今回の緒言:XmasのX(エックス)は実はギリシャ文字のΧ(カイ)なんだって ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今日は12月24日。 この日の為にレイはリツコにおねだりして高級レストランの予約を取って貰った。 時刻はとっくに17:00を過ぎ、文字通りクリスマス・イブ。 周囲を見ると、レイの他にも聖なる夜のディナーを恋人と共に過ごそうという人々がいる。 違っているのは、その人達はレイよりもずっと大人だという事だ。 が、レイもこれまたリツコにおねだりして買って貰った大人っぽいクリスマスドレスを着ていた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― “このクリスマスのドレス、気に入ってくれるかな?” ノースリーブの黒のドレスに身を包んだレイは、自分を見た時のシンジの反応を思い浮かべる。 「綾波…とっても綺麗だ…。」 “…なんて言ってくれたら、私…泣いちゃうかも…。” 「綾波、泣かないで…せっかくのディナーなんだから、楽しく過ごそうよ。」 “それで、私の手にそっと碇くんの手が被さるの…。” ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「メリー・クリスマス。」 そう言ってワイングラスを合わせるレイとシンジ。 “ディナーはちょっと軽めにして、その後クリスマスケーキを二人で食べるの…。” 「あ、綾波、ほっぺにクリームが付いてるよ。ちょっと待って。」 “そう言って碇くんは私の頬にキスしてクリームを取ってくれて…。” 「…綾波…部屋を予約してるんだ…。」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― “私は碇くんと二人きりで…生まれたままの姿で…。” 「綺麗だ…綾波…。」 “そして、私は碇くんと一つに…。” レイの空想はいつの間にか妄想に変わっていた。 “二人で明かりを消して、二人でドアを閉めて…。” その頃、シンジはアスカの追跡から逃れるべく、必死に逃げ回っていた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回の結言:♪その時心は何かを話すだろう〜