碇シンジ幻想計画

第弐拾伍話 砕かれた心

今回の緒言:♪信じられぬと嘆くよりも、人を信じて泣く方がいい

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フィフス・チルドレン・渚カヲルは第17使徒・タブリスだった。
「裏切ったな!僕の気持ちを裏切ったな!父さんと同じに裏切ったんだ!」
シンジはカヲル殲滅の為にエヴァ初号機でセントラル・ドグマを降下した。
それをカヲルに操られた弐号機が妨害する。
カヲルは一人、ヘブンズ・ドアの向こうに消えた。
だが、そこにあったアダムは実はリリスだった。
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「そうか、そういう事だったのか、リリン…。」
そこに、弐号機を倒した初号機が現われ、カヲルをその手に捉えた。
ゼーレの野望を、ゲンドウの希望を、全てを悟ったカヲルは死を願望する。
「生と死は等価値なんだ。僕にとってはね。」
カヲルはそう言ってシンジに微笑んだ。
それはシンジの心を癒してくれた微笑だった。
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一緒に晩ご飯を食べた時は、頬に付いたゴハン粒を取ってくれた。
一緒にお風呂に入った時は背中を流し合って嬉しかった。
一緒に星を見に行った時は星座の話が楽しかった。
一緒に寝た時は僕の悩みを聴いてくれた。
君の事が好きだったのに。
シンジは無言でカヲルの希望を叶えた。
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こうして、最後のシ者、タブリスは殲滅され、世界はサード・インパクトを回避できた。だが。
「僕がいてもいなくても、誰も同じなんだ。何も変わらない。だからみんな死んじゃえ。」
「むしろいない方がいいんだ。だから僕も死んじゃえ。」
シンジは全ての存在を拒絶してしまった。
「約束の時は来た。ここに人類補完計画の発動を宣言する。全ての魂を、今、一つに。」
その時、歴史が動いた…。
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今回の結言:座席に服だけ座ってる絵って怖いなぁ………。