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現在「地球の丸く見える丘展望館」がある愛宕山に存在した回転昇降式展望塔である。最初の設置者は東日本観光という会社で、鉄筋コンクリート4階建て(正確には4階は塔屋のみなので事実上は3階建て)のビルの屋上に30mのタワーを載せ、31人乗りのキャビンが上下する構造であった。タワー部分は日本ケーブルによる施工だったようである。
一方、愛宕山一帯を観光拠点として施設整備したいという銚子市の要望を受けて、千葉県および千葉県観光公社はタワーに隣接する養護学校跡地に遊園地を建設することになり、1973(昭和48)年「犬吠オーシャンランド」がオープンした。園内には2ケ所のプール、海の生活館、漁具を利用した迷路や漁船の展示がある遊びの広場などが整備されたほか、ゴルフ場とアーチェリー場も併設された。
タワーは1974(昭和49)年10月に千葉県観光公社に買収され、建物内外の改修を経て翌年1月1日からオーシャンランドの一部門として運営を開始した。このとき下部ビルは犬吠観光資料館となり、銚子市の自然や漁業を紹介する展示が行われるようになった。1975年4月からはタワー関連施設を県所有とした上で運営を観光公社に委託するスタイルがとられている。
オーシャンランドは近隣に遊園地のなかった銚子市においては画期的な施設として大いに期待され、特にタワーの人気が高く1975年度の統計によればプレイパーク(遊園地)部門の年間入場者4万8473人に対しスカイタワー部門は7万8617人(下部ビルの観光資料館は14万8621人)を動員している。翌76年度もプレイパーク3万6303人に対しタワーは7万6391人(資料館12万6797人)を記録した。もっともこの数字は当初オーシャンランド全体で見込んでいた20〜30万人という予想には到底届かないもので、収支状況は悪化するばかりであった。
そうした中1977(昭和52)年3月の定期検査でタワーの主要構造部の腐食が著しいことが判明したため6月から運行を停止したが、約4000万円とされる修繕費用が捻出できず、ついに復活することはなかった。観光資料館も末期には管理が不十分で荒れ放題だったという。
オーシャンランド自体も75年度をピークに入園者が減少し続け約1億9000万円の累積赤字を抱えたことから1980(昭和55)年3月をもって事業を廃止。遊園地の跡地は市営のふれあい広場となり、スカイタワーの跡地には1988(昭和63)年に地球の丸く見える丘展望館がオープンした。
詳細な資料としては1992(平成4)年に千葉県観光公社が発行した「観光公社のあゆみ」がほぼ唯一のものであるが、その記述は時系列が整理されておらず正確な読解が難しいほどの酷い内容である。タワーが運行を停止してから下部ビルが解体撤去されるまでには約9年のタイムラグがあるが、タワー部分は先行して撤去されたのかどうかは判然としない。
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