レイ 想いの向こうに



年が明け、時が流れる。僕達の新しい年の幕が明けた。

僕とレイは突然出来た亀裂によって、年明け直前までふさぎ込んでいたが、仲直りをすることが出来た。

朝を迎える。初日の出を拝むことが出来た。そろそろ初詣に行くときがくる。
アスカは、レイと二人で行くことを促す。お言葉に甘えて僕はレイと二人で初詣に行くことにした。



第拾六話  お正月



まだ初雪が観測されていない第三新東京市だが、やっぱり冬だから寒い。いつも以上の厚着をして僕達は外に出た。
いつも通り、僕とレイは腕を組んで歩いている。密着しているため、少しは寒さから逃れることが出来ている。

「レイ、寒くない?」
「大丈夫よ・・・・・クシュン!」
「無理しなくていいのに・・・・・ほら、これ着てよ」

僕は着ていたコートを脱いでレイに渡した。僕は寒さに強いから少しくらい寒くても平気だった。
「ありがとう、シンジ」
レイが微笑みながらお礼を言ってくれる。今年、レイの笑った顔を見るのは初めてだった。寒さが自然と吹き飛ぶ。

そして、僕達は近所の神社にたどり着いた。が、昼が近いと言うこともあり、そんなに人はいなかった。

僕とレイは賽銭箱の前についた。
「はい、お賽銭」
「え?」
レイは初詣に来るのが初めてのようだった。僕は賽銭のことを軽く説明した。そして、二人同時に賽銭を入れて祈る。ま、祈ることは大体決まっているけど。
「ねぇシンジ、何を祈ったの?」
「レイといつまでも一緒にいられますようにって・・・・・あれ?どうしたの?顔真っ赤にして」
「もうっ・・・・そんな事いっても何も出てこないからね・・・」
「いいんだ、僕はレイと一緒にいるだけで幸せだからね。ところで、レイは何を祈ったの?」
「ヒ・ミ・ツ!」
「え!僕だけに言わせてそれはないよ〜」
「言わなくてもシンジならわかると思うから言わない!」

内心、とっくに分かっていたんだけどね。あえてここでは言わないように・・・・・
そして、僕達はおみくじを引くことに・・・・・
「レイ、取った?」
「うん、『せーの』で開かない?」
「いいよ、じゃ・・・せーのっ!」
僕達は同時におみくじを開いた。その瞬間、僕達は顔を見合わせた。僕とレイのおみくじには仲良く「吉」と書いてあったのだ。
「吉か・・・・」
「けど、同じだから気が合うって事!そうでしょ?シンジ」
まぁ、それはそうだけどね。いい加減寒くなってきたから家に戻ることに。



家について中に入っても人の気配を感じない。テーブルの上にひとつの手紙を見つけた。
「アスカから?何だろう・・・」



シンジ、レイへ

アタシとミサトは、隣に引っ越すことにしたから、ここは二人の家になるわ。
もう引越しの作業は終わっているからね。勝手に入ってこないでよ!

二人でがんばってね〜

                     アスカ


「アスカ・・・・勝手なことを・・・・・」
「シンジ、どうしたの?」
「えーと・・・・アスカとミサトさんが引っ越したからってこれからは僕とレイの二人で暮らせって」
「え?ふふっ、なんか緊張するね」

「そう?」
「だってまるで結婚しているみたいな感じだから・・・・」
結婚かぁ・・・・そのうちそうなるのかな・・・・・けど、今はそれどころではない。

「れ、れれれれれれレイ!そんな事言ったら・・・・恥ずかしいじゃないか・・・」
最後のほうは消えるような声だった。すごく恥ずかしかった・・・・
「もう!すぐ本気にするんだから・・・・・・けど、いつかは・・・・・・ね?」
「うん・・・・・」
冗談か・・・・・真剣な顔で言うから冗談っていることが分からない。けど、何となくうれしい感じがした。


なんというか・・・・レイと一緒にいると、お母さんと一緒にいるような感じがする・・・・・
ふと気付いたら、僕はレイの顔をずっと見ていた。

「・・・・・シンジ?大丈夫?」
レイの声で僕は我に返った。そのまま時計を見ると昼を過ぎていた。おせち料理はアスカたちが食べてしまったため、レイと一緒に昼食を作ることに。
「痛っ」
か細い声が聞こえ、横を見るとレイが自分の指を見つめていた。その指からは、その白い肌とは対照的な真っ赤な血が流れていた。

「れっ・・・レイは水で指を洗っていて、バンソウコウ持ってくるから!」
僕が頭の中で思うより先に言葉が出た。そして、ダッシュでバンソウコウを持ってきた。もってきたバンソウコウをレイの指に貼る。

「レイ、大丈夫?」
「うん、シンジ、ありがとう」
レイは微笑んでお礼を言う。なんというか・・・・心が癒される笑顔だった。
食後、僕達はずっとテレビを見ていた。そのまま夜を迎える。

以外に疲れた僕は、早めに寝ることにした。すると・・・・

「シンジ、一緒に寝ない?」
と、言うレイの言葉を理由に僕はレイと一緒に寝ることになった。




布団の中に、二人ではいる。なかなか寝付くことが出来ない。レイの匂いが僕をくすぐる。
すると、レイの口から、懐かしい言葉が出た。

「碇君・・・・・」
「え?」
『碇君・・・・・』それもレイの口から、数ヶ月ぶりでとても懐かしい感じだった。

「寝言・・・・かな・・・・」
僕がそう呟いたその時だった。レイがおもむろに僕のほうを向いた。目は開いていた。
「シンジ?」
寝たふりをしようとしたが遅かった。
「れ、レイ・・・・」
「シンジ、ごめんね。いま『碇君』って呼んで・・・・」
寝言・・・・ではなかったようだ。それにしても、どうしてそのように呼んだのか、全く分からない。
「いいよ、懐かしい感じがしたから。それはそれでいいと思うよ」
「シンジ・・・もう・・・・」

薄暗い室内でも、レイの頬がピンク色に染まったのが見えた。その天使のような瞳には、レイを見ている僕がはっきりと見えた。

「じゃぁ、寝るよ。レイ、お休み・・・・」
「うん、おやすみなさい・・・」

僕達は顔を見合わせながら、静かに眠りについた。


続く あとがき どうも、作者です。 いや〜短い! 最近不調ですね〜感動(?)系じゃないと長くならないのでしょうか・・・・ おみくじの結果がまた微妙ですね 二人一緒に「吉」なんてw どうせやるなら「大吉」や、「大凶」とか大きいものがいいのですが、それではつまらないと言うキャスト陣の考えから「吉」となりました。 作者の思い通りに進まないのがこの小説の醍醐味です。 えー、ここで結構深刻な問題を言います。 ネタが尽きてきましたw そうなるとこの小説もひと段落となるわけです。 次期作品の候補はすでにあります。 まぁ、「鋼鉄のガールフレンド2nd」を主題にするわけですが。 さて、次回のタイトルはおそらく 「バレンタイン」と言う言葉がおそらく入ります。 さて、ここで再び漫画の「鋼鉄のガールフレンド2nd」のお話。 ネタバレらしき物も含むかもしれないので・・・・ 転校生のレイと同じクラスになったメインキャスト陣、明るくしゃべっているレイがシンジを見つけると、いきなり「ああ!」と、シンジを指差しながら言い、そのまま 「今朝の覗き魔!」と言います、はい。 え?理由?それは実物を見てくださいな。 悲惨ですね。別に悪気が合ってぶつかったわけじゃないのに・・・・・と、シンジの気持ちで思ってみたりw やっぱりNERVは出ますね。その言葉で壱話が終わるので・・・・ それで第弐話、放課後NERVの研究所に行くことになったメインキャスト陣、 研究所への道がわからないレイはヒカリに聞く。 「アスカかシンジくんなら知っているよ」 と言われて、アスカとシンジを天秤にかけます。 当然のごとく、 シンジ>アスカです。はい。 まぁ、レイはシンジと一緒に研究所に行くことになるわけですが、その前にシンジはアスカと研究所に行くとアスカから「無理矢理」約束されるわけで・・・・・ そして放課後、シンジの元に向かったアスカが見たのはレイと一緒にいるシンジだったわけで・・・・ ここからですよ。シンジ、アスカ、レイの見事な三角関係が始まるのは。 口論になる前にレイはシンジの手を握り、逃げます、はい。 そのまま・・・・というわけには行かず、レイ、急ストップ。 シンジ、顔から転ぶ。 痛そう・・・・・ その後二人は手をつないで研究所に行ったみたいです。はい・・・・・ その後どうなったのかは、拾七話のあとがきで。 それでですね、最近夢を見たんですよ。 その夢がですね、「レイが作者の家の隣に引っ越してくる」と言う夢だったんですよ、はい。 まぁ、簡単に言えば「シンジが作者に代わった」ようなものです。 実際に今書いている小説みたいな関係になっています。 ・・・・・夢ですけどねw お!7枚目突入した! そ・れ・で・は! 次回の作品も呼んでいることを願い。 作者でした。