建物正式名称 大阪ワールドトレードセンタービルディング
建物通称 WTCコスモタワー
所在地 大阪府大阪市住之江区
高さ 全高256m 展望室(55階)床面高252m
竣工 1995(平成7)年
概要 日本で一番高いビルディングは横浜市のランドマークタワーであることはよく知られているが、では2番目はというと即答できる人は多くないだろう。答えは大阪ワールドトレードセンタービルディング、通称「WTCコスモタワー」である。
国内有数の貿易港である大阪南港を臨んで立地しているだけあって、もともとは国際交易のための情報集積や業務サービスの拠点として機能するインテリジェントビルというコンセプトで建てられた。しかしバブル経済崩壊のあおりで民間企業の入居率は当初から芳しくなく、現在はほとんどのフロアを大阪市の部局か関連の財団法人が使用しているという状態である。ビルの運営会社が大阪市の第3セクターだということもあって、その経営支援策をめぐってはたびたび議会でも問題にされているようである。
ところで国内2番目の高さを誇るビルは実はもうひとつある。大阪府泉佐野市のりんくうゲートタワービルがそれであるが、こちらは上層階に観光用の展望スペースがないので当サイトでは登頂対象と考えていない。
TF式分類 第3種 I類
登頂日 2002年5月6日
注意事項 大阪ワールドトレードセンタービルディングは2010(平成22)年に大阪府の所有となり、建物の名称が「大阪府咲洲(さきしま)庁舎」に変更されました。2016(平成28)年12月からは新たに「さきしまコスモタワー」の愛称が制定されています。
 2002年5月6日の登頂記録
直線的なフォルムが印象的なWTCコスモタワーは、ニュートラム・テクノポート線トレードセンター前駅のすぐ近く。四角錐を逆さにしたような形状の最上部がこれから登る展望台です。
フェスパと名付けられたアトリウムの一角に展望台への入場口があります。自動販売機でチケットを買って、奥のロビーへと進みます。
日本中にはたくさんの展望タワーが建っていますが、入場ゲートが自動改札というのはきわめて珍しいです。チケットは磁気券ではなく、裏にバーコードが印刷されてあって、改札機を通すとそこが黒く塗りつぶされるという仕組みになっています。
分速180mという高速エレベーターで一気に52階へ昇ります。乗ってみるとかなり速いなぁという印象を受けますが、実は展望台より下の超高層階(レストラン等がある)へは、分速540mというとてつもない速さのエレベーターが設置されているのです。
どうせならこっちの展望用エレベーターもそれくらいのスピードにしてくれればいいのに……などと考えてしまいますが、おそらくシースルーだと乗客に相当な恐怖感を与えてしまうのだろうと思います。
52階からはエスカレーターを乗り継いで最上階の55階展望台に到着。さすがに国内でも指折りの高層展望台だけあって、窓外を見下ろすとなんだか浮揚感さえ覚えるほどの迫力があります。
大阪の都心部を望む東側の風景。手前右にあるのは国際見本市会場インテックス大阪。中央にかかる赤い鉄橋はみなと大橋。そしてはるか遠くには生駒山が見えます。
北へ目を転じると、手前にOTS線のコスモスクエア駅。中央の島はスポーツアイランドとして整備中の舞洲(まいしま)で、2008年オリンピックの誘致に成功していればここがメイン競技場となる予定でした。奇抜な外観デザインが話題になった清掃工場もこの島にあります。左は目下埋め立て中の夢洲(ゆめしま)です。
南側は咲洲(さきしま)と呼ばれる地区で、貿易港らしい埠頭の風景が広がっています。左に見えるはニュートラムの車庫。左隅にちょっとだけ見えている、てっぺんにヘリポートがあるビルは28階建てのホテル、ハイアットリージェンシー大阪です。
展望台部分は四角錐を逆さにした形状だとはじめに書きましたが、その対角線はビル本体に対して45度回転した位置にあるため、角の部分ではこのように真下を眺めることができたりするのです。高いところ好きの人は必見のポイント!
53階には制振装置の表示板があります。これだけ高いビルになると、地震だけではなく強風による揺れにも対策が必要になるわけです。
真ん中は風向・風速の表示。この写真では北東の風、風速2.9mを示しています。右は建物頂部の揺れをミリ単位で表示するメーターですが、0.0ということは微動だにしていないということですね。安心安心。
その名も「タワーショップ」はフェスパの3階にあるので、グッズだけなら展望台に入場しなくても買うことができます。
この日はなぜか通常400〜500円くらいで売っているキーホルダーがどれでも200円という投げ売りをやっていたので2種類をゲット。左はタワーボーヤという名前がついているらしいキャラクター。右は一応タワーのミニチュアと言えなくもないと思って選んでみました。
いちばん右はデザインが気に入ったので買ったステンレス製のブックマークです。
【その1】その後2003(平成15)年に展望室の全面リニューアルが行われ、松本零士氏の「銀河鉄道999」や「キャプテンハーロック」といった作品世界を体感できるミニテーマパーク「COSMO WORLD」がオープンしたが2005年に終了。再度のリニューアルを経て現在展望室には「Plat Planet」という愛称がついている。全体的にカップル客を意識しているようで、窓側に2人掛けのボックス席が設けられたほか、フロア中央部はチャペルを併設したイベントスペース兼カフェとなって貸切利用にも対応している。
【その2】フェスパ内のタワーショップは現存しておらず、タワー関連グッズの製造・販売も行われていない。
【その3】当ビルを所有・運営していた株式会社大阪ワールドトレードセンタービルディングは2010(平成22)年にビルの所有権を大阪府へ売却して解散した。

・大阪府咲洲庁舎展望台
・COSMO TOWER(コスモタワー商店会)

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