今回の緒言:中学二年の時、オムレツと白身魚のムニエルを作ったような… ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今日の家庭科は調理実習。作るのはクッキー。 三班に分かれて女子達は生地を作り始めた。上手い具合にヒカリ、アスカ、レイは別々の班である。 え?何が上手い具合かって?アスカ、レイともヒカリが同じ班にいないので真剣勝負という事さ。 “このクッキーを、シンジにあげて…。” 「とってもおいしいよ、アスカ。」 シンジの笑顔を思い描いて夢心地のアスカ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「惣流さん、手が止まってるわよ。」 「あ、はいはい、ついぼーっとしちゃって…。」 「碇くんの事考えてたんじゃないの?」 「い、いいじゃない、そんな事!もぉ…。」 その頃、シンジは技術の授業中で釘を打つ直前にくしゃみをしていた。 そんなこんなで、アスカはハート型のクッキーを作り上げた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 夜、シンジ宅に黄色いワンピースを着たアスカがやってきた。 「シンジ、今日学校でクッキー焼いたの。食べてみてくれる?」 シンジは一枚取って食べてみた。 「…どう?」 アスカは恐る恐る訊いてみた。 自分ではおいしいと思うのだが、問題はシンジの口に合うかどうか…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「…おいしいよ。」 「ホント?」 「うん。」 「…やったあ!」 アスカは嬉しくて思わず万歳した。その手にあったクッキーの入った鉢はどこかに行っていた。 直後、シンジの部屋にクッキーの雨が降った。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回の結言:ラブコメしてるっしょ?