贖罪
第7話 外


 この作品を読む前に、YUKIさん作の表と裏を読む事を進めます。

 ただいま、シンジ君とレイちゃんのラブラブ生活のアイデア募集中♪

 今回は、『弥生櫻』さんと『匿名希望J』さんのアイデアを採用させて頂きました。

 ありがとう御座います。



「んしょ、んしょ」

 レイが、何かを運んでいる。

「大丈夫?・・・運ぼうか?」

 既に同じモノを運び終わったシンジが訊いてくる。

「大丈夫・・・そんなに重くないから・・・シンジ君は、メレンゲの方をお願い・・・そっちの方が、力が要るの」

 レイは微笑みながら答える。

「うん、分かった」

 シンジはボールの中の卵白を泡立て始める。

 レイは大きなオーブンに、運んでいたモノを入れて、スイッチ入れる。

 どうやら、大きなスポンジを、いくつか焼くらしい。

 しかも、スポンジ毎に色が違うようだ。

 そして、レイはシンジの隣に来て、別のボールに生クリームの元と、砂糖と香料を加えて、かき回し始めた。(大変そうだな・・・)

 クリームもいくつかの種類を作っている。

 2人は一緒にケーキでも作っているようだ。

 暫くして、スポンジが焼きあがり、シンジとレイはそれらをテーブルに運んで行く。

 そして、飾り付けが終り、出来上がったモノは・・・大きなケーキだった。

 天辺に、カップルと言うか、新郎新婦をかたどったロウソクが置いてある。

「出来たね・・・」

 シンジがレイに微笑みながら言った。

「えぇ・・・あ、シンジ君、クリームが・・・」

 レイはそう言ってシンジのほっぺについているクリームを口でとる。

 つまり、キスで、とったと言うことである。

「あ・・・ありがとう」

 シンジが少し恥かしそうにレイに言う。

「いいの・・・これがウエディングケーキ・・・なのね」

「そうだよ・・・」

「いいの?・・・」

 レイはシンジの方を見て尋ねる。

「いいんだよ・・・僕にはレイしか考えられないし・・・君じゃないと嫌だよ・・・でも、ゴメンね・・・真似事みたいな事しか出来なくって・・・」

「いいの・・・これが出来るだけで・・・私は幸せだから・・・」

「じゃぁ、着替えて、ナイフを入れようか・・・」

「えぇ・・・」

 直ぐに2人の格好は、白いタキシードと純白のウエディングドレスに変る。

 そして、2人でナイフを入れる・・・

 2人はどことなく幸せそうな顔をしていた・・・

 2人だけの結婚披露宴・・・

「でも、暫く、お茶請けはケーキだね・・・」

 シンジが微笑みながらレイに言った。

「食べ物を無駄にしちゃいけないの・・・」

 レイがシンジに言う。

「分かっているよ、だからスポンジやクリームの味を段毎に変えたんでしょ」

 シンジがクスクスと笑いながら言う。

「えぇ・・・でも・・」

「でも?」

「・・・皆の前で出来ると良かった」

 レイが少し悲しそうに言った。

「そうだね・・・父さんが、自ら贖罪をする気構えが出来れば、いつか・・・」

「そう、いつか、どこかで・・・」

 2人はそっと寄り添った。

 暫くして・・・

「さて、今日も、見に行きますか」

「えぇ、今日は、ココとココを持っていきましょう」

「じゃぁ、紅茶はこれで・・・」

 そう言って2人は、何時もの格好になると、ケーキと紅茶セットを持って、モニター室に行った。



さて、今、セカンドが喚いている。

「きいい〜〜〜!!なによ!!これは!!」
「見て分からんのか、カップラーメンと言うものだ、」
「こんな適当なものをこのアタシに食わせる気!!?」
「ふん、問題無い」
「あるわ!!!」
「だったら、葛城1尉に作ってもらえ」
「くっ・・・」

結局カップ麺を食べる事にした様だ。



「・・・最大の脅し文句だね」

「アレは料理じゃないの・・・」

 シンジとレイはこの間の惨劇?を思い出して顔を青くする。

「でも、アスカも料理を覚えれば良いのに・・・ねぇ〜」

 シンジがレイに言う。

「そうね・・・そうすれば脅されずに済むと思うわ・・・」

 レイは頷きながら同意した。



今、学校にいる。何か様子がおかしいが何かあったのか?
ん?黒ジャージがいるな・・・
見なかったが、何かあったのか?
ん?少し包帯をしているな・・・
まあ、どうせ、どこかで喧嘩でもしたんだろう、
む、こっちを睨んでいるな。



「・・・第四使徒のときに、無視して戦ったのを忘れているのかな?」

 シンジがそんな疑問を投げかける。

「・・・多分・・・自分に関係無いと思って、考えて無いだけだと思う」

 レイがそんな答えを出した。



・・・そうか、シャムシェルの時の奴か・・・
そう言えば、眼鏡の姿は・・・うむ、こっちは、松葉杖か・・・こいつも睨んでいるな。
ふっ・・愚かな、自業自得だろう。
シェルターから外に出ればそれ即ち、権利を自ら放棄したわけだからな。
睨み返してやる。
1睨みで教室中が凍りつく、
ふっ・・問題無い。



「ドンドン、自分から孤立していっているのは、気のせいかな?」

「多分気のせいじゃないわ・・・昔、『疎まれるのには慣れている』って言ってたから・・・」

「自分から、周りを拒絶していってただけだね・・・」



登校したのは良いけど・・・なんだか、教室の様子がやけに静かね・・
何かあったのかしら?
ん〜まあ良っか



「『まぁ良っか』で、済まして欲しくないような・・・」

 冷汗をかきながら、シンジが言う。

「でも、知らないから・・・」

 それとなく、ユイのフォローを入れるレイ



ん、レイがやって来た。

「おお、おはよう」
「・・・おはよ・・」

軽く挨拶だけして、自分の席についた。
確か、今日はテストだったわね。
まあ、中学生クラスのテストなら楽ね。

レイは軽く挨拶だけして、
自分の席についた。

・・・・・
・・・・・

「え〜、では、1教科目は数学です」

なに!?今日はテストか!?

あら?あの人は焦っているわね、知らなかったのかしら?

まあ良い、中学生程度の問題簡単に解ける。



「・・・普段の2人の行動がわかる対応だね・・・」

「人の話をチャンと聞く人と、聞いているフリをするだけで、実際は聞いてない人?」

 レイが首を傾げながら言う。

「うん、そうだよ・・・」

「確かに・・・アレは滅多に人の話を聞かないって、副司令がいつもぼやいていた・・・」

 レイは前に冬月がぼやいていたのを思い出して言った。

「(それは‘きく’の意味が違うような・・・でも)冬月さんも大変だったんだね」

 シンジが呆れたように言う。



綾波レイ、出席番号2番ね。
ときときとき
さて、出来た。

ふっ・・・問題・・・
おっと、名前名前、
碇『シンジ』にしておかねば成らなかったな。
・・・・ん?
出席番号?
・・・何番だ?
綾波レイ・・碇シンジ・・うむ、2番だな。



「・・・あれ?・・・出席番号・・・僕のは、確か三番」

 シンジが冷汗をかきながら呟く。

「えぇ、確か、シンジ君の前に、メガネで、カメラで、ハタ迷惑な存在が・・・」

 レイは、その存在の名前が思い出せず、そんな事を言った。

「それって、ケンスケの事?」

 冷汗をかきながら、シンジが尋ねた。

「・・・名前、よく覚えてない・・・でも、女子の皆が、よくそう言ってたのは覚えている」

 レイがそう答える。

 確かに、盗撮し、それを本人の受諾無しに売っていたことが多々あるケンスケは、女生徒達から、影で色々言われていたようである・・・

 それに、どちらかと言うと嫌われていたみたいである・・・

「・・・(ケンスケ・・・無惨と言うか、自業自得と言うか)」

 シンジはかつての友人に、同情する事は出来なかった。

 その行動を少しは知っていたから・・・



午後は、ネルフでシンクロの実験だった。
それが終わると、伊吹2尉から説明を受けた。

「シンジ君、前回より若干上がって41.3%だったわ」
「そうか、問題無い・・」

シンジが初めて乗った時より低いんだが・・・・まあ、仕方なかろう。

「ハーモニクスの異常も少なくなってきているし」
「そうか」
「これからも頑張ってね」
「ああ」

・・うむ、ああ、答えたは良いが、具体的には何を頑張れば良いのだ?
・・・・
・・・・

そう言えばそうだ、頑張れと言われても何を頑張れば良いのか分からん。

・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・

分からない事を考えても仕方が無い。
帰るか、



「司令の癖に良く解らないの・・・自分の仕事の成果である見たいな事を、言ってたくせに」

 シンジは呆れている。

 しかし、いくら司令だからって、そこまで知っているわけではないと思うのだが・・・
(でも、ゲンドウは元々研究員と言うか、所長だったし・・・)

「仕方ないわ、エヴァを開発したのはユイお義母様だもの・・・
 次に詳しいのは、弐号機を完成させ、ユイお義母様の事故の詳細等を見て、シンクロシステムの基礎理論を確立した【惣流キョウコ=ツエッペリン】博士・・・
 で、その2人の理論を、何とかあつかっていた赤木リツコ博士が、大幅にはなれて、その次だし、上で政治関係(殆どごり押し状態)しかしてなかったアレは、殆ど知らないと思う・・・」

 レイは事情を説明する。

 因みに、リツコの母であるナオコの科学者としてのレベルは、ユイより下、キョウコより上に位置する。

「ふ〜ん・・・父さんは科学者じゃなく、政治家なのかな?・・・でも、内政(ネルフ本部内)は冬月さんに任せっきりだったって聞くし・・・と言う事は外政専門かな?」

「まぁ、人それぞれ、適材適所だと思うわ」

 まぁ、無言の圧力で、我を押し通す事の得意なゲンドウは、そうだろうが・・・それって、外からかなり恨みを買ってない?

「兎も角、母さんの方を見てみよう」

「えぇ・・・」



午後は、ネルフでシンクロの実験だったわ。
それも終わって今リツコちゃんから説明を受けている。

「アスカ、前回よりも3ポイント伸びて72.61%よ」
「よしっ」

嬉しそうね・・・でも、ちょっと拙いかな・・・

「レイは前回とからわずの87.33%よ」
「なっなんですってぇええ!!!」

う〜ん

「何を驚いているの?」
「なっ、何でこんな人形女がこの天才チルドレン惣流アスカラングレー様よりも上なのよ!!」
「貴女はセカンドチルドレン、レイはファーストチルドレン、当然の結果と言えるでしょ?サードチルドレンのシンジ君は更に低いしね」

アスカちゃん・・・軽く俯いて肩を震わせているわね・・・・
そんなシンクロ率なんて関係無いのに・・・
今、私が何を言っても無駄ね・・・・
・・・・あの人ちょっと苦労するかも・・・まあ、仕方ないか、
シンジがアスカちゃんのシンクロ率を抜いた時よりはマシでしょうけど・・・万が一の場合は介入の準備はしておくか・・・



「・・・シンクロ率はエヴァの操作技術に関係するけど、『シンクロ率=エヴァの戦闘力』じゃないのに・・・なんで、それに固執するのかしら?」

 レイが疑問を投げかける。

「・・・アスカはなんでも一番じゃないと、誰も自分を見てくれないと思っていたんじゃないのかな」

 シンジが答える。

「そんな風に行動していたら、必ずパンクするように心が壊れるわ・・・」

 レイが心配するように、呟き、モニターに映っている『ユイを睨んで、唇を噛んでいる』アスカを見ていた。


帰宅すると、セカンドが猛烈なまでに不機嫌の気を放っていた。

「むぅ」
「サード、飯」
「自分でつくれ」
「このアタシが飯を作れって言ったのよ」

め、目が据わっている・・・一体、何があったと言うのだ・・・



「八つ当たり・・・でも、手が出ないわ・・・彼女も進歩したのかしら?」

 レイが言う。

「まぁ、そうだね・・・一応、考えるようになってきたようだね」

 シンジ君・・・君も言うね・・・



取り敢えず、命は惜しいので、チャーハンでも作って出す。

「そこに据わってアタシのの話を聞きなさい」

要するに愚痴だ。

「あんの人形女がこのアタシよりもシンクロ率が高いってどう言う事よ!」
「レイの事か・・・何かおかしいのか?」
「あったりまえでしょ!この天才チルドレン惣流アスカラングレー様よりもあんな凡人が上だなんて冗談じゃないわよ!」

愚か者、至極当然の事・・・ん?本来、レイは・・・ん?

「聞いてんの!」
「ああ、問題無い」
「あんのミサトもリツコも」

詳しい数値までは把握していないが・・・レイは確か、シンクロ率は一番低かった筈・・・何故だ?
私がシンジに比べてかなり低いと言うのは分かっている。
だが、何故セカンドよりも上なのだ?
何か変だ。・・・何か・・・

「茶」

湯呑を突き出されている。

「・・・分かった。」

酒を混ぜてやる。
酔いつぶれれば静かになるだろう。

「ん?このお茶美味しいわね。おかわり」

にや
・・・・・
・・・・・
・・・・・

「ぐが〜、ぐが〜、ぐが〜」

よし、寝たな。



「何か、父さん、気付き始めてない?」

「えぇ・・・チョッと別なことに気がとられているわ・・・拙いわ!」

「と、とうさん! えぇ〜い! 転べ! そのまま意識不明!!」

 ゲンドウがナニをやろうとしていたかは謎だが、兎も角、アスカが弱味を握られるような事は回避された。

 その後、アスカとゲンドウはTVの前で寝ていた為、後で帰って来たミサトが、2人でTVを見ててそのまま寝てしまったのだなと勝手に理解して、それぞれのベットに運んで行った。

 翌朝、ゲンドウはナニについて疑問に思ったかをスッカリ忘れているようであった。



次の日、本部の停電とマトリエルの襲来に供えて早めに本部に来た。
まあ、停電の方は歴史が変わっている以上、何とも言えないけど、重なるとヤッパリ供えが無いと拙いからね。

「おお、レイ、何か用か!?」

司令ね。

「別に用があるわけではないわ」
「・・そうか・・・」

本気で残念そうね・・・まあ良いけど、
発令所で暫く待っていたら、停電になったわ。

「・・エヴァの発進準備を進めて」
「ん?」
「進める」
「うむ、問題無い」

その後は司令の指示でエヴァの発進準備が進められたわ。
プラグスーツに着替えて、待機していたら、日向君がマトリエルの襲来を知らせに来たから、出撃ね。



「相変らず、チャンと使徒対策までしてるね・・・」

「えぇ、でも・・・アレの方は・・・」

 2人はゲンドウの方を見る。

 ゲンドウは、ネルフに早く来るのでもなく、普通にアスカと行動を共にしている。

「使徒の事・・・忘れているのかな?」

「・・・多分・・・時期が分からないからだとは・・・思ってあげたいけど・・・そっちの事は、特に考えて無い可能性が・・・」

 2人が沈黙していると、案の定、押しの強いアスカの先導で、ゲンドウは誤った道を『登って』いく。

「せめて、『別行動にしよう』とか言えばいいのに・・・」

「でも、私達も、弐号機パイロットの押しが強かったから、逆らえなかったわ」

「それもそうかって、危ない!!」

 モニターには、外に出たゲンドウとアスカの近くに向って、マトリエルが叩き付けられるところだった。



「・・・愚か者」
「何よ!!」

凄まじい音と衝撃が襲ってきた。

「きゃああ!!!!」
「ぐおおおお!!!!」

土埃が晴れると、目前に、マトリエルと零号機が見えた。
・・・ちょっとずれてたら死んでいたな・・・・

「ふぅ・・・」

あら?あの人とアスカちゃんが非常口に・・・
・・・危なかったわね。



「ふぅ・・・何とかガードは間に合ったけど・・・」

「もう少し遅れていたら、叩きつけた反動でおきた衝撃波で、壁に叩きつけられた時に・・・思いっきり怪我をしたわ」

「かすり傷じゃぁ〜すまなかったね・・・」

 その後、ゲンドウとアスカは、遅刻して来た事をミサトに叱られた。

「う〜ん・・・確かに、遅れて来たのは停電の所為だし、そんなに怒る位なら、車に乗ってきた日向さんに、捜させに行けば良かったのに・・・」

「ある意味、責任転化・・・理不尽ね・・・」

 そう2人が話していると、ユイが機転を利かせて、ゲンドウ、そして冬月を動かし、ミサトの説教を止めさせた。

「そう言えば、あの時も、ミサトさん、発令所に居なかったんだよね・・・」

 思い出したようにシンジが言う。

「赤木リツコ博士の話によると、エレベーターで、加持三尉とイチャついていたらしいわ・・・」

 レイがシンジに言った。

「う〜ん・・・(多分、電源が切れた為に、中に閉じ込められて居ただけだろうけど・・・)自分の事を棚に上げて、他人の失敗・・・じゃなくて、事故の事に文句を言うなんて、少しいけないよね・・・」

「えぇ、そうね・・・」



翌日、レイに家にやって来た。
インターホンを鳴らす。

翌日、家で汎用コアの研究をしていたらインターホンを鳴った。
確認してみたら、あの人だった。
玄関を開ける。

暫くしたらレイが出てきた。

「・・何?」
「どうだ、これからちょっと散歩に行かないか?」
「・・・別に問題無いわ・・・」

・・・・
・・・・

今二人で道を歩いている。

「レイ・・・少し話しお前の話をしてくれないか?」

ふ〜ん、そうきたか〜
じっと、あの人の目を見詰める。

レイはじっと私の顔を見詰める。
うむ・・・身長差の問題もあって至近距離でこれだけじっと見詰めた事は無かったが・・・・こう改めてみると・・・
・・・・
・・・・

何考えてるのかしらねぇ
まあ、いきなり言っちゃ拙いから情報を聞いてからって事だとは思うけど・・・

「うごおおお!!!」

ブロック塀に思いきり頭をぶつける。
ま、拙かった・・・レイに興奮してしまうところだった・・・・

あ、あの人いきなりブロック塀に思いきり頭をぶつけたわ!



「・・・一応、理性はあったようね・・・」

「・・・だね・・・」

 思いっきり攻撃態勢に入っていた2人・・・過度の干渉はしちゃいけないよ・・・



「・・・だ、だいじょうぶ・・?」
「ふっ・・・問題無い」

血でてるじゃない・・・
まさか・・・・それはありえるわね・・・・
自制したって事ね。



「あ、流石母さん、鋭い・・・」

「えぇ、そうね・・・」



ハンカチで拭いて上げる。

ん?ハンカチを取り出して額に・・・

「・・血・・出てる・・」
「うむ、済まんな」


その後、公園にまでやってきて、二人でベンチに座っている。

「話してくれるか?」
「・・・駄目・・話せない・・・」

ふっ・・・そうか・・・

「でも・・・・・・」

でも?

「・・・私は・・・いえ・・・・何でも無いわ」
「何でも無いと言う事は無かろう、相談に乗るぞ」
「・・・・」

じっと見詰める。
さて・・・レイちゃんだったらどう言う風に考えたのかしら?
まあ、この人の事を考えても、こう言えば一番利くわね。

じっと見詰めてくる・・・それは止めてくれ・・・

「・・・私は・・・消えたくない・・・」

「消える?」
「・・・私には何も無いから、」

そう、私にも責任はあるけど・・何も無かったのよね。

う・・・

「何を、言っている」
「・・・私は生きている・・・いえ・・・生かされている事に価値は無い・・・」

うぐぅ・・・

「そ、そんな事は、無いぞ・・この私がお前の価値を」
「・・・私の存在を決められるのは碇司令だけ・・・私の価値を決められるのも碇司令だけ・・・・私を・・・救う事が、出来るのも、碇司令だけなのよ・・・」

思いっきり利いているわね・・・予想以上かも・・・

く・・・レイは私を攻めているのか?
いや、そう言うわけではないだろうが・・・・・・
私にはそう以外きこえん・・・・・・
レイがそうまで自覚していたとは・・・・
結局は、私の勝手な思い込みだったと言うわけか・・・

「・・・どうしたの?」
「・・・いや・・・なんでもない・・・先に帰る・・・」
「・・・そう・・・」

とぼとぼと帰っていったわね。
さて、これでどのくらい考えてくれるのかしら?
シンジの事にまで考えが及ぶと良いけど・・・
そうすれば、明らかに過ちだったと気付くでしょうけど・・・


そう・・・過ち・・・・
・・・私も過ちを犯したのよね・・・・
直接、何かあったと言う訳ではないけれど・・・
私がミスをしなければ・・・・まあ、今更言っても遅いわね・・・
戻って、全てが終わったら、二人に真実を話して謝るしかないでしょうね・・・
・・・二人は許してくれるかしら?

私は一人でとぼとぼと帰路を歩んだ。
どうすれば良い・・・・今の私にレイを救う事などできん・・・・
くっ・・・レイがそこまで思っていたとは・・・・
私はコンクリートの壁を拳で叩いた。

「・・こんな事をしても意味は無いだろうが・・・」
「くそっ・・・・」

これでは、意味が無いだろうが・・・・
私は愚かだったのだな・・・・
だが・・・どうす・・・シンジは?
・・・レイがああであれば・・シンジはどうだったのだ?
・・・・・・・
・・・・・・・
今の私には知るすべは無い・・・か・・・
ふぅ・・・・



「少しづつ・・・やっとココまで来たね・・・」

「えぇ、やっと・・・私達は、過ちを起こさないように、途中で命を落とし、挫折するような事が無いように、手助けするだけね・・・」

「後は・・・父さんが、どの程度、理解出来るかか・・・」

「そうね・・・」

「今日はこのくらいにしておこうか・・・」

「そうね・・・でも、今日はケーキをいっぱい食べたから、就寝前に運動をしなくっちゃ」

「そうだね・・・庭園部をランニングしようか・・・」

「えぇ、ついでに、小鳥さん達にも、おっそわけをしてあげましょう」

「そうだね」

 二人はそんな会話をすると、ケーキのスポンジのクズなどを袋に入れて、出て行った。

                                    つづく


あとがき
とりもち「うにゃ〜〜〜」

レイ「・・・遅かったわね」

と「あ、レイちゃん、仕方なかったんだよ、行き成り出張が決まるし、仕事増えるし、これのメール来ないし(【リターン】の方は増えてるが)、スランプになるし・・・」

レ「言い訳ね」

と「グサァ〜〜!!」

シンジ「それにしても・・・今回、暴走してますね・・・」

と「う〜にゅ・・・ある程度書き直しせんといかんなぁ〜YUKIさんに相談しないと・・・てな訳で、行ってきます」

レ&シ「いってらっしゃ〜い」

シンジ「じゃぁ、僕等は小鳥さんにエサをあげに行こうか」

レイ「えぇ・・・行きましょう」



アスカに雀荘に呼び出されたYUKI、とりもち、マンギーの3作者、
アスカ「来たわね、このアタシにひどい役回りばっかりさせるクサレ作者達が」
YUKI「・・・用件は?」
アスカ「アンタバカァ!?雀荘に呼び出されたのなら麻雀に決まってんじゃない」
マンギー「麻雀ですか」
アスカは「そうよ!但し、箱になったら脱ぐのよ!!」
とりもち「そんな事言って、君が負けたら、どうする気かね?」
マンギー「今日はお気に入りのペパーミントの下着ですけど…見たいんですか?」
YUKI「脱ぐのは嫌だからがんばろかな」
とりもち「・・・YUKIさん、マンギーさん、妖しくないですか?」(ひそひそ)
YUKI「さぁ、どうですかね」
マンギー「大丈夫です。左手芸は鍛えてますから…」(ボソリ)
とりもち「これ、自動卓だから、コッソリ配線の一部を逆にしてみましょう」(ボソリ)
マンギー「それ以前に彼女、場所決めサイコロ振って決めるの知ってるんでしょうか?」
とりもち「勝手に居座ってますから、知らないのでは?」
アスカ「席は取ったモン勝ちね!」
とりもち「ほら・・・」
アスカ「なによ! そのくらいサービスしなさいよ!」
とりもち「・・・絶対何かしてますね」(ボソリ)
YUKI「牌変えますか?」
アスカ「牌を変えても別に良いわよ」
とりもち「卓・・・変えようか」
アスカ「だめ!!」
とりもち「なぜ?」
YUKI「じゃあ、この象牙の牌でやりませんか?1回りサイズが小さいんですけど」
とりもち「あそこの自動でない奴は空いてますよね・・・YUKIさん、マンギーさん」
マンギー「やはり象牙ですね。練り牌は趣きがありませんし、そうしましょうか。」
アスカ「えぇ、この卓は特別製だから、牌の大きさは関係無いわ!」(リツコに作らせた特注だもん)
とりもち「あれ?・・・普通の自動卓は、専用の練り牌じゃないといけないんじゃないんでしたっけ?」
マンギー「ええ。中に金属が入ってますけど…。」
アスカ「大丈夫よ!これは特別製だから!!」(あくまでも卓に拘るアスカ)
YUKI「手で積んじゃだめ?」
アスカ「め、面倒臭いじゃない!」(あくまでも卓を使う事にも拘るアスカ)
YUKI「アスカの分も積んで上げますよ」
アスカ「いいの! これを使うの!!」
YUKIがアスカの相手をしているうちに、卓の下で何かをしているとりもち・・・
マンギー「仕方ありませんね。とりもちさん、YUKIさん、私、彼女の上家に座ります。」
とりもち「じゃぁ、私が対面に・・・」
YUKI「では、私は空いたところに」
アスカ「じゃぁ、牌を入れるわよ」
YUKIさんから、牌を奪い、卓に放り込むアスカ
アスカ「♪〜♪〜」(シメシメ)
とりもち「象牙は、貴重なんだぞ」
アスカ「大丈夫、壊れないわよ♪・・・なにせ特別製だから♪」
暫くして、牌がセリ上がって来る
とりもち「壊れては無いが・・・何か牌が出てくるまで、時間が異常にかかってませんでした?」
アスカ「き、気にしない気にしない」(少し焦ってる)
マンギー「ご心配なく。いざとなれば…」(アスカから牌ぶっこ抜いて上がれば良いか)
アスカ「じゃぁ、サイコロのスイッチ!」
とりもち「そこまで機械任せかい!」
マンギー「あの、普通、全自動卓にはサイコロのスイッチ、ありますけど…。」
とりもち「だって、普通のサイコロじゃなく、映像ですよ・・・・これ」
アスカ「良いじゃない! 別に」
YUKI「機械に頼りすぎると人間だめになっちゃうかもね」
アスカ「兎も角、左ッパーね」
全員が牌をとって行く・・・アスカはにやりとしている
アスカ以外は、牌を並べ変えている
アスカ「じゃぁ、親の私から行くわよ」
アスカ「くらえ〜!! 天誅(天和)!って、一個違うじゃない・・・じゃぁ、リーチ」
とりもち「あ、それロン!」
マンギー(天和?…やっぱりイカサマが、ってダブルリーチか?…あれ、私の配牌、もしかして…これって…)
YUKI「・・・それ当たりですね」
マンギー「ロンホウ。」
アスカ「え?・・・」
とりもち「ほう・・・三人とも同じ待ちでしたか・・・」
マンギー「トリプルロン…確か、ここのルールでは頭跳ね無しですから、有効ですね。」
とりもち「これって、人和(レンホウ)ですよね・・・いくらかな?」
YUKI「う〜ん・・・人和って・・役満あつかい?」
アスカ「え?え?え?」
マンギー「普通は倍満、場所によってはハネ満…ここは…役満ですか。」
とりもち「跳満じゃないですか?」
とりもちが壁に貼ってある文字をさす
アスカ「え?え?え?え?」(よく理解していない)
マンギー「では12000点×3で36000点。さっ、空箱かぶって、ね。」
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
そして・・・半チャン後」
とりもち「これで、幾つ目かな・・・天井にどときそうだね」
ちなみにアスカはまだ脱いではいない
マンギー「そりゃ、あれだけ振り込めば…」
YUKI「どう言うことなんでしょうねぇ・・・」
アスカはテンパっても何故か、あげれなかった
とりもち「さぁ?」
とりもち(・・・配線を逆にしたからな・・・多分、そうしなかったら、
     アスカがずっと天和だったんだろうな)』
とりもち(策士?策に溺れるである)
マンギー(そりゃあんなミエミエのチンイツ、フる馬鹿居ないって…左手芸以前の問題かも…)
とりもち「で、アスカ、始める前に何て言ったっけ・・・チミは」
アスカ「・・・・・・・」(滝汗)
YUKI「 録音したテープは・・再生と」
店のお客も集ってきている・・・
って、2人ほど、出て行こうとしている影が・・・リツコ&マヤである
再生テープ『ふ、箱になったら脱ぐのよ!!』
とりもち「逆転するからって言ったから、待ってたんですよね」
マンギー「如何致します?私は別にアスカの下着には興味ありませんが…。」
アスカ「・・・・・・・・」(超滝汗)
アスカはキョロキョロしている・・・出て行こうとするリツコ達を発見
アスカ「り、リツコ! どう言う事よ!!」(走ってリツコの所に行く)
とりもち「箱をそのままで・・・何と言うバランス能力」
YUKI「どうしますかね・・・」
リツコ「し、知らないわ! チャンと注文通りにしたわよ!」
マヤ 「そうです! チャンとアスカちゃんのみに役牌がいくようにセッティングした・・・あ」
マンギー「どうせこんな事だろうとは思いましたが…無様ですね。」
とりもち「そうですね・・・自分達で暴露してますよ」
お客の目も集中する
アスカ&リツコ&マヤ「「「あ、ハハハハハハハッハハ・・・ダッシュ!!」」」
店から出て行く三人・・・
とりもち「・・・捕まえて、三人で、何かやらせた方が良かったですかね?」
YUKI「さぁ・・・どうですかね」
マンギー「あのぉ、もしかして、ここの卓代払うの……私達?」
YUKI&とりもち「「・・・・」」


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