検査項目 |
参考基準値 |
異常値から疑われる主な疾患(黒は一般的にみられる異常、緑は比較的発生が少ない異常) |
犬 |
猫 |
白血球数 WBC (百/μl) |
60〜170 |
50〜195 |
高値;炎症・細菌感染症・運動・ストレス・副腎皮質機能亢進症・甲状腺機能亢進症・悪性腫瘍・手術後 低値;敗血症(感染症末期)・骨髄障害・ウイルス感染症 |
好中球数 Seg (千/μl) |
30〜118 |
25〜128 |
高値;炎症・急性細菌感染症・運動・ストレス・骨髄増殖性疾患・副腎皮質機能亢進症・手術後 低値;敗血症(細菌感染症末期)・骨髄障害・ウイルス感染症 |
好酸球数 Eos (千/μl) |
1〜7.5 |
0〜7.5 |
高値;アレルギー性疾患・寄生虫疾患・副腎皮質機能低下・悪性腫瘍(肥満細胞腫など) 低値;ストレス・副腎皮質機能亢進症・甲状腺機能亢進症 |
リンパ球数 Lym (千/μl) |
10〜48 |
15〜70 |
高値;慢性感染症・リンパ腫・副腎皮質機能低下・リンパ性白血病 低値;ストレス・副腎皮質機能亢進症・消耗性疾患・ウイルス感染症・リンパ管拡張症 |
単球数 Mono (千/μl) |
1.5〜13.5 |
0〜85 |
高値;慢性細菌感染症・ストレス・副腎皮質機能亢進症・溶血性疾患・血小板の破壊 低値;骨髄障害 |
赤血球数 RBC (万/μl) |
550〜850 |
750〜1050 |
高値;脱水症・心疾患・肺疾患・多血症・甲状腺機能亢進症・腎腫瘍 低値;出血・溶血性疾患・栄養不良・骨髄障害・腎疾患・慢性炎症・肝疾患・薬物障害 |
ヘモグロビン Hb (g/dl) |
12〜18 |
10〜15 |
低値;慢性出血・栄養不良・慢性腎不全
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赤血球容積比 PCV (%) |
35〜55 |
30〜45 |
高値;脱水症・心疾患・肺疾患・多血症・甲状腺機能亢進症・腎腫瘍 低値;出血性疾患・溶血性疾患・栄養不良・骨髄障害 |
平均赤血球容積MCV (fl) |
66〜77 |
39〜55 |
@MCV増加、MCHC減少 : 急性の出血、溶血の回復期 AMCV増加,MCHC正常 : 葉酸やビタミンB12欠乏・骨髄異形成症候群 BMCV、MCHC正常 : 再生不良性貧血・赤芽癆・骨髄癆・骨髄線維症・二次性貧血(感染症,腎疾患,肝疾患,腫瘍,中毒などが原因) CMCV、MCHC減少 : 鉄欠乏・二次性貧血(上記と同様の原因)がさらに進行した病態 *MCV,MCH,MCHCの判定は、赤血球数、赤血球容積比が減少している場合のみ有効です。 |
平均赤血球血色素量MCH (pg) |
19.5〜24.5 |
12.5〜17.5 |
平均赤血球血色素濃度MCHC (g/dl) |
32〜36 |
32〜36 |
血小板数 PLT (万/μl) |
17.5〜50.0 |
17.5〜50.0 |
高値;脱水症・慢性炎症・持続的出血 低値;急性出血・骨髄障害・重度感染症・肝疾患・脾臓疾患・門脈圧亢進・急性フィラリア症・自己免疫性血小板減少症AITP・DIC |
尿素窒素 BUN (mg/dl) |
9.1〜31.9 |
17.4〜40.0 |
高値;腎疾患・尿道閉塞・尿路破裂・脱水・胃腸内出血・心疾患・リンパ腫(高Ca血症と併発)
低値;栄養不良・門脈静脈シャント・重度肝障害・血液の希釈 (100以上で尿毒症の疑い) |
クレアチニン Cre (mg/dl) |
0.5〜1.4 |
0.6〜2.0 |
高値;腎疾患・尿道閉塞・尿路破裂・脱水・心疾患(ヒトでは10.0以上で透析開始の目安) 低値;尿朋症・筋ジストロフィー・血液の希釈・健常時 |
GOT (AST) (U/l) |
16〜49 |
18〜53 |
高値;肝障害・筋肉損傷・心血管疾患・甲状腺機能亢進症 |
GPT (ALT) (U/l) |
23〜89 |
29〜84 |
高値;肝障害・貧血・砒素中毒・甲状腺機能亢進症 |
アルカリホスホターゼ ALP (U/l) |
68〜318 |
62〜212 |
高値;肝胆道疾患・門脈静脈シャント・骨疾患・腎疾患・胃腸疾患・急性膵炎・糖尿病・フィラリア症・ 副腎皮質機能亢進症・甲状腺機能低下症または亢進症・インスリノーマ・重度脾臓腫大 |
総ビリルビン T-Bill (mg/dl) |
0.3〜0.9 |
0.1〜0.5 |
高値; 溶血性疾患・肝疾患・胆道疾患・糖尿病・急性膵炎・フィラリア症・レプトスピラ病・猫伝染性腹膜炎 |
LDH (U/l) |
6〜107 |
31〜215 |
高値; 溶血性疾患・筋肉疾患・関節疾患・心疾患・肝疾患・肺疾患・腎疾患・リンパ腫・ 肥満細胞腫・甲状腺機能亢進症・上皮小体機能低下症(発作時)・糖尿病 |
CPK (U/l) |
39〜159 |
73〜361 |
高値;心疾患・筋肉疾患・脳脊髄疾患・骨疾患・腸疾患・関節疾患・甲状腺機能低下症・上皮小体機能低下症・(発作時)・猫伝染性腹膜炎 |
総蛋白 TP (g/dl) |
5.0〜7.1 |
5.4〜7.8 |
高値;脱水・肝疾患・感染症・免疫介在性疾患・リンパ腫・多発性骨髄腫 低値;血液の希釈・栄養不良・火傷などの皮膚疾患・肺炎・ネフローゼ症候群・免疫不全 |
アルブミン蛋白 ALB (g/dl) |
2.6〜3.9 |
2.1〜3.3 |
高値;脱水 低値;栄養不良・慢性肺疾患・慢性肝疾患・寄生虫疾患・広範囲皮膚疾患 |
中性脂肪 TG (mg/dl) |
20〜155 |
18〜69 |
高値;糖尿病・肥満・高脂肪食・家族性高脂血症・ネフローゼ 低値;肝疾患・栄養不良 |
総コレステロール T-CHO(mg/dl) |
70〜303 |
53〜164 |
高値;糖尿病・肥満・甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症・膵炎・肝胆道疾患・家族性高脂血症・ネフローゼ 低値;肝疾患・副腎皮質機能低下症・甲状腺機能亢進症・栄養不良 |
血糖値 Glu (mg/dl) |
79〜131 |
69〜146 |
高値;糖尿病・膵炎・慢性肝疾患・甲状腺機能亢進・副腎皮質機能亢進・尿毒症・ストレス・脳障害 低値;膵臓癌・飢餓(栄養不良)・敗血症・甲状腺機能低下・副腎皮質機能低下・重度肝障害 |
アミラーゼ AMYL (U/l) |
500〜2185 |
500〜3140 |
高値;膵臓疾患・腎疾患・肝胆道疾患・胃腸疾患(腸閉塞など)・ストレス
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アンモニア NH3 (μg/dl) |
0〜151 |
0〜172 |
高値;門脈静脈シャント・重度肝障害・重度腎不全・・・・・・高値はケイレンの原因となる
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カルシウム Ca (mg/dl) |
7.9〜12.2 |
8.2〜11.9 |
高値;成長期・上皮小体機能亢進・副腎皮質機能低下・骨疾患(腫瘍以外)・VD過剰症・高蛋白血症・腫瘍・急性腎不全・真菌症・特発性(猫) 低値;栄養不良・急性膵炎・慢性腎不全・くる病・骨軟化症・上皮小体機能低下・低蛋白血症・妊娠中・産後 |
リン P (mg/dl) |
1.6〜6.3 |
1.7〜7.2 |
高値;成長期・重度腎不全・骨疾患・内分泌疾患・ビタミンD過剰症・アシドーシス 低値;くる病・骨軟化症・内分泌疾患・高インスリン血症・肝硬変・リンパ腫・吸収不良症候群 |
ナトリウム Na (mEq/l) |
137〜150 |
147〜156 |
高値;尿朋症・過呼吸・肺疾患・糖尿病・口内炎などの飲水障害・高体温・塩中毒・急性慢性腎不全・嘔吐下痢・火傷 低値;ネフローゼ・副腎皮質機能低下・嘔吐下痢・火傷などの皮膚疾患・心不全・肝硬変・低蛋白血症・飲水過剰 |
カリウム K (mEq/l) |
3.4〜5.2 |
3.5〜5.1 |
高値;腎疾患(無尿期)・尿道閉塞・尿路破裂・副腎皮質機能低下・糖尿病・ショック 低値;腎疾患(利尿期)・栄養不良・嘔吐・下痢 |
クロール Cl (mEq/l) |
102〜117 |
117〜123 |
高値;水分喪失(尿朋症・糖尿病・火傷)・消火器疾患 低値;慢性腎疾患・嘔吐・下痢・多量の飲水・利尿剤投与時 |