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評:木幡一誠 |
曲目● ウィリアムズ(オリンピック・ファンファーレとテーマ、「プライベート・ライアン」より戦没者への讃歌、ルークとレイア、レイダース・マーチ) ペダーソン(組曲「中南米への旅」) ユ−バ−(3つの小品) フラッケンポール(ポップ・スイートNo.3) バーンスタイン(ウエスト・サイド・ストーリー) アグレル(ゴスペル・タイム)
メモ● 吉川編曲によるジョン・ウィリアムズが最初に置かれているけれど、これがとても巧いアレンジ。 自分達の編成とパーソナリティを知り尽くした声部配置の賜物か、たった4本で吹いているとは思えないほど響きの充実感があり、和声的な情報量が多い。 以下の収録曲はどれも性格的なナンバーが並ぶ構成だが、よく練り上げられた合奏で聴かせ通す。 各人の役割分担に応じた変わり身の速さは実にアッパレ。 判じ物的な言い方を許していただくなら、4という数字が1+3とも2+2とも2×2とも(場合によっては5-1なんかと!)イコールとなりうる事実を音で証明してみせたがごとし。 リズムのキレを重視したパッセージと、流麗なレガートの線を大事に扱ったメロディが(よく足並みがここまでそろうものだ)、うまいことメリハリをおりなしていく。 そんなアンサンブルの中でソロをとる各人の自発性ないしは思い入れのある表情までヴィヴィッドに伝わるあたりが、このカルテットにファンの多い理由なんでしょうね。 バーンスタインなんかその典型で、細部のツメがほんのわずか甘い箇所も散見するけれど(各種のアレンジによる名演盤も多士済々の曲ゆえ、耳がどうしてもシビアになってしまう)、これがライブのステージだったら喝采を呼ぶことは間違いない。 1枚の最後をゴスペル調のナンバーがえらくイイ感じでしめくくり、これにて一件落着。 |