ネオエヴァ・外 伝
                                     親バカゲンちゃん奮戦記U        
                                         とりもち&M・Tさん
                                       初めてのプレゼント大作戦?







 前回のお話から数日後・・・

「だからだな、いきなり、そんな大金を渡されても、シンジが困るだろうが!」

「し、しかし・・・」

 司令執務室に怒鳴り込んできたシンに、ゲンドウは冷や汗をかきながら、そう言った。

 無論、なぜか机の上に正座をしている。

「今まで、碌な小遣いを渡してないから、纏めて渡すと言っても、
限度があるだろうが、限度が!

「まぁ、シン、コイツも悪気があってやった事ではないし・・・」

 冬月がシンをなだめる様に言った。

「おやっさん・・・
 だいたい、そう言う事をしたいなら、最初は、シンジが欲しがっているモノを、
それとなくプレゼントするのが普通だろ。
 何でそう言う助言しないんだよ!」

 シンは呆れたように冬月を見て、そう言った。

 冬月は思いつかなかったと言う顔をして、冷や汗を流す。

「だ、だが、シンジが何を欲しがっているのかは・・・」

 ゲンドウは困惑した表情でそう言った。

「はぁ〜・・・」

 シンは呆れたように溜息を吐く。

「そう言うことは、俺か、レイちゃんに訊けば相談すれば良いだろうが・・・
 普段から、シンジの近くにいて、それとなくそう言うモノを、聞きだせたり、
知っているかもとは考えなかったのか?」

「・・・あ・・・」

「そうだったな・・・」

「ったく」

 今更ながら、気付いた2人に、シンは呆れる。

「と、ところで、シンジは何を欲しがっているのだ?」

 早速、質問をするゲンドウ。

「ちったぁ〜考えろよな・・・
 シンジは責任感ある立派な男だ。
 いきなり指揮官に選ばれたとはいえ、その責務を自分なりに確りこなそうと、
一生懸命、勉強しようとしている。
 その手助けになるようなモノをプレゼントすればいいだろ」

「むぅ・・・(汗)」

 シンからヒントを貰ったものの、よくわからず、悩むゲンドウ・・・

「例えばだなぁ〜・・・
 シンジは、指揮官をするんだから、それなりの戦術って言う奴を、勉強したがっていたな。
 家庭教師をつけるにしても、そう言うのに詳しく、信頼のおける人間がそうすぐ手配できるハズがないよな。
 大体、本来、戦自から抜擢され、態々、国連軍に転属され、さらにドイツにまで勉強に出され、
ウチネルフでそう言う事に、最も詳しくなくてはならない奴が、戦術どころか、
作戦の“さ”の字も、指揮の“し”の字も全く理解してないような奴葛城ミサト(仮)作戦部長?だったしな。
 だから、アイツはある程度まで独力で勉強しようとしているみたいだぞ。
 鹿島からの報告でも、そう言う本を探して、図書館や本屋めぐりをしていたらしいし、
シュミレーションをしたり、作戦部の部員たちの所に行って、色々と質問しまわっているからな・・・」

 因みに、現在、国連軍や戦自の一部のゼーレに関係ない将校達は、嫌がらせにと、ネルフに行く事が決まっていたミサトに、
ロクな教育をしなかった事、また、ミサトに不可を出して、ネルフに行くのを止めさせなかった事を、
真剣に後悔しているらしい。

「む?」

 かなりスレスレのヒントが出されたものの、ゲンドウは、更に頭を捻った。

「・・・だからだな、ためになる戦術書でも選んで、
プレゼントすれば良いだろうが(汗)」

 未だ気付かないゲンドウにシンは呆れたように直球でそう言った。

「おぉう!」

 ようやく気が付いたゲンドウは左の掌を右の拳で叩き、そう言った。

「そんなわけで、俺は仕事があるから行くぞ」

 シンはそう言って出て行った。

「そうか・・・戦術書か・・・」

「シンジ君らしい、実用的なものだな」

「早速手配しよう♪」

 ゲンドウは喜び勇んで、内線をとろうとするが・・・

「だが、それだけで良いのか?・・・碇」

 冬月の言葉で、ゲンドウの右手はピタリととまる。

「プレゼントの内容を考えてくれたのはシンだし、集めるのも部下任せ・・・
 それで、本当にお前のプレゼントといえるのか?
 金だけ出して、心が籠もったモノとは言えないのではないか?」

 冬月の言葉に、ゲンドウはそのまま考え込む。

「まぁ、その辺の事を考えて、確りとしたものをプレゼントするのだな」

「ふ、冬月先生・・・」

 ゲンドウが情けないような声を出す。

「まぁ、プレゼントというものは、相手の身になって、嬉しいモノが基本だからな」

 冬月はそう言って、執務室を出て行った。

「・・・あ、相手の・・・」

 碇ゲンドウ、産まれ出でて49年近く、御年48歳、相手の身になって考える事など、
十年もほったらかしていた息子の事以前に、妻のユイ以外では考えた事がなかった。

「まぁ、自分が受け取っても嬉しいものだろうな。
 例えば、お前がユイ君から貰って・・・」

「むぅ・・・」

 冬月の話を聞きながら、ゲンドウは真剣に考え込んでいた。








 そして、数日後・・・

「なんだろ? いきなり呼び出して・・・」

 シンジは携帯をポケットに戻しながらそう言った。

「どうしたんだ?」

「ん? いや、父さんが、いきなり執務室に来いって・・・
 今日は時間が有ったから、図書館に行こうと思っていたのに・・・」

 シンジはブツブツとそう言った。

「(そうか、やっと揃えたのか・・・)
 まぁ、あれでも、一応、司令だ。
 何か重要な用事が有るのかもしれないぞ」

 事情を知っているシンは、それとなく、ゲンドウの後押しをした。

 因みに、何も知らないレイはシンの隣でキョトンとしている。

「まぁ、冬月さんも居るだろうから、変なことじゃないとは思うけど・・・」

 シンジはそう言った。

「信用ないなぁ〜」

 引き攣りながら、シンはそう言った。

「だって、最初の時は、いきなり、執務室に呼び出したかと思ったら、
いきなり、目の前のテーブルに豪華な食事を用意させて、
『食え!』だよ・・・
 お昼を食べたばかりだったのにさ、それに、無理やり連れて来られたシェフの人も、
可哀相だったし・・・
 その次は、目が飛び出るほどのお金を渡そうとするし」

 どうやら、ゲンドウはお小遣いの前にそんな失敗をしていたらしい。

「まぁ、まぁ、一応、あれでも、父親だろ、良い所もあるさ」

「う〜ん・・・例えば?」

 シンジはシンとレイにそう尋ねた。

「えっと・・・(汗)」

「???」

 シンは考え込み、レイは首をかしげる。

 シンが来るまで、レイに人並みの生活を与えなかったし、
零号機の事故の時、プラグの燃料を抜き忘れ?たり、
レスキュー隊を間違え?て、別の所に配置したりして、
有事の際の失敗をしたし、その時も、ゲンドウでなく、
シンが身をもって、レイを助け出したし・・・

 ゲンドウ、今までのツケがココでも爆発・・・

「ま、まぁ、い、一応、それを見付ける為にも、
ちょくちょく会ってやった方が良いぞ(汗)」

 シンが冷や汗を流しながらそう言い、
同じように冷や汗を流しているレイも頷く。

「そ、そうだね(汗)」

 シンジはそう言って、司令執務室に向かった。

「ふぅ〜」

「あ・・・」

 シンが額の汗を拭っていると、レイが何かを思い出したかのように呟いた。

「どうしたの?」

 シンがレイの方を見る。

「1つあった」

 レイは呟くようにそう言った。

「なに?」

「内緒・・・」

 シンの問いに、レイは恥ずかしそうにそう言った。

 実は、レイの思いついたゲンドウの良い所とは・・・

 シンと同居にしてくれた所だったりする。





 で、司令執務室

「で、どうしたんですか?・・・碇司令」

 シンジは公式の場では確りゲンドウの事を司令と呼ぶ。

「うむ・・・
 受け取るなら早くしろ!
 出なければ、ぶべ!」

  バキ!!

 いつもの調子で、高圧的になりかけているゲンドウの後頭部を、
冬月が何処から取り出したのか、木製バットで殴った。

「何をトチ狂っておるか、貴様は!」

「す、すいません、冬月先生」

 後頭部をさすりながら、ゲンドウがそう言った。

「・・・で、何の用なの? 父さん」

 冬月とゲンドウの漫才的掛け合いを見て、
仕事関係で無いと判断したシンジは、言い方を変え、そう言った。

「う、うむ、これをな」

 ゲンドウはそう言って、キャスター付きの大きな鞄を出す。

「?・・・それは?」

「う、うむ、そ、そのだな、ぷ、ぷぷ、ぷぷぷ、ぷ、ぷ、
プレゼントだ!」

 顔を紅くしながら、ゲンドウが必死にそう言った。

「え?」

「まぁ、受け取って、開けてみたまえ」

「はぁ?」

 冬月に言われ、シンジは首を捻りつつ、鞄を開けてみる。

「こ、これは!」

 中には、古今東西の戦術、戦略を日本語で纏めた書物が入っていた。

 基本孫子の兵法から、応用近代戦まで・・・

 全部で68冊以上もある。
(因みに、68冊以外は、ゲンドウが直筆で書いたらしい注釈書である)

「こ、これは、これも、これも、す、すごい、
あ、ありがとう、父さん。
 これとか、ずっと探していたんだよ!
 大事にするよ♪」

 シンジは、物凄く嬉しそうにそう言った。

「う、うむ」

 ゲンドウは恥ずかしそうに頷きつつ、今度は紙袋を取り出した。

「?・・・それは?」

「う、うむ、指揮部長だからな、それなりの制服があった方が、
良いのではないかと思ってな・・・
 まぁ、いつもは、忙しいだろうから、き、気が向いた時だけ、着れば良い」

「ありがとう、父さん♪」

 シンジはそう言って、それも受け取った。

「うむ・・・」

 ゲンドウは、顔を赤くしつつも、満足そうに頷いた。

「(うむ、これがコイツの可愛いところか・・・なんとなく、理解できたな)」

 冬月は大学助教授時代に、ユイから投げかけられた謎が、
やっと解けたという満足そうな顔をした。

「では、下がっていいぞ」

「うん♪」

 そう言って、シンジは嬉しそうにそれらを持って、執務室を出て行った。

「ふぅ〜・・・ん?・・・どうかしました? 冬月先生?」

 ゲンドウは額の汗を拭って、冬月の方を見ると、
冬月がニヤニヤしているので、そう尋ねた。

「いや、長年の謎の1つがな」

「はぁ?」

 冬月の謎めいた?言葉に、ゲンドウは首をかしげた。





 シンとレイ、シンジのマンション。

「へぇ〜良かったな、シンジ」

「良かったわね、兄さん」

「うん」

 シンとレイの言葉に、シンジは嬉しそうにそう言った。

 勿論、今日貰ったばかりの本の一冊を片手に・・・

「で、もう1つのプレゼントって何だ?」

「制服らしいけど・・・未だ見てないや」

「制服?」

「どんなのだ?」

「えっと、チョッと着てみるよ」





 そして、シンジはそれを着て戻ってきた。

「そ、それは・・・」

「・・・(汗)」

 2人はシンジの姿を見て、チョッと引き攣った。

「格好良い?・・・イメージ的に父さんのに近いと思うんだ」

 シンジは何も言わない2人にそう言った。

 シンジのそれは、赤いバイザー型のサングラスに、黒い服、白い手袋だった。

 あえて言うなら、ゲンドウとペアルックに近い、違いを言うなら、
サングラスが若者向けで、更にマントがある事だろうか・・・

 勿論、マントは黒に裏地が赤・・・肩の所にある留め金のところに金色のモールもついている。

 更に手には、指揮棒代わりの錫杖・・・端が髑髏でない所が、まだ救いである。

「ど・・・・・・どうかな?(汗)」

 少し?自信がなくなってきたシンジの問い・・・

 だが、その姿はまさに・・・

「な、なんと言うか、その・・・格好良いのは・・・良いとは思うのだが・・・
 その〜なんだなぁ〜(汗)」

 言い辛そうなシン・・・だが・・・

「・・・悪の大幹部?」

 正直なレイは首をかしげながら、そう言った。

 ピキン!

 硬直するシンジ、だが、確かにその姿は戦隊モノなどに出てくるそれであろう。

 後日、復活したユイがそれを見て、『まぁ♪ 格好良いわよ♪』とは言ったものの、
それがシンジのネルフでの制服と聞いた途端、引き攣った笑いを見せたとか・・・

 そして、結局、シンジの制服は、年末などの宴会の時以外、
殆ど押入れの底に眠る事になった。


                      続くかもしれないし、続かないかもしれない




 あとがき

 さて、これが第二弾です♪

 石は投げないでね(汗)

 あくまでも裏設定を、そのまま話に纏めたのですから・・・

 シンジのネルフでの制服(悪の大幹部バージョン)は果たして本編で出てくるかどうかは謎です。

 因みに、チャンとこの制服はとりもち自身が考えた隠し設定です。

 更に帽子付とか、サングラス(バイザー)じゃなくて、マスクバージョンも考えたんですが、
それはあまりにもアレだったので、やめたんですけどね・・・




アスカ「シンジ〜♪」
シンジ「なに?」
アスカ「はい♪コレ着てよ♪」
シンジ「え゛?」
アスカ「コレ着てるとこみたいのよ」
シンジ「で、でも、それは……」
アスカ「みてみたいのよ」(にっこり)
シンジ「でも、アスカは前にも……」(汗)
アスカ「なに?」(▼▼メ)
シンジ「な、なんでも、ありません……」(汗)
シンジが制服を持って自分の部屋に戻っていく。
そして、制服を着て戻ってきたところ、
ケンスケ「おじゃましてるよ」
トウジ「じゃましとるでな〜」
ヒカリ「おじゃましてるね」
シンジ「ど、どうして三人が!?」
アスカ「いや〜話したらみんな見たいっていってねぇ」
ケンスケ「ばっちり納めたから、大丈夫」(撮影中)
シンジ「止めてよ!何が大丈夫なんだよ!!」
アスカ「そんな細かいこと気にしてたら、大きな人間にはなれないわよ」
シンジ「そんな問題じゃないよ!」
アスカ「良いから良いから、ほらばっちり取ってやんなさいよ♪」(羽交い締め)
ケンスケ「OK♪」
シンジ「はなしてよ〜〜!!!」


碇  「ふむ……」
冬月 「どうかしたのか?」
碇  「言いたいことは色々とあるが、一つ、『相手の身になって考えたことがない』だと?」
冬月 「う、うむ……そんな文章があるな」
碇  「相手に立場をシミュレートするなど、基礎の基礎。
   それも無しに、いかにして今まで渡り合えたというのだ!」(くわっ)
冬月 「………そっちか」(かく)
冬月 (相手の立場ではなく、気持ちとか心と言う意味だと思うぞ…
    確かに、似てる事とは思うが…もっと、個人的な…)
碇  「どうした?」
冬月 「いや、まあいい……話しても長くなるだけだ。」
碇  「ふむ、では後は任せた」
冬月 「ああ、分かった」
………
………
冬月 「さて、任されたはいいが、果たしてどうしたものか……」
冬月 「うむ、そうだ!」
………
………


〜〜妄想世界の研究室〜〜
ユイ 「あ…冬月先生、まだいらしたのですね」
冬月 「ああ、ユイ君、まだいくつかしたいこと我のここっておってね」
ユイ 「そうですか……良かったら手伝わせて頂いてもよろしいでしょうか?」
冬月 「ああ、それは嬉しいが、ユイ君の方は良いのかね?」
ユイ 「ええ、」
冬月 「それは助かる。コレをお願いするよ」
ユイ 「はい」
………
………
休憩、
冬月 「緑茶で良いかな?」
ユイ 「ありがとうございます」
ユイ 「いただきます」
冬月 「しかしだな……前にいい人がいれば家庭に入ろうかとも思っていると言っていたが、
    こんなにもたびたび私なんかを手伝っていていいのかね?」
ユイ 「……ええ、問題ありませんよ」(むっ)
ユイ (やっぱりなかなか気づいてくれないのね……)(溜息)
冬月 (な、なにかま、不味いことを言ってしまったか?)(汗)
冬月 (ど、どうすればいいのだ、う、うむむむむ)
ユイ 「あら?この写真」
冬月 「ん?あ、ああ、それは、この前昔の仲間に誘われて行った物だが、
    ああ、ユイ君はアメリカに行っていたときだったな」
ユイ 「あ、そうだったんですか…」
冬月 「う、うむ……そうだが、も、もしもの話だが……」
ユイ 「はい?」
冬月 「その、今度、一緒に行かないかね?」
ユイ 「本当ですか?♪」
………
………
(以下延々と)
………
………
冬月 「うむ……やはり、本来こうあるべきだな」
冬月 「それが、現実は……」(さめざめ)
碇  「……冬月、妄想を口に出すのは止めた方が良いぞ」
冬月 「なっ!!?」(我に返った)
冬月 (い、いつからでていたんだ!?)(滝汗)
碇  「お前がユイの台詞を口にするのは気持ち悪いし……」
碇  「それ以前にもう一つ……その内容についても聞きたいのだが、良いだろうな?」(ゴゴゴゴゴゴ)
冬月 「あ、い、いや、そ、その……」(滝汗)