騎士と妖精と熾天使の幻像
 
第一章最終話.NERV
 
 
西暦2008年 人類補完委員会
 
闇に包まれた空間の中にモノリスが立ち並ぶ
13と書かれたモノリスから声があがる
 
「議長、ゲヒルン本部は戦自の暴挙により多大な損害を被りました。今後このようなことが起こらないように我々は独自の防護処置を執るべきだと思います。」
 
そして議長であるキールは・・・
「碇よ、まだ時が早すぎる。それに予言書のシナリオを崩すわけにはいかん。今はまだ待つのだ。」
 
周囲の委員も議長の言葉には逆らわない。なぜなら先日行われた粛正によって、キールの派閥に属さない物はことごとく追放ないしは処刑されてしまった。
皆、キールをおそれて反論などしなかった。
だがそのキール相手でも全く態度を変えないのがゲンドウであった。
 
「いいえ、予言の時まで後数年しかありません、もし何らかのイレギュラーが発生すれば我々は破滅です。ですから準備だけでも進めておかなければなりません。」
「それは解っている。・・・・だが今少し待て、我々も予言書に合わせて行動していたので急にそんな予算を都合することはできんのだ。後一年間ってもらおう、それまでにこちらの方も何とかしよう。」
 
ここ最近、委員会でゲンドウはキールに予算の無心ばかりしていた。
その予算の理由とはゲヒルンが次の段階へ移行することを示していた。それは国連管轄の非公開組織“NERV”設立を意味していた。
だがキールはコレに反対していた、なぜなら予言書と呼ばれる「死海文書」によるとNERVへの以降はまだ2年は先のはずであったからである。
キールも最初はこのことを盾にしていたが、妨害や対抗する為・計画に対する保険等とゲンドウは次々と理由を付けてきて、最近ではキールもその追及をかわすのに苦労していた。
戦自の暴挙に関しては今更ながらに後悔していたのであった。
『まさか、あの時のことを理由にしてくるとは。こんな事ならあの時さっさと処分しておけば良かった!』
今はもういない委員に呪詛の言葉を心の中で投げつけた。
 
「来年の国連予算でゲヒルンのNERVへの移行を認めよう。今はそれ以上できん。」
「ありがとうございます。」
 
そしてついにゲンドウの執念が実を結んでいた。
ゲンドウ自身ここまで来るのにとても苦労していた。ナオコの死、その葬儀の後の西田との会談、さらに妻の実家への挨拶・協力要請、日本政府に対する極秘の根回し、ゼーレ内部への工作。
何度と無く挫折しそうになるたびユイや冬月、リツコ、レイが支えてきてくれた。
その思いに答えるため、ナオコの死を無駄にしないため、ゲンドウはゼーレ最高責任者に対して孤独な戦いを挑み続けていた。
そしてついに自分の意見を通しきることに成功していた。
 
「だが碇よ、失敗は赦されんぞ」
 
キールの声がその空間に響き渡る、声量は大きくはないが精神的に恐怖を引き起こすような低い声が。
 
「解っております、ご安心を」
「それでは今回はコレまでだ、予算の方は何とかしておこう。」
 
そういってキールは逃げるように消えていった。そして他の委員達も次々に我先にと消えていった。
そしてゲンドウだけがその場に残されていた。
 
 
所長室
 
「どうだった、碇。委員会は動いたか?」
 
所長室に入ってきた冬月はゲンドウに委員会での首尾を聞いた。
 
「ああ、来年からになったがなんとか予算とNERVへの移行の約束を取り付けた。コレで何とかなりそうだ。」
「!ついにやったな、今日はもう良いぞ休んでいてくれ。後は儂の方で何とかしよう。」
 
冬月が心配するほど今のゲンドウは疲れている様だった。あのキール相手に一歩も引かずに相手をできるだけでもすごいのだ。
だがゲンドウは冬月の言葉には従わず、西田の元に連絡をしていた。
 
「西田さん、お久しぶりです。碇です。」
「碇さん、お元気そうで何よりです。何かありましたか?とても嬉しそうですな。」
「さすがは、鋭いですな。実は例の件が来年からの条件付きで通りました。まずはそちらに一方と思いまして。」
「そうですか、それはよく頑張られましたな。では私の方もご実家に連絡しておきましょう、きっと力を貸してくれるはずですよ。」
「ありがとうございます。何から何までお力添えを頂いて、返す言葉もありません。」
「いえ、困ったときはお互い様です。ではこれからが大変だと思いますががんばってください。」
「はい、それでは失礼します。」
 
ゲンドウは今まで影から支援してくれた西田に知らせたかったのだ、今までハッキリと返事が出来なかった答えをやっと返すことが出来たのである。
そして冬月が知らせたのか所長室にユイとリツコが入ってきた。二人ともゲンドウにお祝いの言葉を贈っていた。
 
「おめでとう、あなた。ついにやったのね。」「おめでとうございます、ゲンドウさん」
「二人ともありがとう、だがこれからが肝心だ。これからもよろしく頼む」
「「はいっ!」」
 
この日から本部の動きがにわかに激しくなっていく。
まず人の動きであった、各支部に対して人員の追加を要求したり新規採用者を増やしたりと増員を行っていた。
それは極秘に自衛官や研究者を潜り込ませるカモフラージュであった。
他にもジオフロントの本格的な開発に着手しようとしていた。
 
 
そして一年後の2009年、国連直轄の非公開組織NERVが誕生した。
しかし、内情は以前までのゲヒルンとあまり変わっていなかった。
なぜなら圧倒的に人材が不足していたからであった。
まず、軍務経験者が不足していた。それはナオコの一件以来、戦自とは対立関係にあり未だに双方とも接触を持とうとしていなかった。
代わりに西田が極秘に送り込んできた自衛官達のおかげで最低限の機能は果たしている物の結局は人手不足であった。
西田とゲンドウが急な人員の移動はゼーレに感づかれることをおそれて控えていたためであった。
それは技術者も同じであった。
エヴァ初号機の実際運用に向けての計画が進むに従ってその人手の無さが露呈してきた。
そして監督する立場のユイやリツコまでが現場で働くという始末であった。
 
ついにゲンドウは各支部への協力を要請することにした。
ゲンドウとしてはそれは極力さけたいことであった、なぜなら外部の人間が潜り込んでくる事を恐れてからだった。だが既にそうもいっていられない状態でもあった。
そうして各支部とそれぞれ渋ってはいたもののアメリカ第一第二支部が相次いで保安要員や技術者を派遣するにいたって各支部とも人材の派遣を行うようになっていた。
 
また、この頃になってもエヴァのパイロットとしてチルドレンに認定されているのは、ファーストチルドレン碇レイ、セカンドチルドレン惣流アスカの二人だけであった。
これ以外にはアメリカ第一にはサードチルドレンがいるという未確認情報が流れている以外、チルドレンとして認定されるほどの者はいなかった。
実はこの世界にはマルドゥク機関は存在していなかった。それはエヴァのチルドレン資格を各支部単位で認定していたからである。
バイオリレーションシステムの開発によって危険性が大幅に減ったことが原因だった。
そして本部からのデータにより各支部ともエヴァの開発はかなり進んでいた、既にアメリカでは2機が既に素体の制作に入っていた。
 
それらも2010年になると少しは状況が好転してきた。
それは、昨年に続いてアメリカから追加の人材が派遣されてきたからである。
各支部とも前年に続いての派遣は難しく、何処も今回は見合わせていたがアメリカ第一支部のモラード所長から保安・防諜教官として数人の傭兵が送られてきた。
ゲンドウも最初は傭兵を送り込んできたモラード所長の意図が読めなかったが、彼らの経歴をリツコに調べてもらう内にコレがモラードの好意だと気がついた。
何よりも送られてきた人材の優秀さに驚いた。
西田の紹介で送り込まれてきた自衛官はまだ若い者達が多く経験不足であった。だが新しく来た傭兵の中でもバーバリュース・ビィは実戦経験も豊富で、なおかつ彼らに対する教官としても最高の人物であった。その人柄には保安部署の者だけでなく研究所や事務員達にも慕われていた。
 
バーバリュースは自分の娘クリスティンと養女の町も一緒に連れてきていた。
クリスティンとレイは年も近いことなどからすぐに友達同士になっていた、そして町はリツコと同じ技術課で働くことになりこちらも親しくなっていた。
 
そして今日もレイは訓練の後クリスティンと一緒に遊んでいた。一緒に遊ぶといっても中庭でくつろいでいるだけだった。
 
「ねえ、レイ。あなたのお姉さんって技術課って所にいるの?」
「うん、お母さんと一緒に働いてるの。でも本当のお姉さんじゃないの。」
「へー、私と同じなんだ。私のお姉さんも本当の姉さんじゃないの、それに今はレイのお姉さんと一緒な技術課にいるはずなの。」
「え!クリスのお姉さんも技術課にいるの?・・・・ねえ、会いに行って見ようよ。」
「うん!」
 
二人は連れ添って技術課へと向かっていった。このNERV本部内を歩き回る子供など限られていたので警備兵はおろか一般職員までもが二人を見て驚かなかった。
一人は世界でも二人しかいないチルドレンの一人で碇所長とユイ部長の娘。もう一人は所内でも注目されている傭兵バーバリュースの娘で、大人顔負けの戦闘能力を持ち射撃に関しても父親譲りの腕を示していた。
おまけにクリスはこの年でMAを扱うことが出来るのであった。女性用の一番小さなサイズの物を町に頼んで改良してもらい自分用のMAを持っていた。
実はこの時アメリカではクリス専用の特注品が開発されようとしていた。もちろん設計・制作はDr.バランシェであった。
 
二人が技術課に向かっている間、噂の二人は休憩していた。
リツコから見て町はとても興味深い人物だった。彼女は傭兵団の整備員としてこの本部に来ているのだが、その専門知識ことスーツアーマーに関してはリツコやユイ以上であった。
元々スーツアーマーは戦場で使用される以外はあまりお目にかかることもなく、開発も限られた場所でしか行われていなかった為本部には詳しい人間はいなかった。
町自身は整備専門と言いつつも実際には開発者レベルの知識を独学で拾得していた。
逆に町から見たリツコは理想の人物だった。町は孤児であったため学校には殆ど通っていなかった、だからこそ飛び級で大学を卒業したリツコが羨ましかった。
しかし、リツコは只大学を出ただけでなく在学中から母親の手伝いをしてマギシステムの開発に取り組んでいたのである。町はとても自分には真似の出来ないことだと思いリツコを尊敬していた。
そんな二人だけに親しくなるのは早かった。そして今日も二人は自分達の仕事が一段落付くと一緒にお茶を楽しんでいた。
 
「町さん、こっちの生活にはもう慣れたかしら。」
「ええ、おかげさまでなんとか。」
「そう、ごめんなさいね、実はここも来年には引き払うことになると思うの。」
「ええ!ここ何処かに移転するんですか?」
「ええ、正確にはこの下、ジオフロントの方に移転するのよ。まだ正式な通達ではないけど今年の終わりには移動が開始されるはずよ。」
「そうだったんですか。」
 
そういって世間話を二人がしていると部屋のドアが開いた。
 
「「おねーちゃん!」」
 
レイとクリスが部屋に飛び込んできた。
 
「「あなた達!どうしたの?」」
「「へへへ、おねーちゃん達に会いに来たの。」」
 
レイとクリスは嬉しそうにリツコ達にくっついていた。
二組とも外見は全く似ていない姉妹だがその親しさからは本当の姉妹にしか見えなかった。
 
「レイ、今日はもう良いの?」
「うん!お母さんが今日はもう終わりだって。だからクリスと二人で遊んでたの。」
「クリス、あなたの方も良いの?今日の訓練はもう終わったの?」
「うん、今日は射撃と格闘訓練だけだったからすぐに終わったの。スーツアーマーの方はデータ取りに向こうに送って代わりがまだ来てないの。」
「え!スーツアーマー?町さん、クリスちゃんがあんな物を使うんですか?危なくないですか」
「うん、私は1年前から使ってるから、それに大丈夫だよ戦場だとスーツアーマーつけてる方が安全だし。」
「せ、戦場!クリスちゃん。あなたいったい?」
「おねーちゃん、クリスって小さい頃からお父さんについていろんな戦場に行ってたんだって。」
 
驚いているのはリツコだけでレイは普段通りであった。
レイはクリスと親しくなってすぐにこの事を教えてもらっていた。さすがに最初に聞いたときは驚いたがよく考えてみると自分も普通の子供とはいえ無い生活を送っているのである、すぐに納得していた。
だがリツコはエヴァに関わるまでは比較的普通の人生を送っていた為さすがに驚き方が違う。
それでもここに来てからの普通でない出来事になれてきたのか、しばらくすると驚きからもさめてクリスに質問をしていた。
 
この頃のレイはクリスと一緒に小学校に通っていた。元々レイは保安や戸籍などの問題から外部にあまり出さなかったが、人並みの生活をさせたいというユイの意見にゲンドウがおれ小学校への入学を考えていた。
そんな中、バーバリュスらの傭兵達の中にレイと同じ年齢の少女の姿を見て早速その素性を調べてみた。
そうすると驚くべき事にレイと同じ年ながら父親達に混じって戦場を渡り歩いてきたというのだ。もちろん最前線という訳ではなかったが、それでも本部内でのクリスの訓練で見せる動きを見ればただの子供ではないことが解った。
早速ゲンドウはバーバリュースに交渉した。それはクリスをレイの護衛として小学校へ入学させてほしいというものだった。
ソレはバーバリュースにとっても渡りに船だった。年頃の娘に人並みの生活を送らせてやりたかったのでその場で即決した。
そうしてレイはクリスと一緒に小学校へ通う様になった。
二人ともある意味でとても世間知らずであった為、学校ではいろんな問題を引き起こしていた。
そんな二人だからすぐに仲良くなり、今ではすっかりそういった生活にもなれていた。
 
 
「そうだわ、レイ、クリスちゃん。さっき町さんにも言ったんだけど近い内に二人とも引っ越しの用意をしておいてね。ジオフロントの方に移動できるようになってきたの。向こうで部屋の準備ができ次第移ろうと思うの、いいかしら?」
「「うん!!」」
 
そしてリツコからジオフロントに関して色々と質問をしていくレイとクリス、そんな二人を見て町もとても嬉しそうだった。
義父のバーバリュース以上にクリスの将来を案じていた町にとって、今のレイとクリスの姿は何よりも嬉しいものだった。
 
 
 
リツコの言っていたジオフロントへの移転は二ヶ月後に行われた。
これもゼーレの予定よりもかなり早いものだった。実はゲンドウはユイの実家を説得して資金などを調達し、極秘裏にジオフロントの開発を行っていたのである。
ユイの実家である碇家とはユイとの結婚以来いっさいの連絡を絶っていた。ソレはユイの実家が日本でも有数の企業、碇グループの会長だからである。
ゼーレは自分たち以外の存在を認めていない、そのため下手に碇グループを巻き込む事を恐れたユイとゲンドウはずっと連絡を絶っていた。
だが西田の仲介により2年前にユイの両親を説得して以来、色々と協力を得ていた。そればかりか他の企業まで紹介してもらっていた。
そうはいっても実際に協力してくれたのはごく一部の企業だけであった、なぜならゲンドウもさすがに全てを教えるわけにも行かず、その為に信用してもらえずに協力を断られることが多かった。
数少ない企業の中には業和インストゥルメンタル、篠原重工、日本重化学工業、東アジア通商等の特殊技術を得意とする企業が多く特に業和インストゥルメンタルとの技術交換にエヴァにとって人工筋肉の、業和にとっては燃料電池の開発に関しては非常に役立つものであった。
また篠原重工の工事用ロボット“レイバー”の導入はジオフロントの開発を著しく加速させ、不仲であった日本重化学工業は協力賛成派と反対派で会社を二分しながらも賛成派はNERVへの協力を約束した。
そして、反対派は本来の歴史と同じように戦自と結びついていった。
 
そうやってNERVはゼーレにかぎつけられぬ様に着々とその力を蓄えていった。
ジオフロントの設備は早い段階で完成し使徒襲来までには兵装ビルの稼働も間に合いそうな目処が立ち。
現場の職員達も元自衛官・保安部員を中心として保安部・諜報部・警備部が再構成され「黒騎士」達の教えを受けた優秀な指揮官達がその指揮をとっていた。
そしてエヴァも十分な準備ができ、後は実戦テストを残すだけとなっていた。
 
 
 
そしてついに運命の時、西暦2014年が訪れた。
 
 
その日レイはクリスと一緒におらず、父と母の元にいた。
それはこれから起こる戦いについてレイに説明をしていた。
セカンドインパクトの事、エヴァの事、使徒の事、そして自分たちNERVの事。自分たちの知る全てを教えた。
 
すでにゲンドウ達には人類補完計画を実行する気はなく、むしろどうすればサードインパクトを回避してゼーレの老人達に対抗できるかを模索していた。
 
それを聞いてレイはすこし驚いてはいたが冷静に受け止めていた、そして自分がどうしてここに居るのかをもう一度考えていた。
そうしてレイは自分の意志で戦うことを決意していた
 
『私、一人は嫌。だからみんなを守るの、そしたらみんなと一緒にいられるの。もうナオコさんみたいなのは嫌。だから絶対に守るの!』
 
 
同じ頃、国内のとある場所で爆発事故が起きていた。
それは極秘施設で外部には全く知られていないところであった。
そしてその施設はものすごい爆音とともに燃え上がっていった。その中から巨大な影が現れ闇の中に消えていく。
後には逃げまどい騒ぎ立てる職員達だけがいた。
 
『自由なんだ!もう誰にも命令されたりしない、私は私の意志で生きていくんだ。』
 
 
 
一方ドイツでは
 
「アスカ、ついに予言所の示す時がやってきたわ。これからはあなたの腕に全てはかかっているのよ。」
「任せて、ママ。私は最高のチルドレンなの、本部のファーストなんかには負けないわ。世界中に私の力を見せてやるわ!」
「アスカ、その意気でがんばりなさい。ミサト、実戦ではこの子をよろしく頼むわ。」
「任せてください。この日の為に私は生きてきたんですから、アスカこれからもよろしく頼むわ。」
「もちろん、ミサトこっちこそよろしく頼むわね。」
 
三人の女性が真紅のエヴァの前で語り合っていた。
 
 
そしてアメリカ第一支部では・・・・
 
「マスター、本部の動きがついに本格化しました。どうやら時は来たようです。すでに第二支部のナオコちゃんにも確認の連絡を入れておきました。」
「そうか、綾、これからが本当の戦いだ。今までの様には行かないがこれからもよろしく頼むよ。」
「いえ、こちらこそ。まだ至らない私ですがどうかよろしくお願いします。」
「さて、ナオコちゃんに連絡を入れたのなら向こうの様子を聞いておきたかったんだけど、向こうはどうなってる?」
「はい、すでに素体は完成して各種装甲の取り付けに入って、武装に関しても予定通り進んでいる様です。マギー所長からも作業は順調という連絡が入っています。」
「そうか、じゃあ僕たちも戦場に行くとしよう。第三新東京市へ。」
「イエス、マスター」
 
『負けたりはしない!たとえ敵が何であっても、大事な人たちを失ったりはしない。今度こそ守ってみせるぞ!』
 
少年と少女は漆黒の甲冑をまとった巨神のまえで宣言した。
それはこれから起こる運命との闘いに対する宣戦布告であった
 
 
そして、2014年。運命の年が始まった、これから先どうなっていくのかは神にも解らないことだった。
 
 
 
 
 
 
あとがき Ver1.0
 
やっと第一章が終わりました。
序章に続いてかなり長くなってしまい、結果としてエヴァ本来の話が始まるのが遅くなってしまいました。
おまけに登場人物が増えただけでなくキャラの役割もだいぶん変わっています。特にドイツ組の扱いがかなり変わっていますがたまにはこういうのも良いと思いませんか?
まあ、LASの人たちからは怒られそうな物になっていますがLRSの方達はどうでしょうか?
レイの方もかなり変わった設定にしていますが普通よりはだいぶん面白いキャラになっていると思います。
 
今回はNERVの現状説明で終わらせるだけのつもりでしたが、急遽新キャラの登場を追加することになりました。
新登場キャラはFSSの方から黒騎士のバ−バリュース・ビィの娘のクリスティン・ビィです。
外見はフランス人形の様な長い金髪を後ろで束ねていて、目もサファイアのようなきれいな青い瞳をしています。
顔立ちもレイと並んでも見劣りをしないほどの美少女ですが活発的でとても愛嬌がある為、周りからとても人気があります。
一応キャラクター的にはレイの親友で積極的ないたずら好きのおてんば娘になってます。そんな彼女のモットーは「終わりよければ全てよし」です。
これからレイと二人で色々いたずらをして周りに騒ぎを巻き起こしていきます。
ちなみに最初の犠牲者はシンジですが、最大の被害者は恐らくアスカになるでしょう。
これからは彼女もレギュラー陣並みの活躍をしますのでよろしくお願いします。
 
それと今回のラストの中には色々と意味深な内容がかかれていましたが、これらは第2章でもシャムシエル戦以降で解明されていくと思います。
サキエル・シャムシエルはレイ達の手によって撃退されなすが、ラミエル戦からはかなり苦戦することになっていきます。
シンジも本来の力を発揮できず、以前よりも強力な武装を手に入れても使徒の力はそれ以上に強力になっています。
実はこれはシンジがあまりにも強大な力を持ってしまった為、同質の力を持つ使徒も強力になってしまったと言うことにしています。
 
それではこれからの展開ですがしばらくの間休養を取らせてもらおうと思います。
別にレイやアスカから逃げる為とか拉致されたとかそう言ったわけではありません
実は多くの方から指摘があったのですが誤字が多いとのことなので、しばらく序章と一章を修正していこうと思います。
さっさと続きをかけ、と言われてしまいそうですがここまでが勢いで書いていた様な物で、正直ここから先がどれだけの長さになるか全く見通しが立っていません。
少し構成を見直して目標としては使徒との戦闘は極力一話中に終わらせる様にしていこうと思います。
 
そんなに長いこと休む訳にもいきませんのでなるべく早めに再開しようと思います。
ひょっとするとこの文章が公開されている頃には第2章をアップしているかもしれません。
それではまたお会いしましょう。
 
 
あとがき Ver1.1
 
 
コレを修正している現在ですが既に休養を終わっています。二週間も手つかずで放置していました。
実は資格試験の勉強と厄介な仕事をかかえてしまってしばらくパソコンの電源すらいれてないような状態だったのです。
そんなわけでコレが公開される頃には既に第2章の執筆に入っています。
それでも今までのようなペースでは無理になるとは思いますが、なるべくなら2週に一回は更新していきたいです。
 
それと1.0の後書きでは書いていませんでしたが今回の話の中には沢山聞いたような名前が登場していると思いますがこれらが直接本編に関わってくることはありません、あくまでほんのチョイ役として登場させただけです。このお話にはパトレイバーもやタクティカルアーマーも登場させませんであしからず