足寄町は北海道東部,道東と呼ばれる地域にあり東経143度12分から144度02分,北緯43度11分から43度33分に位置している.東西60Km,南北41Km,面積1400平方キロで全国3255市区町村のなかで最も広い町である(香川県に匹敵する面積を誇る).そのうち75%が山林を占め,面積の半分は標高500m以上の高地である.夏は暑く30度を越えることもしばしばあるが,冬は寒く零下20度を下回る.私が子供の頃はしばしば零下30度を記録したが,最近は暖冬になっている(1月の平均気温は零下8.6度で,昼間でもプラスの気温にはならないことが多い).一年を通じて晴天が多く,雪は少ない.人口は昭和30年代の2万人をピークに減少を続け,現在は9655人(1997年5月末日).

・足寄の町を行く−広い広い足寄の町の各地域を訪ねます.


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 ・釧路−池田−足寄

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  航空

 ・東京から帯広空港まで    1時間35分

 ・東京から千歳空港まで     1時間30分

 ・東京から釧路空港まで     1時間35分

 ・東京から女満別空港まで   1時間20分

 ・大阪から帯広空港まで     1時間50分

 ・名古屋から帯広空港まで   1時間45分

大規模草地育成牧場.町内には2万頭以上の牛が飼育されています.


  

 ・札幌−国道38号線−帯広−国道241号線−足寄

 ・釧路−国道240号線−阿寒−国道241号線−足寄

足寄町略年表

明治2年(1869年) 蝦夷を北海道と改め,11国86郡を創設.旧西足寄町は十勝国中川郡,旧足寄村は釧路国足寄郡に属する.
明治3年(1870年) 平山道次の用務記録にアイヌ家族15戸,87人と記録.
明治7年(1874年) 大森勇蔵,シカ皮仲買のため稲牛地区に入る.
明治12年(1879年) 細川繁太郎.エン夫妻,白糠から中足寄地区に移住.足寄に初の和人移住.
明治32年(1899年) 本別から足寄まで道路開削
明治33年(1900年) 伊東重記が喜登牛地区に入り,芽登温泉を発見.
明治35年(1902年) 足寄簡易教育所開設(東小学校の前身).足寄太駅逓開設.
明治36年(1903年) 安藤證道が寺子屋式教育を始める(西小学校の前身).
明治38年(1905年) 福島県団体6戸が螺湾地区に入植.
明治40年(1907年) 足寄郵便局開設.
明治43年(1910年) 池田−陸別間鉄道開通.足寄駅,上利別駅開業.
大正7年(1918年) 足寄太尋常小学校の校舎をを新築,高等科を併置
大正10年(1921年) 本別村から分村,西足寄村となる.
大正12年(1923年) 足寄市街に電話架設.
昭和2年(1927年) 足寄-上士幌間に定期乗合自動車営業開始.
昭和4年(1929年) 足寄-本別間に乗合自動車営業開始.
昭和6年(1931年) 冷害,凶作.
昭和10年(1935年) 冷害,霜害,大凶作.
昭和14年(1939年) 足寄村,西足寄村に警防団結成.
昭和17年(1942年) 足寄村,西足寄村に森林組合設立.
昭和20年(1945年) 東京緊急疎開者が上稲牛,平和地区に入植.
昭和21年(1946年) 日本医療団西足寄病院開設.
昭和22年(1947年) 初めて村長を公選,西足寄村,羽磨卯吉郎,足寄村,吉荒延次郎が当選.新制 中学校開設.足寄部落に電灯がつく.
昭和24年(1949年) 本別高等学校西足寄分校を西足寄中学校に設置.
昭和25年(1950年) 西足寄村が町制をを施行,西足寄町となる.
昭和27年(1952年) 第1回観光祭り,雌阿寒岳山開きを開催.阿寒硫黄鉱山操業開始.
昭和29年(1954年) 水道一部給水を開始.
昭和30年(1955年) 西足寄町と足寄村が合併,足寄町となる.町長選挙,川上貞道当選.
昭和33年(1958年) 町村合併並びに役場庁舎落成記念式典挙行
昭和34年(1959年) 町長選挙,高橋安蔵当選.
昭和37年(1962年) 仙美里ダム完成.
昭和40年(1965年) 国保病院 新築.
昭和42年(1967年) 町長選挙,小林弘道当選.
昭和46年(1971年) 過疎指定地域となる.
昭和47年(1972年) 雌阿寒岳頂上で落雷事故.
昭和48年(1973年) 乳幼児の医療費助成を北海道に先駆けて実施.国営足寄地区 大規模草地育成牧場 完成.
昭和50年(1975年) 足寄町特別養護老人ホーム開所.町民憲章制定.
昭和51年(1976年) デスモスチルスの化石発見.
昭和57年(1982年) 第1回足寄ふるさと花祭り.里見が丘球場完成.
昭和58年(1983年) 町長選挙,富田秋雄当選.町民センター完成.
昭和63年(1988年) 開基80年記念式典.第1回 オンネトー湖上コンサート 開催.第1回全国足並みサミット開催.
平成元年(1989年) ふるさと銀河線 開業.
平成2年(1990年) 足寄へリポート開港.カナダ,ウェタスキウィン市と姉妹提携調印.総合体育館オープン
平成3年(1991年) 足型80枚を観光通りに設置.
平成4年(1992年) 足寄から発掘された世界初のヒゲクジラ化石の名前がつけられる.
平成5年(1993年) チーズ工場,エーデルケーゼ館 オープン.道の駅,足寄湖指定.
平成6年(1994年) 足寄町温水プールオープン.足型採取1000人突破.
平成7年(1995年) 足寄銀河ホール21(足寄駅)落成.町長選挙,香川博彦当選.
平成8年(1996年) エゾシカ解体処理加工施設稼働.
平成9年(1997年) 北海道立足寄少年自然の家"ネイパル足寄"完成.
平成13年(2001年) 国保病院新築.

足寄町の生活 Q and A

1.冬がそんなに寒いところでどうやって生きていくのですか?
寒いと言っても一番寒い頃は1月の中旬から2月の上旬の1カ月で,この間に何度か零下20度を下回ることがありますが,それ以外は零下15度ほどです.さすがに20度を下回ると外出するのは厳しいですが,10度台だとそんなに辛くありません.車は寒冷地仕様と言って,バッテリーを強化したりしてありますので,寒くても最近の車なら一発で始動します.また家の中はどんな家でも25度前後に家全体が暖房されていますので,真夏と同じ服装で快適に過ごすことができます.本州の家の方が冬は寒く,よっぽど過ごしにくいです.北海道では冬もビールがよく売れるのは,家の中の暖房が行き届いていることにあります.道路は雪の少ない足寄町では,圧雪路よりもっと危険なアイスバーンになります.冬の運転はよっぽど気を付けないと,大変なことになります.北海道の人は,そんなに冬を苦にしていません.特に足寄町は雪が少ないため, 重労働の除雪をしなくても良いので快適です.私は足寄町の冬が好きです.厳しい冷え込みの夜に見る星空のすばらしさを体験したことがありますか?

2.アイスバーンの道を歩いて転んで怪我をする人はたくさんいるのではないですか?
それがあんまりいないのです.みんな凍結路を歩く,こつを知っているからです.東京では少し雪が降ると凍結もしていないのに転倒する人がたくさんいますね.こつは簡単です.急激な力が足底から発生しないように歩くことです.前後の方向には少々滑っても転倒はしませんが,特に横方向の力は極力かけないようにすることです.つまり方向を変えるときは特に注意することです.達人になるとアイスバーンでも走ることすらできます.しかも普通のジョギングシューズで.

3.水道は凍りますか?
凍ります.今は家の断熱が良くなりましたので,よっぽど寒い日ではない限り凍ることがなくなりました.昔は毎夜,水道管の水抜きをして元栓を閉めてから寝ました.ひどいときは日中でも凍ってしまうことがありましたので,冷え込みの厳しい期間は,水道管の中が凍らないように,蛇口を完全に閉めないで水を流しっぱなしにすることもありました.今でも一日家を空けるときは水道管(水洗トイレも)の水抜きは必須です.

4.子供の教育はどうしているのですか?
足寄にはいわゆる進学校ではないですが高校があります.小中学生を対象とした学習塾もあります.これは北海道全てに言えることですが,高校にしても本州で言う,いわゆる進学校は存在しません.私立高校よりも公立高校の方が進学率は高いことが多いですし,ましてや私立中学など聞いたことがありません.ですから本州の子供と比べて,遙かにのびのびと生活することができると思います.

5.そんな教育状況で,子供達の将来はどうなるのですか?
大丈夫です.きちんと生きていけます.現に私も医師,研究者として生計を立てています.すばらしい自然の中で子供の時期を過ごせたことに大変感謝をしています.

6.買い物は町でできるのですか?
大きなスーパーも2つほどあり,日用生活品や食料は全てここで買うことができます.コンビニもありますので,夜に必要なものを手に入れることもできます.買った量が多ければ,家まで無料で配達もしてくれるので,車を持っていない人でも買い物ができます.書店も3件ほどあり,一般的な雑誌類は手に入りますし,お店で本の定期購読をお願いすれば,雑誌の発売日に家まで配達もしてくれます.町でどうしても手に入らないものを買うには,60km程離れた十勝の中心都市,帯広に買い出しに行くことになります.

7.病院はあるのですか?
あります.町立病院には北海道大学,旭川医科大学,札幌医科大学から定期的に医師が派遣されています.固定医は外科2名,内科2名,歯科2名です.この他に消化器内科,循環器内科,産婦人科の専門外来が月に数度行われています.

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