PENPALS「AMERICAMAN」

●VIVA!脱力

  最高にカッコ良かった時代。いや、勿論今がカッコ悪いとか言いたいわけじゃないんだけど、どうしてもPENPALSというと、この頃‥‥デビュー当時からサードアルバム「RIGHT NOW」の頃までが一番ツボだったんですよ、個人的に。なんつーか、段々スマートになってっちゃって‥‥それが決して悪いわけじゃないけど、俺としてはこの「AMERICAMAN」に代表されるような、良い意味でも悪い意味でも「脱力しまくり」なスタイルが好きだったもんだからさ。

  というわけで今回紹介するのは、先頃4人編成として再スタートを切ったPENPALSの、まだ3人時代にリリースしたセカンドアルバム、「AMERICAMAN」。俺が知ったのが正にこのアルバムからで、最初はこのアルバムにも入ってる曲で、シングルとしてもリリースされていた"Tell me why"が、'98年当時深夜に放送されていた某アニメの主題歌に起用されていたことからだったんだよね。歌詞が英語で、非常にアメリカのガレージ/オルタナっぽいスカスカな音で、微妙に脱力してて、それでいて芯がしっかりしてるみたいな。たった1曲聴いただけでそういう風に感じてたんだけど、その後このサイトを立ち上げる前にネットで知り合った人に再度勧められて、重い腰を上げて買いに出かけたわけ。

  ここ最近‥‥日本語詞で歌うようになってからの彼等しか知らない人にとっては、このアルバムやファーストアルバム「PENPALS」のサウンドっていうのは、意外とショックを受けるんじゃないかな? というのも、ポップであることには違いないんだけど、最近の彼等程「甘く」なくて、もっとカラッとしてて、しかも全部英語詞。脱力って意味では今に共通する要素もあるんだけど、こっちの方が重度というか。

  そもそも、アルバムタイトルからしてふざけてる。「AMERICAN MAN」じゃなくて、「AMERICAMAN」。どこかのヒーローの名前かよ!って突っ込み入れたくなるようなタイトル。で、そのタイトル曲"Americaman"からアルバムはスタートするんだけど‥‥何とも言いようがない怠さを感じつつ、それでいて気持ちいいサウンドとでもいいましょうか、とにかく飽きることなく最後まで一気に聴けちゃうんだわ。怠いようでそうでもなく、かといってタイトかというとそこまでタイトというわけでもなく、この微妙な感じが初期の彼等の魅力とでも申しましょうか。しかもふたりのシンガーもそれとなくそれぞれの個性を感じさせつつ、それでいて強烈な「必要性」が感じられるわけでもなく‥‥ってあんまいい事言ってないよな、これじゃ。でもね、そういった「一見マイナスと取られそうな面」もこのバンドの場合、良い意味での個性として受け取れたりするんだから、あら不思議。

  1分にも満たないような疾走バカパンクあり、スローで埃っぽいナンバーあり、ポップで勢いあるロックンロールあり。1曲1曲が非常にコンパクトで、演奏のアレンジもかなり考えられてるような。そういう意味では非常に「理想的なトリオバンド」だったんだよな、当時のPENPALSって。

  「PENPALSで一番好きなアルバムは?」って尋ねられたら、やっぱり俺、この「AMERICAMAN」を挙げるわ。洋楽インディーロック好きにも絶対に引っかかりを持つ、非常に優れ物の1枚。

('03.8.28.)



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