碇シンジ幻想計画

第弐話 見えない顔、伝わる言葉

今回の緒言:実はゲームには無い場面

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第3の使徒・サキエルを倒したのもつかの間、二週間後には第4の使徒・シャムシエルが襲来した。
シンジはエヴァ初号機で出撃、パレット・ガンで攻撃するが、
光のムチでアンビリカル・ケーブルを切断されてしまった。
しかも、光のムチで脚をつかまれた初号機は投げ飛ばされ、山腹へ叩きつけられた。
叩きつけられた衝撃から何とか回復したシンジが見たのは、
エヴァ初号機の指の間で震えている二人のクラスメートだった。
覚悟を決めたシンジはミサトの一時撤退命令を無視し、プログ・ナイフでシャムシエルに突進した。
肉を切らせて骨を断つ…活動限界ギリギリでシャムシエルは殲滅された。
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命令無視をミサトに叱責されたシンジは、自分が何の為に戦うのかがわからなくなり、家出する。
彷徨いながらも自分を見つめ直そうとしていたシンジ。だが組織はそんなシンジを連れ戻す。
「そんなにEVAに乗りたくないのなら、今すぐここから出て行きなさい!」
ミサトの言葉は冷たかった。だが、それは作戦だった。そうやって追い込んでおいて…。
“私の言う事を聞くのなら、悪いようにはしないわよ?…どう?”
ミサトがシンジにさせようと考えていたのは…勿論、イロイロ・エロエロな事だった。
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しかし、シンジは逆ギレしてしまった。
結果、サード・チルドレンとしては抹消され、シンジは第三新東京市を離れる事になった。
“何がいけなかったの?やっぱり強引過ぎたのかしら?…急いては事を仕損じる、って言うし…。”
せっかく手に入れた?かわいい男のコをみすみす手放してしまった事を悔やむミサト。
“これが、逃がした魚は大きい、という事か…
 うーん、シンジくんのカワイイ所を見れただけでよしとするか…。”
などと思い悩んでいるうちに時刻はお昼になり、ミサトはNERVへ大遅刻で出勤した。
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が、シンジの言葉をリツコから聞かされたミサトはまだ脈があると信じ、新箱根湯本駅に急行した。
そして、ミサトはギリギリでシンジを引き止める事に成功する。
「…ミサトさん…僕は…戻りたくないです…こんな、中途半端な形で…。」
残る事に決めたシンジをミサトは思わず抱きしめ、至福の時を味わっていた。
“ああ…シンジくんの顔が私の胸に埋もれて…うーん、幸せ…家だったらもう押し倒してるわ…。”
だが、シンジを見送りに来ていたトウジはそれを見ていきなり駆け出した。
「何や知らんが、ワシはあいつを殴らなあかんのや!」
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今回の結言:♪今からあいつを、これからあいつを殴りに行こうか〜