入門向山実践の楽しい授業/『向山洋一年齢別実践記録集』第20巻・学級通信「アチャラ」No.60/
国語  TOSS栃木・戸崎博文
九月九日は何の日?
7月7日は何の日ですか?ノートの@に書きなさい。

「漢字で書けたらスーパー4年生!」と言うと、懸命に思い出そうとしている子がたくさんいた。
正解者23名。うち、漢字で書けた児童1名。みんなの前でほめた。
他、「母の日」が1名。「遠足」が1名。(その日が遠足だったので)

七夕は、彦星と織り姫星が、年に一回天の川で出会う日ですね。
「七夕の節句」とも呼ばれています。
(板書しながら)「節句」とは、季節の移り変わりを感じ取って楽しむ日です。

本実践は、4年生30名に7月に行ったものである。時間は12分ほど。
まず、ノートに@からDまで番号をふらせた。

理科で夏の星を勉強したばかりだったので「ベガとアルタイルだ」「こと座と何座だっけ?」
という声も聞こえた。

1月1日は何の日ですか?Aに書きなさい。

簡単だと思ったが、「元日」と書けた者1名、「元旦」(「たん」が平仮名)が1名だった。
「元旦」は、正確には「1月1日の朝」を表すという説明を加えるべきだったと反省している。
(「旦」は地平線から朝日が昇る様子を表す。現在は「1月1日」という意味でも使われる。)
一番多かったのが「正月」で17名。「はつもうで」という答えも1名いた。

3月3日、5月5日はそれぞれ何の日ですか?BCに書きなさい。

3月3日の正解者は14名、女の子が多かった。
うち「ひな祭り」が11名、「桃の節句」が3名。

5月5日は正解者が15名。
うち「こどもの日」が11名、「端午の節句」が4名。

3月3日は「桃の節句」とか「上巳(じょうし・じょうみ)の節句」とか言われます。
5月5日は「端午(たんご)の節句」と言われます。
では、次に先生何て聞くと思う?

「9月9日だ!」「えーー、でも分かんない」などと言う声が聞こえた。

今日一番の超難しい問題。9月9日は何の日ですか?Dに書きなさい。

全く分からないような顔をしていたので、「ヒントは、○○の節句です」と助け船を出した。
結局正解者はゼロ。
出た答えは「月見」が3名、「節分」「ハロウィン」など。

中国では、1・3・5・7・9は「陽」の数、つまり運のよい数とされています。その中でも一番多きい9は最も幸運の数です。9月9日は「陽」が重なるという意味で(板書)「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれています。「菊の節句」とも呼ばれます。
日本には「五節句」というのがあります。これら5つの日のうち、1つだけ「五節句」に入っていない日があります。いつですか?

子どもたちはすぐに「1月1日だ!」と答えた。

その通り。1月1日、元日なのです。
では、「五節句」のもう1つの日は、何月何日でしょう。

見当がつかないようだったので、「ヒントは『七草』です」と言った。
それでも分からないようだったので、
「じゃあ答えは言わないから、家の人に聞いてみてね」と言って終わりにした。
(正解は、七草がゆを食べる1月7日の「人日(じんじつ)の節句」)

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「『菊の節句』とも呼ばれます。」という説明も加えるとよい。