特務機関シリウス

第四話

◆シンジ&レイ、到来

<2015年4月1日、第三新東京市ネルフ本部指令執務室>
プルルルルル・・ガチャ
「私だ・・・何、シンジが見つかった!?で、どこでだ?・・何、学校だと!保護者は誰なんだ?・・・何、鳳洋一?わかった・・ん、な、なんだと・・・で、保護者は?・・・・わかった・・」
ガチャ
「冬月、シンジが見つかったそうだ。そして・・・・」
「まだ何かあるのか?」
「・・・レイと瓜二つの少女が一緒だそうだ・・」
「な、なんだと・・・・」
しばらく沈黙する二人。
「それにしても、あの男が保護していたのか・・われわれの耳に入らんわけだな、碇。」
しばらくして、冬月が口を開く。
「ああ。とにかく、シンジが生きているならまだ望みはある・・」
(それにしても、なぜレイが二人・・・)
少々疑問を持ちながらも喜ぶ二人であった。



<同日、第三新東京市市立第一中学校>
始業式の後、2−Aではシンジたち、転校生の紹介が始まった。
「碇シンジです。よろしくお願いします。」
その後浮かべた笑顔に、女子たちから黄色い声が上がった。
ちなみに本人は、
(何でこんなに女の子は盛り上がってるのかな?)
などと持ち前の鈍感ぶりを発揮していたりする。
「月城レイです。よろしく。」
無愛想にそういった。
今度はどよめきが起こった。それもそのはず、校内でも1,2を争う美少女である綾波レイと瓜二つなのだから。もちろん、綾波レイ本人が一番驚いていたが。
「鳳レイラです。よろしく。」
今度は男子だけではなく、一部の女子からも驚きの声が上がった。
何せ、知る人ぞ知る帝洋グループ会長、鳳洋一の一人娘なのである。まあ、男子の場合、かわいいから、というのが多かったのだが。
ちなみに、某ミリタリーマニアが写真の売り上げの3倍増を確信して、
「クックックックック・・・・」
などと怪しげな笑い声を上げ、周りの生徒たちを引かせていたというのは余談である。



<ネルフ指令執務室>
「・・で、どうだった?赤木博士?」
ゲンドウがいつものポーズをとりながらリツコに聞く。
「はい、ターミナルドグマのレイの素体は減ってはいませんでした。また、製造プラントも使用した形跡はありませんでした。」
「それならば、あの少女は一体・・・」
ゲンドウがそのままの姿勢で考え込む。
「細胞のサンプルでも手に入ればDNA鑑定が可能なのですが・・・」
「・・・保安部に尾行させろ。髪の毛の1本ぐらい手に入るだろう。」
「まずくは無いかね?彼女の保護者はあの鳳洋一だぞ?」
「ふっ、問題ない。」



後日、保安部が髪の毛を手に入れ、リツコがDNA鑑定を行ったが、綾波レイの遺伝子とは一致せず、月城レイは綾波レイとは赤の他人であるとされた。しかし、リツコは本来の目的のため、重要なことを見逃していた。月城レイの遺伝子が綾波レイよりも使徒に近かったことを・・・
 
どうも、颯流です。第四話、お届けいたします。やっと今回でシリウスの準備が完了しました。次回でネルフも準備が完了します。あの人も早々と登場します。そして、その次、第六話でいよいよ使徒戦の幕が上がります。いつになるかはわかりませんが、期待せずに待っててください。それでは、今回はこのへんで。