旅の記憶 その19

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おとこだらけの伊豆旅行


0.出発前夜  


 まだ庄内勤務だった頃,職場の先輩であるWさんとの雑談がきっかけで,旅行に行くことに。時期は11月の末。「あたたかいところ」&おなじみの「土・日きっぷ」をキーワードに,房総と伊豆が候補に。色々考え,修善寺の紅葉と天城越えをメインとすることにした。同じ職場のKさん,Aさんにも声をかけ,4人でおとこだらけの伊豆旅行へ。

 日没の早いシーズン,少しでも時間を有効に使うため,当初は寝台特急「あけぼの」のゴロンとシートの利用を考えた(鶴岡→村上は追加料金)が,発売日(旅行1ヶ月前)の夕方にして既に満席。意気消沈。
 となると,当日の始発列車を利用するしかないが,その際には各人の居住地(出発地)の問題が出てくる。これまた色々考えた末,新庄に在住のKさんと実家のあるAさん(前日に新庄まで移動)は新庄から「つばさ」で東京へ,庄内在住のWさんと私は「いなほ〜とき」で東京へ向かい,待ち合わせをすることにした。
 加えて,東京〜三島を東海道新幹線で移動することに。本来「土・日きっぷ」では御法度(?)のルートであるが,これで1時間稼げるのだ。追加料金は3,890円ナリ。コストパフォーマンス的には・・・。

 ルートを変更し,翌日,再びみどりの窓口へ。始発の「つばさ」,「いなほ」ともに指定席は満席。オフシーズンと思いきや,意外と流動が多いのねえ・・・。


1.三島駅までの道のり 新庄班:新庄駅|5:42→(つばさ102)→9:24|東京駅
鶴岡班:鶴岡駅|6:03→(いなほ2)→7:50|新潟駅|8:01→(Maxとき306)→9:55|東京駅
合流後:東京駅|10:06→(ひかり407)→10:44|熱海駅|10:47→(こだま537)→10:54|三島駅


 ということで,鶴岡班の私は眠い目をこすりながら鶴岡駅へと向かう。12月も目前,まだ空は暗く,風も冷たい。程なくWさんと合流する。ホームで「いなほ」を待つ間,とにかく寒い。「いなほ」は485系3000番台のリニューアル編成だった。
 一方その頃,新庄班も無事「つばさ」で新庄を出発。指定席が満席だったものの,始発駅からの乗車のため,無事自由席をゲットできた模様。

 新潟駅で「Maxとき」に乗り換え。こちらはかろうじて指定席を確保できたものの,車両の最前列(すなわち壁とにらめっこ)で落ち着かない。新潟出発時には空席が目立ったが,越後湯沢で「はくたか」からの乗り継ぎ客が大量に乗り込み,めでたく満席となる。越後湯沢から先,東京まで「Maxとき306」はノンストップで走る。ダイヤ設定の目的がわかりやすい列車だ。(それはさておき,「とき」の停車パターンは複雑でよくわからないなあ・・・。)

 東京駅には新庄からの「つばさ」が30分ほど早く到着しており,「ひかり」の車内でKさん,Aさんと落ち合う。次の行き先は三島。しかし,この「ひかり407」は三島を通過するので,途中の熱海で「こだま」に乗り換えなければならない。
 4人向かい合わせでも足元に余裕のある東海道新幹線車両のシートピッチ。通過となる新横浜付近からぐんぐん加速し,一路西へ向かう。小田原では後ほどお世話になる「こだま537」を追い越す。東京からこの列車に乗れば面倒がなかったのだが,「Maxとき306」の東京到着の1分後に発車してしまうので,しかたなく混み合う「ひかり」で追いかけるしかなかったのだ。熱海で「こだま537」に乗り換え,無事三島に到着。
 しかし,ここで大きなミスを犯してしまった。三島駅からはレンタカーで移動するため,営業所のある南口に向かわなければならない。従って,在来線への乗換改札を通る必要があったのだが,間違えて北口(すなわち改札外)へ出てしまったのだ。この駅には南北をつなぐ自由通路はない。仕方なく,公道を経由して南口へ向かうことにしたのだが,その道の遠いこと・・・。かれこれ15分程度(1kmぐらいか?)を要してしまった。先を急ぐために新幹線に投資したことを考えれば,入場券(140円)の購入をためらうんじゃなかった・・・とガックリ。(それ以前に,出口を間違えなければ
良かったのだが。)皆さまも,どうぞお気をつけて。
 レンタカーは,SSクラス(フィットとか・・・)を予約していた。大のオトナ4人でスモールカーも絵になるんじゃないかと思っていたのだが,お店の方のご配慮(?)により,ファミリアセダンが用意されていた。特に問題はないので,遅れた時間を取り戻すべく迅速に出発。


2.修善寺と西伊豆 三島→(レンタカー)→修善寺→戸田港→土肥金山→恋人岬→休暇村南伊豆

 三島から伊豆自動車道,修善寺道路を経由して修善寺自然公園もみじ林に向かう。この時すでに12:30。園内は紅葉真っ盛りといったところか。写真映えする青空が見られず残念だったものの,大勢のヒトビトとともにのんびりぶらぶら歩く。曇りでもなんとなく暖かい,さすが伊豆。近隣の「虹の郷」にも足を伸ばすが,有料につき断念。ケチ。今にして思えば,温泉街も歩いてみるんだったかな?

 修善寺を後にし,西伊豆方面へ向かう。だるま山高原レストハウスで遅めの昼食休憩(14:00)。海の向こうの沼津方面を眺める。残念ながら視界はすっきりしないが,わずかに富士山頂も姿を見せた。
 一気に山を下り,戸田(へだ)港へ。 船の向こうにまたまたうっすらと富士山。さらに土肥へ向け南下する。風景はのどかでのんびり気分だが,道路は急カーブの連続,気が抜けない。
 続いては土肥金山。坑内を見学する。鍾乳洞もそうだが,洞穴はなぜか興奮するよなあ。などと思いながら,ずいずい先へ進む。その後,資料館を眺め,巨大な金塊にとりあえず触ってみる。傍らでは,インゴットの鋳造の様子がビデオで流れていた。仕事柄,こちらの方には興味津々。別料金で砂金すくいも体験できるそうだが,時間の関係もあり断念(このとき既に16:30)。

 あとは,宿泊先である「休暇村南伊豆」に向かうだけである。とはいえ,けっこう距離がある(60km)上に,すでに辺りは薄暗い。いくら伊豆が暖かいとはいえ,日の入りの時間は変わらないのだなあ(あたりまえだが)。そんなわけで,そそくさと西伊豆の海岸線(国道136号線)を走る。
 しばらくして,恋人岬でひと休憩。というか,興味本位で立ち寄ってみた。本格的に暗い時間(17:00頃)となり,「ほとんど」客は居ない。ものは試しと,岬の先端にある「鳴らすと幸せになるらしい鐘」まで行ってみる。傍目には,どうかしてる集団だ。本人達のプライドもあり,鐘は鳴らさないことにした。ちなみにこの鐘は,2009年8月の地震で,一部壊れたらしい。

 土肥から松崎町までの道はトンネルなどが整備されており,比較的走りやすかったが,ここから先の道の選択で迷う。予備知識の無かった我々は,そのまま国道136号線を走り続けることにした。が,なかなかのクネクネ道。昼間であれば眺めを楽しむ余裕もあるのだろうが,辺りはいよいよ真っ暗であり,スリリングなドライブが続く。今にして思えば,なんとなく遠回りのように思えた下田経由の方が良かったのではないだろうか(実際の距離はこちらの方短い・・・)。そんな感じで,19:00頃に,宿に着いたんじゃなかったかなあ・・・。19:30頃に夕食を食べている写真が残っているので。



修善寺自然公園にて

紅葉はこれからが本番?

青空でなかったのが残念!!

だるま山高原レストハウスより
うっすらと富士山頂が姿を見せる(左側)
戸田港より海を眺める
ここでもうっすらと富士山が顔を出す
土肥金山の坑内
さわるだけならタダ・・・
実際には入場料がかかるけど

恋人岬,駅名標にムカムカ
(長時間露出モードで撮影してます)

休暇村南伊豆の目の前にある海岸
今からでも泳げそうな雰囲気・・・  



3.天城越え 休暇村南伊豆→河津七滝→天城トンネル→城ヶ崎海岸

 旅2日目。昨日の反省もあり,日照時間を有効に生かすべく,迅速に宿を出発する。
 はずが, 8:00頃に朝食時の写真が,8:45頃に宿の前の海岸を散歩する写真が残っていたりする。どうやら,あまり反省していなかったようだ。

 休暇村を出て,下田から伊豆の東海岸を経由し,河津から天城峠方面に向かう。河津には,桜の季節に一度訪ねてみたいものだ。天城越えの前に,河津七滝(ななだる)のひとつ,大滝(おおだる)に立ち寄る。滝の目の前に露天風呂(河原の湯)があるが,ここは天城荘という旅館の敷地であり,我々「タダ見」の客は立ち入ることができない。それにしても,河原の湯は眺めは最高なのだろうが,衆人環視の中リラックスして入浴できるのだろうか・・・。他にも 色々なお風呂があるが,残念ながらまたの機会に。

 河津七滝を後にし,ぐるぐるループ橋をKさんのダイナミックな運転で一気に駆け上がりつつ,天城峠へ。新天城トンネルの修善寺側にある駐車場に車を停め,そこから旧道をとぼとぼと歩く。 この日は紅葉真っ盛りとお日柄も良かったせいか,人出が多く,駐車場も一杯だった。
 15分ほど歩いただろうか,旧天城隧道の修善寺側入り口に到着。ほど良い明るさ(暗さ)のトンネル内を進んでいく。旧道のトンネルというと,お役ご免で放棄され,崩落などを繰り返しているうちに心霊スポット化するのだろう(イメージ)が,観光地としてにぎわうあたりは小説のおかげなのだろうか,読んだことはないけど。下田側へトンネルを抜けると,山の南側だけあって明るく,修善寺側と雰囲気が違った。そこには踊り子さんもいて一緒に写真を撮ってくれるらしいのだが・・・遠巻きに眺めるのみ。日差しの中をしばらく歩く。
 再びトンネルをくぐり,修善寺側に。ここから駐車場(新トンネル入り口)に一気に下る近道があるそうで,ほいほい駆け下りるとあっという間に駐車場に着いた。かなりの高低差で,登るには大変そうだ。

 再び車を走らせ,北上。湯ヶ島から東進し,伊豆スカイライン経由で城ヶ崎海岸へ向かう。断崖絶壁の海岸線,吊り橋を渡ったり,岩場の先端へ攻め込んだりと,フラフラして過ごす。この日は空が本当に青かった。この空が昨日の修善寺でも見られたなら・・・でも,これも運だから仕方がない。そんなこんなで,今日も短い観光時間が終了。



旧天城隧道

外の光が差し込む
出口は間近だ

踊り子さんとの記念撮影サービス
気弱な私(達)は,後方より眺めるのみ

城ヶ崎海岸にかかる吊り橋

灯台より断崖絶壁を眺める

この青空が,昨日見られたなら・・・
(ベルビアで撮影し,スキャナで読み込み)



4.伊豆高原から帰路へ 伊豆高原駅|14:21→(踊り子108)→16:26|東京駅|16:36→(つばさ121)→20:06|新庄駅→鶴岡・三川


 レンタカーを,伊豆急行伊豆高原駅前にあるニッポンレンタカーの営業所に返却する。三島から伊豆高原まで,JR基準で考えれば別エリアだが,同じ静岡県なのでニッポンレンタカーでは乗り捨て料金がタダ。大変ありがたい。

 さて,まだ空は明るく帰るのがもったいないぐらいだが,翌日の仕事も考えて早めに切り上げる。帰りは4人全員で新庄まで向かい,Aさんの車で庄内へ戻るのだ。
 伊豆高原駅にやってきたのは,「普通の踊り子」。スーパービューに乗りたいところだが,ぐっと我慢だ。早速シートを4人向かい合わせにし,WさんとKさんはビールを開ける。その後,車内販売が通るたびにビールを追加していたような・・・。確か,乗り換えた「つばさ」の車内でもエンドレスだったような・・・。


傾向と対策

 晩秋の日照時間は短い。16:00頃には宿でのんびりできるぐらいがちょうど良いのだろう。そのためには,朝一に目的地に着くブルートレインが重要なのだっ!




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