Q & A
Q. ドクの楽器遍歴を教えてください
A. ドクの楽器遍歴は彼が携わる楽器メーカーとの歴史とも言えます。
 まずドクは1960年代前半からゲッツェン社のアドバイサー的役割を果たすことようになります。その結果、生み出された楽器が今もなお語り継がれる"Eterna Severinsen Model"でした。このモデルは当時ゲッツェン社の主力ラインの"900シリーズ"を象徴するモデルでした。この楽器を手にするドクの姿は、1960年代にコマンド・レコードより発表された数多くの作品のジャケットや当時の雑誌記事などで見ることができます。1970年代後半までドクはゲッツェン社の楽器を用いました。大きなモデルチェンジは特にありませんが、1970年はじめに同社によって開発されたアマド・ウォーターキーであるか、あるいはレバータイプのウォーターキーであるかによって生産された時期を大きく2つのタイプに区分(後者は1960年代に製造)できます。また、アマド・ウォーターキーの形状の違いによってさらに2つのタイプに分けることができます。
 1981年にドクはゲッツェン社との契約を終了し、コーン社の副社長に就任します。そして就任と同時に"トップ・オブ・ザ・ライン・トランペット"の開発を行い、"Severinsen Series"を作り出したのです。この当時生産されたのが"1000B"というモデルです。また"DOC SEVERINSEN"と刻印されたマウスピースはこの当時製造されたものです。
 しかし、わずか5年たらずでドクはコーン社から独立を果たします。コーン社の開発時に出会ったクラフトマン、ディック・アクライトと1986年にSeverinsen/Akright社を立ち上げたのです。これによって生産されたのが"Bel Canto Trumpet"です。1986年から1992年までに発表された作品のジャケットにはこの会社名と楽器のブランド名が必ず記されました。また、ディックとドクの2人のサインが記された鑑定証明が当初は楽器につけられたことで注目を集めました。
 その後、1990年代中期にディック・アクライトがクラフトマンとしての仕事から退くこととなりSeverinsen/Akright社は生産を終了。ドクはそれからの数年間、楽器メーカーと提携することはありませんでした。この時期に使用された楽器については定かではありませんが(いくつかのメーカーがプロパガンダとしてドクの名前をあげている場合がありますが、そのどれもは確認ができないものばかりです)、1999年にリリースされた"Swingin' the Blues"のジャケットや2000年のテレビで放送された映像ではビンテージのフォーテーヌ・ベッソンを使用している姿を確認することができます。
 そして、2001年についにゲッツェン社と再契約。8ヶ月にわたる開発により現在は2つのモデルが製造されています。シルバープレート仕上げの"Severinsen Custom"、そしてゴールド・プレート仕上げで彫刻入りの"Severinsen Limited Edition"の両モデルは、入手が可能となったこの秋から絶大な人気を誇っています。

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