贖罪

最終話 外




 その時は、いつもの朝のハズであった・・・

 しかし・・・何かが違っていた・・・

 シンジとレイは、いつものようにゲンドウとユイの様子を見ようと、
モニター室に来たが・・・

 入った途端、辺りは真っ暗な空間に変わった・・・

「な、なんだ?!」

「なに?!」

 2人は驚き、咄嗟に互いの手を取ろうとするが、
すぐ傍にあったはずのお互いの身体が無かった・・・

 そして、いきなり、明るくなる。

「「ここは・・・」」

「シンジ君!」

「レイ!」

 姿は見えないが、互の存在を感じ、名前を呼び合う2人・・・

『・・・そろったな』

 声が響く・・・

「その声は・・・」

「あの時の・・・」

 2人は驚きの声をあげる。

『汝等は、干渉し過ぎたのだ・・・』

「「え?」」

 その言葉に、2人は驚く・・・

『よって、汝らに罰を与える・・・』

 その声は、2人に反応しているのかどうか、わからない位に、
一方的に言い放つ・・・

 次の瞬間、2人の意識は急速に消えかけていく・・・

「レイ! レイ! レイィ〜〜〜!!・・・・・・」

「シンジ君! シンジ君! シンジィ〜〜!!・・・・・」

 その箱庭から、2人の気配が消えた・・・

 そして、2人の加護のないまま、物語が進む・・・






・・・明日は私の命日ね・・・
やっぱり複雑な気分ね・・・
・・・・
・・・・
明日の準備をするか、



今日は、ユイの命日か・・・
・・・もはや、本当に命日になってしまったな・・・
「サード、何暗い顔してんのよ?」
「・・・いや、命日だからな・・」
「命日?」
暫くして分かった様で黙って部屋を出て行った。
「・・・行くか・・」
家を出て、第3新東京市郊外の墓地に向かう。
途中で花を買っていく。




『出会うか・・・必然だな・・・』

 モニターだけが残ったその空間には、ある気配があった・・・

 その気配が言葉を発した後・・・

「まぁ、それは・・・そうでしょうよ・・・」

 先程の気配の声とは、全く違う声が響いた・・・

 その声は若い娘の声だった・・・






翌日、早朝に第3新東京市郊外にある墓地の私の墓の前に行く、

「・・う〜ん、」

まあ、仕方ないか、
墓の裏側に集音マイクをつけておく、
ここならあの人は色々と喋るだろうからね、
その為にこの墓は作られたわけだし、
墓地の外で、あの人が来るのを待つ、




『盗聴か・・・』

「余計な力を使わない分、プラスじゃ無いの?」

 若い娘の姿が現れる・・・その姿は・・・アスカだった。

『まぁ、そうだな・・・』

 話し掛けている相手は気配だけであるが・・・






あの人が花束を持ってやってきたわね、
やはり暗い表情をしているわね。

墓前に花を供え、手をあわせる。
ユイの墓に花を供え、手をあわせる。


『・・・ユイ・・・・・・済まなかった・・・・』


うん、十分に集音できるわね。


『・・・結局、俺のやったことは無駄・・・
 いや、シンジやレイを犠牲にしたのだ・・・
 大きなマイナスでしかなかった・・・』


ふむ・・・


『・・・リツコ君達の事も含めて・・・』


確かに、リツコちゃんの事は問題ね。
あの人自身が何らかの形で決着をつけなければならない問題だし、





『そうだろうか?・・・(それだけではすまない気もするがな・・・)』

 気配が呟く・・・

「でも意外だったのよね〜・・・あのリツコが・・・あの司令と・・・」

 モニターを見ているアスカが、納得のいかない顔で呟く。

『仕方ないだろう・・・
 最初がアレで、更に母親の事で、頭でっかちだったんだからな・・・』

「まぁ、そりゃそうだけどさ・・・愛情と憎しみの区別がつかないなんて・・・」

 不本意そうな顔をしつつ、アスカが、気配に言った。

『最初が違うだけで、後は似たようなもんだ・・・
(ある意味、お前もそうだったろうが・・・)』

「かなり違うと思うけど?」

 不思議そうにアスカが尋ねる。

『進む方向は違うが、我々に言わせれば、愛も憎しみも同じだ・・・』

「どうして?」

 愛と憎しみ、どこをどう取れば、同じなのだろうか?

 一介の人間である少女は不思議に思う・・・

『・・・両方共、相手を'おもい'、どうすれば良いかを'考え'、'悩む'・・・
 そして、強くなればなるほど、'相手を忘れられない'し、'求める'・・・
 向う方向は違うが、似てるだろ・・・心の力の向くベクトルは正と負だ・・・
 だから、簡単に、その二つは入れ替わる事も多いのさ』

「う〜ん・・・」

 アスカは納得出来ないような顔で頭を捻る。

『(まぁ、似たようなモノだったからな・・・わからんか)』

「ん?・・・なんか言った?」

『別に・・・』





『・・・・いずれにせよああ言った結果になるのであれば、それなりに準備を整え、
もっと早くにゼーレと対立することもできた・・・』

『・・・結果はわからない・・・
 勝利する事は極めて難しいが、最悪の事態だけは防げたかもしれん・・・』


何時からそれに備えるかね・・・
手遅れになる前なら、





「何時からかしらね?」

 アスカが後ろの方を向き、そう尋ねた。

『思い立ったら、吉日だろう・・・』

 気配が、別な方向から、それに答えた。

「そうなの?(汗)」

 アスカが慌てて、そっちの方を見ながら言った。

『あぁ・・・やる気が有り、可能ならな・・・
 しかし、戻ったら、直ぐに行動を起こさなければ、意味が無いだろ・・・
 あの2人にとっても・・・(お前にとってもな・・・)』

「そ、そりゃね・・・(また別の・・・全く・・・)」

 キョロキョロしていたアスカは、そう言って、モニターを再び見始める。





『だが、今・・・何故俺がシンジになっているのかは分からんが・・・
 こうなってしまってはどうする事もできん・・・』


まあ、それはね・・・
でも、シンジの力ではどうにも成らない、貴方の力が必要であり、
又貴方以外にはそれは出来ないと言う事も事実でしょうね。





「その位は理解してるのね・・・」

 頷きながらアスカが呟いた。

『そうでなければ、立場を換え、視点を変えた意味がない・・・』

「シンジ達は、別にしたのに?」

『反省し、贖罪を行う気になる為には、奴自身、完全な己を見る必要があるだろう・・・』

「そっか・・・」

 アスカは納得したように頷く。

『それに、アレと入れ替えたら、自分を見れんだろう』

「シンジは優しいからね・・・」

 シンジだったら・・・確かに、ゲンドウのような行動はとれないだろうと思い、
アスカはそう言った。

『もっと早く気付くべきだったな・・・』

「えぇ・・・だから、'遅かった'のよ・・・(私も・・・)」

 アスカは自分にも言い聞かせるように言った。

『・・・(コイツも、まだまだ・・・なんだよな・・・)』






『・・・これから、レイに少しでも人間らしい事をさせてやろうとは思う・・・
 だが結局の所、・・・今の俺には、レイを救う事は出来ないし、
サードインパクトを防ぐ事も不可能だろう・・・』


やはり既に分かっていた様ね。





「あの立場になって、やっとだろうけど・・・」

『人は他人の立場に立って、いや、立とうとしてこそ、自ら知ろうとしてこそ、
初めて、思いやりを持つ事が出来る・・・
 それ以外は、単なる自己満足だ・・・
 奴は、他人を怖がり、知る事を怠ったと言うより、それから、逃げてたからな・・・』

 それは呟くようにアスカに言った。

「他人を思いやれなかったって事?」

 アスカは呆れたように言った。

『それは、前のお前にも言える事だぞ・・・』

「ヴ・・・」

 その言葉に、アスカは詰る・・・






『・・・・レイを呪縛から解き放つのも無理・・・
 ネルフの佐官とは言え、そんなもの何の役にも立たない・・・・』

『・・・シンクロ率が低い以上エヴァで十分に戦う事は出来ない・・・
 ゼーレ以前に使徒にも勝てないかもしれん・・・』


まあ、私の事知らないし、
そう考えるのは当然とも言えるわね。


『・・・今の俺は余りに非力だ・・・』


あら・・・泣いてる・・

む・・目が潤んできた。
袖で拭く。

『・・・情けないな・・・』


もうレイへは十分過ぎるほどね、
後は、シンジへの分が・・とは思うけど、このままでは難しいわね・・・
だったら、ここで、もう一押しすることで、ステップを次に進めるか、
小さな花束を持ってあの人に近付いていく、

ん?足音が聞こえる。
足音は近付いて来る。
・・・・・奴か?
・・・・そう言えば、あの時、シンジがいたんだったな・・・
あの時、シンジは・・・・・確か・・・・

そうだったな・・・・あれだけの事したが、依然としてシンジも私を求めていたのか・・・・
・・・愚か・・・愚か過ぎるな・・・・


あの人の直ぐ傍で立ち止まる。


足音は直ぐ傍で止まった。
はて?少し軽い感じがするが・・・
振り向くと、そこには小さな花束を持ったレイが立っていた。


少し不思議な顔をしてあの人はこちらを振り向いた。


「・・・レイ、」


驚きからか声が出た。

驚きからか声が出たようね。


「・・どうかしたの?」
「い、いや、何故レイがここにいる?」
「・・・いては駄目なの?」
「い、いや・・とんでもない・・」
「・・そう、」


墓前に小さな花束を供え、手を合わせた。

レイはユイの墓に小さな花束を供え、手を合わせた。
・・・・
・・・絵になるな・・・
しかし、本当に、どうしてここに来たんだ?
奴や赤木博士の差し金とはおもえんが・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
ま、まさか、記憶が戻っているのか!?
まさか・・・そんな事が・・・
・・・・・・・・





「・・・もしそうだったら、自分のした事がどんなに罪深いか解ったのかしら?
 そして、やめたかな?」

『さぁな・・・あの時のコイツのだったら、【そんなハズはない】と勝手に決め付けるか、
無視して、そのまま暴走していたかもしれん・・・
 あの頃の奴にとって、再びユイに会う事にプラスになる以外は、
障害みたいなモノだったからな・・・
 まぁ、あの息子の立場になって、やっと自分を振り返り、他の気持ちを考えると言う事を、
知ったのだから・・・』

「まぁ・・・その辺に関しては、ノーコメントって言っておくわ」






ん?なにか、とんでもなく驚いているわね。
この驚きようからして・・・シンジの事か、レイの事か・・・
或いはその両方か、ね
すっと立ちあがる。

レイはすっと立ちあがった。


しかし、どうやって確かめれば良い・・・
レイ、思い出したのか?・・・阿呆だなそんな聞き方は・・・
むぅ・・・






「・・・確かにアホかも知れないけど・・・」

『まぁ、訊くには相当の勇気がいるさ・・・気付くにもな・・・
 身に沁みてわかってるだろ・・・自分自身で・・・』

「ヴ・・・(汗)」

 心当たりがあるのか、アスカは、冷や汗をかく。





「・・どうかしたの?」
「む、い、いや、ちょっと考え事をな・・」
「・・そう、」


暫く、二人はその場で黙って立っていたけど、先に帰る事にした。

暫く、二人はその場で黙って立っていたが、やがてレイは先に帰って行った。

「・・・ユイ・・・・」


ユイの名を呼ぶが、それに答える者はいない・・・

色んな思いが篭った言葉が聞こえた。



そして、又通常の日々が始まった。

今は家であの人と紅茶を飲んでいる。

今はレイの家で紅茶を飲んでいる。
レイはこの前買ってやった私服を着ている。
静かに紅茶を飲み、私が持ってきたケーキを啄ばむ・・・

静かに紅茶を飲み、あの人が持ってきたケーキを啄ばむ・・・

やはり、可愛いな・・・・
見ていると気持ちが穏やかに成ってくる・・・

今なら、間違い無いでしょうね、下手な要因が発生する前に実行に移すべきね。
幸い、次の使徒はレリエル・・非常に都合が良いわね。
さっきから穏やかな目でこっちを見ているわね。


「・・・どうかしたの?」
「いや、気にするな」
「・・・そう、」

あの人は紅茶に口をつけた。

私も紅茶に口をつける。

うむ、美味いな、






「穏やかねぇ〜」

『もし、あのような事が無ければ、
この2人は、ずっとこのような状態だったかもな・・・』

 シミジミと、それが呟く。

「2人って?」

『ゲンドウとユイさ・・・そして、その傍らには・・・ふ、何でもない』

 それ以上はそれは言わなかった。





夜、明日のことを考えている。
明日レリエルが来る。
どうするか・・・
レリエルを倒す方法で、あの人が思いつくようなものは、初号機とリリスの力ね。
まあ、リリスの力なんて本末転倒的な物は選べないから、初号機の力・・・
それも、初号機自身の生存本能による暴走ね・・・
今のあの人なら、選択するでしょうね、
私のほうもそれにあわせて、準備をするか、
端末を起動させてマギにアクセスし、細工を始める。





『・・・とりそうだな・・・』

「・・・そうね・・・」

 アスカの目が真剣そのものになる。





夜、自室でレリエルのことを考える。
あんな使徒を倒す方法は思いつかない・・・
と、言うか、考えるだけ無駄だな・・・

高次の力で粉砕するしかないだろう・・・
と、すると初号機か・・・・

初号機か・・・・初号機の暴走・・・ユイが私を護ると言うのは少ないだろう・・・
と、成ると純粋に初号機の生存本能による暴走か・・・私の命は無い可能性が高いかな・・・

しかし、他に方法は・・・レイのリリス覚醒くらいしかない・・・
そんな本末転倒な事が出来る筈が無い・・・
と、するとやはり、これしかないか・・・


「・・・・ふぅ・・・・」


溜息を一つつく。
いよいよ、明日か・・・





「いよいよね・・・」

『あぁ・・・覚悟は出来ているのか?・・・己の存在だぞ・・・命ではなく・・・』

 確認するかのように、その存在が訊く。

「そんなの・・・最初っからよ」





そして、今、レリエルを3機のエヴァで包囲している。


あれが影なのよね、改めてこうして見てみると、とても影には思えないわね。

「・・・むぅ・・」

影か・・・実体は、みえんな・・・

『1機が先行し、残りがそれをサポート、可能であれば市街地の外への誘導を行って』

・・・無駄だな
ゆっくりと距離を縮めていく、

「了解、」


ゆっくりと距離を縮めていく
射程距離に排他のでスナイパーライフルを構える。

むっ!零号機がスナイパーライフルを!

「待て!」

ぶっ放す。

・・ぶっ放しおった・・


着弾する寸前影が掻き消え、ビルに被弾する。

影が掻き消え、ビルが爆発する。





「コレでわかるわね・・・資格を得られたかどうか」

『あぁ・・・(もう判りきっているが・・・)』





さて、来るわね、
影・・いえ、本体が足元に広がる。

拙い、
零号機の元に急ぐ、

「きゃあ!」
『レイ!!』


未だ、零号機は見えない。


『零号機の救出急いで!』

くっ、既にレリエルに足元が飲み込まれている。





「ダッシュしてるわ!」

 アスカがどことなく嬉しそうに言った。

『だな・・・』






「仕方ない、」

初号機と弐号機がこっちに向かってくる。
弐号機は未だ時間が掛かりそうね。
あの人がやって来た。
すでに、足元は飲み込まれているし、レリエルの半径もかなりの物だから取れる方法は一つね。


一気に加速をつけて、零号機に向かって飛び、体当たりで零号機を弾き飛ばす。


『きゃ!!』


むぅ・・手も足も動かん・・、完全に捉えられたか、


「・・レイは、」


零号機はレリエルの外まで吹っ飛んだ様だ。


「・・・ふぅ・・・」


これでレイは、大丈夫だな・・・

・・・いたたた、
あの人は・・
レリエルに完全に捉えられちゃったわね・・・
直ぐに完全に沈み込む。
その後、暫く無駄な攻撃を続けていたけど、ミサトちゃんから退却命令が出たので
一言言ってから従う。




「じゃぁ、創めるのね・・・」

『いや・・・まだだ・・・』

「なぜ?」

『最後の切欠を出すのを待っている・・・彼女がな』

「でも、あの人は充分に・・・」

 アスカが驚いたように言った。

『彼女も、いまだ贖罪すべき人物だからだ・・・』

「え?」

 その答えに、アスカは呆然となった。






直ぐに、何も見えなくなった。
通信回線も切れたか・・・完全に取り込まれたな・・・
モニターを切る。
そして、次々に落として、生命維持モードにする。


「・・・さて、後、何時間かはしらんが、待つしかないか・・・」


初号機が自分の生存の危機を感じれば、勝手に暴走するだろう。
まあ、その時は、私は三途の川を渡っているかな・・・
ユイといっしょに渡れんのが残念だがな・・・
いや、共に渡った所で、ユイは天国、俺は地獄か・・・
・・・この後どうなるかは分からんが、最悪の結果だけは回避できると良いな・・・
目を閉じ、寝て待つ事にする。




『行く所は違うが・・・』

「一緒に行かせるの?」

『彼等は・・・贖罪者だからな・・・』






夜、ターミナルドグマの最深部に向かう。
リリスが磔にされている。
空中に浮かび、リリスに接触する。
リリスを介して、レリエルの空間を探る。
・・・・・
・・・・・
・・・・・
「・・・見つけた。」
初号機を発見した。
あの人は・・・眠っているわね。
起きるのを待つ、
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
漸く、目を覚ましたわね
目を開く、
・・・随分とLCLが冷たく成ってきた。・・・
・・・そろそろ、電源が切れるか・・・
・・・意識が遠くなっていく・・・
・・・これで、終わりか・・・・

・・・結局最後まで、何故シンジになってやり直す嵌めになったのか分からなかったが・・・
・・・もし、もう一度誰かに成って・・やり直すと・・言う事が・・あるのなら・・・
・・・今度は・・私・・自身になり・・たいな・・・・


今度は頑張ってね、
・・・そう・・す・・れ・・ば・・・・・・・・





「・・・どうなるの?」

『さぁ〜な・・・』

 それは、はぐらかすように答えた。

「知ってるクセに・・・」

 不満そうにアスカが言った。

『本当にわからんのだ・・・可能性は無限だからな・・・だが・・・最悪の結果は、免れるだろう・・・
 では、そろそろこっちの仕事だ・・・
 わかってるな・・・』

「わ・・・わかってるわよ」

 アスカは神妙な顔付きになった。






リリスの力を解放して時間軸に干渉させる。





『やはり・・・ここまでやろうとするとはな・・・だが、彼女に付加した力じゃ、無理だな・・・
 中途半端な状態になる・・・
(与えた力が大きかったから、ある意味、【なんでも出来る】と、勘違いしているのかもしれん)』

「中途半端って?」

『防ぐ事の出来る、可能な所まで戻れないって事だな・・・』

「じゃぁ、どうするの?」

『こうする・・・』

 その存在が手をかざす。

「え!? そんな事をしたら!」

 アスカには、モニターのユイから、力が抜けていくのがわかった。







「貴方、シンジとレイの事を宜しく頼みますよ」


時間を反転させて、巻き戻す。
周囲の空間が凄まじい勢いで移り変わる。


「くっ・・・」


これは、予想以上・・・負荷が大きすぎる・・・
リリスの力が届かなくなってきている。
拙い・・・


「かふっ・・・・悪戯に歴史に干渉しちゃった罰なのかな・・・」

行ける所まで、行くしか・・・ないわね。

「・・貴方・・ごめんなさい・・・シンちゃん、レイちゃん・・ごめんね・・・」

体から力が奪われていく

「・・・幸せに、なってね・・・」

意識が闇へと消えていった・・・・





『よし・・・これで、この魂に付加した力を取り除いた・・・
 彼女も、力が抜ける感じで、眠りについた・・・では、戻すぞ・・・
 先に眠りについたこの魂達と共に・・・』

「これで、この人達は、チャンと戻るの?」

 不安そうに、アスカが訊く。

『世界樹の枝分かれ、新たな世界にな・・・時が来るまで封印されたような状態だ』

「でも、同じ場所じゃ無いの?」

『全く同じ場所、枝だと、修正が効かん・・・本人達にやる気が有ってもな・・・
 余程の高次の神でもなければ、不可能だ・・・枝の修正力でな』

「そう・・・」

『だから、この位置から、新芽を出し、そこに入れる・・・
 腐って枯れた枝の代わりに立派なモノに成長する事を祈るだけさ・・・
 そうすれば、他の魂を潰すことなく、新たな時間軸、枝を作る事が出来る』

「じゃぁ、後は、発芽の切っ掛け・・・肥料だけか・・・
 さぁ、さっさとしなさいよ!」

 アスカが身を差し出すように立ち上がり、それに向って、手を広げる。

『しかし良いのか?・・・その世界にはお前は行けないし、
同じ存在も居ないかもしれんぞ』

「良いわよ・・・」

『好きだったんだろ?』

 それが確認するように尋ねた・・・

「ち、違うわよ・・・
 私は、アイツに、有る訳ないハズの父親を求めてただけなんだから・・・
 そのくせ、アイツが自分より優れて居ると、否定し、当り散らし、壊そうとし・・・
 拒絶したの・・・その資格はないんだから・・・
 有るのは、最後まで、アイツの為に・・・そう、ファーストだけなんだから・・・」

『・・・素直じゃない奴・・・』

「うっさいわね!・・・
 いい加減、さっさとしなさいよ!」


 ズム・・・

 いきなり現れたそれの腕がアスカの腹にめり込んで行く・・・

「グッ・・・」

 アスカが苦悶の表情をする・・・

『その前に教えておこう・・・戻って、完全に記憶が有り、約束の時と共に戻るのは・・・
 おそらく、ゲンドウくらいだぞ・・・
 残りの者の記憶等は、発芽の切っ掛けのエネルギーに変換させて貰うからな・・・』

「な!・・・は、話が・・・それじゃ・・・」

 アスカは怒った顔で怒鳴ろうとする。

『まぁ、強い想いなら、何かしらのモノは残ってるがな・・・
 アイツ等の繋がりが強ければ、感情とかもな・・・』

「な、なら・・・大丈夫ね・・・(4人が確りと繋がっていれば・・・)」

 アスカは微笑む・・・物凄い激痛が有るだろうに・・・

『まぁ、仕方あるまい・・・新たな若芽を作り、そこに五人分も、
記憶が無いモノが殆どとは言え、経験を持つ魂を注入すし、変革させるのだから・・・』

 戻るのは、ゲンドウ、ユイ、シンジ、レイ・・・数が多い・・・

「え?・・・ど、どう言う・・・」

 アスカは戸惑う・・・

『お前も行け・・・惣流・アスカ=ラングレー・・・
 記憶は無くとも、少しは素直になれるだろう・・・
 今度は出会い頭に、ひっぱたくようなマネをするんじゃないぞ』

「え?・・・あ、アンタ・・・それで良いわけ?・・・コレには、もっと大きな代償がひ・・・」

 それは、ニヤリとすると、アスカから、腕を引き抜き、
アスカの身体が塵のように崩れていく・・・



 その存在の手には、赤く輝く光の珠があった・・・

『・・・まぁ、1つぐらい、波乱が有った方がイイだろう・・・
 何、枝が枯れずに育てば、なんとかなるさ・・・』

 アスカだったモノが吹き上がり、
どこからかきた同じようなモノと一緒に回転し始める・・・

『それに・・・可能性は無限にある・・・
 が、チョッと素直になったお前なら、いつまでも仲好しでいれるだろうからな・・・
 多少の衝突があっても・・・』

 それは、微笑みながら、赤く輝く珠を放した・・・

 珠はそれの周りを廻る。

『四つの記憶、我が力、それをもて、我、至高のモノに告げる・・・
 願わくば、朽ちし枝に新たな力を注ぐ事を・・・』

 それの周りに赤いモノだけでなく、白、青、黒、そして、ピンクに輝く珠が浮かんでいる。

『1つのモノに贖罪の機会を、四つのモノに、大いなる慈悲を・・・』

 何時の間にか、周りの闇が消え、それの目の前に、巨大な・・・

 あまりにも、巨大過ぎる樹木・・・

 いや、それは、枝、見尽くす事の出来ぬ大樹の極一部が現れる。

『・・・その存在と共に・・・』

 何かが、その枝の先の枯れている物にそそがれていく・・・

 途中に、ポツンと緑の芽が出来てきた。

『行け・・・新たな枝物語をつむぐ為に・・・』

 五つの珠は、吸い込まれるように緑の芽の方に吸い込まれて行った・・・

『我が身を糧と・・・』

 光が・・・辺りを・・・支配した・・・・






 僕は気が付いたら、知らない天井を見ていた・・・

「あれ?・・・」

 上半身を起こして、周りを見る・・・

「そっか・・・父さんに頼まれて、アレに乗ったんだっけ・・・
 後、覚えてないや・・・父さん・・・どこだろ?」

 僕はそう呟きつつ、ベットから起きて、何気無く、廊下の方に行った。





 私が目を醒ますと、いつもの天井があった。

「・・・そう、まだ生きているのね・・・」

 使徒が攻めて来たので、てっきり、私が出るモノだと思っていたが、
呼ばれる事は無かった・・・

「私・・・まだ、三人目にはならないのね・・・」

 そんな事を呟いていると、ドアが開き、看護婦達が入ってきた。

「綾波さん、チョッと移動しますよ・・・」

 おそらく、定期検診と治療だろう・・・

 そして、私はベッドごと運ばれて行った・・・






「はぁ〜やっぱ、どこだかわからないよ・・・」

 少年、シンジは廊下に出て、窓から外を見ていた。

 すると、移動式ベットを看護婦達がゆっくりと運んで来る。

 シンジは何気無く、そちらを見る・・・

 何か、懐かしいような感じがして・・・

 そこに載せられている少女、レイと目が逢う・・・





 少女、レイは、運ばれながら、不思議と懐かしい何かを感じていた。

 それは段々と近付いて来る。

 廊下には1人の少年が立っていた。

 廊下のスミに立っている少年、シンジと目が逢う・・・





 2人以外の時が止まる・・・

 お互いに呆然となりながら、呟いた・・・

「レイ・・・」

「シンジ君・・・」

 初めて?会ったハズなのに、何故かお互いの名前を呼び合う2人・・・



 そして、新たな時が流れ出す・・・・・・・

                                 Fin?





 おまけ・・・

 シンジとレイが病院の廊下で出会っている頃・・・

 ズドム!

「どりゃぁ!! もう一発ぅっ!!
 って・・・あれ?」

 ドイツの某所で、1人の少女・・・アスカが、格闘訓練中に、いきなり止まった。

「どうした?・・・お嬢ちゃん?」

 確りとした防具をつけている教官の男が不思議そうに訊く。

「え?・・・えっと、何かを思い出しかけた様な・・・
 早く何かをしないと拙いような・・・」

 訳のわからない事を呟きながら、アスカは腕を組み、頭を捻る。

「ふ・・・まぁ、先日、日本で、いきなり選ばれた少年が、
初めてで、いきなり使徒を倒したのを聞いて、焦っているのはわかるが・・・
(ストレス発散は済んだか?・・・何時もより早いな・・・)」

 今日、アスカが荒ていたのは、初めてエヴァを使った戦いに、
世界のトップである(と言われ続けている)自分の出番が無かっただけでなく・・・

 別の、しかも初めてエヴァに乗った少年が、
見事、使徒を倒したと言う報告が、本部より入ったからであった。

 それは・・・

『最終的には、暴走で倒したものの、初めててあそこまでとは・・・まさに天才』

 と言うような報告だった。

 それでは、アスカが荒れに荒れるハズである・・・(蔑ろにされたきがして・・・)

 しかしながら、今のアスカの表情からは、何故か先程までの刺々しさが無くなっていた・・・

「えっと、なんか、それはどうでも良い・・・」

「な!」

「え?・・・あ、違いますよ、わが国の技術とかがとか、そう言う意味じゃなくて(汗)」

 アスカは、自分の言葉に驚いている教官に対して、取り繕う為に、慌ててそう言った。

「(・・・ま、まさか、訓練のし過ぎで、壊れたのか?・・・
 拙い、ゼーレには、精神を不安定にしても壊すなと言われてるのに・・・)」

 冷や汗をかく教官・・・

「えっと・・・じゃ!」

 硬直している教官を残して、アスカは慌てて訓練室を出て行った。

「なんか・・・日本で、懐かしいのに、逢える気がする・・・」

 アスカは漠然とした期待感に胸を膨らませていた・・・

                                   終りか?




 後書き

とりもち(以下と)「・・・こうなったか・・・(^^;)」

デビ・トリ(以下デ)「なんか、大幅に変わって無いか?」

大門鐘護(以下鐘)「そ、そうなんですか?」

と「いやぁ〜ラスト辺りも大幅に変わったぞ♪」

デ「変わってないのは、大幅なラストのスジのみ!(爆)」

鐘「最初はどうだったんです?」

と「本当は、ユイがリリスを利用する時、シンジとレイが手伝おうとして、
  いきなり最初の声を聞いて、あの箱庭と消えると言う話だったんだ」

デ「結構うまく纏まってたハズなのにな・・・去年の十二月に」

鐘「ウイルスで消えたと・・・でも、何故変えたんですか?」

と「そ、それは・・・」

デ「後書きを残したトコで、別のに取り掛かってたからな・・・忘れたんだよ・・・」

鐘「別のってなんです?」

デ「一部の人しか知らんが・・・【真】とでも言っておこう・・・それも消えたが」

と「言うなよぉ〜( iдi ) ハウー」

鐘「書かないんですか?」

と「さぁ?・・・今、時間無いし・・・(^-^;)」

デ「まぁ、時間が出来て、ヒマだったら、新たに作るんじゃ無いか?」

と「おいおい・・・無責任に言うなよ」

鐘「・・・時に、なぜ、今回は、アスカが全面的に出て来てるんですか?」

と「元々、あの箱庭やあの逆行は、アスカがある存在に、自分の存在をかけて頼んだから、
  実現したと言う話だったの・・・
  そして、それは本当にラストになって、明かされるハズだったんだけど・・・」

デ「某、アスカ人の要望で、出番を増やしたんだよな・・・
  それに、アスカのマイナスイメージを消す為のリハビリに」

と「うまく成功したかどうかは、わからないけどね・・・(^-^;)」

鐘「で、あの後、どうなるんですか?」

と「某?シナリオでは・・・ゲンドウの暴走で、シンジとレイが同居したり、
 色々な思惑が重なって、アスカが来るのが早まったり、オリキャラが出てきたり、
 ひょんな事から、ユイさんが復活したり・・・
  まぁ、簡単に言えば、楽しい三角関係LARS、勃発だな・・・」

デ「確か・・・温泉サンダルフォン辺りまで書いたんだよな・・・ストック稼ぎに」

 クイクイ・・・?「クワァ」

鐘「ん?」

と「まぁ、修学旅行の代わりに、温泉(家族+α)旅行と・・・
  調子こいて、混浴のシーンも」

デ「本来なら、『とりもち史上初の本編・逆行系で、ゲンドウ幸せ』バージョンだっけ?」

と「ネオより前のね・・・ユイと2人っきりで混浴だし・・・(勿論、騙されたシンジ君も別風呂で)」

鐘「とりもちさん」

と「ん?」

鐘「変なマスクをつけた某温泉ペンギン君が、このようなモノを・・・」

デ「ぶあついな・・・直訴と書いてある・・・」

と「何々?」

デ「じゃぁ、そろそろ、コメント係に任せるか・・・」

鐘「あ、その前に、ネオエヴァの投票順位の中間報告その2を・・・
  現在の上位です(もう直ぐ〆切かな?)」

 一位 鈴原 ミカ
 二位 洞木 ヒカリ

 三位 山岸 マユミ

 四位 綾波 レイ
 五位 霧島 マナ


 六位 惣流 アスカ=ラングレー&先行者NV

 八位 伊吹 マヤ&天使 サキ&ミユ=アンカードシンイ=ジカーリ


 十?位 渚 カオル('ヲ'じゃなく'オ'なのは女の子バージョンだから)
    &碇 ユイ&洞木コダマ(姉)

  次点 洞木 ノゾミ、渚 カヲル(男)、オペレーターの女の子(爆)・・・

鐘「流石に、十位までは殆ど女の人ばかりですねぇ〜(余計なのが居るけど)
  間は、差だと思ってください・・・
  次点はもうチョッとで、十位になれそうな人達です」

「チョッとまてい!」

鐘「なんですか?・・・アスカが、いきなり二十人くらい(含む男達)抜いているのが不思議ですか?」

デ「それも・・・いや、そうじゃなく、設定上、シンジとくっつけられないのが、
  上位十位以内に居るのはまだ良いが・・・(一部しか教えてないし)
  何故、アレ先行者NV別のHPの投稿作品リターンのキャラが居る(汗)」

鐘「し、知りませんよ(汗)・・・
  あの後、いきなり票が大量に入って来たんです・・・
 (うけ狙いの男性陣に代わって、集中して・・・)」

「ぐは!」

デ「あ・・・とりもちが・・・」

 ピクピク・・・

鐘「あれ、有害文書だったんですかね?」

「ほ、ホモは嫌・・・」

デ「兎も角、これ以上はなんだ・・・(^^;)
  コメント係に任せて、とりもちを運ぶぞ」

鐘「はい!」




シンジ「あ、やっとできたんだ」
レイ 「随分掛かったわね」
シンジ「消えちゃったみたいだから仕方ないと思うよ」
レイ 「…そうかしら?」
アスカ「怠慢」(どキッパリ)
シンジ「そんなはっきりと言わなくても…」
アスカ「他にどんな言い方があるわけ?まあ良いわ、見せてみなさい」
アスカ(よみよみ)
シンジ「どう?」
アスカ「ふむ…こうくるとは予想できなかったわね…」
シンジ「え?どんな内容?」
シンジ&レイ(よみよみ)
アスカ「正直これだけじゃ何とも言えないわねぇ、
    やっぱ、これは続きが必要よね」
アスカ「と言うことでわかってるわね」
シンジ「う〜ん…これは凄く意外だね」
レイ (こくこく)
アスカ「どう?このアタシのおかげって話になったわよ」
シンジ「あ、ありがとう…」(苦笑)
レイ 「それは良いとして、アレは誰?」
アスカ「それは良いってどういう事よ?」
レイ 「そのままの意味よ」
アスカ「むぅ…、まあ、アレが誰かについては、とりもちに聞けば?」
レイ 「そうするわ」
シンジ「あ、綾波…」
アスカ「ファースト、何か企んでる?」
シンジ「そんな、企むだなんて…」
アスカ「まあ、どんな企みをしたって、このアタシ相手には無駄なんだけどねぇ」
シンジ「う〜ん…」
アスカ「でもさぁ…シンジの恋人候補にあれが入ってくるなんてねぇ
    怒る、呆れるを通り越して笑っちゃうわよ、全く」
シンジ「アレ?……あ゛」
アスカ「シンジとアレがラブラブって言うのも一見の価値があるかもしんないわねぇ」
シンジ「そ、そんなぁアスカ〜」
アスカ「まあ、アタシなんかは急速に追い上げられてるわけだし…
    票数はわかんないけど、ひょっとしたら」
シンジ「ちょちょちょっと、そんなのやだよ!」
アスカ「まあ、しょうがないかもしんないわねぇ、そんなのが見たいって人が多いんだったら」
シンジ「アスカぁ〜」
アスカ「まあ、アタシがアレを抑えておけば良い訳なんだけどねぇ」
シンジ「……ど、どうすれば良いの?」
アスカ「素晴らしいLASシーンで、アタシとシンジのラブラブを望む人間を増やせばいい訳よ」
シンジ「なるほど…ってそんなにうまく行くの?」
アスカ「まあ、その辺りはとりもち次第でしょうねぇ、」
シンジ「う〜ん」
アスカ「てことで、とりもち宛に一緒に嘆願書を書きましょ」
シンジ「う、うん、そうするよ」
アスカ(にや)
レイ 「騙されては駄目よ」
アスカ「むっ、いつの間に戻ってきたのよ」
レイ 「嫌な予感がしたのよ」
アスカ「何が嫌な予感よ」
レイ 「碇君、弐号機パイロットよりも私の方が上にいるわ、だからLRSの方が」
マナ 「待った!」
アスカ「あ〜〜!スパイ女何でこんなところに」
レイ 「どうして今までここにいなかったのに突然出てくるの?」
マナ 「綾波さんは既に相手がいるわ。でも、私なら問題ないし、惣流さんよりは上にいるわ、
    シンジ、選ぶなら私の方が良いわよ」
レイ 「むっ」
アスカ「ぐっ」
マユミ「待って下さい」
以下…同じようなやり取りが…
シンジ「はぁ……、なんか、みんな自分のことばっかり主張するし…
    しかも、人増えてるし…僕はどうしたら良いんだろう…」(溜息)


碇  「こう言うことか…」
ユイ 「らしいですね」
冬月 「ふむ…私は続きが欲しいな」
碇  「俺はいらん」
ユイ 「あら、何故です?」
冬月 「まずだね…私が殆ど出ていない」
碇  「…確かにそうだな」
ユイ 「ちょっとしたところで出ているくらいですね」
冬月 「これは是正して貰いところだ」
碇  「まあ、立場上仕方ないだろうな、チルドレンとの接触は殆ど無い」
ユイ 「それだけですか?」
冬月 「究極的にはそうかも知れないが、続きなら善行が行えるだろうしな。
    余りできない分少しでも稼いでおきたいのだよ」
碇  「そう言う意味では、あちらもそうだな…」
冬月 「やはり、善いことをするのは良いよ。碇、お前もどうだ?」
碇  「今回は遠慮しておく」
冬月 「彼だからか?彼もやるときはやる男だぞ」
ユイ 「まあまあ…でも、続くとしたらみんなが幸せになるような話がいいですね」
碇  「それは違いないな」
冬月 「うむ、そうだな」