LiveMetallica.comを利用してみたよ。


  METALLICAの全米ツアーが2004年3月2日に、アリゾナ州フェニックスからスタートしました。最新作「St.Anger」を引っ提げたツアーは昨年夏に「Summer Sanitrium Tour」というパッケージツアーをLINKIN PARKlimpbizkitと共に行いましたが、単独のフルステージとなると今回のツアーが初めて、ということになります。現在予定されているのが34公演。これを4月まで行い、その後ヨーロッパに飛び幾つかのフェスティバルに出演、夏には全米ツアーのセカンドレッグを行う予定となっています。

  さて、METALLICAのライヴというと‥‥古いファンは記憶にあるかと思いますが、'91年の「METALLICA」アルバムリリース時のツアーで「テーパー・セクション(Taper Section)」なる場所を用意していました。最近で耳にする機会が多いこの「テーパー・セクション」、ジャムバンド等に多く見られる特徴ですが、要するにライヴを録音する為のブロック、という感じでしょうか。通常、ライヴを私的録音することは禁じられています。ブートレグ(海賊盤)流出を防ぐため、またアーティストの権利を守るためには必要な措置といえるでしょう。が、METALLICAはファンのために敢えてテーパー・セクションを用意し、ファン同士の音源交換を促進しました。つまり「ライヴに来るような客は既にアルバムを持っているわけだし、ここで録音されたからといってアルバムのセールスダウンには結びつかないだろう」という判断のもと、これが実現したのです。

  その後‥‥「LOAD」「RELOAD」のツアーではこれが再び行われていたのか判りませんが、今回のツアーで再び、それに近いものが実現しました。それが今回紹介するLiveMetallica.comなるサイトです。

  このサイトではライヴが行われてから4日程度で1公演のフル音源がアップされ、それを購入しダウンロードすることが可能となっています。つまり今回の34公演全ての音源がこのサイトにアップされ、欲しい公演があったら購入し、ダウンロードすればいいのです。

  音源形式は2種類。MP3形式とFLAC形式。MP3音源が9.95ドル(約1,100円)、FLAC形式が12.95ドル(1,400円)。購入したら48時間以内に選んだ1公演の全曲をダウンロードすることが可能。他にも各公演毎にCDトレイのラベルやブックレット、CDラベルが無料でダウンロードできます。例えばMP3音源で購入したなら、音源代金が1,100円として、それを焼くためのCD-R代(2枚。100円ショップ等で手軽に済ませば100円)と2枚組CD用プラケース代とで、合計1,500円程度でMETALLICAのブートCD(しかもサウンドボード音源)が手に入るわけです。

  購入した音源の使用方法は特に制限されず、何度CD-Rに焼こうがiPodに入れて聴こうが全て自由。「たかがライヴ音源。そこまでして欲しがる奴らは既にアルバムを持ってるような濃い奴ら」という認識がMETALLICAにあるようです。実際それは間違っていないと思うし、そういうコアなファンからすれば今回の件は非常に喜ばしい限りじゃないでしょうか。

  当サイトでも3/3のニュースでこの件を取り上げましたが、どうせなら実際に利用して、その感想を書いてみようと思い‥‥いや、というよりも、どうしても聴きたい曲が2曲程ありましてね。3/5〜6のLAフォーラム公演にて、今回のツアーで初めて演奏されたであろう "Dyers Eve"「...AND JUSTICE FOR ALL」収録)と "Dirty Window"「St.Anger」収録)がそれぞれ5日と6日に演奏されたものでね‥‥特に "Dyers Eve" に関しては'88〜9年のツアーでも演奏されていない、正に「本邦初披露」となった貴重な1曲なわけ。こりゃ聴くしかないでしょう!ってことで早速申し込みました。

  LiveMetallica.comを利用するには、事前に登録(無料)が必要となります。登録に必要なのはメールアドレスとパスワードのみ。それぞれ入力したら無事ログインとなります。

  現在購入できる公演を調べるには「show catalog」をいうページへ飛び、「AVAILABLE(購入可能)」か「PRE-ORDER(発売前)」かどうかを調べます。これを書いている3/10深夜の時点では3/6のLAフォーラムまでの4公演が購入可能となっています。今回このレポートを書くにあたって購入したのは(1)3/6公演、(2)3/5公演の2公演(この順番で購入/ダウンロード)。希望する公演名をクリックし、詳細画面に飛びます。ここで希望する公演のセットリストを確認することができます。また、この画面から先のジャケットやブックレットをダウンロードすることも可能です。

  必要な音源形式を選択し(今回はMP3形式を購入)クリック。カート(買い物カゴ)画面に移るので、他の公演も同時購入する時は「continue shopping」を、会計を済ます時は「proceed to checkout」をクリックします。

  「proceed to checkout」をクリックすると、個人情報入力画面に移ります。ここで名前、郵便番号、住所を「英語(ローマ字)」で入力します。購入の際にクレジットカードが必要となりますので、手元にカード番号や有効期限も用意しておくといいでしょう。残念ながらここではクレジットカードでしか購入することができないので、カードを持ってない人、未成年の人等は購入できないことになります。その点はご了承ください。

  さて、清算が済むといよいよダウンロードが可能になります。ダウンロードは「my downloads」画面から行います。この画面では、自分がどの公演を購入したか、そしてそのダウンロード期限は何日の何時までか(購入から48時間以内)の表示が出ます。表示されている公演の、赤字で書かれた期限をクリックすると、「Download Manager」画面が別窓で現れます。ここに購入した公演のファイルが表示されますので、後は対象リンクをハードディスクにダウンロードすればいいだけ。ADSL回線なら、余程のことがない限り、ものの10数分で全曲落とすことが可能でしょう。

  実際にダウンロードした音源を今聴いているのですが‥‥思った程悪くないですね。ま、そこまでクリアなわけでもなく、ちょっと音量が気持ち小さめかな?と感じることがあるものの、まぁ一般的なブート音源と比べれば全然しっかりしているし、むしろこれで1,000円程度ですから、非常に「お得感」を強く味わえるでしょう。

  多分、今後も続々と各公演がアップされていくと思います。現在は2公演しか購入してませんが、同じようなセットリストでも日によって出来不出来が大きな差となって表れるバンドなので、多分‥‥気づいたら全34公演分(約37,500円)購入してそうな気が‥‥いや、してるな絶対に。

  こういう「公式ブートレグ」的なものは、ジャムバンド系に多いし、ロック系でもPEARL JAMが随分前からUS/EU公演の全日程をCDとしてオフィシャルサイトで安価にて(後にCDショップでも購入可能に)販売していましたが、こういう形(ネット上で1公演まるごとダウンロード購入)での販売は確かに新しいですし、値段も手頃、公演数が増えれば選択肢がドンドン増えるわけですからファンにとっては嬉しい悲鳴。しかもUSツアーのみならずEU公演や、更には日本や他の土地での公演もアップされれば、これまた面白いことになると思うんですけどね。

  購入方法が限られているし、ネット環境によっては非常に厳しいとは思いますが、未だ「ちゃんとしたライヴアルバム」をリリースしていないMETALLICAだもん、否応無しに聴きたくなりますよね‥‥ましてやこの値段なら。というわけで、話のネタとしても面白いと思うし、試しに1回購入してみるのもいいかも。自分が好きな曲が多い日を選ぶもよし、ファンサイトから日によっての出来不出来を調べてからダウンロードするもよし。選択肢はいくらでもあるんですから、とにかく楽しんでみてはいかがでしょうか?

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Update : 2004.3.10.

【参考】

LiveMetallica.com
Metallica.com(official site)

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