レイ 想いの向こうに

第壱話

計画

某月 某日 木曜日


 使徒との長きに渡った戦いも終わり、新東京第壱中学校で普通の中学生として過ごすようになった碇シンジと惣流アスカラングレーと綾波レイ。

そんな中、碇シンジに特別な思いを寄せる少女が綾波レイだった。
レイはシンジを見るたびに深いため息をついていた。レイの視線に気付いたシンジは
「どうしたの綾波?」
というが、
「な・・・なんでもないわ・・・・」
と言ってしまう。
(せっかく話せると思ったのに・・・・・・私ったら・・・・・・)


その様子を見たアスカはその日の放課後、レイを呼び出した。


「レイ・・・・・・アンタシンジのこと好きだったりする?」
「!!!!!」
アスカの前には目を見開かせたレイの姿が見えた。どうやら図星のようだ。
「なるほどねぇ・・・・・よし!あたしに任せて!」
アスカが突然思いついたかのようにいった。
「え?どういうこと?」
「いいから!とにかく明日まで待っててね。」
そういってアスカは去っていった。レイは何がなんだか全くわからずにいた。


同日 午後8:00 
シンジとアスカ、そして葛城ミサトは以前のように共同生活を送っていた。いつもと代わりのなく、ただ時間のみが過ぎていった。
「シンジ・・・・・・」
誰かが自分を呼ぶ声を聞き取ったシンジはドアを少し開け手招きをするアスカの姿を見た。シンジはミサトに見つからないようにアスカの部屋に向かった。

「なんだよアス・・・・・・」
「シンジ日曜暇だよね?」
シンジが言い終わる前にアスカが話し始める。
「え?う・・・うん・・・・・・」
シンジはアスカのその言葉に言葉を詰まらせた。
「だったらどこかに出かけない?レイも行くんだけど・・・・・・」
「え・・・・・べ・・・・別にいいけど・・・・・・・」
『レイ』という言葉にシンジは明らかに動揺していた。よく見ると顔が真っ赤だった。
「詳しいことは明日レイと話しておくから・・・・・・ってシンジ、アンタ顔真っ赤よ。」
「べっ・・・別にいいじゃないか!」
シンジは再びあわてる。
「ならいいけど・・・・・・じゃ、楽しみにしていてね。ほら、終わったのなら早く出る!」
催促されシンジはあわてて部屋から出た。大きな音を出したためミサトに見つかってしまう。

「シンちゃ〜ん、アスカと何はなしてたの?」
(うっ!)
シンジは再び言葉に詰まる。
「べ、別に何でもいいじゃないですか・・・・・・」
「どうでもいいけどもう遅いから早く寝る!」
「は、はい!」
シンジはミサトの怒声を聞く前に部屋に逃げ込んだ。

ベッドに倒れこんだシンジは何かを思っていた。
(綾波と出かけるのか・・・・・・そういえば綾波最近僕のほうをよく見てるよな・・・・・・・どうしたのか聞いてみよう)
続く