贖罪
第3話 外


 この作品を読む前に、YUKIさんの表裏の第3話を読むことを進めます。



 目が覚めると、シンジの隣に寝ていたレイが居なかった。

 シンジが、周りをキョロキョロと見ていると、ドアが開いて、レイが入ってくる。

「碇君・・・起きたの?」

 なぜかエプロン姿で現れたレイ。

「あ、綾波・・・どうしたの? その格好?」

 シンジは驚いたように尋ねる。

「あ、朝ご飯を作ってみたの・・・食べて」

 レイは恥かしそうに言う。

「え? 本当?」

 シンジが驚いたように言うと、レイは少し顔を赤らめて、コクリと頷く。

「うん、食べるよ、ありがとう、綾波」

 シンジはそう言うと、ベットから出て、レイと一緒に食堂に向った。

 ピィ〜〜〜ガガガガァ〜〜〜

 そして二人は、一緒に朝食(?)を食べた後、何時ものようにモニター室に行った。

「あ、モニターの数、増やしたんだ」

「えぇ、心配だから・・・赤木博士の行動が・・・」

「だよねぇ〜」

 二人はそんな事を言いつつ、前回と同じようにイスに座る。



むぅ、なぜ留守ばかりなのだ。
拙いぞ、このままでは私のレイ取り込み作戦が・・・



「やっぱり、下心満載だね・・・父さんは」

「えぇ、とっても嫌なの・・・」

 二人は、ゲンドウの心の声を聞きつつ呆れる。



ん・・・・・しまったぁあ!!
引っ越したのか!!
あの、引越し蕎麦は私を撹乱する為のものだったのか!!
くっ、赤木博士か奴かは分からんが、なかなかやるな、だが、私はこの程度の事ではへこたれんぞ!



「と、等々、気付かれたの・・・」

 レイは冷汗をかきながら、嫌そうに言う。

「て言うか、よくも、まぁ、今まで気付かなかったよね」

 シンジは冷汗をかきながら、呆れたように言う。

「そう言う事は、何時も、副司令に任せっきりだったから・・・」

「極力自分で動こうとしないんだなぁ〜」

 シンジはレイの言葉を聞いて、呆れて言う。



先ず、第3新東京市立第壱中学校のコンピューターをハッキングして、住所録を調べる。



「は、ハッキングって・・・父さん、そんな事出来るの?」

「えぇ、ある程度の事は出来るんだけど・・・面倒臭がって、しないだけなの・・・自分の仕事も・・・絶対に自分じゃないといけない、対外的な事でない限り・・・皆、押し付けているの」

「父さん・・・最低だよ・・・それって・・・」

 シンジは、タダ呆れるばかり・・・



「む」
こ、これは、私の家があるところではないか!
奴め、自分の手元においておくつもりか、こっちから行ってやる。



「そう言えば、母さんは、寝てるのかな?」

「起きているみたいなの・・・」



さてと・・・ラミエルは流石に大変ね・・・
でも、裏を返せば、シンちゃんやレイちゃんの気持ちを分からせるには打って付けね。
う〜ん、どうしましょう・・・



「母さん・・・」

「私達の事を真剣に考えてくれている(?)のは、ユイさんの方みたいなの」

「それに比べて・・・父さんは・・・」

「目的の為には、手段や結果を選ばず・・・また、その手段の為の経緯や、結果の為には、目的を蔑(ないがし)ろにする・・・」

「それ・・・父さんの事だね・・・」

 シンジが呆れながら訊くと、レイは頷いた。

「あ、父さんが、母さんの家の前に来た・・・」



ん?誰か来たのかしら?
あら・・・あの人じゃない・・・

今、レイの家の前にいる。
ふん、なかなかの家だな。
奴め、レイに気に入られようと小賢しい真似を、



「同じ自分なのに・・・」

「同じと既に見てないのかも・・・」

 シンジの呆れた呟きにレイが答える。

「そうかなぁ〜」

「司令は、自分の事は直ぐに棚に上げるから・・・」

「納得・・・でも、ストーカーみたいだね・・・しかも、あんなに扉に近付いて・・・行き成り開いたら、どうする気だろ?」

「・・・(ストーカー・・・変態的な行動の一種・・・保安部の人達に連行されて行く人達・・・碇君の身体でそんな人達と同じ事をするなんて・・・すこし、お仕置き、反射神経を鈍らせておくの)」



ドアを勢い良く開ける。

ん?
「ふげ!」
開いたドアで、頭を打った。

あっ結構良い音ね。



「ジャストミートだね・・・」

 シンジは可笑しくて、少し頬を緩ませていた。

「(・・・お仕置き、成功)」

 レイは、思惑が上手くいったので、ニヤリとした。



「ふげ!」
「い、痛い」
「・・そう、良かったわね・・」

良くないぞ、だが、ここはぐっと堪えて、

思いっきり顔を顰めてるわね。

「レイ、これから、食事に行かないか?」
「・・・司令見たいな事を言うのね」

た、確かに・・・だが、シンジならどう言うか分からん、突き通すしかない。

戸惑ってるわね・・・



「強引だなぁ〜・・・」

 シンジが呆れながら言っていると、レイが裾を引張る。

「ん? あ、何?」

「碇君なら、何って言うの?」

 レイが興味深そうにシンジに訊いてくる。

「え?・・・そ、そうだなぁ〜・・・あの時の僕だったら・・・『綾波、良かったら、僕と一緒に食べない?』かな?・・・あんまり変らないか・・・」

 シンジが言うとレイは首を振りながら言う。

「そんな事無い・・・碇君の言い方のほうが、何十倍も優しい・・・」

「そ、そうかなぁ〜」

 シンジが、テレながら言うと、レイは頬を少し染めながら頷いている。



「問題あるのか?」
「いえ・・只・・・・いえ、止めておくわ」

気になるでしょうね。

き、気になるぞ・・・

「で、答えは?」
「・・・ラーメンなら付き合うわ」

相変わらず不器用ね・・・

よし、第1段成功だ!



「う〜ん・・・母さん、父さんにあんまり警戒してないね・・・」

「あの司令は危ないの・・・」

 レイは本当に心配そうに言う。



今、屋台のラーメン屋にいる。



「あそこは・・・」

「あの時の・・・」

 寄り添いながら二人は、懐かしんでいる。 



良くこんな時間からやっていたものだ・・・・
・・・問題ない。

良くこんな時間からやっていたものね・・・
普段こんな時間に誰か来るのかしら?



「最初は、『流石、夫婦』と言いたかったけれど・・・」

「発想は同じでも・・・それからが違うわ・・・」

「考え方とかねぇ〜・・・」

 シンジの言葉にレイが頷く。



「何にします?」

ん〜・・・レイちゃんはなんて言うかな〜・・・そうね、

「ニンニクラーメンチャーシュー抜き」
「ツバメの巣と鱶鰭の最高級ラーメンだ」

 ・・・貴方・・・私の5倍以上の値段のラーメンを頼むって・・・一体、どう言う事?
 ・・・戻ったらお小遣い減らしてやる。



「・・・・・・まぁ、自業自得かな?」

 シンジが、呆れて、冷汗を流しながら呟く。

「普通の人なら、あぁ言う場合、どんなのを頼むの?」

 レイがシンジに尋ねる。

「え?・・・多分、二人で行くなら、普通、同じような値段のモノを頼むと思うよ・・・誘ったんだし・・・あんなに値段の差があるものは、本当に相手の事を考えているなら、かえって、頼み辛いと・・・思うけど」

「・・・やっぱり・・・(私の時は、もっと差がついていた・・・)」

 レイは、昔、ゲンドウにレストラン連れて行かれたときを思い出して、怒っていた。

 しかし・・・あの時に差が鬼のように出来たのは、レイが、サラダしか食べなかったからじゃないだろうか?・・・と言うのは突っ込んじゃいけないね・・・



「はい」
 ・・・
 ・・・
目の前にラーメンがある。

うむ、屋台の物にしては美味い。
このオヤジかなりのやり手だな。

あら・・・屋台のものにしては結構美味しいわね。

「レイ、どうだ?」
「・・・問題無いわ・・」

何がだ?・・・不味くはないと言うことか?
まあ良い・・・問題ない。

うん、美味しいわね。
でも、お小遣いは減額よ



「う〜ん、戻った父さんの前では、チャンと演技しているね、母さんは・・・」

「えぇ、アレが、『私の中に居るのがユイさん』って、知ったら、本当の意味で『自ら贖罪をする気になる』は難しいかもしれないの・・・」

 二人は考え込む。

「と、ところで、今、気付いたんだけど・・・」

 シンジが行き成りレイに言う。

「何?」

「あの時、第五使徒って、零号機起動実験中に来たんだよね・・・」

 シンジはレイに確認をするように尋ねる。

「えぇ、そうね・・・」

「母さん、シンクロ出来るんだよね・・・」

「えぇ、それは確実に出来ると思うの・・・かなり、ハイレベルで・・・」

 レイはシンジが何を言いたいのかを考えつつ答える。

「と言うことは、シンクロ率は・・・僕になった父さんよりも・・・」

「かなり高いわ・・・あ!」

 レイはそこでシンジの言いたい事を確実に理解し、冷や汗を流す。

 つまり、零号機のシンクロ率が高ければ、下手をすると、そのままレイとなったユイを出撃させる可能性が高い・・・

 特にミサトなら、扱いにくく、シンクロ率の低いゲンドウよりも、(今までは、レイだった為)従順に感じ、シンクロ率の高いユイを出撃させようとする可能性が高い。

 まぁ、そうなったら、司令の碇が黙ってないだろうが・・・

「も、もしもの事を考えると、その前に来た方がいいかな?・・・」

「・・・確かに・・・そうね・・・早めてみるわ」

「お願い」



さて、今日は、ラミエルが来るわね。
司令に言って、各地の蓄電所に電気蓄えさせておいたから、そっちは大丈夫ね。
先ずはシンちゃんの気持ちを味わってもらわなくちゃね、



「流石、母さんだね・・・次の事も考えているよ」

「えぇ、しっかりとしていらっしゃるわ・・・チャンとアレが反省してくれるようにも導いてくれている」

 シンジとレイは、ユイに感心した後、ゲンドウのモニターに目を移す。

「あ、父さんの方は、リツコさんと、火花を散らしているよ・・・まさか、気付かずに内部に敵を増やしてるのかな?」

「でも、確かに、あの注射の液体は・・・妖しいの・・・」

「確かに・・・」



 ・・・ネルフ本部技術棟・・・

「そんな事よりも、先の注射器の中身を教えろ」

火花が散ったか・・・なかなかやるな警報が鳴り響いた。
使徒か・・・ん?ラミエルは零号機の再起動実験の時ではなかったのか?



「チャンと出来たみたいだね・・・どうやったの?」

「えぇ、あの使徒の時間軸を少し遡って、進めてみたの」

「成る程・・・そうやるのか・・・」



施設に警報が鳴り響いた。
来るわね。
さて、待機室のモニターで確認しながら、司令に携帯をかける。

『おお、ユ・・レイか、何だ?』
「私の指示通りにしなさい」
『分かった。』



「何をする気だろ?」

「碇君の気持ちを味わって貰うとか言ってたけど?」

「じゃぁ、やっぱり・・・早めててよかったね」

「えぇ、そうね・・・」



『出撃よ、良いわね』
「敵生態のデータと具体的な作戦案はあるんだろうな」
『うっ・・』
『使徒に通常兵器は無効よ、よって、エヴァによって調査し、それから作戦を立てるしかないわ』
む・・拙い、この使徒の前に去らされるのは

「実際確かめてからにしろ」
『さっきやったわ』



「絶対に、やってないよね・・・ミサトさん達は・・・やってたら、あの使徒の前に行き成り出すなんて事、出来ないよ・・・」

 シンジが言う。

「えぇ、時間的にも、何もやってないわ・・・」

 レイも同意する。

「じゃぁ、本当にエヴァでないと、使徒の調査は出来ないの?」

「・・・使徒の戦術的調査をするなら、エヴァでなくとも充分に出来るわ・・・事実、あの時も、碇君が気を失っているうちに、エヴァ無しで使徒の調査をやってたわ・・・」

 シンジの疑問にレイが答える。

「・・・なんで、ミサトさんみたいな行き当たりばったりの指揮しかしないような人が、作戦立案だけでなく、作戦指揮まで取ってたんだろう?・・・立案は凄いと思うけど、指揮の方は・・・チョッと・・・」

「戦うのが自分で無いから、深く考えなかったか、ネルフには余程人材がないのかのどちらかと思うけど・・・人材が無いなら、作戦を考える人間と指揮を取る人間くらい、別にした方が良いとは思うの・・・」



「時間がないと言って出撃命令を出して」
『もう一度やれ』
『もはや時間が無い、さっさと出撃しろ』

くっ、奴め、人事だと思って!!



「人事って・・・自分もそうだったじゃぁないか・・・僕のとき」

 シンジはゲンドウの言い草に少し怒りを感じていた。

「やっぱり、戦い傷付くのが自分じゃないから、深く考えなかったのかな?」

 シンジは額をピクピクさせながら言う。

「可能性は高いわ」

 レイはシンジの考えを支持した。



『出撃よ』
『作戦の拒否権を行使する!』

どうだ。

「根拠を尋ねる」
『・・・その根拠は?』

何?

「罵った上で、A−02を発令して」
『明確な理由も無しに・・・単なる我侭か』

くっ、考えろ、考えるんだ。



「根拠なんて、すぐ出来るよね」

 すぐに思いつかないゲンドウに呆れて、シンジが言う。

「えぇ、例えば、『使徒の形状から言って、攻撃方法は、狙撃などの遠隔攻撃と考えられるので、それ相応の事を先にしろ』とか・・・」

「そうだよねぇ〜大体、こうなる事は分かってたんだから、そのくらい先に考えておかなくっちゃ・・・それに、そう言えば、ミサトさんも、文句をあんまり言えないだろうし・・・」

「言ったら、考え無しね・・・」



『特令A−02を、ネルフ総司令官の権限によって発令し、初号機パイロットに、葛城作戦部長の指揮で戦闘を行う事を命ずる』

こ、小癪なぁ〜〜!!

『出撃!!』
「ぐおっ」

舌噛んだ。

「ま、拙い」

地上に出た。
目の前が真っ白になった。



着弾したわね。
『ぐおおおお!!!!』
どう?これがシンちゃんの気持ちよ、分かったかしら?
さて、零号機の起動実験の準備をしますか、



「まぁ、案の定・・・少しは、僕の辛さが分かったかな?」

 シンジは、モニターで叫ぶゲンドウを見ながら呟く。

「そうだ・・・すぐ戻ってくるわ」

 レイが行き成り席を立って、何所かに行く。

「綾波、どうしたんだろう?・・・まぁ、いいか、すぐ戻って来るって言ってたし・・・」

 ゲンドウはそのまま医務室に行ったので、シンジはリツコとユイのモニターを見る。



1時間後、零号機に乗り込んで準備を終えたわ。
『これより、零号機再起動実験を行う。』
『レイ、準備は良いか?』
「はい」
『第1次接続開始、主電源接続』
『稼動電圧臨界点を突破』
『フェイズ2に移行』
『パイロット零号機と接続開始、パルス及びハーモニクス正常、シンクロ問題無し。』
『オールナーブリンク終了。』
『絶対境界線まで後2.5』
『1.7』
『1.2』
『1.0』
『0.7』
『0.4』
『0.2』
『絶対境界線突破します。』
『零号機起動しました。』
『引き続き連動試験に入ります。』
 ・・・・・・
 ・・・・・・
シンクロ率は80くらいで良いかしら?
『シンクロ率86.33%です!!』
歓声が上がってるわね・・・ちょっと高かったみたい。
ん〜、結構調整って難しいのね・・・



 レイがお盆を持って、戻ってきた。

「あ、綾波、手伝うよ」

 シンジはレイを見ると、席を立ち、レイの持つお盆を代わりに持ってあげる。

「あ、ありがとう・・・」

 一瞬、シンジの手が触れたので、レイは恥かしそうに、頬を染める。

「へぇ〜・・・クッキーだ・・・綾波が作ったの?」

 シンジは、クッキーと紅茶セットが載ったお盆をテーブルに載せると、レイに言う。

「えぇ、ただ見ているだけじゃ、つまらないと思って・・・」

「ありがとう、綾波、気を使ってくれて嬉しいよ」

 シンジはレイに満面の笑みを向ける。

「(碇君の為だモノ)・・・食べてみて」

 赤くなったまま、レイはイスに座ると、シンジにクッキーを勧める。

「うん・・・おいしいよ、綾波♪」

 シンジがそう言ったので、レイは嬉しくなるが、モニターを見て驚く。

「い、碇君! 赤木博士が!」

「もが! ゴックン! 拙い! 覚醒!」



目が覚めた。
「ちっ」
舌打ち、又赤木博士か・・・
「その注射器の中身は何だ?」
「え、いやその、あの」
 ・・・・
 ・・・・
 ・・・・
くそ、又逃げられた。
近い内に追い詰めてやる。
まあ、自白剤かなんかだとは思うが・・・
 ・・・まさか、赤木博士の個人的な実験じゃあないだろうな・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
嫌な想像をしてしまった。



「・・・あれって、自白剤なの?」

 シンジが訊くと、レイは思いっきり首を横に振る。

「赤木博士の作っていた強力な自白剤とは、色が違うわ・・・」

「つ、作っていたの・・・やっぱり・・・」

 レイの答えを聞いて、シンジは青くなる。

「と、兎に角、落着く為にも、紅茶をどうぞ」

 レイはそう言うと、シンジのカップに紅茶を注ぐ。

「あ、ありがとう・・・おいしいね」

 シンジはレイにまた微笑む。



作戦会議室で、説明を受けている。
「と、言う事で、初号機がディフェンス、零号機がオフェンスよ」

むぅ・・又・・あの砲撃を受けるのか

あの人嫌そうな顔しているわねぇ・・・まあ、仕方ないけど、
「これは、零号機の方がシンクロ率が高いからよ、」
リツコちゃんが説明を加える・・・説明好きねぇ・・・
まあ、私も人の事言えないか・・・

たしかに、私のシンクロ率は低過ぎるからな・・・
だが、う〜む・・・
くそ・・・良い理由が無い・・・

貴方・・・悩んでも無駄ですよ、次は、レイちゃんと同じ事を味わってもらいますからね。



「父さん・・・母さんを盾にしようと考えていたみたいだね・・・」

「・・・でも、アレは、ユイさんって事を知らないから、結局は私を盾にしようと考えていたと言うことね・・・」

 二人はモニターのゲンドウを睨んでいた。



さてと、筑波の戦自の研究所から陽電子砲を借りて来ますか、
零号機起動、
『レイ〜!持っていって!』
蓋?天井よねぇ・・・なんでこんなに簡単に開くのよ・・・
これが陽電子砲ね。
ん〜、後で設計図見せてもらお〜っと♪


本部に戻って、暇な時間、設計図を見せてもらったわ。
興味深いわね。
ん〜、成るほど、そうやって陽電子を収束させてるのか、
ふむふむ、ふ〜ん、流石ね、
10年の開きがあるとは言え、戦自の技術は凄いわね、
「・・・・
「・・・・
「・・・・
「・・・・
ん〜、もう時間か・・・まあ良いわ、後でもっと見ましょう。



「母さん・・・科学者の血が騒ぐのかな?」

「おそらくそうね・・・」



双子山の仮設ケージにいる。
暇だ・・・何もする事が無い・・・
作戦開始まで、あと、2時間・・・何をしろと言うのだ。

仮設ケージにあの人が座っているわね。
「・・・暇そうね・・・
緊張感無いのかしら?

ん?足音・・・レイか

「・・貴方は何故これに乗るの?」
「・・・何故か・・・そう言えば何故なのだ?
「・・・・生き残る為か・・

・・考えてるわね。

「生き残る為だ」

まあ、当然の解答ね。

「・・私も生き残る為に戦いたいわ・・」

レイはそう言い残し去っていった・・・

さて、これでどう考えてくれるかしら?
取り敢えずは、反省するでしょうね。
その反省と決意はどこまでのものなのかしら?



「反省・・・してくれるかなぁ〜」

「さぁ?」

 ゲンドウは、信頼度がかなり低いようだ・・・



どう言う事だ?
 ・・・・
 ・・・・
そうか・・・レイは最終的には補完計画で依代と成り消える運命にあった。まあ、実際
シンジに成ったが・・・
 ・・・・
私の業か・・・絶対に逆らわぬように躾たのだからな・・・
最後の時、私を裏切ったのは・・・こんな前からその予兆はあったのか・・・
レイは、死にたくは無かった・・・無へと帰る事を望んでいたのは、見せ掛け・・・シンジとの生を望んでいたのか・・・
 ・・・・
だが、今更・・・
いや、私が何らかの方法で、補完計画を潰してレイを救えば良いのか、今、補完計画を発動されても私に全く利益は無い、利害は一致した。
後は、方法とタイミングか、
いかにして計画を座礁させるか・・・
途中で悟られても行けない。難解を極めるな。
考えろ、お前は、ゼーレの爺どもと最後まで遣り合ったのではないか、多少の不利があろうとも、何も知らない人間に負ける筈が無い
 ・・・・
 ・・・・
そうこうしている間に、時間になってしまったか・・・
 ・・・レイ・・お前は私が守る。



「一応、守る決心はしたようだけど・・・」

「心の奥底から反省したのかどうかは、すぐ分かるわ・・・」

 二人はサングラスをかけながら、画面を見る。



先ずは、第1射、
予定通り、外れる。
さて、あの人はどう言う反応をするかしら?
一応、万が一に供えてATフィールドの展開を準備する。

第1射が外れた。
くっ拙い!
第2射が来る!
盾を持って間に飛び込む。
レイは助かった。初号機の方が装甲は厚い、大丈夫な筈だ。



「チャンと、守ったと思ったのに・・・」

「初号機なら、私の時より大丈夫と思ったから、やっただけなのね・・・」

「安全だと思ったから、やったと言う事は・・・」

「心から反省していないと言うことね・・・」



「ぐおおおおお!!!」
「あっ熱いいい〜〜〜!!!」
「た、盾が持たん!!」
「ぎえええええええ〜〜!!!」
・・・やめときゃ良かったかも・・・

撃つ、
ビクゥッ!!
さ、最後の瞬間、に、逃げようとしたわね。



「最後の一瞬、初号機の足が・・・綾波、何かした?」

 初号機が逃げようとした瞬間、地面に縫い付けられたように足が動かなくなったのを、シンジは不審に思って、レイに訊く。

「盾が融け切った時、逃げようとしたの・・・そうすると、零号機とユイさんが危ないから、動けなくしたの・・・」

「まぁ、母さんは父さんが逃げようとした事が分かったみたいだから、いいけど・・・」

「碇君も何かしてたの?」

「え?・・・いや、一応、父さんが逃げても大丈夫なように、零号機のATフィールドの着弾点の上に、ネルフに気付かれないように加粒子砲の威力を極端に下げる歪曲場を作ってたけど・・・」

「ご、ごめんなさい・・・」

 暗い顔になって、レイは慌ててシンジに謝った。

「い、いや、良いんだよ、綾波は母さんを守ってくれようとしたんだから、僕は、かえって嬉しいよ。
 それにさ、よく考えたら、僕の方法だと、チョッと、変な事になるかもしれなかったから・・・ほら、リツコさんとかが・・・」

 シンジは慌てて、レイを慰める。

「本当?」

 少し、涙顔でレイが訊く。

「本当、本当♪ だから、泣かないでね、綾波には、そんな暗い顔じなくて、笑顔が似合うからね・・・僕は、綾波が笑顔いてくれる事が大好きだからさ」

 シンジは、レイを慰めようとして、レイの手を握り、ナンパ師のような事を口走っている事に気付いていない。

「うん」

 兎も角、レイに笑顔が戻る。

「じゃ、じゃぁ、続きを見てようよ・・・」

「えぇ」

 レイは顔を少し染めている。 

 シンジは、手を握りっぱなしでいる事に気付いてないのか、そのままである。



「・・・・取り敢えず・・・助けないと、死んでは拙いわね。
取り敢えず、エントリープラグを取り出す。

「あっちぃいいい〜〜〜〜!!!!」
「な、何だ!!」
「ぐおおおお!!!」


零号機を降りて、近寄って、ハッチを開ける。
高温のLCLが勢い良く流れ出す。

物凄い音がしてLCLが流れ出て行った。
・・・レイが覗き込んでいる。

覗き込んだら、まあ、予想通り、結構熱がってたわね。

「・・・大丈夫?」
「ふっ問題無い」

決まった。
もう、これ以上無いくらいに決まった。

格好つけてる・・・・さて、さっきの罰を食らってもらいましょうか、

「・・そう、良かったわね。」

ハッチを閉める。

レイはハッチを閉めてしまった。

「お、おい!!開けろ開けてくれ!!」



「えぇっと・・・どうしようか?・・・一応罰とは言ってるけど・・・」

 大粒の汗をつけたシンジが言う。

「あのままだと危険だから、新陳代謝を若干早めて、火傷で済む程度の状態にしたほうが良いと思うの・・・あのままだと・・・LCLの温度で、内臓器官などに・・・」

 レイも、大粒の汗をつけて答える。

 確かに、LCLが蒸発しているような温度だから、ATフィールドを張れないような普通の人間が長い時間耐えれるわけが無い。

「そ、そうだね、危険だよね・・・(母さん、アレは蒸し風呂じゃぁすまないよ)」

 シンジはそう言うと、ゲンドウの肉体の発汗等を促進し、体内の器官のダメージを最小限に押えた。



結局回収班が到着するまで中にいる羽目になったわね。
はぁ〜〜〜、結局未だなのね。
次は・・・アスカちゃんが来るわね。
これからどうなるかしら?

結局回収班が到着するまで中にいる羽目になった・・・・
まさに・・・蒸し風呂だった・・・・
入院する事に成ったのだが・・・レイは見舞いに来てくれるのか?



「反省・・・ロクにしてないようね・・・」

 呆れたようにレイが言う。

「そのようだね・・・喉元過ぎれば熱さ忘れる・・・まったく、父さんは・・・ん?」

 そこでシンジはレイの手を握り続けていた事に気付く。

「あ! ご、ゴメン・・・」

「何が?」

 レイは不思議そうに聞き返す。

「いやその・・・ずっと握ってて・・・」

「いい、碇君だから・・・」

 そう言って、レイはシンジの手を握り返した。

 見つめ合った二人が暫くそのままだったと言うことは、お約束である。

                            続く・・・にやり



あとがき

ふふふ、ドンドン近付いて行く二人の心。

一応、看視者として、多少干渉はしているけど・・・二人でずっと過しているからねぇ〜

まぁ、時々、みょ〜に初々しくなったり、ラヴラヴになったりするけど・・・

それは、未だ2人の心が未熟だからとでも思ってください。

さて、新婚夫婦のような二人は置いといて、ソロソロYUKIさんのとこに行くか・・・


あとがき
YUKI「あっ、とりもちさん、いらっしゃい」
とりもち「YUKIさん、あれ、ヤッパ削ったの?
     シンジ君とレイちゃんの新婚ラヴラブお食事シーン(甘々だったのに・・・)」
YUKI「まぁ、あんまり関係無いだろうし・・・が、うるさいし・・・長いし・・・」
アスカ「とりもち!!!この腐れ作家が!!!」 
とりもち「何を言う、ココでは、レイちゃんとシンジ君が結ばれるのは、大事な事だ!」(言い切る)
アスカ「きいいい〜〜〜!!ちょっと待ってなさい!!」
YUKI「ん?どこかへ飛んで行ったと思ったら、戻って来た」
とりもち「誰かを引き摺ってるよ」
アスカ「ふん!チャットに居た通りすがりの一般人に聞いてみようじゃない!!」
アスカ「このアタシが正しいって事をね!!」
とりもちあ「・・・●●●さん(本人の都合により、名前は伏せさせていただきます)・・・」
通りすがりの一般人?「な、何ですか?」(本人の都合により、名前は伏せさせていただきます)
アスカ「アンタは、この惣流アスカ=ラングレー様が
    シンジとくっ付くのが正しいと思うわよね!!」
YUKI「・・目には脅しの炎が見えるんだけど・・・」(汗)
通りすがり「はぁ、行き成り言われても、良く解りませんが・・・」
YUKI「目が点、」
とりもち「なぁ〜に、一般人を引張ってきてるんだ? この暴走勘違い娘」
とりもち(ココは元々LRSのHPだから、チャットに来る人の殆どがLRS派の
     人に決っているだろうが・・・)
アスカ「あぁ!?この私に何か文句があるわけ!?」
とりもち「矛先がこっちに来た」
通りすがり「はぁ、では、私は用がありますんで・・・」
YUKI「御協力有難うございました。」
とりもち「無いと思っている事事態驚嘆に値するね」(呆れている)
アスカ「フッ・・・まぁ良いわ!!アンタの減らず口も今日までよ!!」
とりもち「ドコをどう取れば、家事無能力者が、そんな事言えるのだか?(やれやれ)」
アスカ「クフフフ・・・今日は取って置き中の取って置きを持ってきたわ!」
とりもち「ほう?何を持ってきたのかな?」
アスカ「クスクス、総監から、聖剣エクスカリバーを借りてきたわ!
    ATフィールドだって、紙切れのように切裂くのよ!!」
とりもち「そう言えば・・・総監が、さっき探していたな・・・」
とりもち「それ・・・勝手に持ってきたのか?」
YUKI「やばいよ・・・それ・・・」(滝汗)
アスカ「大丈夫よ!アンタを殺した後に、チャンと戻しておくから(コッソリと)」
とりもち「殺す?未熟者が?また不可能な事を・・・ヤレヤレ」(呆れている)
アスカ「しねぇえええ!!とりもちいぃぃぃいい!!!!」
YUKI「ナレーションを、アスカがとりもちに襲いかかった瞬間、
     閃光が無数に周囲に降り注いだ。」
YUKI「その閃光の中、とりもちがさっと避けたようにも見えた。」
・・・・
YUKI「あっ、会長」
皇耕一「さて、生きているかな?」
YUKI「ナレーションを、そこで、耕一が見たものは、前回同様、鳥もちにくっ付いて、
     動けないでいるアスカとエクスカリバーを鳥もちから外しているとりもちだった。」
アスカ「ぐっ・・・ぐっ・・・」
とりもち「おぉ!総監、はい、お探しの聖剣のレプリカ、アスカが持ち出していたよ」
耕一 「持ち出されたのが、レプリカの方でよかったよ(本物は持ち歩いているからな)
    まあ、もし本物だったとしたら大変なことになっていただろうがな・・・」
とりもち「では、あっしは、ココで・・・さて、暴走未熟勘違い娘、シッカリ反省してな・・・」
耕一 「私も帰るか」
YUKI「では、私も」
アスカ「きいいい〜〜〜!!!この借りは垓倍にして返してやるう〜〜〜!!!」


Indexに戻る。
第2話外に進む。
第4話外に進む。