建物名称 東山スカイタワー
所在地 愛知県名古屋市千種区
高さ 全高134m 展望室(5階)床面高100m
竣工 1989(平成元)年
概要 1889(明治22)年、近代的地方自治制度確立の基盤となった「市制・町村制」が施行され、この年に全国で39の「市」が誕生した。名古屋市もそのひとつである。1989(平成元)年には市制施行100周年を迎えたこれらの各都市で記念事業が行われ、その一環としての地方博覧会開催はブームとなった。名古屋市でも大小さまざまな記念事業やイベントが行われたが、その目玉となったのは世界デザイン博覧会、そして東山スカイタワーのオープンであった。
タワーは戦前から市民の憩いの場として親しまれている東山公園の丘の上に立地しており、財団法人東山公園協会によって市営動植物園と一体となった運営が行われている。三角屋根を載せたガラス張りの建物デザインはコンペによって選ばれた。
ところで東山スカイタワーは単なる展望台ではない。観光客を集める一方で、実は防災上重要な役割も担っているのだ。塔体にパラボラアンテナが多数取り付けられているのは防災無線の中継基地としての機能を有しているからである。また高所カメラが取り付けられて市街地一帯を24時間監視しているが、これは震災等の大規模災害が発生した際、即座に市内の被災状況を把握し、救援活動の初動体制を確立できるよう意図されているものである。タワーからの映像は専用回線を通じて災害対策本部の大画面プロジェクターにリアルタイムで映し出すことができるようになっているほか、さらに衛星を通じて国などの防災関係機関にも伝送できるシステムが構築されている。
TF式分類 第1種 I類
登頂日 2003年5月2日
 2003年5月2日の登頂記録
タワーを撮影するにあたっては、なるべく建物の特徴がわかるアングルで、かつ全体が入るように心がけているのですが、いや〜、東山スカイタワーは難易度が高い!
というのも、このタワーは台形断面の二つの塔が円柱状の展望室を挟み込んだような疑似ツインタワー形状なので、この写真よりもうちょっと右に回った位置から撮ると塔体に中空部分があることがよくわかって理想的なのです。しかしタワーの周囲が森林なので、右へ回るとたちまちタワーが木々に隠されてしまって撮影ができないんですね。しかも、あまり見上げるアングルだと三角屋根なのがわからなくなるから、ある程度引いた位置から撮る必要もあるし。
このタワーをいちばん美しく撮ることができるポイントは、たぶん動物園内にあるのだと思います。タワー南西側から午後に狙うと、ベストなアングルと光線状態が得られるはず……と読んでいるのですが、まあ帰ってきてからゴチャゴチャ言うくらいなら動物園の入園料くらいケチらずに撮っとけってことですわな。
地下鉄東山公園駅からは歩いて15分ほど。意外と距離があるのに加えて、丘の上に到達するのには曲がりくねった細道を登らなくてはならないのでけっこうしんどい。まあ帰ってきてからゴチャゴチャ言うくらいなら動物園の入園料くらいケチらずに近道しとけってことですわな。

エントランスの向かって左手に動物園との連絡ゲートとチケット売場があるのですが、どうも見ていると動植物園とタワーのセット券を持っている人がほとんどで、タワー単独のチケットを買い求めているのは私くらいのものでした。

ゴールデンウィーク中ということで客の入りは上々。エレベーターもしばらく行列してから乗ったくらいです。

こちらは地上100mに位置する5階展望室。実はさらにこの上、110mの7階にはスカイレストランがあるので本当ならそこまで行かないとこのタワーを極めたことにはならないのですが、家族連れで賑わうランチバイキングの会場に1人で乗り込む度胸など俺にはない!

展望室が2層以上からなるタワーで、そのうちのワンフロアが喫茶コーナーやレストランになっている事例は数多く見てきましたが、それが最上階に位置しているケースは非常に珍しいです。

足元に動物園&遊園地を見つつ、西の方角を眺めます。周囲は完全に住宅地ですね。右奥にはうっすらとJRセントラルタワーズが見えます。
南は緑が広がる風景。真ん中にある茶色の建物は、その下を通っている高速道路トンネルの換気塔です。
右下の扇形の建物は動物園のコアラ舎。1984(昭和59)年、日本に初めてコアラがやってきたのがここ東山動物園なのです。正確には東京の多摩動物公園と鹿児島の平川動物園にも同時にやってきたんですけどね。
展望室にはもちろん売店もあります。扱っている商品は圧倒的に動物グッズが多く、タワーグッズはごく少数なのが残念なところ。動物園とのセット券で入場している人にとっては1ヶ所でまとめてお土産が買えるから便利なのかも。でも、タワーで動物グッズは買えても動物園でタワーグッズは買えないようです。
4階展望室は96mに位置し、下りのエレベーターはここから乗って2階に設けられた出口へという観客動線になっています。
5階の混雑に比べれば4階はやや空いていましたが、窓際のイスには常に誰かが座っているような状況でした。この写真は人がいない偶然の一瞬を捕らえたもの。
4階には制振装置室があり、ガラス越しに中を見ることができます。面白いことに100m超級タワーでは制振装置の存在をなんらかの形でアピールしたがる傾向があるようで、大阪のWTCコスモタワーや下関の海峡ゆめタワーでは装置の動作状況を示すパネルがあったほか、香川のゴールドタワーでは制振装置の原理を解説する模型があったりしました。
ここのように装置の現物を見せているのは珍しいケースです。年に何回かはイベントの一環で室内を限定公開しているらしいですよ。
おみやげに買ってきたのは定番中の定番、キーホルダーです。同じ絵柄で赤がベースになった色違いバージョンもあります。

タワーのミニチュアはありませんが、チョコクランチのパッケージはタワーを象った紙箱になっています。ぜひ欲しいところだったのですが、昨日京都タワーで生八つ橋を買って、今朝JRセントラルタワーズでキャンディボックスを買ったら、私のバッグにはもう入る余裕がないのでした。

東山スカイタワー

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