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                                       シンとレイの微妙?な関係?




 シンが帰って来ると、テーブルの上には、何故かご馳走があった。

「・・・ど、どうしたんだ?・・・これ・・・」

 シンは並んでいるご馳走の山を見て、呆然となる。

「あ、シン君、お帰りぃ〜」

 偶々、近くを通りかかったシンジが、本を片手に言った。

「あぁ・・・ただいま・・・って、シンジ、これはいったい・・・」

「え?・・・あぁ・・・これはね・・・ちょっと」

 シンジは苦笑する。

 ぱたぱた・・・とてとて・・・

「シン君、お帰りなさい」

「くわぁ!」

 レイが、ペンペンと一緒にやってきて、シンにそう言った。

「あ、ただいま、レイちゃん、ペンペン・・・これ、どうしたの」

 シンはテーブルの上のご馳走を指して言った。

「あ、それ、洞木さんと、ミカちゃんの勝負なの・・・」

「くわ」

 レイがそう答え、ペンペンが頷く。

「え?」

 シンの目が点になった。

「いや、最初は、僕が、ケンスケの分を調理してたんだけどね・・・」

 シンジが苦笑しながら、説明を始めた。

 シンジの話によると、シンジがケンスケのお土産を調理していると、
皆と一緒に帰って来たレイが、ついでにと、一緒に、夕食を作り始め、
ヒカリとミカが、なぜか、それを手伝うと言いだした。

 その後、シンジが、台所から追い出される事になり、
ヒマをもてあそんでいたトウジ達と別室に行った。

 そして、何故?か、ユイのボソッとした一言

『シン君もレイちゃんも、料理が上手なのよねぇ〜・・・
 じゃぁ、シンちゃんのお嫁さんも、やっぱり、手料理のお美味しい人かしらねぇ〜?』

 で、そのまま、ヒカリとミカの料理勝負となったらしい・・・
(ユイ・・・策士?)

「なんで、2人ともどっちが美味しいかに対して、ムキになるんだろ?・・・
 2人とも充分、美味しいのにさ・・・」

 まぁ、勝負が着かなかったらしい・・・
(2人とも、一家の家事を担う者だし、判定がシンジだしね・・・)

「コレ、私が作ったの・・・」

 レイが、お皿をとって、シンに見せる。

「あ、新作だね・・・うん、とっても、美味しいよ」

 シンが、一つつまみ、微笑みながらそう言うと、
レイは、顔を赤らめ、嬉しそうに笑う。

「・・・ところで、残りは?」

「リツコさんは、病院産婦人科に定期検診、
母さんは、リツコさんを送るついでに、チョッとネルフによって来るって・・・
 それで、残りは・・・あっちのゲーム用のリビングにいるよ・・・
(なんか、殺気立っ熱中してるし・・・僕はこのままココで本を読んでいるかな〜)」

 シンジがそう言いながら、隣の部屋に通じてる廊下を指差した。

 現在、ユイの発案で、このマンションのこの階全てが、シンジ達の住居になった為、
リビングが複数ある状態である・・・
(まぁ、どうせ、このマンションには、シン達しか住んで居ないし、
何故か、この間から、名義が、レイちゃんになってるし・・・)

 因みにシンジ達が居る所は、食堂用のリビングである。

 改装がすんだのは今日らしいのだが・・・

「ふ〜ん・・・じゃぁ、ユイさん達とは、すれ違ったか・・・
 で、残りはなにをしているのかな?」

「勝負してるの・・・」

 今度はレイが答える。

「くわ!」

 ペンペンが、同調するように、右手?を上げる

「勝負?・・・今度はどんな?・・・って、見ればわかるか」

 シンはそう言いながら、隣を覗きに行った。





 ゲーム用のリビング・・・そこには、一般家庭には無い様な大きなTV?がある・・・

 その画面を使ってゲームをしている4人・・・いや、2人がいた・・・

「フフフフ・・・ミカちゃん、後がないようね・・・」

 ヒカリがコントローラーを手に、ミカにそう言った。

 勿論、眼は画面から離してない・・・

「フフフフ・・・じゃぁ〜何で攻めて来ないんです?
 ヒカリお姉ちゃん♪」

 こっちも画面から眼を離さず、ミカが、そう返した。

「ヒカリさん、で良いわよ・・・
 ミカちゃんも、いつまでも子供じゃないんだからね・・・」

「「フフフフフフフフ・・・・」」

 そして、画面を見ながら、相手を見ずに、笑う2人・・・

 因みに、その心を訳すセリフを意訳すると・・・

『ヒカリお姉ちゃん』
    ↓
『シンジさんは諦めて、ウチの兄貴とでも、くっついたらどうです?・・・格安ですよ』

『ヒカリさん、で良いわよ』
    ↓
『ふざけないで・・・碇君は絶対に渡さないわよ・・・』

 である・・・

「なんや、雰囲気が異様やないけ?」

 トウジが冷や汗を流しながら言った。

 確かに2人の放つプレッシャーは凄い・・・

 まぁ、ある意味、こう言う事に鈍いシンジ達は気付かないだろうが・・・

『へぇ〜凄く気合い入ってるね・・・そのゲーム、気に入ったんだ』とか、言いながら・・・

「そ、それよりも・・・何で、俺達は、ミカちゃんだけでなく、
今日、初めてやった超初心者のハズの委員長にも、負けているんだ?」

 ケンスケが呟いた。

「ワシ等・・・瞬殺やったな・・・いきなし・・・」

 トウジも呟くように返した。

「・・・(あ、アレがココまで効くとは・・・)」

 現在、2人ヒカリとミカがやって居るのは、
対戦格闘ゲームで、なんと、4人同時対戦が出来る奴である。

 因みに、それは、ゲンドウが、出たばっかりの本体に、大量のソフトをつけ、
シンジに、無理矢理プレゼントした奴の1つであるが・・・(何かと理由をつけ、シンジをかまいたいらしい)

 今までは、、TVは置き場が今まで無かったので、ココに置けなかったのだが、改装後、置けるようになった為、
急遽、ゲンドウが送って来たらしい・・・

 最も、色々自主的に勉強したり、ミサトが殆どマトモに働かない為、仕事が溜まりまくっている作戦部で、
進んで自ら働いて日向のお手伝いをしているシンジには、元々、やってるヒマが無いので、
よくお留守番をしているペンペンの玩具になって居るのだが・・・

 それは、さて置き、最初の内、ヒカリも、ミカも弱かったのであるが、シンジが抜けて、
トイレに行っている間に、ケンスケが・・・

『2人とも、弱いなぁ〜・・・それじゃぁ〜張り合いがないぜ・・・
 よし!・・・もし、俺達に勝ったら、碇の笑顔がバッチリ写っている写真をやろうか?・・・
 まぁ、ポラだから、一枚だけしかないヤツだけどさ・・・
 その代わり、俺が門外不出にしようと思ってた程の秘蔵の一品だぜ・・・
 ま、一枚だけだから、最後まで立ってたキャラの方にあげるかな』

 と言う挑発をした途端、2人の強さ(と目つき)が変わったと言う・・・
(恋する乙女の強さだな・・・)

 ミカのキャラがケンスケのキャラを、ヒカリのキャラがトウジのキャラを瞬殺し、
今の戦いタイマン勝負が始まったと言う。

 その後、堅実な攻撃と防御で、確実にダメージを与えるヒカリと、
必殺技で、一気に削るミカ・・・

 現在、ヒカリのキャラの体力は、2/5強、ミカのキャラは1/10弱・・・

 ヒカリは、弱攻撃であろうと、二回Hit出来れば、ミカを倒せるが・・・
(中以上で一回)

 ミカは、キャラの体力が、1/10を切っている為、出す事が可能になった超必を、
一回でも当て掠らせれば、ヒカリを余裕で倒せるのである。

 その為、膠着こうちゃく状態が続いているのである。

 しかも、設定が、時間無制限だった為、こう言う膠着状態におちいると、
勝負がつかないのであるが・・・(プレッシャーだけ充満して・・・)

 シンジが、部屋に帰って来た時には、既にヒカリとミカの睨み合いが続いており、
中々、動かないので、ヒマだったシンジは、邪魔しちゃ悪いと思って、
自分の書斎(家が大きくなったので、シンジは持てるようになったらしい・・・)から、
(戦術関係の)本を取って来て読む事にしたのである。

 そして、その途中かえりで、シンが帰って来たのであった。

「・・・・・・何やってるんだ?」

 シンが呆れたように訊いた。

「あ、朋意か・・・チョッと、2人が勝負をね(汗)」

 ケンスケが振り返って、シンにそう言った途端・・・

「隙あり!」

「なんの!」

 同時に動く2人のキャラ・・・結果は・・・



 DOUBLE KO!

 NO WINNER!



 画面に立っているキャラは居なかった・・・

「「・・・・・・・・・・・」」

 呆然とする2人・・・(みゅ・・・だって、現在、ほぼ同率一位だし・・・(^−^;))

「こ、こうなったら、こう一度!」

「じゃぁ、今度は時間制限ありよ!」

「だったら、先に三回、勝った方の勝ち!」

「望む所!」

「くわ!」

 再試合を始める2人・・・と、何故か便乗する1匹(い、いつの間に?!)

「なぁ・・・なんで、あの2人が、そのゲームに燃えてるんだ?」

 シンが呆れたように訊く。

「いやぁ〜・・・実は・・・カクカク・・・」

 ケンスケが事情を話す。

「シカジカ・・・と言うわけさ」

「なるほど・・・(へぇ〜・・・シンジって、結構、モテるんだなぁ〜)」

 シンは、そんな事を考えていた。

 因みに、レイ恋人が居るおかげで、表立って行動には出て無いが、
シンも裏では結構モテている・・・

 と言うか、何故か、学校内だけでなく、
外からも買いに来る女子(一部、子ではない人達がいるらしい)がいる為、
ケンスケの写真売上、No.1であるらしい・・・

 一応、フリー?であるシンジの場合は、お互いに牽制したりしている為、
表立って、アプローチをかけられない状態である。(こっちはNo.2らしい)

 因みに、ヒカリは委員長だ転校当初から世話をしていたから、
ミカは兄の友達だからと言う理由で、傍に居れるのである。
(まぁ、それなりに妬まれては居る様だが・・・)

「あ、そうだ・・・相田、一応、機材カメラ類は返して貰ったぞ・・・
 玄関のリビングにおいてある」

 シンが思い出したかのようにそう言った。

「おぉ! サンキュー!(早かったなぁ〜♪)」

 ケンスケは、嬉しそうに言うが・・・

「その代わり、フィルムやMOとか、記録媒体の方は、数日後だ・・・
 変なモノが映ってたら、それごと処分するそうだぞ」

 シンにそう言われて、少し引き攣る。

「ヴ・・・ま、まぁ、それは、構わないよ・・・
(変なモノは・・・無いハズ・・・だよな・・・あ、アレは・・・拙いかも・・・
 でも、その前は艦隊を撮りまくった奴だし・・・)」

 ケンスケはあるモノを思い出して、冷や汗をかく。

 賢明な読者なら、気付いただろうが・・・アレである・・・
(ヒント・・・ケンスケはシャッターチャンスを逃していない・・・)

「・・・しかし・・・このままだと、どっちが勝っても支障が残らんか?」

 シンが、何故か、ペンペン相手に苦戦している2人を見ながら、ケンスケに言った。

「え?・・・」

「写真がどっちの手に渡っても、相手より、お前の方が怨まれると思うぞ・・・」

「な、なぜ・・・」

 ケンスケが冷や汗をかく。

「何となく、そんな気がする・・・(あの2人は何だかんだ言っても仲が良いからな)」

 シンはそう言った。

 それはそうだろう・・・

 一枚しかない写真で争わせている原因を作ったのは、ケンスケである。

 そこに、どんな思惑があったとしても・・・

「ん〜ワシもそんな気がするで・・・」

 トウジもそう言った。

「何故に!」

 ケンスケが蒼い顔をして訊く。

「まぁ、その・・・・おなごの心理っちゅうヤツやな・・・」

 知ったかぶりの顔をして、トウジが言った。

「・・・兎も角、デジタルにでも落して、コピーして、2人にやれば良いんじゃないか?」

 シンがサラリと解決案を言うが・・・

「し、しかし、希少価値が・・・(やはり、こう言うのは、奪い合いで)」

「ケンスケ、そんくらい、ケチケチせんと、2人にやったら、えぇやないか・・・」

 トウジが呆れたように言った。

「く、クォリティがさがるし・・・処理も、色々と大変だし」

 何か言い訳がましい事を言ってるケンスケ・・・

「相田・・・オマエ、希少価値やクォリティ自己満足と、自分の命・・・
 どっちが大事だ?」

 シンが後を指差す。

「え?・・・」

 ケンスケが振り向くと、ヒカリとミカが、何時の間にか背後に居た。

「「相田く〜んさぁ〜ん」」

 少々、ドスの効いた声である。(眼が光っとる)

「くわ、くわ、くわ♪」

 何故か、その後では、ペンペンが笑っていた・・・

 ゲーム画面を見ると・・・ペンペンのキャラが、勝っていた・・・
(しかも隠しキャラだったりして・・・)

「・・・(瀧汗)・・・い、一週間ください・・・な、何とかクォリティを」

 震える声で、ケンスケが言ったが・・・

「「明後日の朝まで!
 クォリティも下げちゃダメ!」」


 同時にヒカリとミカが言った。

 何だかんだ言っても、この2人・・・仲が良い・・・

「そ、そんな・・・(ひぃ〜1日ちょいでぇ〜・・・
 と言う事は、学校を休んで、それだけに・・・
 い、いや、明日は予約されている写真を、届けないといけないから・・・)む、むり」

「「絶対に、やりなさい」」

 ケンスケの言葉を遮って言う目がマジな2人・・・

 チョッとした遊び心が、おもわぬ穴を掘ったケンスケ・・・

 彼が、寝ずにドット修正等をするのは言うまでもないが、学校でも、
内職でするのもお約束である・・・

 おそらく、寝不足などで、眼が血走るだろうから、
先生も注意が出来ない状態だろう・・・怖くて・・・

 ケンスケ・・・人生、面白い事ありゃ、辛い事もある事を、
実感したかもしれない・・・


 その後・・・


 どうせだからと、帰って来たユイに誘われ、夕飯を一緒に食べた四人が帰った後・・・
(ケンスケは、これからの仕事を考え、思いっきり栄養補給をして行った・・・)

 それぞれがお風呂に入り、リツコ、シンジ、レイの順で、自分の寝室に行った。
(何故か、レイは顔をほんのり赤くしていたが・・・)

「じゃぁ、そろそろ、俺は寝ます・・・」

 何かの書類を纏めていたシンがそう言った。

「あ、おやすみなさい♪」

「ユイさんは、まだ寝なくて良いんですか?」

「え?・・・まぁ、チョッとやる事がね」

「ふ〜ん・・・じゃぁ、おやすみなさい」

 そんな会話をして、シンは寝室に向かった。

 ユイがニヤリとする・・・

 数秒後・・・

「・・・どわぁ〜!!って、ちょおとぉ〜・・・
 じゃなくて! だからぁ〜!・・・待ってて!」
 

 シンの叫び声が聞えてきた・・・

 

「ゆゆゆ、ユイさん!」

 シンが少々怒った顔で怒鳴る。

 その顔は真っ赤である。(怒っているのが、原因ではない)

「あら?・・・どうしたの?」

「れれれ、レイちゃんに、な、
何を吹き込んだんですか?!」

「あれ?・・・部屋が大きくなって、嬉しくなかった?」

「じゃなくて、壁がカーテンで、あの大きなベッドが真ん中で、レイちゃんの・・・」

 シンがそこまで言った時、大きなマクラを抱えたレイがやって来た。

「シン君・・・」

 レイが悲しそうな声を出す。

 因みに、レイの格好は、中々煽情的な下着姿・・・

 つまり、俗に言う勝負下着を着けているのである。

「うぅ〜」

「い、いや、だからね・・・そう言う事は」

 レイが拗ねた様な顔をし、何故かシンは慌てて、レイに言い訳のような事を始め、
ユイは何故かニヤニヤしながら見ている。(こ、この人は・・・)

「どうした・・・ぶは!」

 何も知らなかったシンジがやって来て、レイの勝負下着姿を見て、
鼻血を噴出しながら、倒れた。

「し、シンジ! 傷は浅いぞ!(汗)」

 慌てて、シンがシンジを介抱し始める。

「「あ・・・(汗)」」

 ユイとレイが倒れたシンジを見て、冷や汗を流す。

「と、兎も角、普通のパジャマに着替えてきて、お願い!
 俺はシンジ君を、部屋に連れて運んで行くから・・・」

「わ、わかったわ・・・(汗)」

 レイは、現状を見て、更に、シンにそう言われて、
慌てて自分(とシン?)の部屋に向った。






 少し経って・・・

 レイが普通?のパジャマ(チョッとだぼついてる・・・もしかしてシンの?)に着替えて、
ユイのいるリビングに戻って来ようとすると声が聞えて来た。

「・・・だから、なんで、勝手にあんな事をしたんですか?」

 シンが少し怒ったような声を出しながら、ユイに訊いていた。

 因みに、現在、シンジは、あの後から起きて来たリツコが診ているらしい・・・

「だ、だって・・・」

「当初の改築予定では、アレはカーテンではなく、チャンとした壁だったでしょ!
 朝まで壁だったし・・・」

 本来、シンとレイの部屋は薄いとは言え、チャンと壁で仕切られているハズだった。

 それをユイがこっそり壁にソックリなカーテンに変え、
ベッドもキングサイズに変え、真ん中に置いたのである。

 勿論、最初はカーテンを閉めたままであり、部屋が少し暗かったのに加え、
少々気の抜けていた為、シンが、気付かずに、ベッドに入った。
 そして、ユイの計画通り?に、予め、カーテンの逆側に待機していた勝負下着姿のレイが、
カーテンを越え、いきなり、抱きつくと言う事をやらかしたのである。

「いや、だって、シン君が、中々レイちゃんに・・・」

「あのですね・・・僕等はまだ中学生なんですよ!」

「でも、その位でしてる子も居るって聞いた事あるし・・・
(レイちゃんが不安がっていたし・・・)」
(余計な事を教える耳年増の友人が居たらしい)

 ユイとシンの声が響いているので、レイはこっそり、それを覗き見る。

「だから、俺はレイちゃんにそう言う事をする気は・・・」

「「なぜかしら?(なぜ?)」」

 レイが疑問に思い、ユイが厳しい顔をして、シンに訊く。

「考えてみてください・・・
 レイちゃんはこの世界に生を受けて、まだ十年も経ってないんですよ・・・
 確かに、見かけも、その知識も、十二分に13、4歳以上でしょう・・・
 でも、まだ、身体はしっかりしてないんです・・・」

「どう言う事?・・・レイちゃんは充分に・・・」

「・・・彼女は、まだ女の子なんですよ・・・」

「はぁ?・・・まぁ、確かに、レイちゃんは女の子以外の何者でも無いけど?」

 シンの言葉に、首を傾げるユイ・・・

「いや、だから、まだ、その・・・」

 何かを説明しようとしているが、言い難いのか、『あぁ〜だ、こ〜だ』言って居るシンを見ながら、
ユイは訳がわからないと言う顔をする。

「あぁ〜もう!
 だから、彼女は、まだ自分のお赤飯を、
食べた事がないんですってば!」


 シンが顔を赤くしながらそう言った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 ユイの目が点になり、暫く沈黙が支配する・・・






「・・・・・・な、ななな、なんで、
シン君がそう言う事を知ってるのよ!(汗)」

 暫くして、やっとシンの言った事が理解できたユイがそう言った。

 つまり、レイには、まだ、女性特有の月のお客様が来た事が無いらしい・・・
(詳しい事は・・・小さい子は大きくなってから、自分で調べてね(^-^;))

「そ、それは、一緒に暮らしていれば、わかります・・・」

 シンが顔を赤くしながら、そう言った。

「・・・身体は、しっかりできて成長しているみたいなのに・・・」

「仕方ないでしょう・・・レイちゃんは半ば無理矢理成長させられたんだから・・・
 まだ、内蔵器官とかがしっかり成長しきってないんですよ・・・」
 
「そうだったの・・・(ゲンドウさぁ〜ん・・・--#)」

 意外な事実に、驚くユイ・・・(確り、矛先が・・・)

「だから、今のレイちゃんとそう言う事は出来ないと言うか、彼女の身体の事を考えると・・・
 大体、無理にしたら、悪影響しかないでしょう・・・」

「た・・・確かに・・・」

 やっと理解してくれたかと言う顔をして、シンがほっとする。

「でも、そうなのね・・・シン君は、レイちゃんの身を第一に考えていてくれているんだ・・・
 シン君は本当にレイちゃんの事が好きなのね」

 ユイがシミジミとした雰囲気でそう呟いた。

「あ、当り前ですよ・・・」

 シンは顔を赤くしながらそう言った。

「・・・そういう事なら、仕方ないか・・・でも、まぁ、これで安心ね♪
(初孫は・・・でも・・・と言う事は、レイちゃんが確り成長したら、いつでもOK!って事ね)・・・」

「はぁ?」

「と言うわけだから、レイちゃん、添い寝抱きついて一緒に寝るのまでならOKよ!」

 ユイがニヤリとしながら、シンの後ろの方に声をかけた。

「え?」

 シンが振り向くと、顔を赤くしたレイが立って居た。

 ガシ!

 レイがシンの腕を掴む。

「・・・あ、あの・・・(汗)」

 シンが冷や汗をかく。

「添い寝・・・するの・・・

「え?・・・」

「その位なら良いでしょ♪・・・レイにとってもその方が良いだろうし・・・」

 ユイがニヤリとしながら言った。

「ほへ?(汗)」

 何故か、汗を更に流すシン・・・

「一緒に寝るの♪・・・シン君、悪夢見ないですむの♪・・・
(シン君の匂いは良い香りなの♪)」

 レイはそう言いつつシンを引っぱって行った・・・

「ちょ、ちょっと〜」

 チョッち大胆になってるレイによって、
寝室へ引っぱられて行くシンの少し情けないような声を聞きつつ、
苦笑していたユイは、少しして、いきなり真面目な顔になり、呟く・・・

「・・・でも・・・好きな娘に手を出さない理由はそれだけじゃないわね・・・
 シン君・・・(これ以上は極秘裏に調べるしか無いか・・・)」

 無論、その夜、シンが殆ど眠れぬ夜を過ごしたと言うのは、言うまでもない・・・
(レイちゃんはシン君に抱きついて、健やかな夜を過ごしたとか?)






 次の日・・・早朝・・・

 小鳥がまだ囀る前・・・誰もいない道をシンがジョギング?していた。

 そして、近くの公園に入って、軽く柔軟体操をする。

「・・・・・・ふぁ〜」

 背筋を伸ばしながら、欠伸をした・・・少し眠たいみたいである・・・

「珍しいね、キミが欠伸なんて・・・」

 公園に居た別の少年が、不思議そうな顔をして、シンに言った。

「お、タカか・・・チョッとな・・・(ヘビの生殺しみたいなモノに遭って・・・)」

 その少年の名は【鹿島タカヒロ】、彼はシン達のクラスメイトチルドレン候補であるが、
実は学校内で、シンジ達の護衛のような役割も持つ・・・

 実は彼の父親が保安部の課長の1人であり、彼自身、シンジ達と同年齢で、元々から、
クラスメイトだったことから、抜擢されているのである。

 何時、抜擢されたかと言うと、シンジがトウジに殴られた事が、
ゲンドウの耳に入ってから急遽としか言えない・・・

 最初は、ゲンドウが直々にトウジ(一家)を処罰しようと考えていたらしいが、
シンに止められ、その時のシンジとの関係を聞き、踏み止まった。

 しかし、これから、シンジが傷付か虐められないようにと、
配慮したのである。

 まぁ、既に、全く必要無いと思うが・・・(親ばかココに極まれりだな・・・)

 それ以来、タカは、護衛として、身体を鍛える為にも、
シンの早朝トレーニングに少し?ばかり付き合うようになった。
(シンジはネルフ内で鍛えられてたりする・・・)

「お、もう走り終わったのか?」

 シンがタカに訊いた。

「まぁ、時間的にまだ5キロくらいだけどね・・・」

 肩をすくめながら、タカがそう答えた。

 ジョギング?は別コースらしい。

「まぁ、あの時間で、それだけ走れれば、たいしたモンだよ」

「同じ時間以下で、四倍以上、走ってる人に言われてもなぁ〜」

 タカは苦笑する。

 因みに、シンのは『あれは、ジョギングじゃなく、ダッシュだ!』と、
影で囁かれていたりする。

 そんな事を話していると、汗だくになっている大人が十数名、公園に走り込んで来た。

 実は、シンと同じコースを走っていた一応、今日は、非番か、
午後から出勤である保安部と諜報部の部員達であったりする。
(レベルアップの修業?)

 勿論、タカのように、短いコースを走っても良いのだが、
そこはそれ、大人の意地と言うもので、シンのコースを走っているらしい。
(おそらく部長か、課長クラスの者が決めたのであろう)

「じゃぁ、各自、息を整えたら、いつもの5セットをして、今日は解散にしよう・・・
(今日は、二周走ったからな・・・追い抜かれた連中が、ペースを乱したし)」

 シンが周りを見て、そう言った。

「今日は少なめに、5セットだね・・
(とは言うモノの・・・僕等は、シンさんの半分なんだよな・・・)」

「「「「「う〜す(た、助かった)」」」」」

 タカと何とか喋れる数名が、返事をする。

「「よっと・・・」」

 シンとタカは、その場で腕立てを始めた・・・しかも、逆立ちで・・・

 息を整えた大人達も、それに続く・・・(一部、普通の腕立て)

 最も、今も公園にたどり着く大人達が居たりする・・・




「じゃぁ、学校で」

 ノルマを終えた鹿島が、同じようにノルマを終えているシンにそう言った。

「あぁ・・・おっと、そうだ、今日新しい転校生が来るからな・・・」

 汗を拭きつつ、シンが鹿島にそう言った。

「新しい護衛対象チルドレンですか?」

「まぁ、そんなトコだろうが、それとなく、気を付けて見ててくれ・・・
(タカは、自分自身も、その候補とは、知らないんだよな・・・)」

「了解・・・」

 タカはそう答えると、自分の家へ走って行った。

「さてと、じゃぁ、今日は5セットだけで良いからなぁ〜」

「「「「「「う〜す」」」」」」×無数

 シンはまだ終ってない大人達に声をかけると、マンションに戻って行った。





 それから、いつも通り?皆で朝食を終え・・・

 シン達は登校した。

 途中で、ヒカリ、トウジとミカ、ケンスケにあって一緒に登校する。

 その後、(未練がましそうに見ている)ミカと別れて、教室に行った。

「しかし、ホンマ、顔に似合わんと、いけすかん女やったで・・・」

「だね・・・(でも、あの部分、何とか残ってないかな〜・・・
 もしくは、何とかデータを復旧させて・・・)」

 教室に着いてから、トウジがアスカの事に文句を言い、
ケンスケが、相槌を打ちつつ、よからぬ事を考えながら、例の処理をしていた。

「しかし、師匠や、センセ達は難儀やなぁ〜」

「ん?・・・なにが?」

 トウジの言葉に、赤い本(問題集)を読んでいたシンジが顔を向ける。

 因みに、シンは、珍しく机に顔を沈めて寝ているようだ。(寝不足?)

 レイは教室の後ろで、ヒカリをはじめとする女生徒達と何事かをこそこそ話し、
ヒカリ(と一部の女生徒)を暴走させたり、キョトンとさせたりさせていた。
(因みに男子は近づけさせてもらえない・・・)

 因みに、『純情〜』とか、『優しい〜』とか、『おっとなぁ〜』とか言う声も聞えてくる。

 トウジ達は、そう言うのを無視しつつ、話しを続ける。

「ま、センセ等は、仕事だから、しゃ〜ないわな・・・」

 トウジは頷きながら、1人?納得している。

「そうだな、俺達はもう会う事もないだろうけど・・・」

 ケンスケがそうお気楽な事を言うと、ガラガラと、教室の前のドアが開く。

 そちらを見る生徒達・・・

 トウジとケンスケが目を見開き、シンジはキョトンとする。

「「なぁ〜〜!」」

 トウジとケンスケが、驚いたように立ち上がって、指を指す・・・

 黒板に書かれた【惣流・アスカ=ラングレー】の文字・・・

 トウジとケンスケはそのまま硬直し、シンジは訳が判らず、目をパチリとさせている。

「惣流・アスカ=ラングレーです!
 よろしく♪」


                                 続く・・・





 後書き

 ・・・のハズでしたが・・・とりもちの本体は、とてつもないダメージを受けて、
マトモな応対が出来ない為、今回はそのままデビ・トリへ・・・

デビ・トリの秘密の部屋

鐘「どうしたんですか?・・・本体さん」

デ「いやぁ〜トンでもないモノを貰って、ピープーいっとる」

と「プーピー・・・」

鐘「その所為で遅れたんですか?」

デ「あぁ、そのまま書いたら、『アスカを地獄に叩き込むかも知れん』と言ってな・・・
  (俺は、別に良いのになぁ〜)」

「あうあうあうあう・・・」

鐘「一体、何が来たんですか?・・・また、ウィルスですか?
  それとも、カミソリですか?」

デ「いやぁ〜そんな・・・」

鐘「生易しいものじゃないと?」

デ「いや、物騒なモノじゃない・・・」

鐘「はぁ?」

デ「いやぁ〜いくつかのメールにわけて送られて来たFFなんだが・・・」

鐘「えぇ・・・」

デ「内容が、EOEで、LAKな18禁・・・」

鐘「それで、何でダメージを受けたんです?」

デ「いや、読めばわかる・・・コレが、それを抑え目に纏めたモノだ」

鐘「フムフム・・・読み読み・・・(o_☆;)ェ?」

デ「凄いだろ・・・一部、消したり抑えて居るらしいが・・・」

鐘「・・・アスカ、悪女ですね・・・うわぁ〜シンジ君達の人生を・・・」

デ「だろ・・・この話では・・・」

鐘「ただ、シンジを手に入れたかっただけとか、レイちゃんとの関係を崩したかったとか、
  思われても仕方ないし、しかも、この時の本命の相手が・・・」

デ「そう・・・加持でも、カヲルでもないんだ・・・」

鐘「これじゃぁ〜・・・よく、本体さん、耐えましたね・・・(汗)」

デ「しかし、送った奴に言って置く・・・」

鐘「し、師匠が怒ってる(汗)」

デ「ありがとう!」

鐘「コケ・・・へ?」

デ「冗談だ・・・本当は、名無しや、偽物のメアドで送るんじゃない!
  返事を送ったら、即行で、宛先不明で返って来たぞ!
  おかげで、本体のダメージは倍化したぞ・・・」

鐘「・・・マジっすか?」

デ「あぁ、それ以来送って来ないらしいが・・・困ったもんだ・・・」

「ううぅ〜〜〜〜
  アレは、ここのアスカじゃない、ここのアスカじゃないんだ・・・ぶつぶつ」

鐘「唸ってマスネ・・・(汗)」

デ「あぁ、次回も多少遅れるかもしれん・・・アスカの見せ場もあるしな・・・
  悪いイメージを消さんと大変な目に遭うだろうからな・・・(俺は別にかまわんが)」

鐘「チロリと本音を出しませんでした?」

デ「別にぃ〜・・・でも、おかげで、贖罪も、ラストが止まってるからな・・・」

鐘「あぁ! あそこは、一応、アスカと何故か関係あるし・・・」

デ「まぁ、今度は贖罪外のラストとは思うが・・・保証は出来んな・・・」

鐘「仕事も忙しいらしいですしね・・・」

デ「では、最後の絞めを・・・本体の代わりに読め」

鐘「はい、コホン・・・
『文句、罵倒、カミソリ等は、平気ですが・・・
 返事を送れない様にするのは卑怯なので止めてね・・・
 別に、名前を出したり、吊るし上げなんかしません・・・
 ただ、作品の向上のため、意見の言い合い?をメールでやって、理解を深めるだけです』以上!」

デ「では、後は、コメント係に任せて、去るぞ!」

鐘「はい! では!」




シンジ「な、なんか…女の人って凄いんだね…」
レイ 「…どういう意味?」
シンジ「あ、いや…分からないなら良いけど…」
レイ 「…そう」
アスカ「ん?新しいのできたわけ?」
シンジ「うん」
アスカ「まった、随分かかったもんね、たしか6月じゃなかったっけ?」
レイ 「そのはずよ」
アスカ「たくっ、とりもちの奴何さぼってやがんのよ
    このアタシとシンジのラブラブストーリーをさっさと書けっていってんのに」
………愚痴愚痴愚痴愚痴………
レイ 「その辺りで良いと思うわ…一応理由も書いてあるわ」
アスカ「じゃあ、いったいどんな言い訳が書いてあるのか楽しみに読ませて貰うわ」
……よみよみ……
アスカ「なによこれは!!?さんざん待たせ腐ったあげくアタシの台詞は最後の一つだけかい!!」
シンジ「あ、一応その後に…」
アスカ「ん?…………」(怒)
レイ 「もし、アスカの登場シーンを増やしていたらどうなったか分からないわね」
アスカ「いったいどこのどいつよ!!!?」
アスカ「このアタシが悪女ですってぇ!!!?」
アスカ「どこが悪女だって言うのよ!!!!」
アスカ「あんたら、どう思う!!!!?」
シンジ「う、ううん、あ、アスカは悪女なんかじゃないよ」(怯)
レイ (コクコク)(恐)
アスカ「そのアタシが悪女!!?ざけんじゃないわよ!!」
アスカ「たくっ…ぶつぶつぶつぶつぶつ……」
シンジ「なんだか、最近アスカがぶつぶつ言っていること多いような…」
レイ 「…内容の問題ね…」
シンジ「早く、良い風になって欲しいなぁ…胃に穴が空く前に……」


カヲル「洞木ヒカリ、鈴原ミカ…、なかなか厄介なだな」
ペンペン「クァ〜」
カヲル「何が厄介だって?綾波レイ彼女がライバルたりえなくなったから
    問題は、惣流アスカだけかと思ったんだけどねぇ…
     ひょっとするともっと色々と問題が出てくるかも知れ無いなぁ…」
ペンペン「クアッ、クア〜」
カヲル「そんなこと言わないで欲しいなぁ…
    僕はシンジ君の事が好きなんだよ、これは嘘じゃない本気なんだよ」
ペンペン「クァ〜」
カヲル「ん?今見ている君、君は僕を応援してくれるよね」
ペンペン「クァ〜…」
カヲル「それと、とりもち君、僕とシンジ君とのラブラブシーンの登場を楽しみにしているよ」
カヲル「さて、ペンペン君、これをとりもち君に渡してきてくれるかな?」
カヲルはペンペンにずっしりと重い分厚い封筒を渡した。
ペンペン「フギャ?」
カヲル「中身は嘆願書さ、名前は書いてないけどね」
(注:マネしないように…)
ペンペン「アギャ?…」(汗)
ペンペンは何も書いてない封筒を見ながら冷や汗をかいている。