騎士と妖精と熾天使の幻像
 
第2章
第9話.それぞれの旅行
 
 
イスラフェルを撃退した後・・・・
本部司令室、そこに集まった面々の表情は暗かった。
本来ならもう少し明るい表情をしていてもいいはずなのだが。
 
「・・・・・で、何でそんなことを引き受けたの。母さん」
 
レイの機嫌はかなり悪かった。
 
「レイ、これはすでに決定事項だ。」
 
そうは言いつつもゲンドウも心なしか嫌そうだった。
表情は普段と変わらないが何故か周りの人間にはそれが解った。
 
「既に松代からは関係書類と一緒に荷物も送り出された。」
 
珍しいことに冬月までもゲンドウに同意見のようだ。
いや、ゲンドウや冬月だけでなくこの部屋にいるシンジ、綾、リツコも同じだった。
 
「母さん、もう少し条件を変えられなかったの?」
 
さすがに決定事項といわれてもシンジは納得していないようだった。
 
「ごめんね、シンジ、レイ。でも断るだけの理由がないのよ。向こうの言ってることも正論だし。」
「ふぅ・・・・まあいいか、しばらくはこっちで忙しいからこっちに泊まるよ。」
「ずるい!お兄ちゃんだけ楽しようとして・・・・」
「あれ、いいのか?レイ、もう少ししたら修学旅行じゃなかったっけ。」
「うっ!そ、それは・・・・・って、お兄ちゃん行かないつもりなの?」
 
話題の矛先がなにやら変わりつつあった。
そして今度の矛先はシンジに移りつつあった。
 
「行ける訳無いだろ、参号機はともかく初号機の改修はこれからが大変なんだ。」
「何言ってるのよシンジ君、私やユイさんでやっておくからあなたも行って来なさい。」
「そうよシンジ、せっかくなんだから行って来なさい。」
「シンジ・・・・・行って来い。」
「シンジ君、待機中ぐらい学校に行ったらどうだね?」
 
どうやら話題はシンジに集中していった。
しかもシンジが修学旅行に行かないと言ったことで周りの大人達から行くように進められた。
だが、どれ程言われてもシンジは頑として行くと言わない。
 
「だめだよ、それに初号機だけじゃなく、四号機の移送に関しても色々とやらなくちゃいけないしね。」
「でも、せっかくの旅行なのに・・・・・綾さん、一緒に行こうよ。」
「すみません、私も色々とありますので。」
「そんなことより、どうするの?本当に受け入れるんなら、こんな事をやってる暇はないと思うんだけど。」
 
一気に周囲の表情が暗くなる。
 
「で、明日にはくるんでしょ?」
 
シンジがどんどん追い込んでいく。
皆が忘れたかった事とは・・・・・・
 
「ア・ス・カ・・・・・・」
 
皆の頭を悩ませていることとは、
アスカを碇家で引き受けるということ。
それがミサトからユイにあった申し出の正体だった。
 
「いやだよ〜〜〜」
 
そのレイの一言が全員の意見を代弁していた。
 
 
 
それでも結局は来るものは来てしまった。
 
空母オーバーザレインボウの時と同じようなワンピース姿に簡単な手荷物を持っただけで駅からアスカが出てきた。
そして待っていたユイを見つけると元気良く挨拶してきた。
 
「いらっしゃいアスカちゃん。」
「惣流アスカです・・・・よろしくお願いします!」
 
駅に迎えに来たのはユイとリツコ、そして護衛の保安部員が数人だけだった。
レイは結局ごねてしまい来なかった、そしてシンジと綾も仕事が忙しくこの場には来れなかった。
もっとも実際には了承した本人であるユイに責任が押しつけられただけなのかもしれない。
しかし、そんなユイに泣きつかれ仕方なくついてきたリツコが一番不幸なのかもしれない。
 
リツコはこの元気が良く、利発そうな少女の本質を知っているだけにこれからのことが心配でならなかった。
 
「あの、ユイ博士・・・」
「ユイでいいわ、本部でも私やリッちゃんに博士なんて言う人はいないのよ。」
「はい!ユイさん。」
「ユイさん、そろそろ戻りましょう。シンジ君達に任せっきりにしてますし。」
「そうね、アスカちゃん。私たちと本部に行く?それとも私たちの家に行く?」
「あの、サードチルドレンが何かしてるんですか?」
「アスカちゃん、一つだけ約束してほしいことがあるの。ウチの子達やこれから来る他の子達とはちゃんと名前で呼び合って。」
「えっ!」
「アスカちゃんもセカンドチルドレンなんて呼ばれるより名前の方がいいでしょう。せっかくお母さんが付けてくれた名前なんだから、ね。」
「・・・・・はい、気をつけます。」
 
少し、考えてた後ややおとなしい返事を返してきた。
その様子を見てユイはシンジに教えられたことが正しいと確信できた。
 
『どうやらシンジの言ったことは正しいみたいね。全く、キョウコはいったいどんな教育をしてきたの。
でも、誰かに興味を持っていると言うことはまだ救いようがあるわね。』
 
だがユイはそんなことをおくびにも出さず、むしろアスカのこれからの扱いに何とか光明を見つけたようだ。
 
「シンジの事が気になるのね、それなら一緒に本部に行きましょう。」
「えっ、あ、あの。」
「じゃあリッちゃん本部に戻りましょ。」
 
ユイは強引にアスカを連れて本部に向かった。
 
 
 
一方本部では
 
「ねえ、お兄ちゃん・・・・」
「レイ、何回目だい?その事を聞くの。」
「でも、・・・・私やだよ。」
 
整備の指揮を執るシンジの傍らでレイはまだごねていた。
朝から既に何度となく繰り返されているやり取りだけに周りはみんな慣れてしまった。
 
「シンジさん、外装の方は順調に仕上がっています。・・・・・それとアメリカから連絡が入っています。」
「アメリカ?誰から?」
「マユミさんからです、早めに連絡が欲しいとのことでした。」
「マユミから!何かあったのか。すまない綾、ここを頼む。」
「はい、お任せください。」
 
シンジは綾からの報告を聞くと自分の研究室に戻っていった。
綾はいつも通りだったが、シンジの様子にレイの機嫌は一気に悪くなっていった。
 
「レイさん、どうしました?」
「綾さん、マユミさんって誰?」
「あら?ご存じないんですか、おかしいですね。」
 
綾は心底不思議そうな顔をした。だがそれはレイの機嫌を一層と損ねていた。
 
「マユミさんはアメリカ第二支部で四号機のテストパイロットをなさっています。そういえばマナさんのリハビリも見ていただいていますよ。」
「四号機の・・・・って、何でマナが?」
「彼女は私たちと同い年ですが、医学的な事に関してはかなりの知識ですよ。だからマナさんのことをお願いしたんです。」
「むぅ〜、綾さん。お兄ちゃんの知り合いってどうして女の子ばっかりなの?」
「・・・・さあ、きっと縁があるのでしょう。」
 
あいかわらずのほほ〜んとした綾に少しイライラしながらも、そこで綾と一緒にシンジを待っていた。
だがシンジが戻ってくるよりも先にユイがアスカを連れてきてしまった為、シンジが戻ってきた時には既に修羅場同然。
しかも主立った職員が避難しているだけでなく、アスカを連れてきた張本人のユイまでもがさっさと逃げ出していた。
この場にただ一人残っていた職員は綾一人だけだった。
綾は相変わらず周りの雰囲気とは関係なくただ黙々と自分の仕事をこなしていた。
シンジもそんな綾に倣って二人にかまわず仕事をすることにした。
 
だが二人ともそんなシンジを見逃してはくれなかった。
 
「お兄ちゃん!」
「ちょっと、なんで無視してるのよ!」
「・・・・二人とも喧嘩は余所でやってくれ。綾、マユミから初号機の改修用に四号機の予備パーツを送ってくれるって。」
「助かりますね。でも・・・・四号機の方は大丈夫ですか?」
 
それでもシンジは二人を無視したまま仕事を続行していた。
 
「ああ、そっちの方は何とかなるが・・・それと向こうの第一・第二の合併の件だが、四号機の移送完了後だそうだ。」
「あら?予想よりも早まりそうですね。」
 
何気なく機密情報ともいえることを言い出すシンジに綾は相変わらずの調子で返す。
 
「アメリカ支部って合併するの?」「なんですって!!」
 
だが、レイとアスカはその事を聞くと睨み合いをやめシンジに集中した。
特にアスカはその内容が気になっているようだ。
 
『さっそく乗ってきたか、だけど喧嘩の度に一々こんな事してられないのに・・・・』
 
シンジはあえて機密情報を漏らしてまでも二人の喧嘩を止めさせようとしていたのだった。
だが、この事も今日中には各支部に伝わるはずである。
 
『さて、これで松代も大騒ぎだろうな。』
 
加持不在の松代のドイツ出張所(シンジ命名)のお粗末な諜報能力ではこの情報もしばらくは知られなかっただろう。
だからシンジはわざと松代にこの情報が伝わるようにした。
きっとミサト達はこの情報を喜々としてドイツ支部に報告するだろう。
実はシンジはこの情報を松代には簡単に伝わるようにしたがドイツ支部にはいっさい知られないようにしていた。
こうすればドイツ支部は松代の出張所の能力を過剰に判断するはず。
それがシンジの仕掛けた策略の一つだった。
 
『さて、これでドイツ支部が松代を信用してくれるといいんだが・・・・・・まあ、他にも色々仕掛けてみるか。』
 
案の定、アスカは部屋を飛び出してミサトに連絡に行ったようだ
そんな事とは知らずレイはアスカに不味い事を聞かれたのではと心配していた。
 
「お兄ちゃん、聞かれちゃ不味かったんじゃない?」
「いや、聞いて欲しいから言ったんだよ、だから何も気にしなくていいよ。・・・・・・・っと、良し!デザインがまとまった。」
「???なんの事?」
「ああ、見てごらん初号機の新しい姿だよ。」
「うそっ!初号機がこんな風になるの?」
「ああ、まだ試作案だからこれから煮詰めていったり、削っていったり色々とするけど基本はこの方向で行くから。」
 
シンジのディスプレイに表示された精密なワイヤーフレームの骨格に次々と装甲や部品が張り付けられその姿が明らかになる。
それは初号機の面影など全く残していない、似ているとすればシンジ達の参号機や専用SA:シュペルターやアルスキュルに近い姿をしていた。
だが、初号機は綾専用のアルスキュル以上に細身のスマートな体型で、おまけに全体的に女性的なデザインで機体色も美しいオペラ色をしていた。
 
「・・・・・・綺麗・・・・」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。さて、綾、素体に第一次装甲を取り付ける方はどうなってる?」
「はい、既に終えて第二次装甲の取り付けに入っています。第三次装甲も成形完了して何時でも取り付けに入れます。」
「ねえねえ、綾さん!どのくらいで出来るの?」
 
その初号機の美しい姿に損ねていた機嫌は一気に回復した。
どうやらレイは一目で新しい初号機の姿を気に入っていたようだった。
レイは早くこの姿を見てみたいと綾に聞いてみたが、返ってきた答えはその期待を裏切るものだった。
 
「後1ヶ月はかかると思います。最外装は今デザインが決まったのでこれから制作にはいります。」
「えぇぇ〜〜〜〜そんなに?」
「はい、他にも専用武器の制作に時間が掛かって正直言って完成はまだ遅れる可能性が高いんです。」
「うぅぅ〜〜〜〜」
「レイ、無理を言うんじゃない。武器の方だけでも恐ろしく手間が掛かっているんだ。」
「ええ。今もアメリカ第二支部で四号機が制作中なんです。」
「へ、四号機が?なんで?」
「はい、実は・・・・・・・」
 
綾から説明された内容を聞いてレイはあきれていた。
 
「な、なんて、非常識な・・・・・・・」
 
初号機用にアメリカで制作されている専用武器とは巨大な大剣だった。
ただし材質が参号機の装甲の一部や刀に使用されているメトロテカクロムを積層化、特殊加工を施したオーダーメイドの一品物だった。
実はこのメトロテカクロムは参号機等の用途を見れば解るのだが、恐ろしく堅いのだ。
しかもそれを積層化するとなると、今までシンジが参号機用の武器を作っていた特殊工作機械ですら不可能だった。
その為に思いついた苦肉の策が四号機を使って日本刀と同じように鍛造する方法だった。
現に今もアメリカ第二支部では四号機が巨大なハンマーを使ってメトロテカクロムの鋼材を打ち伸ばしていた。
 
それでもレイは初号機の事が気になり、二人に質問を続けていた。
 
『これでレイの方は納得してくれそうだな。後は・・・・・』
 
実は初号機の事をわざわざレイに説明していたのは旅行をサボるのを黙認させるためだった。
既にリツコと冬月にも同じ手で説得済みで後はユイとゲンドウの二人だけだった。
 
そしてシンジの説得は功を奏して何とか旅行はレイだけが行くようになっていた。
ところがここでユイが気を回しすぎたことで、シンジの代わりにアスカが行くことになってしまった。
最初はミサトや本部の幹部達も反対する者がいた。
何時、使徒が来るかも解らない状況で、二人のチルドレンを第三新東京市から外に出すわけに行かないと言うのが大半の意見だった。
だが、参号機の整備完了、初号機の大改装、弐号機の修理がちょうど重なった事を理由にシンジとゲンドウがごり押しした。
そのお陰で緊急時には戦闘機で本部に連れて帰るという条件付きで二人の旅行は認められた。
 
しかし、その事を知った時のレイには誰も近づこうとはしなかった。
 
 
 
そして旅行を来週に控えた碇家
 
「お母さん、お兄ちゃん達は?」
「今日からまた二人ともお泊まりよ。まったく!あの子ったらリッちゃんよりも残業時間が多いのよ。お陰で総務からまた文句を言われたのよ。
『ユイさん、最近またシンジ君の残業が増えていますよ。ちなみに二人とも残業のトップ記録更新中ですよ。』なんて言われたのよ。」
 
ユイは今日の会議の後、総務部長から言われた内容を娘達に披露していた。
ちなみに夕食の食卓にいるのはユイとレイ、アスカ、そして近所に住むリツコも今夜は手伝いに来ていた。
ゲンドウは日本政府との交渉のため今夜は帰りが遅くなっていた。
 
「またですか・・・・・・二人とも仕事熱心すぎるのよ。」
「あの、ユイさん・・・・・お泊まりって二人とも本部で何してるんですか。」
「昨日から初号機の改装が第二段階に入ったんで詰めっきりなのよ、この前まで参号機の整備でずっと泊まり込んでたのに・・・・アスカちゃん真似しちゃだめよ。」
「はい・・・・・」
「二人とも、たまには帰ってきたらいいのに。」
 
家に帰ってこないシンジ達にレイは不満気味だった。
 
「まだましになった方よ、少し前までは二人とも研究室のソファーで一緒に寝てたのよ。さすがに不味いのでユイさんと私で研究室の奥に私室を準備してあげたの。」
「リッちゃんの言うとおり、そしたら二人ともよけいに帰ってこないの。なんかシンジがお嫁に行ったみたい・・・・」
 
ユイの少し冗談めかした言葉にレイだけでなくアスカまでもが反応した。
 
「二人とも・・・・私に内緒で何してんのよ・・・・・まったく!」
「二人で一緒・・・・・・・不潔!」
 
どうやら二人とも少なからず誤解をしているようだが、シンジ達は文字通り一緒に寝ているだけである。
連続で徹夜した後など二人ともシャワーだけ浴びてそのまま眠り込んでしまうのだ、ましてシンジにそんな甲斐性があるとは思えない。
 
 
 
「「クシュン!!」」
 
そんな風に言われているとは知らず、二人ともくしゃみをしていた。
 
「誰か、噂してるのかな?」
「う〜ん、レイさん達でしょうか?」
「ああ、きっとそうだよ。・・・・・それよりコアの結晶化はどう?」
「ええ、初号機に移植した二つ以外は順調です。初号機の方も擬装は完璧でレイさんも気がついていないようです。」
 
二人とも研究室の一室でなにやら怪しげな雰囲気が漂っていた。
部屋にはコンピューターや機械などはいっさい無く、ただ真紅の結晶が宙に浮いているだけだった。
 
「じゃあ、折を見て残りはアメリカに送ろう。そうすれば四号機も完成だ。」
「マスター、ランドブースターの方はブーメランユニットのデータを元に完成しました。ですがパイドルスピアは・・・・」
「うーん、あれはいまいち使い勝手が悪いからな・・・・でも、マユミのお気に入りだし・・・・・・よし!四号機専用にしよう。」
「ですが、四号機には既に初号機用と同じメトロテカクロム積層鋼のスパイドが・・・・・・」
「でもマユミって近接戦苦手だろ、いいんじゃないの?」
「解りました、ではビラルケマと同様に製造は四号機分だけにしましょう。スパイドの予備はどうしましょうか?」
「予備は・・・・・・・マナの為に取って置こう。」
 
二人は部屋から出るとEVAに関する相談をしていた。
その内容は機密扱いのものから、二人しか知らないものまで多岐にわたる。
しかもその内容は本部はおろか他支部でも注目の的になっている四号機に関することばかりだった。
結局この二人はこの後も初号機の整備やその後のデータ整理などで4日連続で徹夜となった。
そして翌日は丸一日寝ていたのだが、翌日ゲンドウ達にこの事がばれて強制的に休養を取らされた。そればかりか本部への立ち入りまで禁じられてしまった。
 
 
そして出発二日前の土曜日
 
「・・・・で、何故買い物に付き会わされないといけないんだ?」
 
シンジは仏頂面だった。
本部への出入りを禁じられてしまい、予定の変更を余儀なくされていた所にユイとレイによって拉致同然にデパートまで連れてこられた。
 
「お兄ちゃん、お父さんの命令で本日一日私たちの護衛を命じま〜す。」
「・・・・・・おぃ、冗談だろ?」
「シンジったら最近無理ばっかりしてるからあの人も心配してるのよ。」
「そうですね、確かにこの所少し忙しかったですね。」
「「少しなんてものじゃないでしょう!!」」
 
デパートにはユイに連れられたレイ、シンジ、綾と一緒にアスカも来ていた。
綾の言葉を聞いてユイとレイは呆れかえった。
少し忙しいと言って五日間も徹夜をする二人の感覚が既にまともでない。
 
「ちょっと、あんた五日間もあいつと一緒だったんでしょ。」
「ずっと一緒にいたのは昨日一日だけですね。私は部品の製造の方にかかりっきりだったので。」
 
買い物をする傍らアスカは綾に色々と質問していた。
ミサトからシンジを監視するように言われていたこともあったが、本人も意識していなかったがシンジのことが何かと気になっていた。
 
「じゃあ、昨日は何してたのよ。」
「一緒に寝ていました。20時間ほど」
「なっ!・・・ちょっとあんた達、何考えてんのよ。」
「?どういう事ですか?私も昨日は眠かったので。」
「ちょっと、アイツも男なのよ!」
「う〜ん、シンジさんもかなり疲れていましたから。それに今までもそういった事はありませんでしたから。」
「今までって・・・・あんた、いったい・・・」
「もう、10年も一緒ですから。お互いに大抵のことは解ります。」
「ふーん、あんたに魅力がないだけじゃない?貧相な・・・・・・・痛っ!」
 
アスカが綾を見ながら不躾なことを言っていると、レイが後ろから殴りつけた。
もちろん本気ではなく軽く注意する程度だったが、油断していたアスカは完全に不意をつかれた。
 
「何すんのよ!」
「あんたこそ、何やってんのよ!もう私は買い物終わったのよ、あんた何も買って無いじゃない。」
「・・・嘘、もう終わったの?」
「さっさと買ってきなさいよ。これから食事に行く予定なのよ。」
「解ったわよ、ちょっと待ってなさい。」
 
そう言うとアスカは旅行に持っていく洋服や下着、水着などを物色しだした。
レイに続いてユイも買い物を終えて戻ってきた。
一方シンジはユイとレイの荷物持ちに徹していた、と言うか強制されていた。
 
「綾ちゃんも好きなのを買っていいわよ。レイはああ言ってるけどまだ時間があるから・・・・・・シンジ、荷物は私たちが見てるから綾ちゃんを連れて行ってきなさい。」
「・・・・・・あの、・・・・・」
「ありがとう母さん。行こう、綾。」
「はい!」
 
とまどっていた綾をシンジが少し強引に連れて行った、しかし綾は嬉しそうだった。
 
そして綾がシンジに買ってもらったものは・・・・・・・
 
 
「それ・・・・・・お兄ちゃんに買ってもらったの?」
「あんたホントに何考えてんのよ・・・・・・」
「どうして?綾ちゃんに良く似合ってるじゃないの。」
「ありがとうございます。」
 
その夜、レイ達は買ってきたばかりの服を着てシンジやゲンドウに見せていたのだが、綾の服を見たとたんレイとアスカは唖然とした。
一方ゲンドウ、ユイ、シンジからは「よく似合っている」と誉められていた。
 
「着物を着るのは初めてなんです。」
 
少し照れながらも優雅に振る舞う綾の着ている服は着物だった。それも鮮やかな白鷺の描かれた純白の振り袖だ。
それから綾は買ってきた服を次々と着てみんなに見せていたが・・・・・
 
「何で、着物ばっかりなの?」
 
綾の買ってきた服は振り袖を始め、留め袖、紬、浴衣などすべて着物ばかりだった。
 
「いいんじゃないの。それにレイ、あなたもそろそろ着物の一つぐらいどう?」
「えっ!・・・・・いい、いらない、だって動きにくそうだし・・・・」
 
レイは自分が着物を着た姿を想像したようだが、すぐにその考えを頭から消したようだ。
 
「アスカちゃんもどう?」
「わ、私も!・・・・い、いらないです!」
 
レイに拒否されて今度はアスカにお鉢が回ってきたのだが、アスカも自分の姿を連想してすぐに否定した。
綾の気付けを手伝ったのはユイだった、ユイの実家は日本屈指の大企業であると同時に、旧家としても有名である。
その為ユイは子供の頃から着物を着ることになじんでいたが、ゲンドウと結婚してからは普段は仕事着の白衣ばかり着ていて、休みの日も気楽な洋服しか着なかった。
お陰で15年以上着物を手に取る機会がなかったのだが、こうして綾に着せてみてふとレイやアスカにも着せてみたくなった。
 
「せっかく、いい機会なのに・・・」
「お母さん、旅行に着物なんて着ていけないよ。」
「さすがにあの格好じゃあ・・・・」
 
まだ未練があるのかユイはまだレイ達に進めてくる。
 
「でも、これくらいなら・・・・・」
「ええ、これなら動きやすいですし着替えも楽ですよ。」
「そうよねぇ綾ちゃん。」
 
綾の一言にユイは
 
「うぅ〜〜〜、いらない!私はこれでいいの!それよりも私たちがいない間にもし使徒が来たりしたらどうするの?戻ってくる方法は?」
「ああ、一応参号機で何とかするつもりだよ。明後日にはアメリカからバスターランチャーが届くから。」
「「バスターランチャー??」」
 
聞き慣れない言葉にレイとアスカが同じような反応を示すがすぐにそっぽを向いた。
 
「シンジ、バスターランチャーに関しては日本政府とも協議中だが許可が下りそうにないぞ。」
「あ、やっぱり」
「そうよシンジ、だいたいフレイムランチャーでも問題になっているのにあの試射データを見てそう簡単に許可する分けないじゃない。」
「・・・・・アレよりも、強力なの?」
「・・・・・凶悪と言った方が正しいわね。直撃すればジオフロントの天井はおろか、隔壁までが吹き飛ぶのよ。」
 
ユイの説明にレイとアスカの顔色は真っ青になった。
もうそれは戦術兵器ではなく戦略兵器である。
まさに参号機はN2兵器を上回る究極の兵器といえた。
 
もっとも制作者の二人は「アレは芸術品」といってはばからない。
 
実はアスカにも内密に指令が下っていた。
シンジが参号機で出撃する際は必ず弐号機も出撃させるようにする。ということだった。
既にドイツ支部では現状の弐号機では参号機にかなわないと判断してロシアで制作中の五号機を徴発する予定にしていた。
そして五号機をベースに新しい機体を完成させるため弐号機に参号機のデータ取りをさせるつもりでいた。
 
そして修学旅行当日
 
「ぶぅぅ〜〜〜〜」
「レイ、何時までそうしてるの?」
「だって、お兄ちゃん達見送りにもきてくれなかったもん。」
 
レイの機嫌は最悪だった。
見送りに来る予定だったシンジ達が土壇場で来れなくなった。
前日から急に日本政府との折衝のためゲンドウと一緒に出かけてしまい帰ってこなかった。
 
 
結局、出発の時間になってもシンジ達は現れなかった。
 
やむを得ずそのまま出発することになったレイだが、飛行機が雲の上に出ようといたとき信じられないものを見た。
 
「う、うそ、ここまで見送りに来てたの?」
 
他の生徒達は気が付いていないがレイの目には辛うじて見えていた。
雲の中に漆黒の翼を持つ黒の死神の姿があるのを。
 
明らかに参号機だった。
 
現に飛行機のパイロット達も全く気が付いていない。
参号機はステルス機能も有しており旅客機程度のレーダーでは探知できない。
 
あきれながらレイが見ていると胸部のライトが点滅していることに気が付いた。
 
「タビノブジヲイノルって、わざわざ参号機持ち出してまで言うこと?」
 
口では文句を言いつつもレイはとても喜んでいた。
だが徐々に雲上に出てきてついにはその姿を現してしまった。
 
さすがに他の生徒達もこれに気が付いた、特にケンスケ等は写真を撮ろうと必死になったがシンジがそう簡単にゆるすはずがない。
 
「綾、高機動試験に入る。旅客機に影響の無い様に。」
「了解」
 
あっという間に参号機の姿は見えなくなってしまった。
レイ以外の生徒達は今の目の前の光景が信じられなかった。
現に証拠と呼べる者は何一つ残っていなかった。
 
ただ旅客機のパイロットの元には
「こちらNERV所属、EVA−03vu。高速飛行試験中につき、そちらの進路近くを通りますが心配しないでください。
なお本機に関しては第一種警戒識別コードが出されています。」
と、一応の連絡を入れていた。それでもパイロット達も目の前の光景が信じられなかった。
 
 
 
 
「お帰りなさい、ずいぶんと無茶したわね。」
「ただいまリツコ姉さん。まあ、ちょうど良いテストだったし。」
「それにちゃんと非常時における警戒識別コードは出しましたよ。」
「それでも明日の新聞には出るわ。まあ、直接参号機と結びつける要素はないし。」
「ええ、一応開発時の型式番号を出しておきましたが。」
「出したの?」
「ええ、どうせ今回の飛行試験は日本政府公認ですから。」
 
綾の言うとおり今回の飛行試験は日本政府の承認の元に許可されたものだった。
前日の折衝というのも実際には政府首脳に参号機をお披露目するのが目的だった。
レイの見送りに間に合わないと判断したシンジは急に飛行試験をしてみせると言いだし。
そして実行していた。
 
シンジ達が警戒識別コードを出していたのも要素が大きかった。
警戒識別コードは戦自などが極秘作戦時等に使用し、「この情報は極秘に付き口外無用」と言う意味が込められていた。
もちろん悪名高い戦自がよく使うだけあり、守られない場合は最悪口封じのために消されてしまうという念の入りようだった。
 
最初は政府首脳も民間機に目撃された事を心配していたが、実際に映像として証拠が残っていない事と第一種警戒識別コード発令を認め黙認してくれた。
それよりも参号機の飛行性能の方に注目していた。
参号機の戦闘能力は確かに前々から話題になっていたが、運用の手間や費用を考えると兵器としては都合が悪すぎた。
だが飛行ユニットは外部増設型を取っているため転用が可能と判断されたからだった。
だが実際にはS2機関を持つ参号機なら出力的に余裕はあるが、普通の燃料電池では電力不足が予想されていた。
それでも日本政府はNERV、特にシンジにこれら飛行ユニットの技術協力を求めていた。
 
「まあ、あと2・3年もすればブーメランユニットを応用した飛行機が完成するだろうね。」
 
そんな事もありNERV本部は日本政府から信用されていた。
 
 
 
その頃、浅間山地震研究所では河口部奥深くに不審な影が発見されていた。
この情報は直ちに日本政府に伝えられ、その後NERV本部にも知らされた。
 
この情報はすぐに松代にも伝えられた、松代の最高責任者であるミサトがA−17を発令しようとした。
ところが日本政府から内々に相談を受けていた冬月はこれを責任者不在で突っぱね、対使徒の普通の指令しか出さなかった。
もちろんその場合、参号機優先となる。
だがミサトもあきらめが悪く、無理矢理沖縄からアスカを連れ戻し弐号機に乗せ浅間山に向かった。
 
「葛木さん、どうしました?」
「赤城博士、A−17の発令を何故無視したんですか!」
「指令が不在だからです。」
「副指令がいるでしょう。」
「指令の出かけた先をご存じかしら?」
「そんな事は関係ないでしょう。」
「日本政府と折衝中です。余計な波風を起こさないでください。」
「くっ!それでは・・・・・」
「既に参号機が現地でスタンバイしています。すぐに終わるでしょう。」
 
リツコは前回の弐号機の一件の仕返しのつもりだった。
実際、折衝中のゲンドウの元にA−17が発令かも知れないと言う情報は入っていた。
その場で手の打てなかったゲンドウだが冬月の機転で政府関係者と余計な問題を起こさずにすんだ。
 
「こちら参号機、今から火口内部の使徒の殲滅に入る。
 綾、周辺の避難は?」
「既に避難完了の報告が上がっています。」
「解った、それじゃあ行くよ!」
 
言うなり、シンジは火口に参号機を飛び込ませた。
 
「「なっ!!」」
 
やっとの事で現場に到着したアスカとミサトの目の前で参号機は火口に姿を消した。
 
「アスカ!すぐに後を追いなさい。」
「了解・・・・・・って、ちょっと待って!このまま行ったら火傷するじゃない。」
「・・・・・・・・気合いで、ATフィールドで何とかしなさい。」
「無茶苦茶言わないでよ!」
「このまま黙ってみてるつもり!」
 
さすがに大急ぎで準備をしてきた弐号機には火口に飛び込むだけの装備を用意する時間はなかった。
そんな状況でも飛び込めと言うミサト、これにはさすがのアスカも納得できないどころか、飛び込めば確実に大やけどをする。
だが解っていてもミサトは引かない、是が非でも使徒を自分たちで退治しようとしてアスカに無理難題を言っていた。
 
 
「何やってんだか・・・・」
「無謀と言うより、自殺行為ですね。」
「はぁ、・・・・・・さっさと終わらせよう。」
 
シンジと綾は上でのやり取りを聞いて呆れかえっていた。
上での大騒ぎを後目にどんどんと火口奥深くへと潜っていった。
 
上でミサトが大騒ぎしている耐熱耐圧等といった事は参号機にとって全く問題ではなかった。
元々、フレイムランチャークラスの高熱兵器を使う事を想定しているのでマグマぐらいではビクともしない。
おまけに耐圧能力も「このままロケットを付けたら宇宙まで、深海ならマリアナ海溝の底まで」とシンジが豪語していることからも解るように、抜群の性能を誇っている。
 
そしてしばらくすると参号機の目の前に、蛹のような姿の使徒が姿を現した。
使徒は一瞬、動くような素振りを見せたがそれよりも早く参号機の手刀が突き刺さった。
その一撃でケリは付いたのか使徒の体はどんどんと崩れていった。
後に残されたのは参号機の手に残るコアだけだった。
参号機はそれを握りつぶすようにするとコアは消えてしまった。
 
「はいおしまい、綾、作戦終了の報告を。」
「はい、今までで一番楽でしたね。」
「ああ、毎回これぐらい楽だといいんだけどね」
 
二人はのんきにそんな会話をしながら地上に戻っていった。
ところが戻ってみるとアスカとミサトの言い合いはまだ終わっていなかった。
さすがのこれにはシンジも呆れかえった。
 
「・・・・・・・ほっとくか?」
「そうですね、リツコさん撤収の用意を。」
「お疲れさま、参号機はそのままでいいから二人とも麓の旅館で温泉にでも入ってきなさい。」
「いいの?」
「ええ、今日はもう遅いから明日の朝一で引き上げる予定だからくつろいできなさい。」
「じゃあ綾、行こうか?」
「はい!」
 
リツコは既に麓の旅館にNERV本部の名前で部屋を取っていた。
もちろん自分たちの部屋も取っているのだが、本音を言うとシンジと綾に修学旅行の代わりに少しでも旅行気分を味あわせようと思っていた。
そんなリツコの思惑もあり、シンジと綾は一足先に旅館へと向かっていた。
 
結局、アスカとミサトの口論が終わったのはシンジ達が使徒を撃退してから30分以上経ってからのことだった。
止む追えずミサトは弐号機を持ってそのまま松代へと戻っていった。
 
ここで治まらないのがアスカの機嫌だった。
 
無理矢理、沖縄から呼び戻されたと思ったらいきなりの出動。
しかし出てきてみれば、何もする事が無く全くの無駄足。
おまけにミサトはさっさと戻ってしまい、仕方がないのでリツコ達に便乗させてもらいそのまま旅館に泊まることになった。
 
「・・・・すみません、ご迷惑をお掛けして・・・・」
「まあ、いいわ。それよりも災難だったわね。まあ、一晩だけどくつろいでいって。」
 
そう言われてアスカはさっそく温泉に向かうことにした。
そこで見たモノは・・・・・・・
 
「不、不潔!!!!!」
「そう言われても・・・・ね。」
「はい、混浴ですから何も問題はないかと」
 
さっそくシンジと綾に張り付こうとして行った先が混浴とは知らず、入ってすぐに飛び出していってしまった。
 
「あら?シンジ君・・・・それに綾ちゃんも・・・・・じゃあさっきのは?」
「アスカさんです。」
 
どうやらリツコも温泉にやってきたようだ。
 
「それにしても・・・・・・二人ともまずいところを見られたんじゃないの?」
「別に、今更って気もするんだけどね。」
 
一応、シンジと綾は水着をいていた、もちろんリツコも。
アスカだけは温泉と聞いてそのまま裸で飛び込んできたのだが、シンジは元々興味がないのかアスカの事は気に留めていなかった。
 
「まあ、あなた達のことは本部でも公認だけど・・・・・・程々にしとかないと変な噂が立つわよ。」
「別に気にしないけど。」
「私はマスターが相手なら・・・・・・ポッ」
「相変わらずお熱いのね・・・・・・さて、私は先に上がってるけど・・・・・ほどほどにね。」
 
リツコはシンジ達より先に温泉から上がって部屋に戻った。
シンジと綾もしばらくして上がるとそのまま部屋に戻った、もちろん二人の部屋は同じだった。
 
アスカはこの事を知って最初はこの部屋に乗り込もうとしていたが、温泉でのことを思い出して部屋で大人しくしていた。
 
「あいつらなんなの!まったく・・・・どうせ、今頃部屋でいやらしい事でもしてるんでしょ!」
 
などとアスカは考えていたのだが実際、二人は・・・・・・・
 
「はぁぁ、いきます!」
「どうぞ、お好きなように。」
「はぁぁぁぁ!」
 
二人共部屋を抜け出して近くの森で剣の稽古をしていた。
 
「ふぅ、お疲れさま・・・・それにしてもずいぶん鈍ったね。」
「はい、この所デスクワークが続きましたから。」
「全くだ・・・・・・それにしても、久しぶりに自然の中で稽古をするっていうのもなかなか良いね。」
「ええ・・・・・・そろそろ戻りますか?」
「うん、帰ったらもう一度風呂に入ろうか?」
「はい!」
 
だが今度は二人とも深夜ということもあって水着は着ていなかった。
それでもシンジはさっきと変わりがなかった。
 
『マスターは相変わらずですね、アスカさんが誤解をするのも解りますが・・・・・・・少しショックです。』
 
綾は普段と変化のないシンジを見て自分に魅力がないのでは少し落ち込んでいた。
だが部屋に戻るとそれが杞憂に過ぎないことだと解った。
 
部屋に戻り布団にはいるとシンジは綾を抱き寄せた。
 
「マッ、マスター!」
「良い香り・・・・・おやすみ、綾。」
「・・・・・・・はい、お休みなさいマスター。」
 
シンジは綾を抱きしめたまま眠りについた。
シンジがこんな風に無防備な寝顔を晒すのは綾の前でだけだった。
レイやユイの前ですら何時でも起きられるように浅い眠りしか取らないシンジも、綾の前でだけは子供のように眠った。
 
 
 
翌朝、寝坊をしたのは意外にもアスカだった。
実はシンジに裸を見られた事とシンジ達のことが気になって眠れなかったのだった
 
 
 
 
 
 
あとがき
 
駆け足で行こうと言いつつ、遅れまくっているふぇいです。
 
実は第8話を完成させた直後交通事故で入院してしまい、結局この9話に関しては全部病室で書きました。
さらにこの話と同じように今、これ以外でも一つ連載用の作品(EVA以外で公開されないかも知れません)を書いている途中でして、
現在そちらの方と調整しつつ書いています。
うまくいけば入院中に11話ぐらいまで話を進めておきたいと思っています。
が、病院にいるためネットに繋げないのでどんなに早くても2〜3週間に一回程度が限界になります。
まあ、おそらくそこまでは無理だと思いますが・・・・・それでも出来るだけ頑張ります。
(一応、年末までに退院できたらいい方だと言われています)
 
さて今回のお話ですが、話は全然前に向いて進んでいません。
そのくせ、文章量だけが肥大化してしまいその割を食ったのがサンダルフォンです。
めんどくさいのもあったのですが、容量の都合で瞬殺させて貰いました。
本音を言うとどうやってアレの戦闘シーンを書こうか悩んだのですが思いつきませんでした。
最初は弐号機を火口に入れて中で圧壊寸前まで追い込もうかと思ったのですが、さすがにそれも可哀想なのでやめました。
 
その代わりにアスカはラストシーンではシンジと綾に見せつけられるという所を書き加えました。
これって15禁になるのかな?と思いつつもお互いに裸と言う記述にとどめたのと、シンジも綾に抱きついて寝るだけにしたので何とか大丈夫かと思います。
基本的にシンジは神になった段階で性欲や食欲といった人間の3大欲求は殆どありません。
しかし、食欲に関しては、美味しい物を作る事は嫌いではなく、たとえ食べなくても大好きです。
そして睡眠欲に関しても肉体は人間をベースにしているので適度な休憩を必要としています。
と言っても二人とも平気で飲まず食わず・不眠不休で無茶をやります。
 
性欲に関してはゲンドウ達に止められているだけでなく、本人が必要性を感じていない為(神としての本能)全く興味がありません。
今のシンジは不滅の存在なので子孫を残す必要が無いのでそう言った感覚は思いっきり鈍くなっています。
おまけに少し天然気味な性格もあり綾やレイにしてみれば心配の種になっています。
 
さて次回ですが、マトリエル戦は少しお話の都合上、少し時間があきます。
代わりにマナの再登場と新型初号機のお披露目をやろうと考えています。
その為、次の話はのっけから今回から1〜2ヶ月後のお話ということになりそうです。
 
それではまた次の話をお楽しみにもう少し待ってください。