2人の天使と雷皇

◆其の十三


「あうう・・・・・なんでこうなるんだ・・・・俺ってめちゃくちゃ運がなかったりして・・・・・?」
道端に倒れている少年がぽそぽそと呟く。
周りは少し古めかしく、荒れている感じの家並で、壁などにはスプレーで落書きなどが書かれている。
少年は背中まである髪の毛を中途半端な所で止めていて、前髪は髪の毛がふさふさした前髪がいくらかかっているくらいだろうか?
ロッククライマーや探検者等がよく担いでいる巨大なヤツに、
山のような荷物が詰められていて、そのあまりの重さに少年の体が押しつぶされてしまっている。
服装はぼろぼろでところどころが破けていて、ほこりまみれだ。
「山道歩いてると熊にでくわすは・・・・・・・・逃げたらいきなり露天風呂の女湯に突っ込むは、
挙句の果てには、意味のわからんカラスの大群に巻き込まれてもみくちゃにされるは・・・・・・」
一人でぶつぶつと呟いているその姿はかなり怪しい。
その顔色はすこぶる悪い。
(ああ、やばい・・・・意識が朦朧としてきた・・・・・・・)
少年のまぶたも、ゆっくりとしまっていき、最早思考すらもしんどくなってくる。
と、その時、疲れきったその聴覚に、女性の甲高い声が聞こえてきた。
今にも完全に閉じてしまいそうなまぶたを無理やり開き、その声が一体誰の声なのかを見定めようと声のした方に目をむけた。
視界がいくつにもぶれて見える。
そこには、ピンク色の混ざった征服を着た高校生ほどの、腰まである髪をポニーテールのようにしてくくっている女の子がいた。
少年の目にはまるで天使のように見えた事だろう。
(・・・・・・ああ、なんか知らねぇけど、あそこに天使が見える・・・・・・・
声まで聞こえやがる・・・・・・・ついに天からのお迎えがきたか?
俺がのたれ死んで天使に天国に連れて行かれるなんて、笑えねえギャグだな、おい?・・・・・・)
どうやら、違う意味で天使に見えたようだ(^_^;)
自分の考えた事に苦笑しながらも、最後の力を使いきって、ついに意識を失ってしまった。
その姿を見て、あわてて少年に近寄っていく。
「あの・・・・あなた、大丈夫!!!!????ほら、しっかりして!!!!!!」
近寄って、すぐに倒れていた少年の体を揺さぶるがなんの反応もなかった。
「えっと・・・・・しょうがないなあ・・・・・・家まで運びましょ・・・・・・まさかほっとくわけにはいかないしね。」
そう言うと、女子高生は倒れている少年を担ぐと、ついでに少年の山のような荷物も担いで、家族が待っているだろう家へと帰っていった。


「たっだいまーーー!!!!母さん、帰ったわよお!!!!!!!」
女子高生が帰りついたのは極普通の一軒家だった。
表札には神鳴 キミカ・神鳴 リョウコ・神鳴 マモルと書いてある。
そういえば、少年を担いでいた女子高生の鞄に、『リョウコ』と英文で書いてあった。
どうやら、少年を担いできたのは神鳴リョウコらしい。
リョウコは少年の荷物だけは玄関の外において、自分の部屋に向かった。
リョウコの部屋に入ると、とても女の子らしい雰囲気が漂っていて、
くまさんのぬいぐるみが机の上においてあるほか、ベッドは赤い掛け布団で、部屋全体に女の子特有の甘いにおいが漂っている。
鞄をおいて少年を自分のベッドに寝かせると、自分は隣の部屋に着替えにいった。
白い無地のシャツに、ジーパンの生地を極限まで短くしたようなタンパンで、白い太ももが色っぽく姿を表している。
着替え終わって部屋に戻ってくると、自分のベッドで寝ている少年をまじまじと見ている。
「むう、この人、服ぼろぼろなのよね。やっぱり・・・服・・・・きがえさせなきゃだめよね・・・・・・・。」
そうつぶやくと、どこからともなく男物のズボンとタンクトップを持ってきて、すやすやと眠っている少年の布団を剥がす。
少年の着ているのは、すりきれたジーパンと極普通のシャツ一枚で、どちらも洗濯しなければ使えたものではない。
まず、リョウコは少年の着てるシャツを丁寧に脱がしていく。
そこからあらわになったのは、余計な脂肪分がついていない、普通より筋肉質でひきしまった上半身。
それを見て、リョウコの思考は思わず見とれてしまった。
少年の体があまりにも理想的かつ、芸術的な体をしていたから。
(わあ、すごいわ・・・・・・・・ひきしまった体ね・・・・・・・どうやったらこんな体になるんだろう?)
服を脱がせるはずの手も止まってしまっている。
しばらくたって、静かに寝息をたてている少年の体を、
自分がまじまじと見つめていた事に気づいたリョウコは、首筋まで真っ赤になってしまう。
(ヤ、ヤダ!!なんであたし、この男の子の体をジッと見てるのよ!!!??)
自分のしていた事に差恥心を刺激されて真っ赤になりながらも、ジーパンに手を伸ばすリョウコ。
ジーパンがずれないように止めてあるあのボタンをはずすと、
ジィーーーという音と共にチャックを下ろしていく。
自分はべつにいやらしい事をしているわけではないのだが、
どうしても今の自分の姿を思い浮かべてしまい、あまりの恥ずかしさに顔が赤く染まってしまう。
そばから見ると、どう見ても女子高生が寝ている同年代の少年を襲おうとしているようにしか見えない。
ついに全部脱がせたリョウコ、少年が着ているのはトランクス一枚のみの姿になっている。
(・・・・・んん?なんだ?・・・・なんだかすかすかするぞ?これが天国なのか?)
少年の意識がだんだん戻ってきたようだ。
あの時倒れたまま、天使につれられて天国にいったんじゃないのかと思いながら、ゆっくりと目を開く。
ぱちっと目をあけると、目の前には白いシャツに透けて見える豊かな胸とブラジャー。
少年が目をあけた時、ちょうどリョウコがシャツを少年に着せようとしていたところだった。
「・・・・・・は?」
とかいいながら、思わず目の前にあるものに手を添えてしまう少年。
むにっむにっ・・・・・・・「ヤっ・・・あうんっ★」
少年が揉むと、顔のすぐ近くから聞こえてくる甘い声。
その声は少年の本能を直撃した。
や、当たり前の事だろう。
倒れていて目覚めたら、いきなり目の前に白いシャツにすけた胸が見えて、
思わず手を添えて揉んでしまって、耳元からは男である自分を誘うような甘い声が聞こえてくる。
これで本能を直撃しない男などいまい。
胸に感じた刺激に、思わず少年を見るリョウコ。
「・・・・・きゃあああああああ!!!!!!!!!変態ーーーーーーー!!!!!!」
少年の手とパッチリと開いている顔を見て、問答無用でそのままの体勢で叫ぶリョウコ。
先程感じた初めての感覚に力が入らなかっただけなのだが・・・・
その叫び声に反応して、どたどたという音と共に、リョウコの部屋がある二階に走ってくる家族。
だだだだ!!!!!バタン!!!!!!!!!
扉がものすごい勢いで開くと、そこにはおっとりとした感じの女性とリョウコと同じぐらいの年の少年が立っていた。
おっとりした感じの女性がキミカで、リョウコと同じぐらいの年の少年がマモルだろう。
リョウコの部屋に、沈黙が流れた。
「姉ちゃん、男といやらしいことするのはいいけど、いちいち誤解招くような声で叫ぶのはやめろよな。」
マモルが言った。
「あらぁ?リョウコちゃん、女の子なんだから、恋人からせめてもらうようにしましょうね。」
キミカもリョウコにとってよく分からない事を言っている。
とりあえず、何が言いたいかはわかるので咄嗟に反論する。
「ちょ、ちょっと!!!!このどこが、わたしがこの人と・・・その・・・・・・いやらしい行為をしてるように見えるの!???」
「だって、姉ちゃん、自分が今どういう体勢になってるのかわかってるの?」
と、守るにいわれて、自分が一体どういう体勢なのかを見てみる。
その結果わかった事・・・・・・・・・自分がこの少年に四つん這いになってまたがっている。
しかも、少年の手はまだリョウコの胸にあてられたまま。
「ナッ・・・・・・・」(カァァァ)
(ち、違う、わ、わたしはただ、こいつにシャツを着せようとしてただけなのよぉぉぉぉ・・・・・・・・)
リョウコは心の中で自分の無実(?)を叫んで、さっきとは比較にならないぐらい真っ赤になってしまう。
「リョウコちゃん、わたし達は下にいるから、思いっきりやっていいわよぉ。
でもぉ、お隣には聞こえないようにねぇ。じゃあ、早く孫を抱ける事を願ってるわね。」
そう言うと、二人とも一階へと戻っていった。
その後には、よくわかっていない少年と呆然としているリョウコの姿だけが残っているのだった。
数分間、部屋の中に沈黙が流れた。
「あなた・・・・・・名前は?」
「お、おれか?俺は九重ツバサッつう名だが・・・・」
突然のリョウコの有無を言わさない重い声に、反射的に答えてしまうツバサ。
「そう・・・・・・じゃあ、九重ツバサ・・・・・あなたを第一東京市立龍神学園高校第二学年生徒議会議長の命にて、天罰を下します!!!!!」
そう叫ぶと共に、どこから出してきたのかリョウコの手に握られた木刀が、ツバサの寝ている場所に振り下ろされた。
かろうじてよけるも、自分の寝ていたはずのベッドは木刀の斬撃でなんとも言えない形に変形してしまっている。
「お、お前な!!!死んだらどうすんだバカやろーー!!!!」
ツバサの叫びはもはやとどいてはいない、というか、とどくわけがない。
乙女心とは怖いものだ。
リョウコの目を見ると、すでにイってしまっている。
もう止められない、止まらない。ツバサ自身疲労やらなんやらのたまりまくった体で、まだ完全に全快したわけではないのだ。
むしろ、倒れていた時と変わらないといっても過言ではないのである。
「天誅!!!!!!!!!!!!」
ビュン!!!!!!!!!ズバッ!!!!!!!ズビュ!!!!!!!!!!
リョウコからは容赦なく斬撃が繰り出され、それを走りながら何とか逃げているツバサ。
「だああああああ、なんでオレを攻撃するんだ!!??オレを!!!????」
リョウコの部屋を出ると、まっすぐに階段を下りていくツバサ。
そのちょうど後ろをリョウコの木刀の切っ先が通り過ぎていく。
「ぎゃああああああ!!!!!!」
絶叫しながら限りある力を振り絞って、階段を下り終わると共に高速でターンして、家の中の方へと走る。
今らしい明かりが見えるので、ツバサはとっさの判断でその部屋の中に入る。
それのちょうど後ろを、リョウコがドアが壊れないよう器用に木刀を振り回しながら入ってきた。
部屋を見回すと、さっきの少年がゲームをしている。
「少年よ、悪い!!!!!!!!!!」
そういうや否や、マモルを手にとってリョウコの斬撃が当たらないように盾にする。
「へ?・・・・ね、姉ちゃん!!!!!!!何やってんだよ!!危ないだろ!!!!!!!!!」
マモルはそう叫ぶも、リョウコに聞こえているはずがなく、無残にもリョウコの斬撃の餌食となってしまった。
南無阿弥陀仏・・・・・・・・
頭から血を大量に流している、マモルを持ったまま、台所の方へと走るツバサ。
「男ならば潔く罰を受けろ!!!!!この痴漢変態ピーーーどきゅーんババババ←(自主規制)男!!!!!!!!!」
ビュババババババババババババババババババ!!!!!!!!!!!!!!
斬撃は効率が悪いと思ったのか、ものすごい速さでツバサを付きまくるリョウコ。
あんなものを喰らっては、体が蜂の巣になるだけすまじゃない。
「んなことしるかああ!!!!なんで俺が罰を受けねばならんのだ!!!!!!!!!」
かろうじてリョウコの突きを喰らわずにすんでいるが、たまに当たる突きでマモルはぼろぼろだ。
「あらぁ?リョウコちゃん、夫婦喧嘩もいいけど、ほどほどにしなさいねぇ。」
台所の中に入っての第一声がそれ。
「母さん、夫婦喧嘩じゃないわ!!!!乙女を襲う変態を、我が学校の第二学年生徒会議長として天誅を下そうとしてるの!!!!!!!」
どうやら、キミカは止める気はないらしい。
ツバサはその事を悟ると、最後の手段を使う事にした。
「少年よ、再びすまん、ふがいないオレを許してくれ。」
そう言うと、ツバサは木刀を構えたリョウコへと走り出す。
「やっと男らしく罰を受ける気になったわね、この変態!!!!!!」
リョウコはそう言うと、抜刀の構えに入り、ツバサが間合に入ると共に木刀を抜き放つ。
ヒュオ!!!!!!!!!!!!
リョウコが抜き放った木刀はすでに目に見える速さではなかった。
ツバサでなければよける事ができたか自体疑惑ものだ。
しかし、だ。ツバサはよけたのではなかった。
マモルを囮にして、リョウコが抜刀し終わった後を狙っていたのである。
リョウコの抜刀により吹っ飛んでいくマモルをよそに、
マモルの雄姿をたたえながらも、がら空きになったリョウコの鳩尾に気絶する程度に拳を入れた。
崩れ落ちるリョウコ。
そして、疲れがたまっていたのに無理をしたのがたたったのか、ツバサもその場に崩れ落ちてしまった。
「あらあら、みんな仲良しさんねぇ。」
キミカだけは、穏やかな笑顔を浮かべながら台所に立っていたという。


「・・・・ん?・・・眠いな・・・・ここどこだ?」
まだ眠くて霞む目をこすりながら、ツバサはぼおッと周りを見回した。
見た事がない部屋だ。
が、だんだん何があったのか思い出してきた。
(んとだな・・・・・たしか、俺が倒れてたのをリョウコとかいうやつに助けてもらって・・・・)
ツバサは額に親指と人差し指を当てながら必死に思い出す。
すると、何があったのかもろもろが頭に鮮明に浮かんできた。
「・・・やわらかかったな・・・・・・・あいつの胸・・・・・・」
手を二・三回わきわきして見つめる。
顔はゆでだこのように真っ赤になっていて、性格に似合わず、どうやらそういう関係は弱いらしい。
「もう一回やっ・・・・って、何考えてんだ?俺は。」
服を着ているのを確認すると、そういって、頭を振ってさっきの考えを掻き消すと、ツバサは起き上がって、
今はまだ会えない、自分とよく一緒にいた女の子を思い出しながら、自分が寝ている部屋の障子を開いた。
何かと世話を焼いてくるアイツ。
でも、素直じゃなくて可愛いやつ。
友達以上恋人未満というやつだろうか?
当の本人、九重ツバサは、自分の考えている事がどういう事かまったく気づいてはいなかったが。
・・・・・どこかの誰かさんとタメをはれるくらい鈍感かもしれない・・・・・

「へーックション!!!あんだ?どっかで俺の噂でもしてんのか?」
第三東京市マンションの一部屋にくしゃみをする声が響きわたった。
少年は、止まっていた手を動かして、一緒にくらしている少女のためのエプロンを作り出した。
少年の容姿は肩より少し上までの白髪に漆黒の瞳だった事も秘密だ。

ツバサが扉を開けると、陽の光がベランダから差し込んで、外にあるちょっとした庭は眩しいぐらい太陽の光に照らされていた。
そばにあるのは丸いちゃぶ台。
もっとも、足を折りたたみするようなやつじゃなくて、もっと大きい年期の入った品だったが。
この家はセカンドインパクト以前の家そのものだった。
ベランダがあって、庭があり、
畳が敷いてある和風のつくりで、なによりも、部屋にいる物の心を和ませてくれる。
「あらぁ?目が覚めたんですかぁ?」
ふと聞こえてきたほのぼのした声。
誰がまちがえる事か、この家の持ち主でリョウコの母、キミカの声だ。
キミカはお盆の上にコップとペットボトルのお茶を持って立っていた。
ツバサは感じた。
これが平和な時なんだな、もっとも忘れがちでもっとも大事な小さな幸せなんだと。
なぜかはわからない、だが、そう感じたのだ。
「そこに座っててください、すぐにコップをもう一つ持ってきますからぁ。」
そう言うと、小走りにパタパタと台所に戻って行って、もう一つコップを持ってきた。
とりあえず二人は座って、お茶を飲んでいた。
「あ、どうもすみませんね。」
ちなみに、コップはどっちもガラスでできた透明なもので、
入っている麦茶にコップの周りについた水滴がどうにも喉の渇きをあおってくれる。
セカンドインパクトによって世界の気候が著しく変化してしまった今、
季節に冬も夏も関係なく、一年中猛暑といえるような熱さが続いている。
そうなると、やはり暑い時にはコップに入った麦茶で、
氷で音をカラカラとたてながら、コップに張り付いた水滴を手に感じながら一気に飲み干したくなるのが心情というもの。
ツバサも同じだった。
コップに入ったそれをじっと見つめると、一気に喉に流し込んで、その冷たさの快感で全ての事を忘れてしまう。
全て飲み終わったあと、コップをテーブルに戻して黙って庭を見つめる。
「もう一杯入れましょうかぁ?」
君かは全部ツバサが飲み終わった事を知ると、
ペットボトルを持って、ツバサが返事をする前にトポトポと麦茶を入れはじめた。
「あ、ああ、ありがとうございます。」
ツバサは庭から自分のコップに視点を戻す。
注がれる麦茶にあわせて、中の氷もゆっくりと浮かび上がる。
そんな様子をしげしげと見つめながら、ツバサはじっとしていた。
「はい、どうぞぉ。」
そう言って、キミカは麦茶を入れ終わったコップをツバサに渡す。
「ツバサ君は、なんであんなところに寝ていたんですかぁ?」
キミカが穏やかな顔をしてツバサに話し掛ける。
「や、別に寝ていたんじゃなくて倒れてたんっすけど・・・・・・」
「じゃあぁ、なんで倒れてたんですかぁ?」
あいもかわらず、君かは穏やかな顔をしてツバサに聞く。
「友人の元に行くためですよ。友人みんなが集う場所、第三東京市に。」
「そうなんですかぁ。」
「ちなみに、ここはどこなんですか?はずかしながら、俺、わかんないもんで。」
そう言うと、ツバサは自分のコップを口元まで運んで一口だけ麦茶を口に含む。
「ここはぁ、第一東京市ですよぉ。私達の世代にいうんならぁ、東京都と言えばいいんでしょうかぁ。」
君かあごのところに手をもっていって、首を傾ける。
「東京都・・・じゃあ、まさかここは・・・・・争いの楽園・・・・・・ですか?」
東京都、争いの楽園。
日本の中で唯一のSS指定を受ける場所。
SS指定とは、世界連邦が定めた、その地域の危険その事である。
A・AA・AAA・S・SS・SSSと世界の全ての地域に指定がされている。
A〜AAAまでならば、普通の人も何とか暮らせるだろう。
AAAも危険なのは確かだが、自分の身の回りをきちんと整理して、
普通の身辺警備の術を持っていれば、よほどの事がない限り、殺人などの事件に巻き込まれてしまう事はない。
S指定の場合、危険であり、警察や戦自が何とか平和を維持できるレベル。
殴り合いや殺人、そういった事は日常の中であたりまえのようにレベルで起こっていて、夜に一人で歩くなど、もってのほかである。
そして、東京都・争いの楽園、SS指定。
ここで警察など関係はない。
もちろん戦時だろうが国連だろうと、手出しなどできはしないレベルになっている。
旧東京都を支配するもの、それはキッズグループ『レイカーズ』とチーマーや犯罪者等の集まった団体『ヘル・エデン』。
この二つのグループが勢力争いをして、日々争いを繰り広げている。
ヘル・エデンの勢力はどこであろうと、誰がいようと、関係なく争いをはじめてしまう。
その上に、連中は小さい子供から若い女性を、攫ってきては犯したり、マフィアの裏ルートで奴隷や臓器などにして売りつけたりする。
レイカーズの方は上層部の決めた掟で、あまり人のいる所では手を出さない。
ヘル・エデンの場合は、人を殺す事もためらわない。
それゆえに、二つの抗争に巻き込まれて死んだ人の数も、数え切れないほどいる。
いつ、自分が襲われて死ぬかなどわからない。
たとえば買い物に出ていて、道を歩いている最中にヘル・エデンに襲われかねない。
争いの楽園に住む者の間には暗黙の了解がある。
『家からそとへでる時、一人で出るな。必ず2人以常の人数で外に行け。』というものだ。
それで何がどうなるわけではないのだが、それがせめてもの危険回避の方法だった。
「ええ、争いの楽園のぉちょっとはじの方ですがねぇ。」
「そうですか・・・・大変でしょう?こんなところにすんでいると。」
「そんな事はありませんよぉ?
確かにヘル・エデンには手のつけようがありませんが、レイカーズのおかげで彼らの天下にはなっていませんからぁ。」
そう言って、君かもコップの麦茶をすする。
「ところでぇ、ツバサ君はどこからきたんですかぁ?あの動きをみると、普通の人ではないと思うんですねぇ。」
「・・・・・SSS指定・ジェノサイドシティからです。」
SSS指定とは、もはや誰も手をつけられない所。
つまり、国連や各国の軍ですら手の打ち様がない、危険地域の頂点をさしているのだ。
その場所こそ、シンジや大神姉妹のかつていた場所、ジェノサイドシティだった。
「そうですかぁ。」
SSS指定出身だと知っても、キミカはべつに怖がる事も驚く事もなく、ただ穏やかにツバサに接した。
「驚かないんですか?えっと・・・・・・」
「キミカでいいですよぉ。呼び捨ては夫にしかされた事はありませんが。
世の中にはいろんな事がありますし、ツバサ君は優しい男の子ですからぁ、わたしは何も思いませんよぉ。」
日光に横から照らされたキミカは、まるで優しく全てを見守ってくれるようで、女神のようだった。
「ところでぇ、リョウコのところに、この鞄を持っていってくれませんかぁ?」
そう言うと、キミカはツバサの前に布でできた鞄を取り出した。
「なんですか?それ。」
ピンク色で、熊さんの刺繍がしてある、女の子からすれば可愛いという部類の鞄だ。
「これを・・・ですか?」
ツバサマジかよ?とか思いながら、顔には出さずに鞄を見つめている。
こんなあまりにも女の子チックな一品を、それとはかけ離れた自分がぶら下げて持っていくなど、かなり恥ずかしい。
「はい、リョウコの忘れ物です。おほほほほ。」
手で口を隠しながら恥ずかしそうに笑う。
「はあ、・・・・・・まあいいですけど、どこに持っていくんですか?」
「龍神学園という所なんですが、とっても大きいので、多分すぐに判ると思いますぅ。」
「キミカさんがそういうんだったら、大丈夫でしょう。じゃあ行ってきます。」
ツバサはそう言うと、コップに残った麦茶を全て飲みほして、立ち上がった。
「あ、わたしも一緒に行きますねぇ。」
「え?いいですよ。一人で。伊達にSSSからきたわけじゃないですし。」
「そうですかぁ?なら、絶対気を付けてくださいねぇ。いま午後の三時ですから、おいしいご飯を作って待ってますねぇ。」
キミカの見送りの言葉を聞きながら、鞄を持ってツバサは玄関へと歩いて行った。
靴を履いて、玄関の戸を開けて外へでると、思わずまぶしくて太陽に手を掲げてしまう。
とてもいい天気だ。
いまさらながらにそう思ってしまう。
空は青く晴れ渡って、真っ白な雲が所々浮かんでいて、太陽が中心となってそれらを照らしている。
ツバサは、ゆっくりと龍神学園を探しながら歩きはじめた。
とても大きいらしく、すぐに見つかるらしいが、いまいちわからない。
熱くて歩いてるうちに汗がたらたらと頬を伝っていく。
「くう、あっちいぜ。それにしても、見あたんねえぞ、でっかい建物なんて。」
歩いても歩いても、見えるのは荒れた家並とスプレーで落書きされた塀のみ。
「めんどくせえ!!!よっ、と!!」
ツバサが跳んだ、すると、そばに建っていた家の屋根のうえに着地して、さっきよりも見晴らしのいい高さになった。
ツバサが行こうとしている方向にはそれらしきものはない、
ぐるりとみまわして見ると、歩いていたのと反対の方向に確かに大きい建物が建っていた。
「ちっ、なんだ、反対だったのかよ。」
そう言うと、ツバサは再び跳んで大きい建物のある方向の家の屋根に飛び移った。
それを何度も何度も繰り返して、だんだんと龍神学園らしき建物に近づいて行く。
ようやく建物の近くまで行くと、一応門の所から入る事にして、門を探すため建物の塀を歩きつたっていく。
しばらくすると、まあ、それなりに大きい門が見えてきた。
近づいて門の横にある名前を見て見ると、第一東京市立龍神学園高校と書いてある。
「ここかあ、それにしても、屋敷みたいな学校だな。」
そうなのだ。
龍神学園の周りの塀はレンガ造りで高く作られ、その向こうに大きい屋根が見えている。
「そこに立ってる奴、だれだ?」
ツバサがどう入るか考えていると、ふいに後ろから声を掛けられる。
振り向くと、黒服の男が何人かツバサの後ろに立っていて、みな屈強そうな男ばかりだった。
「ああ?初めてのあう人に向かって奴とはなんだ、奴とは?もうちょっと言い方変えられないのか?」
ツバサは突然知らない男に奴扱いされてすこしピクンときたが、とりあえず普通に返す。
「貴様は誰だと聞いている。貴様に質問する権利などない。」
「・・・・・・(ふっ、ここで怒っちゃあ大人げないな。)」
「何か身分を証明する者をだせ。」
「(くっ、だめだぜ、おこっちゃあ。)持ってない、けど、この学校に通っている神鳴リョウコに忘れ物をわたしにきた。」
「だめだ、身分証明ができなければこの学校に入らせるわけにはいかん。とっとと帰れ、ガキ。」
男達はそう言うと、ツバサに背を向けて、本来いた場所に戻ろうとする。
が、ツバサに引き止められた。
「・・・・・・・おい、待てよ馬鹿ども。てめえら、人に対する礼儀も知らないのか?」
ツバサは声を低くして、男達へと問いかける。
「さっさと帰れ、ガキにつきあっている暇はない。だいたい、貴様がレイカーズやヘル・エデンのものだったらどうするんだ?」
「んなわけねーだろ、なら、神鳴リョウコを呼べばいい、そしたら判るさ。」
「それはできん、さっさと帰れ、貴様にしてやる事は何もない。餓鬼。」
「てめえら・・・・力だけがモノを言う世界の掟ってものを知らねえみてえだな・・・・・」
ツバサの目が、獰猛なる獣のように、冷たく鋭くなった。
「きさま、早く帰らないと銃で撃ち殺すぞ。」
男の手が、ふところへと運ばれる。
が、それよりも早くツバサが動き、男の膝を蹴って粉砕した。
「うああああああ!!!!!」
男は異常な方向に折れ曲がった足を抱えながら、地面を転げ回った。
他の男達はそれを見てツバサに銃を向ける。
「てめえらごときがそんなもんでオレを倒せるわきゃあねえだろ。」
そう言うと、ツバサは体勢を低くして、まるでトラのよう一直線に、
銃を構えている男のうちの一人の横に動き、銃を持っている方の腕をへし折った。
「ッ!!つあっっ!!!」
その男は悲鳴をあげるにもあまりの痛みに悲鳴になっていない。
ツバサは男の後頭部を鷲掴みにすると、そのまま持ち上げて、銃を構えている男達へと向ける。
「撃ってみろよ。撃てるもんならな。もっとも、俺に当たるかどうかは知らねぇが。」
「「「「くっ!!!」」」」
男達は全員撃つことができない。
なぜならば、ツバサが持ち上げた男の体が、全てツバサの体を覆い尽くしているからだ。
持ち上げられた男は、もう、何が何かわからずに、ただ黙って目だけで、銃を構えている男達に助けを求めている。
「あ、うううう・・・・・」
「わかった、どうすればいいんだ?」
ついに男の内の一人が折れた。
「この門を開けろ。」
「わかった、だから門を開けたら、今お前が持ち上げている男をはなせ。」
「いいぜ、離してやるよ。」
ツバサの返事を聞き取った男は、
さっきとは違うポケットからカードのようなものを出して門のはじに近づくと、キーを何かに差し入れる。
すると、拳状の大きさの部分が上へ上がり、くぼみがでてきて、その奥にある機械にパスワードを打ち込むと門が開いた。
ゴゴゴゴゴゴオオオ・・・・・・・・・
門が開いたその先にあったのは、だだっ広い運動場と200メートルほど先に見える建物は校舎のようだった。
「おらよ、ここに置いとくぜ、こいつ。」
そう言って足元に男を置くと、さっさと校内へ入ってしまった。
「はやくっっ、学校の戦闘課に電話しろっっっ!!!!!」
ツバサが入って行ったあと、男達の間にそんな声が聞こえた。

さて、こちらはリョウコの方だが、今リョウコは英語の授業をしている。
これが今日最後の授業だ。
リョウコがまじめに先生の黒板をノートをうつしていると、窓際の方の生徒から大声が聞こえてきた。
「おい!!誰かこの学校に入ってきたぞ!!!」
その声に全ての生徒が反応して、英語の授業そっちのけで一斉に窓際の方へと集まっていく。
「おい!!授業中だぞ!!!!席に戻れ!!!!!」
英語の担任が叫ぶが、
集団の力は怖いもので、みんなで授業をそっちのけになってるため誰も戻ろうとしない。
「先生、でもなんでこんな時間に誰かが入ってくるんでしょうか?」
さすがに第二学年生徒会の議長を務めるだけあって、みんなと一緒に外で大騒ぎになってる人を見に行くわけにはいけない。
もっとも、近いうちに必ず会う事になるのだが、そんな事知るよしもない。
「知らん、だが、その事で授業を中断しては困る。
外の警備の者が敗れたにしろ、家にはそんな時のための戦闘課がいる、問題無い。」
そう言いながら、窓際に集まった生徒の塊を見ている。
もはやあきらめてしまっているようだ。
リョウコも先生が授業を中断してしまっているので、とりあえず、自分も人だかりに近付いて行く。
が、近付いたのはいいのだが、押し合いへしあいで、外が見えるところまで行くことはできない。
リョウコは少しがっかりしながらも、机に戻り、鞄から本を取り出して読みはじめた。
本の題名・・・・・宮元武蔵の『五輪書』・・・・・・・(―_―;;;)

運動場のど真ん中をつっきって歩くツバサ。
その姿は目立っても仕様がない。
何よりも目立つのは、その容姿にあわないピンクの熊さんさん鞄だが(^_^;;)
進むツバサの視界に、向こうの方から歩いてくる一つの人影が現われた。
その人影は、まっすぐにこちらの方へと歩いてくる。
ツバサは止まって、その人影が自分の所まで近付くのを待った。
まもなくその人影はツバサの元について、ジッと見つめていた。
まるで見定めるように・・・・・
その人影だった男はメガネを掛けていて、ひょろっとして、見た目は文化系の人のようだ。
「ぼくは戦闘課第一部隊隊長・須波 ミツキっていうんだが、君の名は?」
男をツバサに対してあくまで話し合いを大前提に話し掛ける。
その顔にはニコニコとした笑顔が浮かんでいる。
「俺の名は九重ツバサだ、神鳴リョウコさんに忘れ物を届けにきた。」
「ふうん、わかったよ、神鳴さんを呼び出すから、とりあえず学校の中まで来てもらえるかな?」
「ああ、それならそうしてもらいたいもんだな。」
ツバサは疲れきった顔で、須波の声に返事をする。
どうやら、さっきの男の態度に龍神学園の人達に不信感があるようだ。
あんな対応の仕方をされれば、誰であろうとそうなっても不思議ではないが。
さて、ツバサは龍神学園の玄関らしき所を通って、長い廊下を歩いて行く。
廊下は古くの校舎のように木板が敷き詰められていて、
壁はどこかのホテルのようにセンスある絵等が飾られて、まるで進学を主とする一流高校のようだった。
そんな廊下の中で、いくつもある扉のうちの一つの扉の前で、須波は立ち止まってツバサの方を振り向いた。
「この中で待っていてくれないかな?罠なんてないから、安心してもらっていいよ。」
そう言うと、扉を開いた。
ツバサは特に罠があるようにも見えなかったし、べつに大抵の罠ならばなんて事はないので、そのまま素直に部屋の中に入った。
部屋の中は絵が飾られてて、それを中心に二つのソファーが向きあって並べられて、高級ホテルの一室を思わせる様子だ。
ツバサがそのうちの一つに腰掛けると、そこでゆっくり待っててくださいと言い残して須波はどこかにいった。
「それにしても、豪華な学校だな。」
周りを見回しながら呟いた。
「学校・・・かぁ。・・・・思い出しちまうよ・・・・なあ?・・・・・・・・ジュンヤ・・・・・・・・・・・。」
ツバサは遠い目をして、自分がまだ弱かったころの事を思い出した。
そう、心も体も、自分を殺したくなるほどに・・・・・・・・・
ばたん!!そんな感傷に浸っていた時、扉が開く音がした。
「なんであなたがここにいるの!!??」
ドアが開いて一番に叫ぶリョウコ。
それを見て、ツバサは普通に答えを返す。
「ん?忘れもんを渡してやりに来たんだ、キミカさんのお使いでね。」
「お使い?」
そう呟くと、ツバサがもっているピンクの熊さん鞄を見る。
「う・・・・うそ。」
そう呟くと呆然とするリョウコ。
「なにがだ、普通の鞄だろ?ん、これ。」
そう言うと同時ぐらいに立ち上がって、リョウコに鞄を握らせるツバサ。
が、リョウコの手から鞄は落ちて、その中身がいくらか外に出た。 
そこからにあったのは剣道着とそれに隠れながらも顔を見せている純白のパンティー。
ツバサはそれを見て、顔を赤くした。
「この変態!!!!」
そう言って、落ちてでたものを鞄につめるリョウコ。
それと同時にツバサに左手でビンタを食らわせていたりする。
「なんでんなもんが入ってるんだよ・・・・・」
「なんでって、今日は部活の合宿があったからに決まってるじゃない!!!!!」
鞄を両手で胸に抱きながらツバサを睨む。
「うっ・・・・」
そんな目で睨まれてはぐうの音もでないツバサ。
「ぐう。」
いや、でたみたいだ。
その状態でしばらく沈黙が続くと、開いたままだった扉から声がした。
「おお、キミが九重ツバサ君かね。」
声がした方を向くと、立っている中年の少し太ったおじさん。
茶色いスーツをきて、鼻下にちょび髭が生えている人のよさそうなおじさんだった。
「こ、校長先生!!!!!」
リョウコはその姿を見ると、急いでお辞儀をする。
「こんにちは、神鳴さん。いやいや、そんな事しなくていいですよ。」
校長らしい人はリョウコを見て優しく言った。
「ところで、キミが九重ツバサ君なら、これが制服とそのほかいろいろなものです。」
校長は立っている後ろから、制服に教科書の入った鞄、入学案内などを取り出した。
一体どこから出てくるのかは謎である。
「え、えっと、なんでですか?よくわからないんっすけど・・・」
ツバサは突然の事によくわからず聞き返す。
「はい、キミのお友達の月島ハヤテという人から、お願いがありましてね。」
そういうと、後ろからテレビビデオを出して、スイッチをいれた。
『よお、元気にしているか?セイジと話したんだが、お前はまだ第三に来なくていいと言われてな。
まあ、オレを恨むな、龍神学園に入って貰う事にしたんだ。
理由はお前がそこで倒れてたから、それだけだがな。
と、いうわけで、年相応の学園生活を楽しんでくれ。
楽しみだな、セイラがどんな反応を見せるのか、クックックックックック。
・・・・・・・ふふ、それに、な、いつまでも学校から逃げているわけにはいかないだろ、ツバサ。』
そう残して、翼のテープは切れた。
「・・・・・・・・・・・」
ツバサは無言だった。
いや、何も話す事ができなかった。
友のあまりに者唐突さに。
「あんた、この学園にはいるの?」
リョウコが俯いて顔が見えないツバサに聞く。
「ハ〜〜ヤ〜〜テ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
そしてその瞬間、ツバサの怒鳴り声が学校中に響き渡った。

 

あ・と・が・き

うっす、マーシーですよ〜〜。
今回の話、なんだこりゃあ、と思われた方多いでしょう。
それはそうです、だって、この話はオリキャラ九重ツバサの話ですから。
いえ、そんな事はありません。このキャラが平凡な16歳などでは・・・・・・
あたりまえかあ、ま、そう言う事です。
この話は続くでしょう。
本編があまりに痛かった後や、定期的に本編の一つとして入れていきます。
できるだけ、ツバサの学園ほのぼのを書きたいな、とも思うんですが。
それではあまりツバサの強いという面が隠れてしまわうような気がしないでもないので、
旧東京はSS地区に指定して、それなりの設定にしました。
や、だって、ねえ・・・・・ツバサだってそれなりの秘密というモノがありますので、
シンジ達主人公格の一人としても、物語にうまく内容が出せるようにです。
決して、シンジが他の話がおろそかになる事はないと思うので、こんな話を書いてしまった僕を許してください。
そりではまた会いましょう!!!!!!
ちなみに、前回と今回は、夏休みスペシャルという事にしてください。
おそらく、夏休みでなければ、こんなに書く事は難しいと思うので。