ソニン「東京ミッドナイトロンリネス」

●この半年の間によく質問されるんですが

  「とみぃさんってソニンはどうなんですか?」とか「EE JUMPやソニンのソロにおけるつんく♂の仕事ってどう思います?」って質問。メールでも何通か貰ったことあったし、お会いしたことのある方々からも何度か同じ質問をされたことがあるんですよね。で、メールの方は最近あまりお返事を書く機会(というか、なかなか個別に返事書く時間的&精神的余裕がないんですが‥‥)がないので、ちゃんとした答えをしないままになってたんですよね。そんな感じで過ごしてたら、早いもんでEE JUMP崩壊(=ユウキ脱退)から丁度1年経ってしまったんですね。と同時に、いよいよソニンとしての初のアルバムも5月にリリースが決定したそうで。それに先だってリリースされたのが、今回紹介する「東京ミッドナイトロンリネス」。当然ソングライティングとプロデュースをつんく♂が手掛けています。

  EE JUMP時代にもPVが収録されたビデオがオマケについた初回限定版なんてのが何作かありましたが、今回はそれのDVD版が付いてくるってことで、早速入手しました。まず、PV観る前にCDの方から聴きました。ラジオ等で何度か耳にはしてたんですが、改めてクリアな音源で聴いてみると‥‥胡散臭さ満載の、非常に'80年代テイストのアレンジって印象は変わらないですが、意外と好きですねこれ。悪しき'80年代の象徴的なシンセドラム、なんちゃってテクノポップ〜ユーロビート的なシンセサウンド。何かドラマ「スクールウォーズ」とか、ああいった時代を彷彿させる歌謡曲テイスト。サビのメロディなんて(いろんなサイトで語られていると思いますが)荻野目洋子がヒットさせた一連のユーロ歌謡的。アレンジャー表記を見なくても誰がアレンジしたか簡単に当てることが出来る程の、個性的なサウンド(お馴染み鈴木Daichi秀行が手掛けています)こうやって文字だけで表現すると何だか安っぽい楽曲のように思えますが‥‥いや、実際安っぽさにおいてはホームラン級の安っぽさなんですが、完成度の点からすれば非常に優れた作品ではないかと感じています。ただ、アレンジがアレンジなだけに、聴き手を選ぶというか、評価の分かれる1曲となるでしょうね。

  で、このCDを聴いてまず疑問に感じたことがあるんですよ。ボーカルのエフェクト。何でこんなに深いリバーブがかかってるのか? 非常に安っぽい、デモテープみたいな印象を受けるんですよね。サビは音数が増えるんでそこまで酷くは感じないんですが、Aメロは特に目立ちますよね。

  これ、PVを観て納得しました。この曲のPV‥‥ソニンがカラオケボックスでひとり、この"東京ミッドナイトロンリネス"のカラオケを歌う、という設定なんですよね。そうか、それでこのカラオケみたいなリバーブなのか‥‥ってPV観なきゃ判んねぇよ!(苦笑)いや、面白いとは思うんですが、CDだけ聴かされたら、絶対に「??」って思うよ普通。しかもこのリバーブのせいで、ソニンの歌がちょっと下手っぽく聞こえるっていう。彼女の声って独特な潤い感がちゃんと備わってるんで、もっとドライなエフェクトでも全然通用するし、逆にその方が声そのものの持ち味が活きると思うんですが‥‥まぁそういうコンセプトなら、それはそれでいいんですが。勿体ないなぁ、と。カップリング曲を聴いてしまうと余計にそう感じますね。

  そのカップリング曲ですが、"夏が来ない"という、ラテンテイストのクールなナンバー。「夏が来ない」で「ラテンテイスト」って‥‥これ、大黒摩季に対するアンチテーゼみたいなもん?(んなわきゃないか)アレンジは高橋諭一が担当。ほぼ同時期にモーニング娘。の方でもラテンテイストのシングル「AS FOR ONE DAY」をリリースするだけに、ちょっと比べてしまいがちですが‥‥全然違うタイプですね。あっちが「完全なる歌謡曲」で、こっちは「ポップス」くらいの違い(勿論、いい意味でそう差別化してるんですけどね)。ソニンはEE JUMP時代から、結構カップリング曲には恵まれてるんですが、特にソロデビューしてからは‥‥発売中止になってしまったEE JUMP幻のファーストアルバムに収録予定だった楽曲("愛はもっとそうじゃなくて" と "MISSING YOU")を収録していて、またそれがかなり素晴らしい出来だったんですよ。で、今回は表題曲/カップリング共に完全なる新曲なんですが‥‥カップリングもこれまた素晴らしい出来なんですよ。ハロプロがますます(悪い意味で)幼児化してく中、つんく♂がこういった艶っぽい曲を発表する場はもはやハロプロ外‥‥現時点ではソニンとの仕事しかないわけですよ。勿論、低年齢層に受ける楽曲を書くことに反論はないし、それが素晴らしければ俺は何の文句もないわけですが‥‥その点からすると、今回のソニンのシングル、"東京ミッドナイトロンリネス"は遊び心満載(?)の、かなり狙った変化球(それでいて王道的)ナンバーで、カップリング"夏が来ない"は昨今のハロプロでは表現しきれない艶っぽい路線‥‥という、非常に充実した内容になってるんですね。

  EE JUMP時代を高く評価している人からすると、ソロデビュー後の楽曲("カレーライスの女" や "津軽海峡の女")は評価が低いようですが、俺はどの楽曲も(サウンド/メロディ共に)好みだったし、ちゃんと評価してきたつもりです。そして今回も、アルバムへの大きな期待を込めつつこのシングル収録の2曲を高く評価したいと思います。

  それにしても‥‥この曲のPV、かなりバカバカしい内容で笑えるので、是非機会があったら観てください。初回DVD付きは通常盤と100円程度しか違わないんですよ。そりゃ初回版買うでしょ普通。で、観た際にはソニンの右手首に注目。結構目立つ傷があるんですよ。これが噂のリストカット‥‥ではなく、恐らく今回のパフォーマンスの中に含まれる「西城秀樹や大友康平(ハウンドドッグ)やダイヤモンド☆ユカイばりのマイクスタンド振り回しアクション」の練習中に作った傷なんでしょうね(多分)。何か、あの傷見たら泣けてきた‥‥いや、マジで応援してあげたくなったよ。

('03.4.15.)



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