今回の緒言:あっしには関わりの無え事でござんす ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今日は何故かオシャレして散歩してみたくなったレイ。 最近買ったリボンのドレスでそぞろ歩いていると、不思議なことに気分もウキウキしてきた。 ♪不思議にウキウキ、Happyday 素晴らしいHappyday などと歌いたくなるような気分…。 すると、どこからか鐘の音が聞こえてきた。 “何の鐘かしら?” ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― レイは鐘の音が聞こえてくる方へ歩いていった。 ♪あの鐘を鳴らすのはあなた “…という歌があったような気がする。” 如かしてそれは、教会の鐘の音だった。結婚式のようだ。 外に出てきた新郎新婦にかけられる紙吹雪や「おめでとう。」「お幸せに。」などの祝福の声。 そしてかすかに聞こえる「返せ〜、返せ〜。」の恨み声…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― レイが黙ってその様子を見ていると、新婦は後ろを向いて手にしたブーケを後方に投げ上げた。 結婚適齢期、更年期を問わずそれに一斉に群がる女性達。 “花束ってそんなに欲しいものかしら?” などと不思議に思うレイ。 だが、花束は激しい奪い合いの末、なんと偶然にもレイの胸の中に飛び込んできた。 思わず受け止めたレイ。まさか中学生から無理やり奪おうとするほど強引な女性はいなかった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あ、あの…。」 静まり返った中、花束を返そうとするレイだったが、新婦は微笑んで言った。 「おめでとう。それは貴女のものよ。」 「…はい。ありがとうございます。それと…お幸せに。」 その言葉を言ったレイ自身の胸にも幸福感が広がった。 その夜、レイはリツコからその花束の意味を教えて貰った。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回の結言:こんなのもたまにはいいかな