【ネルフ本部・中央作戦発令所】 突然の警報。 騒然としている発令所ではオペレーターからの報告が飛び交っている。 「太平洋上から接近する物体有り。」 「MAGIによる解析を実行中。」 「警戒モードCに切り換えます。」 モニター上に海面を航行するガギエルと並行飛行するシャムシエルが映る。 【ネルフ本部・中央作戦発令所・司令席】 ゲンドウと冬月が、発令所のモニターを見上げている。 「やれやれ、やっと我々の出番か。」*「誰に言ってんだよ!」「最終章のお膳立てに過ぎんからな。」*「楽屋オチか!」【ネルフ本部・中央作戦発令所】 オペレーター席にはマヤ、日向、青葉。その後ろでミサトとリツコが解析結果を待っている。 「解析の結果はどう?」 「MAGIは解析不能を提示しています。」 「衛星軌道上の物体はどう?」 「衛星の映像を主モニターに回します。」 衛星軌道上にアラエルがゆらゆらと漂っている。 「海から2体、宇宙から1体か……。」 「タスクのプライオリティ変更。」 「第17タスクを3から7に変更。」 コンソールを操作するマヤ。 「解析実行。」 「足柄山の光学観測所より入電。旧関東方面に移動物体。」 モニターが捉えたのはサキエル、イスラフェル、バルディエル(素体?)、ゼルエルの進撃している姿。 「全部で4体です。」 「地上に4体か……多すぎる。」 「合計7体が移動中、軸線上に交わる点は第三新東京市。」 【ネルフ本部・中央作戦発令所・司令席】 「逢引にしては人数が多すぎる。力ずくで襲うつもりか。」*「冗談言ってる場合か?」「時間が足りなくて、まとめて来たようだな。」*「また、楽屋オチ!」「晩餐の準備はできている。そう易々と美女には合わせんよ。」 【ネルフ本部・中央作戦発令所】 「しかし、あれらの物体はいったいどこから現われたのかしら?」 【異次元空間】 「グハハハハ、あの[使徒]達がどこから来たのかわかるまい。愚かな地球人にわかる筈がないのだ。」 異次元空間から第三新東京市を見ている生命体は笑った。 「私の名はブラックゴッド。愚かな地球人どもよ。我配下の[使徒]を使って皆殺しにしてやる。」 【初号機・操縦席】 「いきなり怪物の前に放り出されても……。全部消えちゃえばいいのに。」 『太平洋上の2体、御蔵島沖で消えました!』 『旧関東方面の4体も消失、衛星軌道上の1体も確認できません!』 『ほぼ同時に、全ての移動軌跡が消えました!』*「ハイ消えた!:愛川欽也」【ネルフ本部・待機用小室】 待機を命じられたシンジ達。待機用小室で暇を持て余している。 「これからずっと待機なのかしら?」 「待ち時間が長いなあ。」 「いっそ逃げてしまいたい、なんて……。」 「ならば、僕がシンジ君のお供をするよ。」 「私も行く。」 シンジのちょっとしたジョークにカヲルも便乗する。が、レイも便乗した時、アスカが反応した。 「アンタね、最近シンジに興味があるようだけれど、近づかないでちょうだい。」 「どうしてそんな事言うの?」 「ちょっと、喧嘩はやめようよ、こんな時に。」*「♪喧嘩をやめて〜、二人を止めて〜。」「……シンジ、話があるの。ちょっと来てくれる?」 「何?」 「来てくれるよね?」 “どうしよう……。” だが、シンジは少々考えて答えを出した。 「待機中なんだよ。」 「もういい!外の空気吸ってくる!」 「ワシも着替えてくるかなぁ。」 「あ、俺も。」 「警報解除かもしれない、様子を見てくるよ。」 「みんな行っちゃったね。」 「アスカを刺激しないでよ。」 「碇くんの態度に反応したのよ。」 「僕の態度?」 【井の頭公園・水辺のベンチ】 散歩に出たシンジの前に、お腹を出したTシャツ姿で現われたレイ。 「碇くん、見て!」 「綾波さん、おへそ見えてるよ。」 「思い切ってお腹出してみたの。」 “綾波さんって時々大胆になるな……。” 「最後の記念だから、感謝してほしい。」 「感謝する。でも、最後じゃないよ。未来の希望はある。」 「戦いは嫌い。多くの人が傷つくもの。」 「人類を救う為なんだ。多少の犠牲は仕方ないよ。僕は間違っている?」 「人は愛し合って子供を慈しむ。碇くんもそうやって生まれてきたのよ。」 「あの父さんから命を授かったかと思うと、おぞましくもあるけどね。」 「碇くんは男の子だもんね。」 「綾波さんは女の子だからな。」 「そうね……。」 「綾波さんは僕の事、どう思うの?」 「いいと思う……。」*「いいともー!」