建物名称 | 松島タワー |
所在地 | 宮城県宮城郡松島町 |
高さ | 全高64m |
竣工 | 1964(昭和39)年 |
概要 | 1959(昭和34)年から61年にかけての、いわゆる岩戸景気は日本国民の間に空前の消費ブームとレジャーブームを巻き起こした。まさにその1959年、東武鉄道グループが東北地方進出への足がかりとして日本三景・松島にオープンさせたのが大浴場を目玉施設とする「松島温泉ヘルスセンター」だった。松島タワーはそのヘルスセンターのさらなる呼び物として1964(昭和39)年に完成した展望タワーである。1983(同58)年にヘルスセンターが現在の「ホテル壮観」に業態変更した際にもタワーはそのまま引き継がれて観光客を楽しませてきたが、2001(平成13)年には平成不況の煽りでヘルスセンター以来経営を行ってきた松島観光開発が解散。ホテル壮観はグループ会社に営業譲渡される事態となった。築後38年を経て老朽化が目立ってきた松島タワーであったが、このような状況下ではもはや改修費どころか維持費の捻出も困難であり、ついに2002(平成14)年3月限りで営業を終了、解体されることになった。 |
TF式分類 | 第1種 II類 |
登頂日 | 2002年3月24日 |
注意事項 | 松島タワーはすでに解体撤去済みです。 |
2002年3月24日の登頂記録 | |
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松島タワー営業終了1週間前の姿です。 白い塔体も近くで見ればサビが目立ち、かつては鮮やかな赤に塗られていた展望室部分もすっかり色褪せています。 外観上の特徴としては2本ある「つっかい棒」でしょう(写真だと見えませんが、もう1本は塔体の向こう側)。まさかつっかい棒がないと倒れちゃうなんてことはないのでしょうが、いささか不格好です。 そのほか注意深く観察すると、塔体の中央部が膨らんだエンタシスになっていることと、小窓の配置から内部には螺旋階段があるらしいことがわかります。 |
入口はこちら。入場券売り場は右の方からぐるっとまわって向こう側にあります。ホテルの付帯施設ではありますが、宿泊者じゃなくても登ることができます。 | |
この小屋が入場券売り場。どうしてタワーと一体構造になっていないのか少々疑問です。 かつてはヘルスセンターの入場券1枚で全部の施設が利用できたのに、ホテルに衣替えしたことによってタワー単独で入場料を徴収する必要が生じたから……というのは私の推測。 入場券は写真入りのカラー印刷で、ちゃんと半券を記念に残しておけるのが嬉しい。 |
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タワーの中央を貫く円柱形のエレベーター。さすがホテルの付帯施設だけあって、ちゃんと制服を着用した案内係のおばちゃ……じゃなくておねえさんが乗務しています。 実はエレベーターがあんまり古い型なので一般客が操作できないシロモノだったりするのが乗務の理由じゃないかと思われ。 ドアの開閉、上昇、停止と、動作するたびにいちいちすごい音と震動をたてるので、なかなかスリリングでした。 |
展望台は2層になっているのですが、すでに下の階は閉鎖されていました。 土曜日の午前中ということで客はまずまずの入りでしたが、私のようにタワーが撤去されると知って慌ててやって来たような人はいないんだろうな。 |
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いつから貼ってあるんだよ! と思わずツッコミたくなる年代モノの掲示物。当時の職員さんが頑張って描いたんだろうなぁ。上手くはないけど味があるってやつですか。 ところでウチのテレビアンテナの正確な経緯度を問われても困っちゃいますが、それってどうやって調べればいいんでしょうか? このほか、ガラスケースが反射して写真が撮れませんでしたが、これまた年代モノの松島の立体地図も展示されていました。 |
ホテルの建物内にちゃんとゲームコーナーがあるのに、わざわざここにもゲーム機が置いてあります。神戸ポートタワーでも指摘しましたが、どうしてタワーの経営者は展望室にゲーム機を置きたがるのだ? いや、しかし、UFOキャッチャーの景品がちゃんと新しくなっているということは遊ぶ人がいるってことなんだろうなぁ……。 |
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日本三景・松島をタワーから眺めると、だいたい南の方を向くことになります。 松島の風景がとくに美しく見える地点を古くから「松島四大観」と称しまして、それぞれ麗観、幽観、偉観、壮観と名付けられています。このうち壮観というのは鳴瀬町(現・東松島市)の宮戸島にある大高森から見る風景のこと。ホテル壮観が建っているところは四大観の壮観とは地理的に無関係なのでややこしい。 |
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タワーを所有するホテル壮観の建物。このあとフロントでパンフレットをもらってきたのですが、すでにタワーに関する記述は一切削除された最新版が用意されていました。 あっ、パンフレットのラックにタワーの割引券が差してあるじゃないか。しまった、先にフロントに寄っておくんだった! |
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タワーに因んだおみやげというのは作っていないようで、キーホルダーに辛うじてタワーが写っているのが唯一のものです。これも早々にタワーが写っていない写真に差し替えられてしまうのでしょう。 |