップにしようかな。」*「それがメシか!」「今夜はシンジの家に泊まる。」 「えっ?」 「襲ったら殴るからね。あと、夕食は私が作る。放課後、買出しに行こう。」 【第壱中学校・音楽室】 「別の約束があって、演奏会には行けそうにない。」 「仕方ないさ。僕一人で行くよ。」 「カヲル君、すまない!ごめん!」 「別の約束って誰?」 「えっ……誰って……。」 「碇くんと遊びたかったのに。」 【新吉祥寺・サンロード】 繁華街に腕を組んで歩いているシンジとアスカの姿が。 「その大きな荷物は着替えなの?」 「本気で泊るんだから。変な気、起こさないでね。」 「変な気ねえ。」 「さて、晩御飯は何にしようかな〜♪」 と言いながらいきなりクイズを出した。 「さあ問題です。料理の材料が手に入るお店と言えばどこでしょう?」 「食材といえば、SAYYOUかな……。」 「ぴんぽーん。」 「目的地はSAYYOUだね。」*「♪SAYYOU、SAYBOO、TAKASHIMAYAH!」早速SAYYOUに向かう二人。 その中でシンジは街行く人の動きの慌しさが少し気になった。 【サンロード・一丁目二番】*「♪イッチョメイッチョメ、ワーオ!」人々の喧騒が聞こえてくる。 「街頭のテレビに大変なものが映っているらしいぞ。」 「見に行ってみようよ!」 【サンロード・三丁目三番】*「♪一度はおいでよ三丁目。」街頭のオーロラビジョンにニュースが流れる。画面には光の巨人の映像。 「これが独自に入手しましたアダムの映像です。」 「悪魔の姿だぞ!何とおぞましい!」*「誰だ、この田所教授って?」「我々人類はどのような対策を取ればいいでしょう?」 「アダムの目的はイブとの接触じゃ。どこかに居るのだが未だ不明。人類は巨大ロボットでアダムの恋路を阻止するしかない。グフフフ……実はある秘密を握っている。視聴者の皆さんに伝えたくて、このような放送を……。」 言葉を遮るようにモニターにノイズが走って、何事も無かったようにキャスターが。 「大変失礼しました。お知らせのあとは、可愛い動物の赤ちゃん、パート2。」 「アダムか。」 「シンジって、そういうの好きね。」 【SAYYOU・生鮮食料品売り場】 夏野菜や色鮮やかな果物、鮮魚に精肉が並ぶ。アスカは生鮮野菜の棚を真剣に眺めている。シンジはその荷物持ちだ。 右手にキャベツ、左手にレタスを持って悩むアスカ。*「♪右手にピストル、左手に花束、唇に血の酒、背中に人生を…。」「これがレタスで、こっちがキャベツ……。」 今度はニシンとイワシをつまんで見比べる。 「えっと、こっちがニシンで、こっちがイワシ……。」*「やってTRYに出したらさぞ見物だな。」「どんな料理にするつもり?」 「材料を見てから決めるの。」 「大失敗のゲテモノ料理かな。」 「うっさいわね!火を通せば、なんだって喰える。」*「元気があれば、なんでもできる!」と、そこにトウジとヒカリが現われた。 「私達、これから夕食の仕度なの。」 「まさか!」 「同居生活に突入?」 「ちゃうちゃう!親が研究所勤めで留守やから、晩飯、付きおうてもろたんや。今夜だけやがな。」 「そうか、トウジもやる時はやる。うん、うん……。」 「シンジかて、惣流と何してんねん。」 「ちょっとね……。」 「アスカもお買い物?」 「シンジの家で夕食するの、一緒にどう?なんちゃってネ。」 「一緒に?」 「そうだよ、うちにおいで!アスカの実験料理より数倍、いや数百倍!数千倍!いい!」 「ムムムムッ。」 「そうねえ……。」 いきなりヒカリにスポットライトが。*「今週のスポッ…………トライト!」 ※「今週のビックリどっきりメカ、発進!」“アスカと碇君を見れば刺激になるよね。トウジ、時々静かになっちゃうし……4人で過ごせば気まずくならないし……。” 意識を戻すヒカリ。周囲の喧騒が戻ってくる。考えた末に。 「楽しいかも。」 「シンジが良かったら、ワシらそれでもええで。」 「決まったね。」 「私達、碇君の家にお邪魔します。」*「今宵、貴女の家にお邪魔します……It's Deamon's Night!」 ※「♪お邪魔しますます、お邪魔しますます、やぁ〜まだ、山田君。」【シンジの自宅・シンジの部屋】 シンジはいきなりアスカをベッドの上に押し倒した。 「もう我慢できない!」 「やめて、いきなりはイヤ!」 「過ちだとわかっていても、僕のリビドーを抑える事は誰にもできない!これは青春の1ページなんだ!」 「ムードを考えんかい!ボケッ!段階を踏むんじゃ!」 アスカの蹴りを喰らうシンジ。 頭蓋後頭部を強打した碇シンジは一週間の後に意識を回復、治療に専念。1ヵ月後に社会復帰を果たしたが、エヴァのパイロットを降ろされ、除隊させられた。 シンジ「モラルの大切さが身に染みてわかりました……ガクッ……。」