HEATWAVE : TOUR 2004 "LONG WAY FOR NOTHING"

●日本最強の「ロックンロール」バンド

   知り合って約2年ちょっと。出会った時には既に活動休止中だったHEATWAVEに、やっと会う事ができたよ‥‥しかも、史上最強のメンバーを引き連れて。今更メンツについて書くまでもないでしょう。以前書いたアルバムレビューとか読んでくださいよ。

  東京公演はSHIBUYA-AX。正直埋まるのか不安だったけど、いざ蓋を開けてみれば‥‥2階席は殆ど入ってなかったものの(あれは関係者だけか? 前売りでは2階席売り出してなかったしな)、1階フロアは7〜8割は入ってた?? いや、よく判らない‥‥だってライヴ始まってからは、殆どそっちに意識が向かなかったから。もうね、ステージから目を離せないし、奏でられる音のひとつひとつ、山口洋から発せられる言葉のひとつひとつを聴き漏らしたくなかったのよ。そのくらい意識が集中しまくった2時間。

  アルバムとはアレンジが若干異なる "STILL BURNING" からライヴはスタート。山口はアコギを弾くのね‥‥けど、これが全然音圧薄くなってなくて。むしろ「歌」と「バンド」が完璧な分、そんなもん全然気にならない。本当に凄いバンド。音のひとつひとつに説得力があるし、ひとつひとつが俺に届く度に胸が熱くなる。こんなライヴ、随分久し振りな気がするよ。

  とにかく山口の歌が圧倒的。と同時に鳴らされるギターも、SOUL FLOWER UNIONの時に聴いたものよりも遥かに凄いことになってるし。上手い。弾きまくってるんだけど、全然無駄なプレイがない。ギターが身体の一部になってるかのようなプレイ。こういう人に弾かれたら、さぞギターも幸せだろうなぁ‥‥そんなプレイ。

  圧巻だったのは、中盤‥‥ちょっとレゲエっぽいアレンジに様変わりしていた "誰も居ない庭" から "シベリアンハスキー" への流れ。この後 "FREE" もやったのかな?(ゴメン、セットリストは完璧なものじゃないです。やった曲目はこれで間違いないけど、中盤の曲純が若干不安です) この辺のミディアム/スロウの流れがゾクゾクするくらいに響いた。演奏もそうなんだけど‥‥やっぱり「歌」と「言葉」だね。この日のライヴ、終始「言葉」がハッキリと聞き取れた、珍しいライヴだったように思うよ。それは俺自身が歌詞をある程度暗記してしまっているってのもあるんだろうけど、でも広がりのあるサウンドによってふと意識が飛んでしまう瞬間も、山口の「言葉」によって現実に引き戻されることが何度かあったしね、この日は。それだけビンビンと伝わって来たってことですよ。

  "INTERNATIONAL HOLIDAY" では後半部でROOSTERS"DO THE BOOGIE" をメドレーっぽく挿入したり、更にはエンディングで池畑潤二のドラムソロ(題して「池畑劇場」!)があったりで、ひたすら「ロール」しまくり。こういう演奏ができるのも、このバンドの強み。これはなかなか真似出来るもんじゃないよ? その後、ベースの渡辺によるボーカルナンバー "夢の庭" で心和ませたり、大好きな "歌を紡ぐとき" の歌詞にジーンとしたりして、本編ラストは力強い "BORN TO DIE"。山口のシャウトは本当に凄いよ。終盤でのリフレインは特に圧巻。あれは絶対に生で体験すべし。

  こうやってセットリストを見ると、たった10曲しかやってないのな、本編って。けどそんなことみじんも感じさせない濃度/密度のライヴだったわけよ。既にこの時点でグッタリしてたもん、俺。すごい満たされちゃってたのね、念願のライヴを体験出来たっていう事実に‥‥けどさ、この後もまたまた凄いものをお見舞いされてね。

  だってさ、アンコール1発目は "それでも世界は美しい" だよ!? そりゃ誰でもグッとくるでしょう! 本当に圧倒的な「歌」だよ、これは‥‥普段の俺だったら、絶対に泣いてたんだろうけど、この日は感動することはあっても、決して泣くことはなかったのね。そう‥‥終始笑顔。切ない歌ではさすがにしんみりしたけど、やっぱりこの日は「笑顔」だったな、と。それがこの日の内容の全てを物語ってるんじゃないの?

  この後、懐かしいファーストアルバムから "らっぱ" なんていう曲を披露したかと思うと、先日再発されたばかりの「幻のインディーズ盤」から "EVERYTHING" をやってしまったり。本当はもっと聴きたい『昔の曲」は沢山あるんだけど‥‥新作からの曲を全部やってた時点で、この日の勝敗は決まったようなもんだからね。これ以上は望みませんよ、ええ。

  ここでこの日のライヴは終了したようです。客電も点き、フロアを後にする客も少なくなかったんだけど‥‥あきらめないファンの多いこと多いこと。勿論俺もそうなんだけど。みんなアンコールを求める拍手を延々続けるわけ。そして‥‥それが実現するのよ!

  最後の最後に演奏されたのは、嬉しいことに "BRAND NEW DAY/WAY"。今のHEATWAVEに通ずる、基盤となった1曲。やっぱり彼らは最後まで圧倒的でした‥‥終始笑顔で震えっぱなし。俺は「歌」を聴きに来たんであって、そして「ロック」しに来たんだよな‥‥ちゃんとそれらを十分に我々に提供し、満足させてくれた。しかもおまけまで付けて‥‥ここまで出来るバンド、本当に少ないと思うよ。つうかさ、今日この日、この会場で同じ空気を、同じ音を味わった千数百人程度の人達‥‥そしてHEATWAVEの4人‥‥みんなみんな、愛してる! そう言いたくてたまらない、そんな素敵で最高なライヴ。もうね、これ以上どう形容していいのか判らないよ‥‥

  多分、今のHEATWAVEはバンドの実力とは裏腹に、セールスも微々たるものだし、メディア上での評価もそこまで高いものではないでしょう。過小評価されているといってもいいでしょう。あのね、もし未だに俺の言ってることが信じられないって人がいたら‥‥本当にさ、悪い事言わないからさ、アルバム買って聴いてみてよ。いや、それ以上にライヴに足を運んで欲しいよ。こんなにも素晴らしいロックンロールを提供してくれるバンド、この日本には数える程しかいないんだからさ‥‥

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Update : 2004.4.6.

【DATA】

[公演日] 2004.4.2.
[会場] SHIBUYA-AX

[SETLIST]
01. STILL BURNING
02. I HAVE NO TIME
03. SWEET HEART / SHE'S HURT
04. 誰も居ない庭
05. シベリアンハスキー
06. FREE
07. INTERNATIONAL HOLIDAY
  〜 DO THE BOOGIE [ROOSTERS]
08. 夢の庭
09. 歌を紡ぐとき
10. BORN TO DIE
---encore---
11. それでも世界は美しい
12. らっぱ
13. EVERYTHING
---encore---
14. BRAND NEW DAY/WAY


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