2人の天使と雷皇

◆其の七


世界は広く、そして大きい。

ここはその広く大きい世界の中にある一つの場所。

そこは円状に魔法陣が描かれ、

周りは草原や山が広がっていてそれを覆うものはなく、五本の石柱が五つの頂点のところに立っている。

魔法陣の五亡星の中は全て石が敷き詰められていて、白の塗料が五亡星を作っている。

五本の石柱のところに一人づつ人が立ち、

仮面をつけて体は五色のマントで覆っていて、一迅の風がそれぞれのマントをパタパタといわせて走り去っていった。

「さあ、五帝三皇も動き、SEELEの使徒達も動き、そして魔王達も動き出した。

 我々も動き出す時が来たのだ。

 長き時を経て、ついに世界の分岐する時が近づいて、我ら五つのエレメントマスターが世界を破滅から救うのだ。」

そう、赤のマントの者が言った。

続いて青のマントの者が喋る。

「この世に天使・魔王の存在はあってはならないもの。

 遥か昔に存在し、神との戦いによって封印されていた天使達。

 そして天使達の影の部分の集合体、魔王。

 これらは必ず人間達にいつか矛先を向けるだろう、その前に、我らの持つ五大エレメントの力によって天使・魔王の力を封印するのだ。」

青のマントの者の言葉に茶色と黄色のマントの者が反発する。

「だめだ!!封印するだけではいけない!!!命まで奪うのだ!!!!」

「そのとうりだ、天使の力をなめすぎている。」

が、緑のマントの者がその言葉に返す。

「そんな必要はない。

 天使の力だろうと、封印してしまえばどうにもならないはずだ。

 命まで奪っても我らの後味が悪いだけのはずだ。」

茶色のマントの者が、再び口を開いた。

「もう遅い、すでに雷皇の元に刺客を送って、今ごろ目的地に着いているはずだ。」

「なに!?」

緑のマントの者がその言葉に反応する。

「ふん、心配しなくても、あの程度のレベルで負けるようならば我らが出なくともいい。」

そう言うと、茶のマントの者は霞がかったように消えてしまった。

続いて黄色のマントの者も消えていく。

赤のマントの者が口を開いた。

「2人とも、そう気を立てるな。

 我も、天使の力を持つ者を殺す気はもうとうない。

 今日の所はこれで終わろう。」

そう言うと、赤のマントの者は消えた。

しばらく黙っていた後、残りの2人も同じように消えて、この草原にいる人間はいなくなった。

後に残ったのは、青い空と、緑の草原、それに五亡星の描かれた石造りの場所の風景だけだった。




こちら、シンジ達は病院に来ていた。

        「ここがワイの妹がおる病室や。」

トウジがそう言いながら、白で埋め尽くされた廊下のドアを開けた。

中は少し薄暗く、白のシーツがかかったベッドの上に12歳くらいの女の子が寝ており、

その隣では点滴などでつながれている機械が無機質に狂う事なく音をだしていた。

そして入ってきたのは、シンジとそれについていたセイジ・サヤカ・マナミだった。

シンジはベッドで機械につながれている女の子を見ると、眉を寄せて悲しそうに目をそらした。

だが、すぐにその女の子の元へ行って、どれぐらいの怪我でどこを怪我しているのかを見ていく。

「えっと鈴原・・・・君?、ちょっと出てくれないかな?」

そう言いながらシンジはトウジの方を向いた。

「なんでや?」

当時は少し不思議そうにシンジに聞き返す。

「うん、ちょっと考えてた事があってさ。」

「ん、まあええわ。終わったら呼んでな。」

そう言うと、トウジは後ろを向いて自分達が入ってきたドアを出ていった。

自分が出ても、別に何もしないだろう。

そう考えてトウジは素直に出て行ったのだ。

トウジが出ていくと、黙っていたサヤカ達が口を開いた。

「シンジ様、この子の怪我を治すのですね?」

サヤカがシンジに問う。

本人は一応どう答えるかは予想はついてるが、一応、確認をしておいたのだ。

シンジは申し訳なさそうにサヤカに答える。

「ごめんね、サヤカ。この女の子の怪我を治してあげてくれないかな?

 サヤカが疲れるのは分かってるんだ。

 でも、僕のせいで怪我をしてしまったのを、そのまま放っておくのは、僕自身の心が許さないんだ。

 こんな事ただのいい訳だし、言ってる事は一人を救うために一人を殺すのと同じなんだって事も分かってる・・・・」

「気にしなくてもいいよ。あたし達二人は、シンジが喜ぶのならそれぐらい平気だよ。」

シンジの言葉を聞いていたマナミがにっこり笑いながらシンジに話し掛けた。

その言葉にサヤカも優しく微笑んで、自分も同じだと言う事をシンジに見せた。

「いいねえ、ラブラブな夫婦は。熱くてこっちが火傷しそうだから、さっさと治しちまえよ。」

それを見ていたセイジは横を向いて頬をぽりぽり掻きながら呟いていた。

この声を聞いて、サヤカは早速準備にとりかかる。

といっても、ただ傷をおおってる包帯をとって、傷が見えるようにするだけの事だが。

太もものところに頭・胸、肩・腕・足、多々に様々な傷ができていた。

腕は複雑に折れていたようだが、なんとか治したらしく骨に器具などがはまっている。

あまりにも痛々しい姿に、その場にいたシンジ達全員が目をそらしてしまう。

サヤカはその傷の真上に手の甲を持ってきて、ポケットから小さな果物ナイフをとりだし、

その刃を手の甲に当ててスゥッと横にスライドさせた。

サヤカの手の甲からは、赤い血が細い筋となって女の子の傷の中に入っていった。

普通は、その人の血液型以外の血液が体内の血管に入ると、人は死んでしまう。

だが、この時は違った。

いや、サヤカの血が中に入った時は違った。

傷の中にサヤカの血が入ると共に、それまで痛々しいまでに開いていた傷口が、

まるで時間が逆行するかのように元に戻っていき、女の子の顔色は少しずつ良くなっていった。

骨についているボルトや、縫合している糸は消滅し、そこは変わりに骨で埋まり肉で埋まっていった。

そして次の傷、次の傷と血を注いでいって、

全ての傷が治ったころには女の子の顔色は元気・良好としか言いようがないほど良くなっていた。

サヤカは優しげに微笑んだ後、ふらっとよろめいたがシンジがすぐに支えてくれた。

「サヤカ、ありがとう。今はこれで許してね。」

「あっ・・・・。」

シンジはそう言うと、自分の胸にサヤカを抱き寄せて、驚いているサヤカの小さな唇に自分の唇を重ねた。

二、三秒重ねた後、シンジは唇を離した。

いつもは、こんな事では赤くはならないサヤカも、突然のシンジのキスに顔を真っ赤に染めて俯いてしまう。

「シ、シンジ様、いきなり・・・・・。」

サヤカが慌てたような恥ずかしいような声で呟く。

「続きは夜に・・・・・ね?」

その言葉にまたも顔を真っ赤に染めてしまうサヤカ。

いつもより自分の血液が少なくなったから、その疲れが精神的にもつながって、いつも異常に差恥心を大きく揺さぶる。

「ああ、ああ、わかったから、お前らがラブラブのアツアツだって事は十分に分かったから、

 恋人のいない俺にそれを見せつける、死人に鞭打つような酷い行為はやめてくれ。」

セイジはシンジとサヤカの愛を見せつけられて、もう背中が痒くて痒くてたまらずどうしても声をかけてしまう。

「お姉ちゃん、なんで二人だけでシンジとラブラブな雰囲気を作ってるの!?

 シンジはお姉ちゃんだけのモノじゃなくて、あたしとレイちゃんにもシンジとラブラブになる権利はあるんだから!!」

マナミは自分もシンジの妻なのにサヤカだけがシンジとラブラブなのに嫉妬して、

頬を少し膨らませておかんむりのようだ。

「・・・・・・あれ・・・・?・・・・わたし・・・?」

聞こえてきた声は、さっきサヤカが直した女の子の声だった。

女の子は自分の体が無事なのに気付いてあちこち触った後、不思議そうな顔でシンジの方を向いた。

「あの・・・・、すいません、わたしはどうしたんですか?」

女の子が目覚めたのにきずくと、シンジは女の子の元へ歩み寄って、頭を下げた。

「僕は君に怪我をさせたロボットのパイロット、碇シンジ。

 ごめんなさい、僕が気付かない間に、君が瓦礫の下敷きになって怪我をしてしまったんだ。

 足元を見て操縦しろって、君のお兄さんに殴られて、怪我をしてるって聞いたから僕の妻に治してもらったんだ。

 こんな事言っても、罪がなくなるわけでも事実がなくなるわけでもないけど、ごめんなさい。」

と、ふかぶかと頭を下げるシンジに、女の子はどう答えればいいのか分からず困っていると、突然警報が鳴り響いた。

その音は使徒接近を示す何者でもない。

「えっと、なんて言えば分からないけれど、シンジさんが謝らなくてもいいです。

 悪いのは勝手に外に出て行ったわたしが悪いんです。

 自己紹介してませんでしたけど、わたしは鈴原ナツミと言います。

 わたしはもう動けるようなので、ほかの入院している子供達と一緒にシェルターに行きます。

 シンジさんも早くあのロボットみたいな物に乗って、わたしみたいな子が出ないようにあの怪物をやっつけちゃってください。」

シンジはナツミの言葉を聞いて、早くネルフに行く事に決める。

警報が鳴るという事はおもちゃが来たのだろう。

おもちゃならばシンジ一人でも十分倒せるし、

エンゼルチルドレンがいたとしても負ける事はないが、そこに行けば今がどういう状況なのかが分かるからだ。

「ありがとう、君が僕の事を許してくれるのなら、君の思いに答えるよう絶対に僕はこの町の人を守るよ。」

そう言って、シンジは病室のドアを飛び出していった。

「さあて、あたし達も患者さん達をシェルターに連れて行くとしようかな。

 お姉ちゃんは先にシェルターに行っときなよ、『何たる傷も癒したまう純血』を使ったんだから疲れてるでしょ?」

「ま、そういう事だ。お前とシンジにばっかりいいかっこさせるわけにはいかねえからなあ。」

そう言うと、二人は病室を出てほかの患者達のところに行った。

が、患者さんの所へ行ったはいいが、どうやらセイジが向かった病棟は逃げ遅れた者は居ないようだった。 

一通り部屋は見ていったが、人の気配は感じられなかったし、もちろんどこにも姿は見えない。

ポケットに手を突っ込みながら、セイジは誰も居ない病院の廊下を歩いていた。

もう一度逃げ遅れた人はいないか見るためだ。

「どこにも逃げ遅れた人はいないな・・・・、ま、もう一度探して見るかな?」

そう言いながら、病院の廊下の途中にあるTの字になったところに来た。

その時、セイジの体が何かを感じ取った。

それは、明らかに患者や逃げ送れた人とは違う物で、自分に対する敵意・殺意が向けられている。

セイジはそばにある病室のドアノブを真面目な顔をして握り、静かにドアを押した。

       「・・・・・・・・」

そこにあったの無残にも殺されている患者とその患者をお見舞いに来ただろう家族の姿だった。

その家族はどうやら父親のお見舞いに来たらしく、ベッドの上で父親が後頭部を砕かれて横たわり、

五歳ぐらいの娘らしき女の子は庇おうとした母親ごと剣のような物で胸を貫かれ、

セイジの目に映るその光景からは、殺された家族の悔しさと犯人は父親は一瞬でころされたようで一流の者だという事を察すことができた。

そしてその場に広がる静寂。

廊下を満たす静かな空気、その中で、セイジは自分を見ている者がどこにいるのかを探していた。

今感じる気配は一つしかない、ならばわざわざ意味もなくこんな所で殺しをするアホが一流にいるわけがない。

可能性があるならばただ一つ、裏でも名の知れ渡る自分とシンジ夫婦を狙って、

どこかの組織がアサシンを送ってきて、偶然自分の姿を見られたので消そうとしたのだろう。

自分が歩いてきた方向の廊下の先、そっちに向かって、セイジは手を横に振って何かを飛ばした。

白い壁に囲まれた中を突き進む銀の針。

たいして時間もかからずに、針は廊下の先へとその尖った身を壁に突き刺した。

しかし、敵はそれをよけたようだ。

五感にも、短い人生で作りあげられた第六感にも、投げた後の敵に当たった気配が感じれれない。

「ちっ、影縫いはよけられたか。」

自分が放った針を敵によけられた事をセイジは一人愚痴った。

「ふん、まあ、まともな事はできるみたいですね。」

「あ?さっさと出てこい、この阿呆。」

その声にあわせてセイジを狙っていた男が姿をあらわした。

その男はどうやら下っ端らしく、大した力も感じられなかった。

「どこの組織だ?お前を送ってきたやつは。それに、この家族を皆殺しにしたのはお前だろ?」

「ふっ、あなたはもうすぐ死ぬのです、あなたに言っても意味はない。

 ・・・・と、言いたい所ですが、まあ一応教えておきましょう。

 ジェノサイドの五帝三皇・『闇皇』にして、

 闇の世界で『死の悪魔』・『殺戮の死神』・『デス・ソルジャー』などと恐れられている天野セイジも、それぐらい知っておきたいでしょうからね。」

そして、男は手の甲をセイジに向かって突き出した。

手の甲には五亡星のエンブレムが入っており、その中心には土から這い出てくる精霊・ノームの姿が描かれていた。

「それにそこのごみどもを掃除したのはわたしです。わたしがあなたを殺すのにつかうちょうどこの部屋で逃げ遅れていたので」

「へえ、エレメンタリーメシアのやつか。

 こんな所でエレメンタリーのやつと会えるなんて、

 やっぱりシンジのところに来てよかったぜ・・・・、こんなクズを消す事ができるんだからなあ?」ニィィィ・・

言葉の最後になるにつれ、家族を無残に殺した男への怒りが殺意へと変わり、

その人でなしを消す事ができる喜びの笑みでセイジの顔は狂喜に歪んでいった。

その笑みに感じられるのは、ただ膨大な殺意と強大なプレッシャーが滲み出すのみ、

闇の世界に生きる者は知らぬ者はいないといわれる、『殺戮の死神』・天野セイジの本当の姿なのだろう。

たった一人から発せられる膨大なプレッシャーと殺意が、エレメンタリーの男の余裕を急速に抉りとっていった。

そしてセイジは男に向かって手の平を突き出した。

エレメンタリーの男は、その突き出された手の平に神経を集中して、

どんな事が起ころうがすぐに対処できるよう、自分の動きやすい構えをとった。

そして一秒・二秒とすぎていき、男の心の中で、何も起こらないんじゃないかという思惑が横切っていった。

「てめえの魂・・・・・刈りとったぜ。」

セイジの口が開き発せられた一言に、男はフフッと思わず笑った。

なぜならば、その言葉は、『殺戮の死神』天野セイジが相手の死を確信した時にのみ、言う決め言葉だからだ。

「はははははっ何を言ってるんです?わたしはまだ死んではいませんよ?」

男は、得意げに馬鹿にしたように、『殺戮の死神』に問うた。

「・・・・・いや、てめえの魂は俺が刈りとった。嘘だと思うんなら、お前の胸に刺さってる物を見てみな。」

男の胸に刺さっている物、それは男の影から突き出る黒い槍。

その槍は、男の意識がセイジの手に集中していた時、密かに影から伸び、男の胸へと突き刺さったのだった。

まともな条件の時でも気付かないだろう攻撃は、男がセイジの手に集中した事によって、確実に男の五感から外れたのである。

ある一定以上の者になると、集中の深さは桁違いになり、周りに気を配る事により自分の感じる五感も希薄になる。

例えば一つの物に集中している人に、声をかけても返事がない。

その人に強い刺激を与えなければ気付かなかったというのと同じで、これをさらに強めたのが男の行なったものである。

それがセイジの攻撃=影によりさらに存在感がなくなり、

男が一点に集中した事によって、さらに痛みを気付かせなかったのだろう。

「な!!??いつの間にこんな物をっ!!!!!・・・・・な!!??やっ、やめろ!!黒が、黒が・・・やめろおおおおお!!!!!」

男が胸に刺さった影の槍を見た瞬間、それまで何もなかった影の槍が急速に動き出した。

胸に刺さった槍は無数に別れて男の体を包みこんでいき、男の体の中へと侵入し、男の視界がだんだんと黒く染まっていく。

自分に入ってくる影を振り払おうと、殴ったり、暴れたりしていたがそれは無駄な抵抗にしかならなかった。

何かに飲み込まれていく、が、その感触はない。

まるで存在しないコンクリートの中に入れられたように、

自分が自分でないという錯覚になっていき、体が影という名の強大な化け物の一部となって、自分の力そのものが男から消えていった。

そして、手が影の中に埋まっていき、体がずぶずぶと影の一つとなっていく。

影が視神経まで侵入し、光を感知する部分をじわじわと侵食していくのだろう。

男は生きているがゆえに、影によって全身を飲み込まれて動く事もできず、視界すらも奪われた。

精神はこれまでにない恐怖を知り、その恐怖が男の心を崩壊への導き手となり、

影の中の男は最初は狂ったように暴れていたが、ものの数分でピクリとも動かないただの呼吸人形と成り下がっていた。

「人の愛を踏みにじる野郎に俺は倒せやしねえんだよ。

 それにな、俺が誰かなんてどうだろうが、関係ないんだよ。

 俺に立ち向かってくるのに関係あるのは、俺より強いか弱いか、それだけだ。」

そう言い残すとセイジは無残に殺されている家族の冥福を祈って、

父親、母親と自らの作った闇の中に沈めて、安心して眠れるように『遺体』を葬った。

最後に娘の元に行って冥福を祈り、そして『遺体』を闇に沈めようとした時、その遺体から微かに息をするのが感じられた。

セイジは少女の小さな首元へと手を伸ばすと、その少女が生きている事を確認して、安著と喜びの笑みを浮かべた。

「よかった、生きてる・・・・・。」

そう言うと少女がおっている傷に処置をして抱き上げ、あらゆる医療機器がそろうNERVへと行くため、影に沈んでいった。

残された男は体と一体化した影と共に自分の影へと沈んでいき、

その男の影は男が完全に沈むと同時に、中心に収束していき円になり、そして弾けて消えた。

病院の中には人はいなくなりただ独特な不気味さが漂う空間となり、

外では紫の巨人とくらげのような使徒の戦いが始まりを告げた瞬間だった。



あとがき
 
お久しぶりのマーシーです。

僕が中間テストで10位以内に入らなかったら、三話連続で公開するなどと豪語してしまった皆さん、約束です。

三話連続で公開しました。

またまた続いてしまいましたね。

まあ、連続で公開しているわけですから、読み終わったらすぐ続きが読めますんで許してください。