モーニング娘。CONCERT TOUR 2004 春
〜The BEST of Japan〜

●ありがとう。

  安倍なつみが抜けたモーニング娘。がどうなってしまうのか、という危惧はこの数ヶ月ずっと拭い切れなかったし、実際テレビで目の当たりにする「14人の」モーニングに以前程の魅力を感じなくなっていたのも事実。そんなだからか、今回のツアーも最初は全然行くつもりがなくて、チケットも発売日がいつなのか全然知らないまま、気づいたら一般発売日過ぎていたといった感じ。ていうかさ‥‥観るのか怖かったのかな、自分が大好きだったものがどんどんダメになっていく様を直視するのがさ。

  4月に入り、今回のチケットをヤフオクで3,000円で入手。落札と同時にミカココナッツ娘。、及びミニモニ。)のハロー!プロジェクト卒業が発表。5月のさいたまスーパーアリーナ公演がラストになるそう。勿論、そんなの知らなかったし、それが目的でチケットを入手したわけでもないし。たまたまタイミングが合ってしまっただけ。

  今回のライヴに挑む前に、自分の中で決めていたことがふたつあったのね。まず、絶対にネガな気持ちでライヴに臨まないこと。そういう気持ちで挑めば、全部穿った解釈ができちゃうしね。それともうひとつ‥‥それは、このライヴを最後に暫くモーニング娘。のライヴから退くこと。そう、自分の中で「これが自分にとってのラストライヴだろうな‥‥」というのは行くと決めた時点で何となく考えてたこと。夏の加護卒業ライヴには、間違いなく行けないし(フジロックと日程被ってるしな)、となると今後、自分自身が満足できるモーニングのライヴを観ることが出来る可能性がますます低くなる‥‥安倍が抜けた時点で、自分の中でかなり大きな溝が出来てしまったのに、更にこれ以上‥‥言わなくても判ってもらえるかな? とにかく、どんなにダメダメなステージだろうと、気持ちよく前向きに捉えよう‥‥そういう心構えでライヴに臨んだのね。

  で、実際。最初から最後まで、本当に楽しいライヴだった。大絶賛してもいいと思うよ。さいたまSAでの大規模アリーナ・ライヴはこれで3回目。過去2回は素晴らしいと思ったものの、今回のステージ構成はそれまでとは全く異なる、センターステージ形式。アリーナ中央に円形ステージがあり、そこを中心に交差するX型花道が設置され、スタンド席でもよく見えるような作りになってるのね。アリーナ席の数は極端に減ったけど(実際、キャパ的には1万人近く少なくなったようですし)、その分これまでみたいに「アリーナ後方だとステージが全く見えない」といった不満は解消され、むしろスタンド席の方が全体を見渡せてアリーナ席より観やすいんじゃないか、とさえ思えた程。自分の席種は400レベルのかなり後方だったので、それこそ米粒レベルだったけど、それでも全体が見渡せて個人的には大満足。

  今回の内容はステージ/選曲含め、これまで実践してきたアリーナツアーの集大成といえるものだったと思います。手法的には過去2回のツアーを元にしながらも、グダグダなMCを極力減らしたり(メンバーひとりひとりが順番に自己紹介するのをアンコール時の1回のみにしたり等)、あからさまに「やらされてる」感の強かった「台本のある」コントがもっと柔軟性を感じさせるものになってたり(ゲーム性を強めることで、アドリブが多かったように感じた)、またセリフ的なMCパートが増えたことで演劇的要素が強まっていたり(これは人によって評価が分かれるんじゃないかなと思う)等、作り手側の「良くしよう」という努力が感じられて好印象。これまでコントのコーナーになるとダレることが多かったのですが、今回は新鮮な気持ちで終始楽しむことが出来たと思うし。

  また、セットリスト面でもいろんなチャレンジが見受けられました。右のセットリストに「※」印をつけた楽曲に関してはフルコーラスで歌われていました。昨今、殆どの曲をショートサイズ(2コーラス目をカットした、TV用サイズ)で歌うことで、曲数的には20曲前後歌っていてもライヴの長さは90〜100分程度、というのがここ数年のモーニングのライヴ傾向でした。が、今回はフルコーラスが多かったり、久し振りにメドレー形式が復活したり(しかもこのメンツで歌われる "愛車ローンで" ってのはある意味凄いな)、更にはさくら組おとめ組の曲まで取り入れて、全23曲(メドレー分もカウントすれば、全26曲計算か)約140分に及ぶ、近年稀にみる長丁場のライヴとなりました。純粋にいつもよりも1時間近く長いライヴというのは、実際に観てる途中で「今日長くない!?」と気づく程で、まぁミカの卒業式もあったから余計でしょうけど、とにかく本編が終わった時点で2時間回ってましたからねぇ‥‥ここまでやられたら誰でも満足するんじゃないの?

  選曲的にはツアータイトル通り、「今の」モーニングが出来うる限りのベストを尽くした、正しくモーニングらしい内容。先日でたベスト盤第2弾に合わせ、基本的には "ザ☆ピ〜ス!" 以降の楽曲がメインだったわけで、そういう意味では "LOVEマシーン" や "恋愛レボリューション21" といったライヴでお約束の人気曲がカットされていたのが興味深いです(というか、意外とこの2曲って安倍色が強いと個人的に感じてるので、やらなかったのは正解かもしれないな)。頭2曲に「今のモーニング」を強く感じさせる曲(ニューシングル "浪漫 〜MY DEAR BOY〜""Go Girl 〜恋のヴィクトリー〜")を持ってきたのも凄く頷けたし(個人的好き/嫌いはまた別だけどね)、"Do it! Now" から "AS FOR ONE DAY" という流れも綺麗な流れで、個人的には評価したいですね。

  各ユニットに関しては割愛。過去に観たものが殆どなのでね。あ、W(ダブルユー)について触れておきますか。辻加護がちゃんとハモッてたことにひと安心。ま、あの曲をユニゾンで歌われたらそれこそ殺意を抱きますけどね。これ、意外とヒットするんじゃ‥‥とヲタ心丸出しな考えが脳裏を過るわけですが‥‥世間的にはどうなんでしょうね。いや判んねーや。

  今回のライヴのハイライトとなったのは、まぁミカの卒業と、それに伴うミニモニ。の無期限活動休止、それぞれにとってのラストステージということになるんでしょうね。ミカとアヤカのコメントにもらい泣きしそうになったり、最後の最後までパロディの連発だったミニモニ。って、やっぱり特異な存在だったなぁ、とか(好き嫌いは別としてね)、矢口のミニモニ。姿はたった1年でここまで「キツく」感じるようになるもんかなぁ、とか、まぁいろいろ思うことはありましたが、総じてよい曲、よいパフォーマンス、よいステージだったと思います。特に今回はボーカルのボリュームが過去最高に大きく、これまでのミニモニ。にありがちだった「口パク」色を一掃する、素晴らしいものだったと個人的には思います。特にラストソングとなったバラード "笑顔のデート 最後のデート" では個々の歌唱力の力量がこれまで以上に伝わってきて(やっぱり高橋はこの中で別格だと思うし、それに次いで辻が頑張ってるな、という印象)、あー最後の最後でいいもの観れたな、という感じかな。

  その後、さくら&おとめ組が交互に2曲ずつ歌って、ニューバージョンの "Say Yeah! -もっとミラクルナイト-" を全員で歌い、VTRが流れてる間にメンバーはひと休みして(このVTRもそこそこ面白かったと思うし)、怒濤のメドレー("Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜" の復活が嬉しかったな。特に今回、安倍&後藤に替わって藤本&高橋を導入したのは正解だったと思うし。ま、もっと言えばフルで聴きたかったけどさ)から "そうだ!We're ALIVE""シャボン玉" というロックチューン攻め。さすがにこの辺はショートサイズだったけどさ(メドレーの後にこの2曲をフルコーラスで歌い踊ったら、確実に死ぬだろうな)。本編最後は、やはりというか "愛あらばIT'S ALL RIGHT" をフルコーラスで。安倍のパートを辻が歌ったりとかいろいろ工夫はされてて、特に大きな違和感は感じなかったかな。そう、この日歌われた安倍在籍時の楽曲、藤本や田中、高橋といった次世代のエースとなり得るであろうメンバーに振り分けられていて、特に大きな違和感は感じなかったかな。俺がちゃんと聴いてなかっただけかもしれないけど、ライヴを楽しむ分には変な違和感はなかったと思います。他の人は知らないけどさ。

  あ、いや‥‥あった、大きな違和感。これだけは言っておくよ。歌唱力の低下、これだけは拭い切れないよな。本当に「歌」が聴けたのは高橋と、数歩譲って藤本くらいか。飯田とか矢口とか初期メンバーも頑張ってはいるものの、突出したものは感じられないしな。送り手としては石川をメインに置きたいのは判るんだけど、正直「石川のパートいらないよな」と感じる楽曲もあるし(特に新曲な。完全に足引っ張ってると思うし)。なんつーか、まぁ‥‥今後の最大の課題だろうね。初期のコーラス要因がどんどん抜けていく中で新たな活路を見出した中期、あの時とはまたケースが違うけど、それに匹敵するような新機軸を打ち出してもらいたいものです。

  アンコールは "ザ☆ピ〜ス!"ここにいるぜぇ!" という納得のいく選曲。あ、唯一 "ここにいるぜぇ!" の時には安倍の不在を強く感じましたね。後藤亡き後のモーニングが一丸となって作り上げた名曲だけど、これを牽引したのは間違いなく安倍だったしな(今思えば、だけど)。藤本辺りが必至に安倍を真似てオーディエンスを煽ったりしてるんだけど、この辺は場数次第かな、と。今回のツアーは3ヵ所で6日間、計12公演というモーニングにしてはかなり少ない本数だっただけに、エンジンがかかり出した辺りで終了という感じだったんじゃないかな? ま、このボリューム/内容でこれまでみたいに3〜40本ものツアーをこなすのは酷ですけど‥‥

  というわけで、本当にいいライヴだったと思います。最後にいいライヴが観れて良かった。というかさ‥‥むしろ問題はこの後だよね‥‥辻加護が抜け、12人になった後のモーニング‥‥彼女達に何が出来るのかな、と。既に夏ツアーも決定したようだけど、8/1(辻加護卒業)を経て、一体どういう形でライヴツアーを進めていくのか。モーニングのライヴにおけるもうひとつの「旨味」であったミニモニ。も既にない状態‥‥本当に厳しいのは今ではなくて、むしろ夏以降。そういう意味では今回のツアーは「最後の」ピークになるのかも‥‥

▲▲▲

Update : 2004.5.6.

【DATA】

[公演日] 2004.5.4.(夜の部)
[会場] さいたまスーパーアリーナ

[SETLIST]
01. 浪漫 〜MY DEAR BOY〜
---MC---
02. Go Girl 〜恋のヴィクトリー〜
03. モーニング娘。のひょっこりひょうたん島
---MC---
04. Do it! Now
05. AS FOR ONE DAY
---MC [ゴロッキーズクイズ対決]---
06. 恋のバカンス ※ [W]
07. エーゲ海に抱かれて [飯田圭織]
08. 浮気なハニーパイ
 [カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)]
--MC [ココナッツ娘。]---
09. BE ALL RIGHT! [ココナッツ娘。]
10. ラッキーチャチャチャ! [ミニモニ。]
--MC [ミニモニ。+矢口真里]---
11. ミニモニ。ジャンケンぴょん!
  [ミニモニ。+矢口真里]
12. 笑顔のデート 最後のデート [ミニモニ。]
--MC [チャーミーズエンジェル]---
13. さくら満開 [さくら組]
14. 友情 〜心のブスにはならねぇ!〜 [おとめ組]
15. 晴れ 雨 のち スキ♡ [さくら組]
16. 愛の園 〜Touch My Heart!〜 [おとめ組]
17. Say Yeah! -もっとミラクルナイト-
---VTR [クレヨンで書いてくれよん]---
18. メドレー:Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜    〜 恋のダンスサイト
   〜 いきまっしょい!
   〜 愛車ローンで
   〜 Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜
19. そうだ!We're ALIVE
20. シャボン玉
---MC---
21. 愛あらばIT'S ALL RIGHT
---ENCORE---
---MC [14人挨拶]---
22. ザ☆ピース!
23. ここにいるぜぇ!

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