レイ 想いの向こうに


第三新東京市にも、冬が訪れてきた。
年に一度のクリスマスが1週間後に控えた僕、レイへのプレゼント選びに迷っていた。
迷ってばかりだと先に進まないから内緒で駅前のデパートに来ているんだけど・・・・・




第拾四話 初めて迎えるクリスマス 



「うーん、どれにしよう・・・・・・」
僕はアクセサリー売り場で、レイに似合うようなペンダントを探していたが、なかなか決まらずに、ひたすらウロウロしていた。

「よし!これにしよう!」
レイの髪の色とほぼ同じ、空色のペンダントを購入した。


僕はアクセサリー売り場から出ようとしたときにある人物に出会い自分の目を疑った。

「あれ?レイがいる・・・・・何しているんだろう?」
さっきまで僕がいたところにレイがいた。袋を持っている様子から、買い物を終えた様だ。
僕はレイに気付かれないように近づいた。
「な〜にやっているのかな〜?」
「きゃっ!し、シンジ!」

レイは小さな悲鳴を上げて僕の顔を見た。あわてて袋を隠したがもうバレバレだ、僕はその事は黙っていた。けど、僕も一応買い物袋を隠した。

まぁ、それから僕達は腕を組み合い並んで家に帰ったけど悲惨なことに、家についた瞬間に風邪をひいてしまった。

「もう、シンジったら、あたしを驚かそうとするから風邪をひくのよ!ま、あたしを驚かそうなんて100年早いけどね」
「『驚かそうとする』って、『きゃっ!』って声を上げて驚いていたじゃないか」
「あれは・・・・・いきなり後ろからシンジの声がしたから、ビックリしただけよ、もう・・・」
それを『驚く』と言うんだけどね。けど今僕が風邪を引いていることは事実だから、当分レイにご厄介をかけることになるのかなぁ・・・・



「シンジ、おかゆ持ってきたよ」
レイは僕の部屋に入ると茶碗一杯分のおかゆを僕のそばに置いた。
そして、スプーンを使って僕に食べさせてくれる。まるで新婚の夫婦のようだ。
「はい、アーン」
僕はそのおかゆを食べた。ちょっぴり塩味が利いていてとても食べやすい。
食べ終わった後には風邪の症状らしきものはほとんどなくなっていた。これでレイに迷惑をかけることはないだろう。




学校では試練が待っていた。年末に行われる試験が近づいていた。とはいっても必修教科の5教科のみなのでがんばれば何とかなるだろう。

が、それは普通の人の考え方。

僕はお世辞にも頭がいいとはいえない。むしろ悪いほうだ。そんなわけで、クラス1の優等生のレイに再び厄介になることに。


「ほらシンジ、ここはこうやって・・・・」
僕のすぐ横に位置してレイとマンツーマンの勉強を行う。レイの匂いが僕を誘惑する。けど、赤点をとると補修が待っているため集中する。

その成果もあって、平均点70点をマーク。補修は免れた。
これでこの後のクリスマスに集中できる!


そして、12月24日、学校は冬休みに入ってミサトさんの部屋には僕、レイ、アスカ、ミサトさんの4人が集まった。

「さぁ、今日はぶわぁ〜と行きましょ!」
ミサトさんの手にはもちろん缶ビールが握られていた。ミサトさん以外は未成年なのでとりあえずビールを飲むことは拒否した。

僕はまるで雑用だった。一人キッチンで料理を作っていた。七面鳥は無いからローストビーフを作ってもって行こうとすると・・・・
「シンジ、何か手伝うこと無い?」
レイが手伝いに来てくれた。僕はできたてのローストビーフを運んでもらうことにした。

それにしても、アスカはともかく、ミサトさんもいるとあのペンダント渡しにくいと思っていたが、チャンスは今このときだった。

「あ、レイ、ちょっと待って」
僕はポケットの中に入っていた箱を取り出した。
「これ・・・・・クリスマスのプレゼント」
「シンジ・・・・ありがとう!」
レイは箱を開けて中身のペンダントを見ると「クスッ」と笑った。
「ど、どうしたの?」
僕はそのことが気になり聞いて見た。
「もう、シンジったらあたしがあげようとしているペンダントと同じなんだもん」
そう言ったレイは小さな箱を僕に差し出した。中身を見ると確かに僕がレイにあげた空色のペンダントが入っていた。

「じゃ、僕達はおそろいって事かな?」
「そう・・・・なるのかな?・・・・ふふっ」

ま、僕達はそれからもしばらくの間仲良く過ごした。正月までは本当に楽しい日々だった。


けど、本当にちょっとしたことがきっかけとなり、きれるはずの無い絆が切れてしまう危機に直面するのであった。



続く

予告


大晦日、部屋に二人きりとなったシンジとレイ、突然のレイの一言から二人の関係に亀裂が走る。
シンジにとってのレイ、レイにとってのシンジとはいったい何なのか?ふさぎこんでいる二人に光は見えるのか?
そして、年明けを迎える。

次回  亀裂



あとがき 短い・・・・・ですね、はい。 こんばんわ、作者です。 クリスマスネタになり、「どうしよう」と思いつつ作ったこのお話、最悪の出来ですね、はい。 それはともかく、今日、友達から薦められていたエヴァのアナザーストーリー的な漫画「鋼鉄のガールフレンド2nd」を買いました。 少女漫画なんですよね、あれ。 男である作者はこの漫画を探すため一人少女漫画のコーナーへ恥ずかしいので早足で歩きながら・・・・ 「鋼鉄・・・・鋼鉄・・・・あった!」 と言った感じですね、はい。 感想 レイのキャラがアスカとかぶっていますね、確実に。 カヲル君も実在。ユイも実在。 いや〜友達に鋼鉄の話をすると「やっぱりパンだな」 と言う理由がようやくわかりましたよ。悲惨ですね。「撃沈」と書いてありますから。「どんまい、綾波レイ」 じゃ、今日のところはここまで、またお会いしましょう。