ネオエヴァ〜友を想う心〜
                              22
                             捕獲作戦?





「着いたな・・・」

 ボストンバックを片手に、見るからに怪しい格好の少年がそう言った。

「ところで、シンジさん、その格好、何です?」

 その隣には、まぁ、まだマシな格好をしている少女が1人・・・

 とは言っても、サバイバルゲームでもやるのか、そう言う格好をしている。

 因みに、シンジの格好は、赤いバイザー状のサングラスに、黒い服だった。

 あえて言うなら、ゲンドウとペアルックに近い、違いを言うなら、
サングラスが若者向けで、更にマントがある事だろう。

 マントは黒に裏地が赤・・・留め金のところに金色のモールもついている。

 そう、噂のシンジ君、指揮官・制服姿である。
(悪の大幹部のコスプレ?・・・求む、絵・・・誰か描いて♪)

 勿論、指揮棒代わりの錫杖はボストンバックに刺さっている。

「えっと・・・やっぱり、格好悪い?」

 シンジは恥ずかしそうにそう言った。

「い、いえ、格好良いのは、良いんですが・・・
 どうして、そう言う格好をしているのかなぁ〜って・・・」

 少女は、頬を染めながら、そう言った。

「えっと、とう・・いや、司令の『今回は絶対にこの格好で行け』って言う命令で・・・
 まぁ、作戦上、確かにその方が安全らしいからね。
 ところで、ミカちゃんは、良いの?
 今回は本気で危ないんだよ」

「大丈夫です。
 ユイさんも、この服なら怪我しないって、保証してくれました♪
 それに有事モードに変換絶対すれば、大丈夫です♪
(それに、折角のチャンスです♪)」

 ミカと呼ばれた少女はそう答えた。
(久しぶりの登場♪)

 どうやら、彼女がいるのは、ユイの差し金らしい。

「はぁ・・・(汗)」

 シンジは冷や汗を流す。

「碇特務一佐、お迎えに上がりました!」

 いつの間にか現れたネルフ保安部の制服を着たタカが、
敬礼をしながら、そう言った。

 因みにマナも、タカの後ろで同じように敬礼をしているが、
シンジが一佐と聞いて、ガチガチに緊張しているようだ。

「あぁ、タカヒロ君、形式ばらなくてもいいよ。
 僕はそう言うの、慣れてないから・・・」

 シンジはクスッと笑いながらそう言った。

「そ、そう?
 良かった、あんまり、僕も慣れてないからさ。
 ところで、なんで、鈴原妹もきたの?」

 タカも安心したようにそう言った。

「鈴原妹は無いでしょ、鈴原妹は!」

 ミカが怒りながらそう言った。

「仕方ないじゃん、名前で呼ぶなって言ったのそっちだし。
 鈴やんとか、鈴ちゃんも嫌だろ」

「む・・・でも、何でその中に鈴原さんが無いの?」

「まぁ、君の兄貴と重なるからだよ」

 因みに、タカはトウジを鈴原と呼んでいる。

「みゅ・・・やっぱり、タカっちも、名前で呼んでいいよ」

 ミカは少し考えてそう言った。

「わかった、ミカっち」

「なんで、そんな呼び方?」

「ミカっちだって、僕をタカっちって呼ぶだろ?」

「みゅ〜・・・わかった」

 どうやら、譲歩したようだ。

「で、そっちが・・・」

「は、はい、き、霧島特務三士であります!」

 まだ緊張しているマナが戦自での自分の階級を名乗った。

「あはは、一応、同じ年なんだから、そんなに畏まらなくていいよ。
 因みに、霧島さん、現在、君は特務二曹だよ」

「へ?・・・私が?」

 シンジから言われた自分の階級に驚いて、マナがそう言った。

「その制服の襟のところの階級章、確認した?
 それは、ネルフの正式な二曹の階級章だよ」

「え・・・あぁ!
 で、でも、これは・・・その・・・」

 シンが準備した変装用の服だったので、本物とは思っていなかったマナはあわてる。

 どうやら、シンの思惑もあるようだ。

「あの・・・シンジさん?・・・」

 タカが声をかける。

「一応、青葉さんからね・・・(たぶん、シン君にも連絡がいっているかも)」

 シンジは小声で、タカにそう言った。

「え・・・なんで」

 青葉が話すとは思っていなかったタカが訊き返す。

「実は、事態はタカが思っているよりも・・・」

「碇指揮部長殿!」

 シンジが説明しようとすると、声がかかり、
そちらの方を見ると、ミサトと十数人の完全武装した兵がいた。

「・・・・・・葛城(仮)作戦部長殿、どうしたんですか?」

 バイザーでよくわからないだろうが、
シンジは冷ややかな目でミサト達を見つつ、そう言った。

「お迎えに上がりましたわ」

 ミサトはこれまでにない丁寧さでそう言った。

 しかし、今までの彼女を知っている者に対しては、逆に不気味である。

「そのような話は聞いておりませんが?」

 シンジは、冷静を装いながら、そう言った。

「指揮部長殿に、何かあってはいけませんから、
ワザワザお迎えに・・・」

「結構です、タカ、案内してくれる?」

 ミサトの説明を最後まで聞かず、シンジはタカにそう言った。

「いえ、鹿島特務一曹もご一緒に」

「・・・いえ、我々だけで行きますので、
貴女は本部に戻ってください。
 司令がお呼びですよ」

 嫌味っぽくシンジはそう言った。

「・・・うっさいわね!
 着いて来いって言ってるでしょ!」


 すると、ただでさえ、切れやすいミサトの堪忍袋の緒が切れ、
ミサトは銃を構えつつ、そう怒鳴った。

「ネルフ以外の兵を引き連れている貴女についていったら、
どこに売られるか、わかりませんから、結構です。
 それに、銃をこちらに向けてまで・・・
 信用0どころか、マイナスも良いトコですね。
(最も、元からマイナスだけど)」

 シンジはそう言い放った。

 因みに、戦自の兵を見て、怯えるマナをタカは庇うように立っている。

「な!」

 シンジの言葉に、今更、驚いたミサトはそう叫んだ。

「葛城君、結構じゃないか、これだけの人数相手に、
たかが子供四人で、何が出来るつもりか・・・
 少々痛い目にあってもらおう」

 偉そうな男(大佐と呼ばれていた男ではない)が、
ミサトにそう言っていると・・・

「隊長、あれ、目標です」

 マナに気がついた別の兵が嬉しそうにそう言った。

「なに?・・・くくく、丁度良い、葛城君」

 嬉しそうに隊長がそう言った。

「は、はい?」

 訳がわからず、ミサトがそう聞き返す。

「大手柄だよ、目標はあそこにいる」

「え?」

 隊長が銃で、タカの後ろで怯えているマナを指した。

「後は確保だけだ・・・
 あの黒い服と目標以外は殺してもかまわん!
 いや、一応、全員殺さないようにな、色々使える」

「「「「「はっ!!」」」」」×複数

 ミサトを除いた全員がそう言って、銃や特殊警棒を持って、子供達に襲い掛かってくる。

「タカ、シン君から預かった奴を地面に!」

「はい!」

 自分達と襲い掛かってくる者達の間に、タカはシンから貰った黒い球を投げつけた。

「「「「な!」」」」

 いきなり球が割れ、黒い煙が噴出し、戦自の兵達の視界を奪う。

「バカめ!」

「煙ごときで!!」

「「「おらおらおら!!!」」」

 ズダダダダダーン!!

 しかし、数人が、煙を気にせず、
一応、特殊ゴム弾がセットされている銃を撃った。

 ババババババ!!

 だが、煙の中から、何かが飛び出し、
銃を撃った者達に襲い掛かる。

「「「「なにぃ!!!」」」」

 驚くが、痛くなかったので、それを見てみると・・・

「ネット?・・・」

「なんだ、これ?」

 よく見てみると、先程まで煙があった所に、黒い壁があり、
おそらく、ゴム弾が当たったであろう所から、投網のようなモノが出て、
ゴム弾を撃った者達を中心に戦自の兵達を捕らえていた。

「纏わり着いて外れない!」

「き、切れないぞ!」

「クッ、待っていろ」

 もがく者を助けようと、数人が軍用ナイフを持って、網に近付く。

 そして・・・

 バチバチバチバチ!!!

「「「「「「「「「ぴぎゃぁ〜〜〜!!」」」」」」」」」

 強力な電流が流れ、網に捕まっていた者と触っていた者を戦闘不能にする。

「「「「「「なぁ!!」」」」」」

 無事だった者が、それに驚いて、声を上げる。

「この錫杖、スタンガンの機能もついているんだよ♪」

 黒い壁の後ろから、シンジの面白そうな声が聞こえてきた。

「伝導性もあったんですね〜、これ」

 ミカの面白がるような声も聞こえてきた。

「タカヒロ、彼女を駅の方に連れて行くよ」

 シンジがそう言った。

「わかった、マナ、駅の方に」

 タカは頷いて、マナを促す。

「で、でも」

 戸惑っているマナの呟き・・・

「良いから」

 タカがそう言う声が聞こえた。

「急いでくれると助かる」

 シンジの声・・・

「だいじょうぶ、この強化服、凄いんだよ♪
 えい、有事モード発動!!」

 ミカの声が響き、黒い壁の向こうから、何故か七色の光が・・・

「はぁ! いかん!
 貴様等、早く回り込んで、
目標を確保せんか!」


 それまで、いきなりの電撃作戦に驚き、
黒い壁を警戒していた隊長が慌てて叫ぶ。

「「「「「「あ、はいぃ!」」」」」」

 生き残った(残りも死んではいないが)隊員達とミサトがそう答え、
慌てて全員で、左右に別れ、黒い壁を、大回りで迂回し、
シンジ達の居る駅の方に走って行こうとする。

「「「「「「「「!!」」」」」」」」

 だが、回りこんだ者は目の前に見えるものに驚く・・・

 右に、いつの間にか無反動バズーカを構え、
耳には防音用の防具をつけたタカとマナ・・・
(因みに、マナはバズーカをもっていません・・・万全の身体じゃないし)

 中央に、錫杖を持ち、同じく、防音の防具をつけたシンジと・・・

 左に犬なんだか何なんだか、よくわからない頭、
オ○Q風のズングリとした二頭身に、くりくりと大きな丸い瞳、
愛くるしい?程のいでたちの・・・ぬいぐるみ?・・・きぐるみ?・・・

 それが構えているのは、二丁の・・・対戦車か、
対戦闘ヘリ用であろう巨大な多連装ロケットランチャー・・・(汗)

 隊員達の思考が止まる。

 特にぬいぐるみというか、きぐるみを見て、硬直する。

 確かに、武器を見て、ヤバイと言うのは思いっきりわかる。

 わかるのだが動けない。

 愛くるしい?きぐるみと、対人にしては凶悪過ぎるその武器・・・

 そのアンバランスな調和?が満たす雰囲気で、身体が動かない。

 その、くりくり♪っとした目に見つめられ、思考が完全に停止している。

 少しの間だけ、何ともいえない空間が支配する。

 その中で、逸早く復活したミサトが、それを壊す。

「な、何しているのよ!
 男でしょ!
 あんなふざけたモノ、
さっさと破壊しなさいよ!」


 そう叫び、煽りつつ、ミサトは自分だけは、黒い壁の後ろに退避しようと、
1人で、転進?する。(オヒ!)

「「「「「「「!!!」」」」」」」

 そして、ミサトの声で、隊員達の硬直が解けるかに見えたが・・・

「撃て・・・」

「ふもっふ♪」

「「ファイヤー!!」」

 ミサトの転進と同時に、錫杖をふりつつ、シンジの無常なる一言、
よくわからないぬいぐるみの声、2人の息のあった掛け声と一緒に・・・

 ドドドドドドドド・・・・・・・・・

 一気に2人?の持つ武器が火を噴いた。
(しかも、発射音がどう考えても多過ぎるほど・・・)

 光、爆音、爆風・・・が来ると思い、身構えるが・・・

 どべちゃ〜〜〜〜〜!!

「「「「「「「な、なんじゃこりゃ〜〜!!」」」」」」」

 隊員達に襲い掛かったのは、白いネバネバしたもの・・・

 そう、鳥もち?だった。

 しかも、身体の殆どを覆い、その重さで、隊員達を地面に押し潰し、
急速に固まった。(本当に鳥もち?)

 ミサト以外の回り込んだ全隊員は、怪我は無いものの、
頭部以外を捕らえられ、ロクに身動きできない。

「なんなのよぉ! これぇ〜」

 ミサトも、完全には回避できなかったらしく、片足を完全に押さえられている。

 素足等の素肌の部分にはついてないものの、靴や衣服、
それに武器などには完全に白い塊がついていて、使えそうに無いし、
服がそのままの形で固定されているから、動けない。

 全体を覆っているので、銃等は使えば暴発は確実である。

 隊長がその音や声に驚いて、回ってくると、
太もも以外の右足から腰辺りまでを白い物体に捕らえられ、もがいているミサトと、
何故か、首や顔以外を、白い物体で完全に固められた隊員だった。

「ちぃ!」

 隊長はそう舌打ちをしながら、銃をマナに向ける。

 せめて、マナだけでも殺しておこうと言う事だろう。

 そして・・・

 ダーン!!

 銃声がしたが、マナには何の異常もなく、
隊長の銃が弾かれていた。

「・・・・・・いい加減、悪あがきはやめたらどうかね?」

「ったく、見苦しいな・・・」

 シンジ達の後ろから、2人の男が現れる。

 2人とも、隊長の方に銃を向けている。

「ふもっふ?」

 きぐるみ、おそらく、ミカが首をかしげながら、シンジの方を見る。

「鹿島二佐と・・・」

 シンジが呟く。

「さつま小父さん!」

 タカが驚いたようにそう言った。

 すると、さつまと呼ばれた男は・・・

「あんだと!
 貴様、誰が小父さんだ!」


 と言って、タカに飛び掛って、ヘッドロックを決める。

「ギブギブギブ!
 さつまお兄さん!」


「新崎、一応、終わってないんだから、ふざけ」

 ダーン!

「ウッ!」

「ふもっふ!!」

「「シンジさん!」」

「「碇特務一佐!!」」

 右足を鳥もちに捕まったまま、何とか体勢を変えたミサトが、
シンジを撃ったのである。

 その顔は狂喜に歪んでいた。

「貴様!」

 ダン!

「きゃ!」

 慌てて、新崎がミサトの方に銃を向け、そのままミサトの持つ銃を弾いた。

 そして、どこからとも無く現れた保安部の精鋭達が、慌ててミサトや隊長を拘束する。

「碇特務一佐大丈夫ですか!!」

 鹿島二佐が慌てて声をかける。

「大丈夫ですよ、鹿島二佐」

 だが、シンジはアッサリそう言った。

「「「「「「え?」」」」」」「ふも?」

 よく見れば、撃たれたのにも関わらず、そのまま、シンジは自分の足で確り立っていた。

「このマントや服は防弾、防刃、防爆等の装置がつけられているって、父さんが言っていたけど・・・
 凄いや、さっきの銃弾が、本当にチョッと押された位にしか感じなかったよ」

 シンジはニコニコしながらそう言った。

 足元を見れば、先端の潰れた弾が落ちていた。

 ぷしゅ〜

 きぐるみの頭が割れて、後ろに倒れ、そこからチョコンと、ミカの頭が出てきた。

「そういえば、このスーツも、至近距離で撃たれたバズーカの弾の直撃を受けても、
平気って言っていましたよね」

「そ、それ?(汗)」

 タカが冷や汗を流しつつ、そう言った。

「うん♪ あと、筋力補助パワーアシスト機能もついていて、
このランチャーを持っても、全然重さを感じないんだよ♪」

 ミカは嬉々としながら、巨大なミサイルランチャーを、片手?で軽々と動かし、そう言った。

「他にも色々と、補助機能がついているんだが・・・」

 鹿島二佐は更にそう言った。

「と、父さんも知っているの?」

「まぁ、その、部下達の間で、形というか、姿が不評でな・・・
 その大きさが、二周り大きいだけだし」

 驚いて、聞いてくる息子に、チョッと冷や汗を流しながら、鹿島二佐はそう答えた。

 どうやら、保安部等の装備として、採用される予定だったらしい。
(実は既に採用されているのかも・・・)

朋意科学技術顧問ユイさんは、
視覚効果による戦意の低下って言っていました♪」

 再び、ミカがそう言った。

「まぁ、効果のあったのは認めるが・・・
(味方の一部もその煽りを喰らって、動けなかったからな)」

 鹿島二佐はそう言いながら、ミサトの方に行く。

「で、葛城“保育園児以下の思考回路及び精神年齢”の・・・以下略君、
何のつもりだったのかね?」

「い・・・ち、違うんです(汗)」

 特殊警棒で押さえつけられているミサトは、顔を蒼くしながら、慌ててそう言った。

「何が違うのかね」

「そ、その私は、そ、そうです!
 指揮部長を、あの男の凶弾から守ろうとしたのが、それ」

 ミサトは必死に考えた言い訳にもならない言い訳を言おうとするが・・・

 ゲシ!

「いい加減、我々は貴様と同じ所にいるのは、ウンザリを通り越して、
殺意を抑えるのも必死なのだよ」

 ミサトの顎を蹴り上げて、口を封じ、鹿島二佐はそう言った。

「連れて行け、内通、造反、裏切り、反逆、その他諸々の実行犯だ」

「そ、そんな、私はゲブ!」

 再び、ミサトが、言い訳を言う前に、鹿島二佐がもう一度蹴った。

「自覚がないのか?
 余計、始末に終えん」

 そして、ミサトは猿轡をされ、スタンガンをかまされ、右足の鳥もちをある程度つけたまま、
これでもかと言う位、拘束具や手錠、足錠をつけられて、
某国の某空港の某業者によって手荒に扱われる荷物のように、蹴られながら、運ばれていった。
(実際に飛行機の中から見ました・・・コンベアに蹴りながら載せていた奴が・・・海外だったけど)

「で、そっちの戦自の馬鹿三佐、何か言いたい事はあるかね?」

 今度は完全に武装解除され、簀巻き状態にされて、
部下達に押さえつけられている隊長の方に近付いていき、鹿島二佐はそう言った。

「き、貴様等、我々にこんな事をして」

 鹿島二佐を睨みながら隊長はそう言った。

「あぁ、まかり通るな・・・
 君らが、半非公開とは言え、国連組織に対し、テロ行為を行おうとした事も、
その組織の一員とは言え、銃を向け、14歳の少年少女達を拉致しようとした事に対しても、
証拠も、証人も、その映像も、全て記録がある」

「クッ・・・(まぁ、良い、先生達の力で・・・)」

 隊長は鹿島二佐を睨みながらも、どこぞの権力に頼ろうと考えていた。

 しかし・・・

「そう言えば、事前に確認した時に分かったのだが、
君達の辞表は一ヶ月以上前に、戦自の司令部に提出されているそうだったな・・・」

「な?!」

 鹿島二佐の言葉に驚く隊長。

 勿論、鳥もちに掴まっている部下達も驚愕の表情をする。

「君達の元上司は、『辞表を出した後の君達の行動など知らん』と言ってきた。
 勿論、つながりのあったような議員の先生達もね」

「「「「「「・・・・・・」」」」」」×たくさん

 鳥もちに固められている者達も、それを聞いて、驚愕の表情で、口をあけたまま呆然としている。

「それで、どこの国の闇組織に頼まれたんだ?」

「・・・・・・・・そんな、ばかな」

 鹿島二佐の言葉を聞いて、そう呟く隊長。

「とは言っても、貴官等がトカゲの尻尾きりにされたのは十二分にわかっているがね。
 事情確認の為、調べた辞表もワープロ書きで、君らの指紋も無かったそうだしな」

 呟くように小声で鹿島二佐はそう言った。

「「「「「「!」」」」」」

 ワープロで、誰が、何時、打ったかもわからないような辞表が正式に受理され、
それを証拠に自分たちが辞職している事になっている事実を知り、驚く戦自の兵達。

 無論、上のほうで、何らかの取引があった事を、暗に言っている事は言うまでもないであろう。

「当然だろう・・・
 まさか本気で、君達は、揉み消せると思ったのかね?
 ココまで派手にやっておいて?」

 何も言い返せなかった。

 勿論、揉み消せなくとも、人質を使った強引な取引で、
黙らせると聞いていたので、その辺の事は考えても居なかったが・・・

「まぁ、君達は、全く無駄で、拷問っぽい廃人にされそうな尋問の後で、晒し者にされ、
結果も決まっている公開軍事裁判にかけられた後の死刑か、
秘密裏による処分のどちらかが待っているらしいので、がんばってくれたまえ」

 止めとばかりに、鹿島二佐がそう言った。

 そして、簀巻きにされて、呆然としている戦自の隊長は、
そのまま荷物のように担がれて、連れて行かれた。

 当然、この話の間に、しびれて、意識が飛んでいる隊員達も、
そのまま武装解除され、拘束され、運ばれていっているが・・・



「マナ、大丈夫だったか?」

 戦自の礼服を着ている新崎が微笑みながらマナにそう言うと、
マナはタカヒロの後ろに隠れるようにして、警戒する。

「?・・・どうしたんだ?」

「あ、あの、彼女は軽い記憶喪失にかかっていて・・・
 2、3ヶ月ほど、記憶を」

 すまなそうにタカヒロがそう言った。

「!!・・・成る程、道理で・・・」

 一瞬、驚いたような顔をしたが、
新崎は納得したように、そう言った。

「霧島マナ君、彼が君を戦自の基地から、君を逃がし、
とあるルートを使って、ネルフに協力を要請してきたんだよ。
 君の仲間を助け、あの非合法の基地を潰す為に・・・」

「え?」

 鹿島二佐の言葉に、マナは驚く。

「まぁ、そのお陰で、俺は戦自を辞職って事になったけどな」

 新崎は気軽に言う。

「ある意味、内部告発みたいなモノだからな・・・
 法律では、保護してもらえるとは言っても、居辛いだろう」

「先輩、それは言いっこなしですよ。
 何しろ、お偉い先生を数人敵に回して、その影響がある所に居座るほど、
肝っ玉が強くありませんから♪」

 新崎は鹿島二佐にそう言った。
(因みに、そのお偉い先生達は、数日後、様々なスキャンダルをすっぱ抜かれ、
二度と表に出られなくなったようだが・・・)

「えっと・・・」

「あぁ、実は、さつまおじ・・・いや、兄さんは、
父さんの小学校からの後輩らしくって・・・」

 戸惑うマナに、タカヒロはそう答えた。

「悪い人じゃないの?」

「酷いな・・・それは・・・(汗)」

 マナの質問を聞いて、新崎は冷や汗を流す。

「お前達は、あの女の協力者である日向二尉も拘束してこい」

 その後ろで、部下に、指示を出している鹿島二佐。

「では、碇特務一佐、使徒捕獲作戦の方、宜しくお願いします」

「はぁ・・・やっぱり」

 気が重そうにシンジが呟く。

「すみません、捕獲作戦は速やかに行う事が決まっているので・・・」

「でしたね・・・」

 すまなそうに言う鹿島二佐にシンジはそう答えた。

「では、鹿島特務一曹、霧島特務二曹、引き続き、護衛の任務を頼む」

「先輩、俺は?」

 新崎がそう聞いてきた。

「無論、俺達の方についてきてもらう。
 こっちの後始末が終わってないからな。
 この鳥もち改を一部砕いて、こいつ等をぶち込まないとな。
 新しい職場での初仕事だ」

「わかりましたよ、じゃぁ、また後でな」

 そう言って、2人は、戦自の特殊部隊を何か薬のようなモノで眠らせて、
固まった鳥もちをナイフや彫刻刀のようなもので、ある程度、そぎ落とし、
武器は取り外すか破壊し、固まった鳥もちに包まれたまま、確り拘束し、
更に、動けないのを確認して、トラックに荷物のように積み込んでいる一団の所へ、
向かって行った。

「じゃぁ、浅間山まで行こうか」

「「「はい♪」」」

 子供達は浅間山に向かった。

 勿論、大人の護衛が隠れてついていっているが・・・






 浅間山観測所

「そ、そんな・・・」

 保安部の一団に囲まれて、事情を言われつつ、
拘束されたマコトはそう言った。

「事実だ、彼女は、元戦自のテロリストに機密を売り、
碇指揮部長以下、数名の子供達に危害を加え、
売り渡そうとしていた」

「嘘だ!
 だって、葛城さんは!」


 親切心で、人探しの為にと叫ぼうとするマコトだが・・・

「あの少女は、鹿島二佐の息子さんと同様、チルドレン達の護衛及び、
監査任務に就いていた特殊護衛課の霧島マナ特務二曹だ。
 今まで、極秘だったのに、大きくしやがって・・・」

「え?」

 その言葉を聞いて、マコトは呆然とする。

「しかも今回の事件で、
彼女は暫く療養しなければならないほどのダメージを負っている」

「ネルフ内でも、正体がばれてしまったから、療養後も、
彼女も表に出し、護衛のみにまわさねばならなくなった」

 チルドレンには大人の護衛以外に、それを監査しながら、
更に、護衛を兼任している数名の子供がいると言う噂があったからだ。

 最も、これは単なる噂に過ぎず、今まで、正式な子供の護衛は、
噂の元となっている『鹿島タカヒロ』しか居なかったのである。

 だが、大人の護衛達に適度な緊張感を与え、
前任者のように特権階級気分で、己の子供達を甘やかし、
様々な問題を揉み消すような者が出ないようにと言う鹿島二佐保安部長の考えで、
そのまま放置され、増幅されている噂である。

 実際、そのお陰で、ネルフ所員は元より、その子弟が、
問題を起す確立がかなり下がったのである。

「そして、あの女が、外部の人間に碇特務一佐の行動予定の情報を、
ココの公衆電話から流し、捕まえ攫って行くのを促していた時の記録は、
確り音声付である」

「因みに、俺はその監査で貴様等についていたのだが・・・
 まさか、公衆電話で、平然と元戦自出身のテロリスト達と連絡を取るとはな」

「勿論、あぶり出しとか、潜入捜査とかじゃないぞ。
 元々、あの女は、自分からネルフの機密を売ったりしていたんだからな」

「前々からおかしいと考えられ、見張られていたのだが、
どこぞの誰かが協力していたお陰で、かなり時間がかかったんだ」

「そうそう、あの女のドイツや戦自での履歴は偽造にまみれているらしいぞ」

「階級も、身体を使って得たという話もあったな」

 先ほどまで隣で作業をしていた所員達が次々にそう言った。

「・・・・・・」

 マコトはポカンとしている。

「兎も角、貴官があの女にそそのかされ、いや、色香に迷い、
マギの監視システムを無断で使い、マギの監視システムに多大な負荷をかけ、
結果、システムの機能を低下させる事となり、システムの隙を作り出す事になって、
第三新東京市に数多くのスパイを引き込む事になったのも事実だ」

 現在、第三新東京市では、これを理由に、ゼーレの鈴と言うか、
ネルフ、ゲンドウにも極秘にされていたスパイの摘発が行なわれている。
(今まではわかっていても泳がせていた)

「言い訳は聞かん、スパイの色香に酔って、自分が何をしたか、
後で差し入れ代わりにレポートで渡してやるから、
独房の中で、確り反省するのだな」

「被害総額は馬鹿にならんぞ」

 そして、シンジ達がそこに来る前に、マコトはそのまま連行されて行った。


                              長いので続きます。






あとがき

「いやぁ〜長くなっちゃった」
「ですね〜」
「今回で使徒まで行くんじゃなかったのか?」
「そうですよ」
「いや、それが結構、伸びちゃってね(汗)」
「まぁ、良いじゃないですか♪」
「何故ご機嫌?」
「不気味ですね(汗)」
「ふっふっふ、最近、努力が実ったのか、アスカさんへの票が伸びているんです♪」
「そう言えば、急激にだね」
「なんですとぉ〜!」
「そういや、マジでそうだな・・・」
「うむ、レイちゃんに大幅に差をつけよった(汗)」
「そうです、このまま伸びれば、期間内に・・・(= ̄∇ ̄=) ニィ」
「そう言えば、伸び率も凄いんだよな」
「いけません! 早く終わらせましょう!」
「いや、そう言っても・・・」
「まぁ、締め切りのための話は決まっているし」
「そうです、それに、シナリオ上、入れておいた方がいい部分だってあるんですから」
「そう言えば、なぜ、あの強化服が?」
「そうだな、何で出たんだ?・・・必要性はあったのか?」
「え、そ、それは・・・(汗)」
「あぁ、一部の鈴原(妹)ファンの方から、上位に居るんだから、出番をって」
「何故、君がそう言うライヴァル関係の事情を説明して、分量が増えた事を庇うのかな?」
「怪しいですね・・・引き伸ばしの為に、何かをしました?」
「ぎくっ!」
「ところで、とりよ、その後ろについている白いランドセルは何だ?」
「と、とってもらえるとありがたいかな(^^;)」
「・・・・・・華月さん?」
「わ、私のアイデアじゃないわよ(汗)」(某アスカファンさん)
「とってぇ〜(T-T) ウルウル」
「うわ〜どれを切れば良いんだ」
「実行したら一緒だちゅうに(汗)」
「でも、面白いから良いじゃないですか(汗)」
「兎も角、解除をしなさい」(グイ)とりもちの方に押す
「ちょ、ちょっと、危ないじゃない」
「そんなもん、背負わすなぁ〜」
「そうだな、早くはずさんと、減て」
「ぽちっとな」
「あ、外れた・・・向うにぽいっと」
「ふ〜やっと楽になった・・・(汗)」
「ところで、あのスーツって、某?」
「そう、基本の色は黄色と茶色のぶち、ただし、飾りの防弾ジャケットの部分がピンクで、
  ヘルメットにリボンがついています」
「オリジナルと一緒ですか?」
「設定によると、ネルフマッド・御三家?(ユイ、リツコ、マヤ)が関わっているから、
  パワーや防御力が圧倒的に違うらしいわ、後、オプションパーツがまだあるとか」
「更に、某戦隊モノみたいに、普段は微粒子状になっていて、キーワードで着装♪」
「・・・もしかして、あれと同じで一発じゃないのか?」
「ん〜それ以上はネタバレになるから〜」
「兎も角、後は、キャラコメの皆さんに任せましょう♪」
「だね♪」
「うむ、それでは」
「またお会いしましょう」
「感想メール&投票お忘れなく♪」
 
    (⌒∇⌒)ノ""マタネー!!×4



アスカ「ハァ〜ハッハッハHAHAHAhahaha!!」
シンジ「あ、アスカ…… その不気味な笑い声は一体……(汗)」
アスカ「何よ、知らないの? アメリカ人が余裕を持って笑う時にはこういう風に笑うって」
シンジ「……それ、誰に聞いたの?」
アスカ「まったくシンジは遅れてるわね。この番組よ!(ぽち)」

(なぜか目線を入れたくなるような陽気なアメリカ人達が現れる)
Michael「あぁ、困ったなぁ……」
John  「ハァ〜ハッハッハHAHAHAhahaha!! どうしたんだい? マイク!」
Michael「あぁジョン、聞いてくれよ。実はこっそり借りた親父の車のバンパーを傷つけちゃって……」
John  「ハァ〜ハッハッハHAHAHAhahaha!! そんなことかい!」
Michael「おいおい、そんなことってのはないだろう…… すごい悩んでいるんだぜ」
John  「ハァ〜ハッハッハHAHAHAhahaha!! いや悪い悪い。これを使えば一発だからさ!」
Michael「え!? なんだって!!」
(以降延々と続く)

シンジ「……」
レイ 「……」
アスカ「ちょ、ちょっと、二人ともなんなのよ!」
シンジ「アスカってアメリカ人のはずなのにどうしてあそこまでころっと……
レイ 「そう、騙されやすいのね……
アスカ「むかぁ! シンジのくせになんだかすごい生意気なことを言った気がする!!」
シンジ「あ、アスカ! 暴力反対!! そう、そうだよ! 今回はお祝いをしたかったんだよ!」
アスカ「……お祝いってなんの?」
シンジ「ひょ、票数アップおめでとう! アスカすごいじゃないか、一気にだって?」
アスカ「ま、まぁね。 私の実力からすればまだまだかしらね(テレテレ)」
シンジ「本当に、本当にすごいよ!」

……
……

レイ 「そう、騙されやすいのね……」


……
……
……

ミサト「ちょ、ちょっと! あたしあんな立場に立たされているのにここすら出番無いわけ!?」
ミサト「ソレってあんまりじ(略」