建物名称 五稜郭タワー(新)
所在地 北海道函館市
高さ 避雷針高107m 建物本体高98m 展望2階床面高90m
竣工 2006(平成18)年
概要 1964(昭和39)年以来約40年にわたって営業を続けてきた五稜郭タワーは順調に集客する一方で、展望台の収容人数が少ない上に多客時には1台しかないエレベーターを待つ長い行列ができるなど、次第に混雑に対応しにくくなってきていた。そこで五稜郭タワー株式会社は南側隣接地に新しいタワーを建て、この問題を根本から解決することを決定。2004年11月の着工から1年半の工期を経て2006(平成18)年4月に新・五稜郭タワーがオープンした。展望台の高さは旧タワーの倍になり、2層になった展望台のキャパシティは実に5倍となる500人、エレベーターも2基となり、面目を一新した。
塔体は星形、展望台は正五角形にデザインされているのはもちろん五稜郭に因んだものである。展望台部分は重量が1200tあり、地上で組み立ててから塔頂部に設けられた油圧ジャッキでリフトアップする工法が採られた。リフトアップは2005年10月に2日がかりで行われ、関係者や観光客らが見守る中、1時間あたり5mというゆっくりとした速度で約23時間をかけて引き上げられた。
新タワーの場所にはタワー会社が運営する稜雲亭という和食処があった。昭和初期の網元の別荘を改築したという建物の解体を惜しむ声もあがったが、移転先の店舗には建物の一部が移築保存されている。旧タワー解体後の跡地には新タワーに接続してガラス張りのアトリウムが2006年12月にオープンした。
TF式分類 第1種 I類
登頂日 1回目 2006年4月1日
2回目 2007年8月26日→この日の登頂記録へスキップ
 2006年4月1日(開業日)の登頂記録
新旧の五稜郭タワーのツーショット。左が新しいタワーなんですが、こうして比べてみると旧タワーよりもずっと規模が大きいことがよくわかります。新タワーの方が手前に建っているわけではないんですよ、これ。

私と同行の友人は朝8時半ごろに入場待ちの行列に加わったのですが、予想に反して人出は多くなく、だいたい30番目くらいでした。おかげでオープニングセレモニーをいい位置で見ることができました。

9時のオープンに先立って、タワー会社の社長はじめ函館市長ほか来賓によるテープカットが行われ、いよいよ新タワーの幕開けです!

展望台へのエレベーター第1便は来賓の人たちで満員。次は報道各社のカメラが乗り込み、第3便でやっと一般観光客の入場です。私たちが乗ったのはさらにその次の第4便でした。
おそらく先着何人かまでだと思うのですが、案内係のおねえさんから「五稜星の夢(ほしのゆめ)」と名付けられたチョコレートがプレゼントされました。
エレベーターホールの床下には「函館の光」と題したディスプレイがあります。直径6mのスペースに1190個の立方体を積み上げて函館の地形を表現しています。
観光客が続々と展望台に登ってきます。旧タワーの倍の高さになったので見晴らしはぐっと良くなり、あちこちで感嘆の声があがっています。
おおっ、旧タワーがあんなに低い位置に見える!
タワーを見下ろす視点から撮影できるなんて実に貴重ですが、旧タワーは早々に取り壊してしまうそうなのでツーショット写真ともども短期間だけのチャンスです。

旧タワーの位置には屋根までガラス張りのアトリウム(屋内広場)が12月までに竣工することになっていて、それをもって新タワーが「完成」ということになります。

この高さでもまだ一番奥のお堀は水面が死角に入ってしまいますが、ともあれ五稜郭の形状は一層はっきりと視認できるようになりました。
函館山方面の景観も、眼前に迫っていたマンションが足元の位置になったおかげですっきりと見渡せます。
東側は函館空港が滑走路まで見えるようになりました。
旧タワーで人気だった土方歳三の座像も新タワーへお引っ越し。台座は新調したようで、高さは旧タワー時代の倍以上になっています(笑)
ガラスの反射がどうにも避けきれず見づらい写真ですが、ペリー来航以来の五稜郭の歴史を年表や絵図面などで紹介する展示スペース「五稜郭歴史回廊」です。中でも箱館戦争など16の歴史的場面を精巧なジオラマで再現したメモリアルポールは必見です。
2層になった展望台の1階に下りると、嬉しいことに直下展望窓「シースルーフロア」が設けられていました。
もっとも、新タワーの展望台部分は五角錐を逆さにしたような下がすぼまった形状なので、どの窓からでも直下を望むことは可能です。
展望1階には売店とカフェスタンドが設けられています。地平1階に広いお土産売場があるので、こちらの売店はコンパクトにまとまっています。
展望窓の手すりに、ところどころこんなオブジェが設えてあります。
何のためにあるんだろう? と思って近くにいたタワー社員の方に訊いてみると「カフェで買ったドリンクをここに置いて、ゆっくりと景色を眺めていただくものです」とのこと。なんだ、見た目どおりにテーブルだったのか。
展望台からの下りエレベーターを2階で降ろされるのは旧タワーと同様。で、その2階にはやはりセルフサービスの飲食コーナー「Cafe107」がありました。
さすが新タワーの初日、しかも土曜日なのでチケットカウンターは観光客が途切れることがありません。相変わらず自販機ではなく対面販売を継続していますが、チケットは機械発券のものに替わりました。
1階はほとんどのスペースが広々としたお土産売場です。記念品の類はやっぱり土方歳三と新撰組に関するグッズが圧倒的に多いのですが、何にも関係なさそうな読売ジャイアンツのグッズコーナーがあったりするのには少々首を傾げてしまいます。
新タワーをあしらったグッズは例によってキーホルダーくらいしかないのですが、作ってくれただけでも御の字だと思うことにしましょう。
 2007年8月26日の登頂記録
2006(平成18)年12月、旧タワー跡地にアトリウムが完成し、これにて新タワーがグランドオープンとなったので再訪しました。
タワー棟内から接続しているのはもちろん、道路に面した入口も設けられているので直接アトリウムに入場することが可能です。
内部は天井高12mの開放的な空間で、側面全体と天井の一部がガラス張りの自然光をふんだんに取り込む設計。無料の休憩スペースとして利用できるほか、奥にはステージが設えてあり、イベントも頻繁に開催されているようです。
グランドオープンを期して華々しくデビューしたのが、マスコットキャラクターの「GO太くん」。デザインは全国からの一般公募で644点の中から選ばれたもの。名前はデザイン決定後に函館市・北斗市・七飯町の小学生を対象に公募が行われ、110点の中から選ばれています。

土曜・休日に限り、午前と午後に90分ずつGO太くんの着ぐるみがアトリウムに登場します。カメラを向けたらお得意(?)の片足を上げたポーズをとってくれました。

後ろから見るとなんだか徳利か牛乳ビンみたいだね(笑)。
駆け寄ってくる子どもたちの相手をしたり観光客の記念撮影に応じたりとなかなかの人気ですが、今日はそれほど人出が多くないのでちょっと手持ちぶさた気味かな。

それよりもアトリウムに冷房がないってどういうことだ。いくら北海道だって夏は暑いんだし、風が通らない上にガラス張りだからまるで温室にいるようなもの。じっとしてると汗ばんできます。
いやはや、熱中症にはホントに気をつけて頑張っていただきたいものです。>GO太くんの中の人

土方歳三の立像は、旧タワー時代には道路を挟んで向かい側にある駐車場に立っていました。展望台にある座像と同じく小寺眞知子氏の作品。2台の大砲を従えた勇ましい姿です。
店内のオーブンで焼きたてのパンを提供しているFood & Drink 107。山川牛乳やソフトクリームもあわせてどうぞ。
前回登頂時に展望台から旧タワーを見下ろす写真を撮りましたが、それと同じアングルでアトリウムをパチリ。
GO太くんグッズをあれもこれもと買ってきました。
左上は小型のぬいぐるみ。その下はメモパッド。
右は4種類のポーズが描かれたハンドタオルで、その右下は小さくてよく見えませんがストラップとピンバッジです。
とまぁ、これらはキャラクター商品としては平凡なラインナップなんですが、そんな中でいちばん下の扇子は実用性はともかくユニークな逸品です。
五稜郭タワー

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