施設名称 コアやまくに
所在地 大分県中津市
高さ 高さ50m(避雷針高?)
竣工 1996(平成8)年
概要 中津市山国地区は2005(平成17)年の編入合併までは下毛郡山国町という人口3000人ほどの小規模な自治体であった。コアやまくには当時の山国町役場を核とした複合施設で、「過疎の町に賑わいを創出し、町内外の交流を生み出す」ことを目指す県主導のアメニティタウン構想のモデル事業として1996(平成8)年に竣工したものである。2000(平成12)年の第7回公共建築賞特別賞をはじめ多数の建築賞を受賞した施設内には335人収容のシアター、図書館、ギャラリー、カフェなどのほか、九州では珍しい屋外スケートリンクが併設されている。
なお、タワーに固有の名称はないが、当施設の設置条例には「シンボル塔」との記載がある。
TF式分類 第1種 II類
登頂日 2006年4月25日
 2006年4月25日の登頂記録

コアやまくにまでは中津駅前から路線バスで約1時間、同じ市内でありながら距離にして36kmもの道のりです。歴史派鉄道ファンの人なら大分交通耶馬渓線の終点だった守実温泉駅の跡地だと言えばピンとくるでしょうか。

アトリウム棟の正面は北東を向いているのに対してタワーは四辺をきっちり東西南北に向けています。つまりアトリウムとは軸を45度違えたレイアウトで、そんな点も外観上のアクセントになっているように思います。

タワーは塔体こそシンプルな四角柱ですが、頂部と中間部で飛び出ている展望台形状が特徴的です。
外壁は金属系サイディングのようです。おそらくメンテナンスフリーを狙ったのでしょう。

タワーの入口はアトリエ棟の屋上からブリッジを渡ったところにあるのですが、屋上への行き方がどうしてもわからない。そこでアトリエで展示作業中の女性に尋ねたところ、階段の場所を教えてくれるだけでいいのにわざわざ屋上まで案内してくれました。
待てよ? 今思うとあの人は職員じゃなかったかも知れない。

タワーの周囲はオールシーズン対応のスケートリンクで、氷のない季節はインラインスケートを楽しむことができます。

小規模かつ入場無料のタワーでは常駐係員がいないケースは珍しくありませんが、内部の照明を自分でつけろなんてタワーには初めて遭遇したわ。
照明といっても工事現場の仮設灯みたいなのがぽつりぽつりと光ってるだけで、窓がないから塔内は非常に暗い。50mもの高さがあるのにエレベーターはなく、階段をよたよたと登るしかありません。
暗い上に心なしかカビ臭くてちょっと気が滅入る。確実に子供が怖がるレベルだぞ、これ。
そうしてたどり着いた展望台はえらく狭い。オープンエアなのに開放感が全くありません。そればかりか屋根がないのが災いして床には雨水が溜まっていたり苔が生えたりしています。しかも鳩が棲みついてていつフンを落とされるか気が気じゃないし、どうも最低限の保守すら放棄しているように思えてならない。

展望台の四周はガラスじゃなくて透明なアクリル板なんですが、変質しているのか全体的に曇ってるし、ヒビの入っている箇所もあって撮影にはやや難儀しました。

山国という地名のとおり周囲は山に囲まれ、狭い平地に小さな集落があるだけ。コアやまくにの南側も山が迫っているので北側のこの眺めが展望台から見える景色のほぼ全てと言っていい状況です。
望遠鏡は風雨に晒されないように配慮したのか展望台直下の階段の踊り場に設置されているのですが、有料でこれ使いたい人なんていないよね。

アトリウムはこんなに明るくてきれいなのに、タワーの居心地の悪さは残念ながら私が訪れた中で最低ランクと言わざるを得ませんでした。

ただ、施設内ではすれ違う人がみんな挨拶してくれるのが素晴らしい。職員さんのみならず補修工事をしていた外部業者のニッカボッカのお兄ちゃんまでが笑顔で「おはようございまーす!」(午前中だったのよ)。先ほど親切に屋上へ案内してくれた女性といい、ほんの僅かな滞在で数人と接したにすぎませんが、山国の人々には非常にいい印象を抱いて帰途についたのでした。

コアやまくに

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