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騎士と妖精と熾天使の幻像
序章 第2話.降臨
どこかから聞こえてくる声
シンジには誰か解らなかった、しかしラキシスには心当たりがあるようだ。
「なに、この声誰か居るの」
「あれ?この声どっかで?」
しかし、辺りには静寂に包まれた紅い世界とそして自分とラキシスとKOGしか存在しない。
だが声はまだ聞こえる。
『貴様はこの世界の管理者でもあり神であろうが、自分の世界を見捨ててどこへ行こうと、いや逃げようと言うのだ。』
「ちがう、逃げてなんかいない。こんな何もない、誰もいない世界で僕に何をしろって言うんだよ。僕が管理者なんて誰が決めたのさ、勝手にいなくなって、勝手に押しつけて、僕はそんなこと望んでいない。」
『嘘を付くな、おまえは自分以外の他者をすべて拒絶した、それによって変化したのがこの世界だ。』
「ちがう、ちがう、ちがう、僕はこんな事を望んでなんかいない!!」
『そうやって逃げ続けるのか』
「違う」
「蒔子(マキシ)、蒔子なの!」
『お久しぶりです姉上、いえラキシス姫様。』
その声と共にシンジが行ったときのように何もない空間に虚空が広がる、そしてその中から女性と見間違うような美しい長身の青年が現れる。
その青年の背には長大な刀があり、そしてシンジは本能的に悟った「この人には勝てない」と。
その場に広がる威圧的とも呼べる存在感にシンジは圧倒される。
「ラキシスさんの弟さん?この人が?」
「うん、弟の蒔子、ほんとうはマキシマムて言うんだけど私とソープ様は蒔子って呼ぶの。蒔子も私のことはお姉ちゃんで良いのよ。」
「わかりました、姉上。」
「あ、あの、初めまして碇シンジと言います。」
「私の名はマキシマム・ハルトフォラス・バインツフェルフ・カイエンだ。他にも色々と名があるがマキシマムかカイエンと呼ぶがいい。」
「は、はい」
「蒔子たら相変わらず堅いんだから、でもどうしたの蒔子ってたしかあのとき死んじゃったんじゃなかったの?」
ラキシスのとんでもない一言、その一言によってシンジの緊張はより高まっていくことになる
「え、死、死んじゃったんですか?」
「いいえ、正確には死の瞬間他の宇宙に召還されたのです、そしてその世界の神となりました。
向こうではファーンドームの星王と呼ばれています。」
「へー そうだったんだ、なら一言ぐらい連絡くれても良いのに。」
「すいません姉上、あまり他の世界に干渉するわけには行かなかったので・・・そんなことよりも碇シンジよ」
「は、はい」
視線によって刺し殺される、まさにそれほどの鋭い視線を浴びせられたシンジは反論はおろか身動き一つとれない状態であった。
「貴様、自分のあるべき世界を放って置いて安易に他の世界に逃げようとは。新米の神とはいえ見過ごすわけには行かんな。」
「で、でも、こ、こんな所で何をしろって・・」
「だまれ!貴様は自分で何かをしようと言う気はないのか、生命のない世界なら作ればよいだろうが、過ちによって滅びたのであるなら歴史に介入してでも過ちを正せ。
それが貴様の役目だろうが。その役目を放棄しようとはどういう事だ。人を越えた力を持つだけで神というならどの世界も神で溢れかえっているぞ。」
「ちょ、ちょっとまってください、さっき歴史に介入してって言いましたよね。そんなこと出来るんですか?それってひょっとすると過去に戻れるんですか?」
「そうだ」
シンジの表情が驚愕に染まる、まさか時間をさかのぼれるとは、
それならば確かにやり直せる、みんなを守れる、こんな悲しい結末にさせない、こんな世界にした奴らに裁きを与えることができる、そしてみんなを幸せに出来る。
そして今度は”逃げたりしない”
絶望の果てにあったシンジの表情に初めて希望が宿る。しかしマキシマムの次の一言によって再び落ち込む。
「だが、神とはいえ過去に遡っても力を無制限に使える物ではない。何より貴様のような未熟者が過去に戻って何が出来る、何をしようと言うのでだ。たとえ今の貴様の力全てを持ってしてもせいぜい愚か者どもの手の上で踊らされるのが関の山よ。」
「こら!蒔子、私を無視して。シンジ君をいじめにきたの、あんた神様なってまで他の人の所にわざわざ文句を言いにきたの?」
さすがに会話に置いてきぼりにされたラキシスが黙っていなかった。
ラキシス自身シンジに食事の世話になっているので心情的にはシンジの味方である。
まして、自分の弟は再開早々自分を無視して恩人にお説教をしている。これは怒らない方が無理である。
「違います姉上、いじめに来たのではありません。」
「じゃあ、一体何しに来たのよ。」
今度はシンジを無視してラキシスとマキシマムの間で激しい口論となる。
「色々と我々の間にも取り決めや制約があります。こういった他の神への干渉も本来はあまり行うべきではないのです。」
「じゃあ、あんたは一体何しに来たのよ。」
「一つは彼にこの世界の管理者に、神としての自覚させることです。」
「何よ、しっかり干渉しに来てるじゃないの。」
「いえそれだけなら私が出てくる必要はなかったのですが・・・」
「なによ、ハッキリ言いなさい」
「はぁ・・・実は私が来た直接の原因は姉上ですよ。」
「はぁ?何で私が関係あるの?」
マキシマムは非常に言いにくそうだった、何より昔から姉にはかなわなかった。
おまけにラキシスは自分が何をしようとしていたのかを解っていない。
「解りませんか?姉上は既に陛下、ソープ様に匹敵する存在いわば神に準ずる物です。おまけにKOGまで一緒に居れば彼を連れて他世界への移動も可能です。」
「そうなの?」
「そうなのです、だから関係者と言うことで私にそれを止めるように依頼が来たのです。」
「誰から?」
「申し訳有りませんがそれ以上は私の口からはいえません。」
「ふーん、そうなの。で具体的には何をしに来たの。」
「それこそが本来の私の目的です。碇シンジよ、貴様は何がしたいのだ。何を望むのだ。」
「え、えーと、ぼくですか・・・・」
急に会話を振られても落ち込んでいたシンジにはとっさには答えられない。
「そうだ、お前は何を望むのだ」
「は、はい、マキシマムさん。さっき、過去に戻ることが出来ると言いましたね。」
「ああ、言ったぞ。」
「僕は過去に戻ります。そしてみんなを守ります。そして世界をこんな風にした奴らと戦います。」
「貴様に出来るのか?言ったはずだぞ、貴様程度の力では何もできんと。」
「そんなことはない!やってみせる!もうこんな世界にはしない!死ぬ事なんて怖くない、どんなことでもやってみせる。」
「ふん、勝手に自殺されては困るな。だが少しはやる気が出てきたようだ、ならば私が貴様を鍛えてやろう。
この剣聖マキシマム、ファーンドームの星王が貴様に最高の剣技と天位の称号を与えてやろう。」
この言葉を聞いてラキシスが血相を変えた
「こら蒔子、何考えてんの!しっかり他の世界に干渉してるじゃないの!やっちゃいけないって言ってあなたがやってどうすんのよ。」
そりゃそうである。やってはいけないと叱られたばかりのラキシスにしてみれば収まらない
「いいえ、これはいわば特例と言うことですよ。この世界の再生のための。」
「でも、あんたがシンジ君を鍛えるって言うのはどういう事よ、シンジ君死んじゃうわよ!」
ラキシスは知っているマキシマムの技量をそしてそのマキシマムが自分の師匠からどういった剣の指南を受けていたのかを。
剣聖であったマキシマムの師匠は名をワルツ=エンデ、本名をF.U.ログナーと呼ばれる永遠の命を持つ文字通り星団最強と呼ばれるに相応しい騎士であった。
それ故に修練は苛烈を極め、おそらくマキシマムではなく普通の騎士であればおそらく何度となく死んでいたであろう過酷なものであった。
だが、そういったラキシスの心配をよそにシンジの中では既に決心は固まっていた。
「かまいません、大丈夫ですラキシスさん僕は死にません。だって、みんなを助けることが出来るかもしれないんですよ。それなら僕は絶対に死んだりしません。
絶対にみんなを救って見せます。そして、この世界を元のような世界にして見せます。」
「でも・・・」
それでもラキシスの表情から不安の色は消えない。
「姉上、こいつも戦う者としてある程度は覚悟を持っているのです。シンジがその覚悟を決めたのなら黙ってその願いが叶えられるように手助けしてやるだけです。」
「うん・・・わかった。シンジ君、私も手伝ってあげる。」
「あ、ありがとうございます・・・ラキシスさん、マキシマムさんよろしくお願いします。」
「うん、こちらこそよろしくね。」
ラキシスの表情がやっと晴れた。
「これからは私のことは師匠と呼べ。」
「全く、マキシったら変な所でログナーさんに似てるんだから。そうだ、シンジ君も私のこともよかったらお姉ちゃんて呼んでくれない?」
妙な関心をているラキシス、だがその後のとんでもない発言にシンジもマキシマムも顔色を変えた。
「姉上!」「ラキシスさん」
「だって、マキシだけ特別な呼び方ってのずるいよ。」
「姉上、そんなところで妙に意地を張らないでください。」
「やだ、ぜーーったいやだ、ねえねえシンジ君はどう思う。」
「そうだシンジおまえはどう思っている」
またもや急にしかも今度は二人が同時に全く違う答えを求めてきている。
マキシマムはこうなるとラキシスがテコでも動かないと言うことを知っていた。だからこそ回答をシンジに答えさせた。
正直シンジは答えに困っていたが、内心ではすでには決まっていた。
「あの、ラキシスさん。お姉さんって呼んで良いですか。僕には姉の様な人がいました。でも、その人には何もしてあげられませんでした。
だから、せめてラキシスさんが望むのなら僕にそう呼ばせてください。」
「ありがとうシンジ君。」
「まあ、そういうことならいいだろう、だが稽古では手は抜かんぞ。覚悟しておけ。」
「はいっ!」
「よかったねシンジ君。」
そして、他に誰もいないこの星で奇妙な3人姉弟の生活が始まった。
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こんにちはふぇいです。
第一話に続いてこんな素人のつたない文章を読んでくださって本当にありがとうございます。
この文章がYUKIさんの手に渡るのがいつ頃になるのか解りませんが今のところ進行状況としましては逆行物らしくやっと過去に戻りました。とだけ行っておきます。
正直話が長くなりすぎて今必死になって縮めているからです。おまけに各話によって長さがまちまちなので困っています。
まあ今回から登場しました剣聖マキシマムまさにFSS最強(最狂?)の騎士です。おまけにれっきとした神様です。
その神様ぶりを知りたい方はは原作を読んでください。
まあ、原作とは比べないでください。キャラだけパチッてるようなもんですから。
FSSファンの方にはすいません。これから思いっきりラキシスとマキシマムを壊しています。
一話のあとがきにも書きましたがこれからどんどん原作の設定を無視して暴走しまくります。
なにとぞご勘弁を。
マキシマムの設定に関してはとある所のSSで書かれていた物を使わせてもらっています。
もっともこっちの方は公開停止(無くなった)になっちゃったけど。
本当はのり的にGガン風にしようかなー(この馬鹿弟子が〜〜〜とか言って)、なんて思いましたがやめときました。
それこそFSSファンの方に申し訳ないと思ったのでやめときます。
でも、マキシマムの性格的には気むずかしい剣の師匠と言った感じにしています。
そんでもって次からはいよいよシンジのパートナー、ファティマが登場します。
もちろん、オリキャラと行きたい所ですがエヴァ本編のとあるキャラをベースにしています。
(ファティマらしいと言ったら考えなくてもかなり限定されてしまうけど、そこは性格を変えていきます。)
彼女(彼?)の登場に合わせてシンジは今以上に強くなっていることでしょう。
それではなるべく早めに次の話を仕上げますので、良ければまた読んでやってください
追伸:実はまだ序章と言ったところなので、第1章以降の話はあらすじが出来ているだけでキャラ個別のエンディングは考えていません。
そんなわけで今サイコロ振って決めています(笑)マジです。
サイコロを振って1だったらハッピー、6だったらバッドと言った風にしています。
ちなみに各キャラには修正値を付けています。ゲンドウだったら+3とかキールだったら+6(よーするにバッド確定)と言った風にサイコロの出目にたす(もしくは引く)数値を決めています。
冗談ではなく本当です。一応今のとこ仮ですが決まっているのが碇夫婦+2、キール&ゼーレの爺さん’S+6、レイ−3、アスカ−2、マナ−4、ミサト+2、リツコ−1、マヤ+1、委員長−1、ケンスケ+2、トウジ−1といったところです。完全に私の独断と偏見で決めました。