第二話

レイパート


 

「行って来ま〜す!」

母親に向かって挨拶するレイ。

レイの家から学校まで近道をしても走って8分、歩けば15分ぐらいだ。

結構ギリギリの時間である。

しかも転校初日、色々手続きが有る。

急いで学校に向かわなくてはならない。

昨日見て回った学校への道。

しかし不運はいきなり訪れるものである。

だがそれが本当に不運なのか、はたまた幸福なのかはこれより分かることである。

学校まで後1分ぐらいでつくと言う時。

曲がり角から人が出てくる。

自分はもうトップスピード。

止まれるはずがない。

予想と違わずぶつかる。

「きゃぁ!?」

「うわ!?」

ぶつかった勢いで倒れそうになるレイ。

だが我慢した痛みは一向に来なかった。

いつの間にか腰に回された手、自分の顔の近くにある格好いい男の子の顔。

分かっているとおり腰に手を回されキスできるような状態・・・。

「あ・・・ご、ごめん、大丈夫?」

だがこの辺りは流石?ですぐに手を離す。

「う、うん・・・私は大丈夫・・・その・・・有り難う・・・

頬を染めながら言うレイ。

(な、懐かしい感じ・・・もっと抱きしめて貰いたいような・・・

「あ!?時間が・・・!?ご、ごめんなさい、急いでるので!」

そう言うとレイは頭を下げてから学校の方へと走っていく。

 

 

(はぁさっきの人どっかであったことある気がするんだけどなぁ・・・)

考え事をしているうちに学校に着くレイ。

直ぐさま職員室に向かう。

「失礼します・・・転校してきた綾波と言いますが・・・」

レイが職員室に入ると先生が何人も居た。

そのせいで少し緊張する。

「ああ、綾波さんね・・・私は保険医の赤木リツコよ・・・貴方の担任の先生はまた遅刻でね・・・」

リツコが話し始めたのを聞いてレイは目を丸くする。

(教師が遅刻して良いの・・・)

レイの心の呟きはもっともである。

リツコとしばらく担任を待っていたレイ。

始まりから5分ほどして担任である葛城ミサトがやって来た。

「ミサト・・・いい加減にしないと減俸されるわよ・・・」

リツコに言われ頭をかきながら苦笑いするミサト。

「で、貴方が綾波レイちゃんね・・・早速行きますか」

(本当にこの人で大丈夫なのかしら・・・)

結構レイも酷い人である。

教室の前に来るとミサトがレイに話しかける。

「じゃぁ、少しここで待ってて・・・」

そう言われ廊下で待つことに。

その時教室は偉く盛り上がっていた。

(私・・・大丈夫なのかしら・・・)

心ではかなり不安に思っているらしい。

どうやら入る時が来たようなので扉を開けて教室に入るレイ。

教壇の前まで行き自己紹介をする。

「綾波レイです・・・よろしく!」

「それじゃぁ1時間目は私の授業だから質問タイムにしてあげるわ!」

ミサトはそう言って窓の近くに椅子を持っていきどっかりと座る。

ちょっとオロオロとするレイ。

だが欲情(^^;している生徒達は質問を次々とする。

「今付き合ってる人居る!」

「趣味は何?」

等々色々聞いて回る。

レイはそれにちゃんと答えていく。

「付き合っている人は居ません・・・」

「趣味は料理を作ること」

えらく家庭的なレイ。

だが・・・。

(も〜!何で私がこんな事答えなきゃならないのよ〜!)

心ではかなりご立腹のようである。

家などの言いたくないことは全く答えなかったが最後にこんな質問が来た。

「好きな人は居るんですか?」

レイは考えた。

こんな質問や付きまとわれるような生活は嫌だ。

なら、本当のことを言ってしまおう。

「い、います・・・

この答えにより男子生徒諸君が一気に落胆した。

そして一段落がつくとミサトがレイの席を決める。

「それじゃぁレイちゃんには・・・」

この時男子の心の呟き・・・。

(((隣に来て!)))

一方レイは・・・。

(私が座るんだから、私に決めさせてくれても良いのに・・・)

と、やはりご立腹のようである。

「そうねぇ、シンちゃん!貴方の隣が良いわね」

ミサトの言葉により男共の嫉妬の目がシンジに向けられる。

逆に女共はレイに向かって嫉妬の目を向ける。

レイは多少人と違う髪の色、目の色をしていても可愛い。

シンジもかなり人気が有る。

(え!シンちゃん・・・あ、あれは今朝の・・・それじゃぁ・・・)

レイの心はドキドキで破裂しそうな勢い。

ゆっくりとシンジのもとに歩いていく。

その際レイがシンジの事を知っているとは誰も考えてなかったし気にもとめてない。

シンジの側につくと、レイが。

「シン・・・ちゃん・・・?」

(本当にあのシンちゃんなの・・・?)

心でこんな事を思いながら恐る恐る小さく呟く。

シンジはニッコリと微笑み答える。

「レイ、久しぶりだね

シンジの微笑みは女殺しの微笑み。

レイは既に幼き頃から微笑まれているのでグロッキーである。

「シンちゃん!(o)」

叫ぶや否やシンジにしがみつくレイ。

目はハートだが涙が零れている。

(シンちゃんだ・・・本当にシンちゃんだ・・・ずっと逢いたかったシンちゃんがここに居るんだぁ

レイもシンジもかなり幸せを味わっているようだ。

ミサトも含めた生徒達は目が点になって二人を見守っている。

二人の赤い糸はこうして再び繋がったのである。

 

 


あとがき

さて・・・ラブラブですねぇ。

次からは両パート共に重なる部分が多々出てくる可能性があります。

その辺りは勘弁願いたいです。

だって・・・心の叫び以外は同じなんですからねぇ書き方が(^^;

ではまた。



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