建物名称 鹿野山常夜燈展望法塔
所在地 千葉県君津市
高さ 全高42m
竣工 1969(昭和44)年
営業中止 調査中
現状 解体撤去
TF式分類 第1種 I類
概要

君津市中西部、富津市との境界付近に位置する鹿野山(かのうざん)は、上総丘陵の山並みを構成する標高380m内外の3峰(白鳥峰・熊野峰・春日峰)の総称である。千葉県内ではハイキングの行先としてポピュラーな存在であり、特にマザー牧場は関東地方で非常に高い知名度がある。山上は598年に聖徳太子によって開山されたと伝わる真言宗智山派の鹿野山神野寺(じんやじ)が広い境内を有しており、古くから信仰の山としても親しまれてきた。
鹿野山常夜燈展望法塔は、その神野寺が所有したタワーである。寺院と「塔」はきわめて密接な関係にあるとはいえ、展望タワーを建てた寺院というのはさすがに珍しい事例である。正式名称が長いので一般には「鹿野山タワー」と呼ばれたが、これは神野寺が定めた公式な通称である。
四角柱状に組まれた鉄骨造りの塔体にはエレベーターシャフトと非常階段が収まり、その上に100人を収容する円形展望台を載せたシンプルな姿で、総工費は1億3500万円を要した。建設顧問には産経新聞の創業者にして東京タワーの生みの親として知られ、マザー牧場の開設者でもある前田久吉が就任している点が興味深い。
寺院の施設らしく、塔内には京都の仁和寺伝来の仏舎利、四国八十八ヶ所の聖地の砂、交通安全を祈願する延命地蔵尊などが奉安されていたが、位置付けとしてはあくまでも観光用ということのようで、大人130円・小人100円の入場料(1972年の資料による)を徴収していた。

営業を中止した時期がわからないため調査を継続中であり、今のところ1991(平成2)年までの千葉日報の見出しチェックを終えているが手がかりは得られていない。1981(昭和56)年12月2日の紙面には「鹿野山に新たな観光施設を建設する計画が持ち上がり、発起人らが鹿野山タワーから予定地を視察した」との記事が写真とともに掲載されているため、少なくともこの時点では存在していたことが判明している。

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