<2015年、新横須賀沖オーバー・ザ・レインボー> 「アスカ、日本が見えてきたぞ」 「え〜どこどこ?・・・あ、あそこか。」 (あれが私の戦う場所、日本か・・) アスカと加持が双眼鏡で日本を見ている。 「今日中には到着するから、明日からは学校に行けるぞ。」 「え〜、学校なんてつまんないわよ〜。私は大学出てるのよ、加持さん」 「ま、郷に入っては郷に従え、ってことさ。それに親友の一人や二人、居ても損はないぞ。」 <2015年、第三新東京市ネルフ本部指令執務室> パチン 「碇、今日はセカンドチルドレンが到着する日だったな」 冬月が将棋をさしながら言う。 「ああ、ところでシンジの様子はどうだ?」 「目立った行動といえば、週に2,3回、郊外にある帝洋グループの研究所に通っていることぐらいだ。」 「そうか・・」 数時間後・・ 「結局太平洋艦隊をつけた意味はありませんでしたね。」 加持が言う。 「それより例のものは?」 ゲンドウが言うと、加持が耐核トランクを机に載せてあけた。 「すでにここまで復元されています。効果ベークライトで固めてありますが、間違いなく生きています。・・・人類補完計画の要ですね。」 「そうだ・・・最初の人間、アダムだよ・・・」 この後、加持はドイツ支部からの出向を命じられた。 <2015年、第三新東京市私立第一中学校> 担任が教室に入ってくると、委員長である洞木ヒカリが、 「起立、礼、おはようございます」といった。 担任は、「え〜、今日は転校生が一人居ます。」 といった。 (こんな時期に転校生なんて居たっけ?) とシンジは思ったが、担任が転校生の名を呼ぶと疑問は吹き飛んだ。 「惣流さん、入ってきなさい。」 アスカが教室に入ってくると、男子から歓声が上がった。 そしてアスカは筆記体で名前を黒板に書き、 「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしく。」 といって笑顔を浮かべた。それには、男子だけでなく一部の女子まで魅了した。 (そうか、僕が居ないから戦力不足なのか。) シンジは結論に達した。 (ん、待てよ。じゃあサードチルドレンって誰なんだ?) 一方アスカはシンジが悩んでいるのを見て、無視されていると勘違いしていた。 (ちょっと!この超美少女の私を無視するとはいい度胸してるじゃないの。) アスカの、シンジに対する第一印象は、生意気なやつ、であった。 その後、アスカはヒカリに学校を案内してもらい、仲良くなった。 その日の昼休み、ヒカリは校長室に呼び出された。 中に入ると、待っていたのは、金髪黒眉の美女であった。 「洞木ヒカリさんね?私はネルフ本部技術一課所属赤城リツコよ。よろしく。」 「あ、はい。こちらこそ。」 「とりあえず話があるの。座って。」 「わかりました。」 ヒカリが座ると、リツコが切り出した。 「あなたのお父さんがネルフに勤めているのは知ってるわね?」 「はい。」 ヒカリの父はネルフの整備班長をやっている。 「物は話なんだけどね、あなたにそこで造ってるロボットのパイロットをやってほしいのよ。」 「え?何で私が?」 「このロボットはね、あなたぐらいの子供じゃないと動かせないのよ。実を言うとね、今日転校してきたアスカもそのパイロットなのよ。お父さんの了解はもうとってあるから。」 「・・・少し考えさせてください・・・」 ヒカリは少し考えると、そう言った。 「・・分かったわ。考えたら、ここに電話頂戴。」 そう言ってリツコは自分の番号を渡して帰っていった。 「アスカ、ちょっと屋上に着て。」 「分かったわ。お昼食べたらすぐ行くわ。」 アスカは、急いでパンを食べながらそういった。 ちなみに、シンジたち3人は、シンジの手作り弁当である。 「なんなの?ヒカリ?」 アスカは屋上に来るとそういった。 「アスカってね、ネルフのロボットのパイロットなんでしょ?」 「え、何でヒカリが知ってるの?」 「・・さっき赤城リツコっていう人が来て、それのパイロットになってほしいって言われたの。私、どうしたらいいかわからなくって・・ それでアスカに相談しようと思ったの。」 「そっか・・・分かったわ、何でも聞きなさい。」 こうしてヒカリはアスカにいろいろと質問をし、パイロットになることを決めた。まあ、ならない、といっても、黒服のお兄さんが来て、思いっきり守秘義務違反のアスカもろとも連れて行かれただろうが。 そして数日後、ついに第3使徒、サキエルが襲来する