旅の記憶 その18

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高い山・暑い城 〜 猛暑の長野旅


旅行中の写真の一部をこちらでも公開しています。
よろしければどうぞ。

0,出発前夜  

  「『戦国 男のロマン紀行…甲信越編』 次回はこれだな。」

 6/20の夜,おなじみのY氏からメールが届く。行かねばなるまい,男のロマン。
 当初案は「春日山〜善光寺〜川中島〜長野〜上田〜松代〜松本〜木曽〜高遠〜諏訪〜甲府」。「はくたか」「しなの」「スーパーあずさ」などと個人的趣味の列車が次々頭に浮かんでくるが,場所的にはクルマも選択肢に入れなければなるまい。

 7/17の夜,実家にてY氏と会合。Y氏の同僚の方からの,ぜひ「千畳敷」へとの勧めを採用し,長野中心に回るプランを検討。運転が面倒くさいということで,「土・日きっぷ」を用いた鉄道旅行に決定(一部,レンタカーも利用)。 結局,「善光寺〜松代〜川中島〜千畳敷〜高遠〜諏訪〜松本〜別所温泉」で手を打つことにした。

 なお,
「土・日きっぷ」は,JR東日本の概ね山形・宮城県以南エリアの乗り放題きっぷであり,価格は18,000円。山形からであれば,東京往復でも元が取れる計算。新幹線・特急を最大限活用して,効率の良い旅が期待できる。
 しかし,利用時期に若干の制限があり(4/27〜5/6,8/11〜20,12/28〜1/6にあたる土・日は利用不可),8/6〜7の2日間で決定。

※旅行の写真は,Y氏にも提供して頂きました。ありがとさんです。



1,灼熱の善光寺&松代 赤湯駅→(つばさ200)→大宮駅→(あさま503)→長野駅→(バス)→善光寺→(バス)→長野駅→(長野電鉄:長野線)→須坂駅→(長野電鉄:屋代線)→松代駅→(バス)→川中島古戦場跡→(バス)→長野駅→(しなの20)→松本駅→(レンタカー)→伊那市


 8/6の朝, 赤湯駅を臨時の山形新幹線「つばさ200」号で出発(6:26)。この列車は通常の始発電車である「つばさ102」号よりさらに早い列車である。願わくば,この列車を利用することでいつもより早く長野に着けると良かったのだが,大宮駅での乗り継ぎがうまくいかず,あまり効果がない。かといって,「つばさ102」号は座席の予約が取れず。そんな訳あっての選択であった。
 ちなみに,今回の「つばさ200」号は,「つばさ102」号より停車駅が1駅少ない(小山駅)にもかかわらず,郡山〜大宮で所要時間が約6分長い(郡山〜宇都宮で約5分,宇都宮〜大宮で約1分)。線路に余裕が無いためなのだろうが,いつもより加減速を繰り返す妙な走りっぷりだった。
 そんなこんなで,いまにも止まりそうに,ゆるゆると大宮駅に到着(8:38)。ここで長野新幹線「あさま503」号に乗り換え(9:06),今度は迅速に長野駅に到着した(10:20)。

 長野に到着後,まずは善光寺に行ってみようと,バス(100円)に乗る。善光寺では,三門が改装工事中であった。本堂などをさらりと眺めた後,近くのそば屋で早めの昼食を取り,再びバスで長野駅に戻ってきた。それにしても,暑かった。背中に汗がにじむ。

 今度は,松代に行ってみようということに。調べてみたところ,バスの利用が安価&短時間でることが分かったが,ここは趣味を優先して長野電鉄を利用することに。JR長野駅前の地下にある長野電鉄長野駅から長野線須坂行きの普通列車に乗り(12:05),終点須坂駅で屋代線に乗り換え(12:29/12:32),松代駅に到着(12:54)。ちなみに,屋代線の車両は硬派な非冷房車であり,換気扇が勢いよく回っていた。

 長野電鉄の駅舎は,昔ながらの風情ある駅舎が多く,駅員さんが居ることもあり雰囲気がよい。「生きている」という感じがするのだ。松代駅も同様に趣のある駅舎であった。松代では真田宝物館や海津城趾などを,歴史好きのY氏からいろいろと解説をもらいながら見て回った。

 今度は川中島へ向かう。松代駅前から川中島バスの長野駅・県庁前行きに乗り,川中島古戦場で下車。そこで我々を待っていたのは,とんでもないやっつけ仕事の「かがり火」であった。定番の謙信と信玄像を拝む。敷地内には博物館などがあるが,残念ながら時間がないので無視。

 バスで長野駅に到着。ここから松本まで特急「しなの20」号にて移動(長野駅発15:50,松本駅着16:41)。松本駅でレンタカーを借りる。今回のクルマはコルト1300CCの4WDだ。ここから,今日の宿泊地である伊那市へ向かう。面倒くさいので高速道路を使うが,最近のクルマらしく(?)きびきび走ってくれて頼もしい限り。夕食は伊那名物ローメンを食べようと思うが,ちょうど伊那のお祭りのため駐車場には入れず。ということで,郊外の焼き肉レストランでたらふく食べる。



善光寺三門を望むも,
改修工事中でこのような状態に・・・

気を取り直して,本堂

JR長野駅前にある長野電鉄長野駅

地下ホームから須坂行きに乗る

須坂から屋代線に乗り換え
冷房の無い硬派な仕様

松代駅に到着
昔ながらの,趣ある駅舎

海津城趾にて

川中島古戦場跡
謙信と信玄の銅像

ただならぬ「やっつけ仕事」のかがり火。



2,高い山 〜 千畳敷カール 伊那市→(レンタカー)→菅の台BC→(バス)→しらび平→(ロープウェイ)→千畳敷→(ロープウェイ)→しらび平→(バス)→菅の台BC

 2日目は早朝6:00にホテルを出て,千畳敷カールに登ることとする。コルトを走らせ,駒ヶ根市を経由して菅の台バスセンターへ。ここに車を停め(駐車料金:400円),ここからロープウェイ乗り場までバスに乗る。この先,一般車は通行禁止なのだ。 バスは駒ヶ根駅からの定期便の他,バスセンターからの臨時便も随時運行されていた。我々も臨時便に乗り込み,程なく発車(6:45)。
 しばらく進むと,一般車通行禁止の理由も納得,道幅が1〜1.5車線ほどしかない狭い道が続く。バスは無線で連絡を取り合い,すれ違い待ちをしながら進む。およそ35分でロープウェイの山麓駅,標高1,161.5mのしらび平へ到着(7:20)。ここからロープウェイで千畳敷(標高2,611.5m)へと向かう。ロープウェイもバスの到着に合わせて運転されており,ほとんど待ち時間無しで乗ることができた。

 山の上は別世界。タイミング良く雲が晴れており,空の近さを感じる。本当に天気がよいときは,雲海の富士山を見ることができるらしいが,またの機会に期待。今回は山を登る時間も装備もなかったため,軽く散策しながら写真を撮る。これまでの写真にない,青い空を撮ることができた。

 山の天気は変わりやすい。晴れていたのは30分ぐらいで, 徐々に雲がかかってきた。9:00前にして,残念ながら下山することにする。ちなみに,夏の午後は下りのロープウェイが2〜3時間待ちになるらしい。くわばらくわばら。



菅の台バスセンターにて
しらび平(ロープウェイ乗り場)行きのバス

バスは無線で連絡を取り合いながら,
1車線の道を行く

千畳敷カールに到着

お花畑にて 1

お花畑にて 2

名門 伊那北高校



3,木々に囲まれた高遠城趾&御柱 菅の台BC→(レンタカー)→高遠城趾→(レンタカー)→諏訪大社上社→(レンタカー)→松本城→(レンタカー)→松本駅

 再びコルト号を走らせ,R361を通って高遠町へと向かう。目的地は桜の名所,高遠城趾。園内の看板はもちろん,街全体が「さくら」を全面に出していた。が,今は夏。ほとんど「放りっぱなし」といえるほど木々や草が生い茂っていた。そして,やる気があるかどうかイマイチ不明な土産店のおばさん達。とにかく,桜がメインのお城なのでしょう。ぜひ一度,春に訪れてみたいものだ。
 そこからR152を走り,茅野市方面へ。もともとのイメージでは山深い道かと思っていたが,それなりに平地もあり,のんびりドライブを続ける。杖突峠を越えると,一気に山下りとなり,くねくね曲がりながら茅野の街へと降りていく。

 今度は諏訪大社上社を参拝。御柱を見上げ,その勢いで「御柱箸」なるお土産を購入する。普通の箸に焼き印がされているような品物であったが,なんとなくありがたみがありそうで。しかし,小さい頃初めてテレビで見た「御柱」は,そりゃあもうセンセーショナルでしたな。
 諏訪ICから中央道に乗り,長野道を経て松本ICへ。今度は松本城に登る。天守閣の最上階で待っていたのは,休憩中のみなさんであった。暑さの折,お疲れなのでしょう。ある意味では最高の贅沢,でも,少しもったいない?



高遠城趾

木々に囲まれた,むしろほったらかし?

諏訪大社上社の御柱

松本城

天守閣の最上階にて
みなさん,ぐだぐだ

天守閣からの眺め



4,温泉に浸かりながら・・・ 松本駅→(しなの15)→長野駅→(あさま526)→上田駅→(上田交通:別所線)→別所温泉駅→(上田交通:別所線)→上田駅→(あさま530)→大宮駅→(つばさ129)→赤湯駅


 いよいよ帰り道,であるが。そのまま帰るのはもったいない。当初は中央線経由の「スーパーあずさ」も考えたが,別所温泉(上田交通)に興味があったことと,所要時間の関係から,長野経由で戻ることにした。
 まずは,松本駅で「しなの15」号を待ち合わせる。その間,新旧の「しなの」号の並びを見ることができたので,早速写真撮影。ダイヤが少々乱れていたおかげなのかも。遅れてきた「(ワイドビュー)しなの18」号の発車を待って,臨時の「しなの84」号も出ていった。さて,我々の乗る「しなの15」号(松本駅発16:01,長野駅着16:49)はあっという間に長野に着き,ここから「あさま526」号(長野駅発17:10,上田駅着17:22)に乗り換えて上田駅へと向かう。このように,気軽に特急・新幹線に乗ることができるのは,土・日きっぷの強みであり,大変ありがたい。

 さて,念願の上田交通別所線。地方の私鉄ではおなじみの感がある元東急車(7000系)で,別所温泉へと向かう(上田駅発17:39,別所温泉駅着18:08)。 web情報によると,別所温泉には4箇所の共同浴場(石湯,大師湯,大湯,相染閣)があるが,この中の大湯(葵の湯)に立ち寄ることにした。入浴券を購入したが,窓口に人影が無く,誰に渡して良いか分からず。すると,ベンチに座っていたおじいさんが,券はこちらにと教えてくれた。この方が係りだったのか??と,改めて浴室へ入ろうとしたところ,おばあさんが登場し,入場券を下さいとのこと。あれあれ,ベンチのおじいさんに渡しましたよと言ったら通じたところを見ると,ご夫婦なんだろうか。いずれにしても,のんびり良い雰囲気だ。 お風呂は内風呂の他,露天風呂もあり,それなりに広い。暑い暑い2日間の汗を流し,さっぱりしたところで,再び別所温泉駅へ。すっかり暗くなった鉄路を,上田駅に向かって走る(別所温泉駅発19:08,別所温泉駅着19:37)。

 さて,今度こそ帰り道だ。上田駅から「あさま530」号に乗り,大宮へ(上田駅発19:47,大宮駅着20:50)。上田駅では食料(弁当)の調達ができなかったため,車内販売で「だるま弁当」を注文,しかし売り切れ。このまま大宮までお預けか?と危惧していたところ,別のワゴンに在庫があったそうで,席まで届けていただいた。感謝感謝。とりあえず,実家へのお土産(弁当の容器)ができて,よかったよかった。大宮からはラストランナーの「つばさ129」号。山形新幹線下りの最終列車(大宮駅発21:07,赤湯駅着23:02)で,昨日の上りも始発だったので,滞在時間を最大限利用したことになる。もう1泊してゆっくりしよう,といった考えはない,いつもながらのケチ旅行は終了。



新旧の「しなの」号が並ぶ

流線型のグリーン車(長野方)

上田交通の,元東急車

別所温泉の共同浴場,大湯(葵の湯)

入浴券を購入し,浴室へ

夜の別所温泉駅



傾向と対策

 今回の旅で一番印象深かったのは,千畳敷カール。ひんやりした空気と青い空は忘れられない。
 その青い空を写真に収めようとしたが,私としてはまあまあの出来映え。ただ,風景を写すにはもう少し広角のレンズが欲しいなあ。いよいよ一眼レフに手を出そうか?青い空といえばオリンパスか,それとも使い勝手の良さそうなペンタックスか?と,夢は膨らむが,とりあえず資金もないし,TVS Digitalも完全に使いこなしているわけではないので,もう少しこのカメラで精進しよう。
 今回もノートPCのMURAMASAを持っていったが,写真のバックアップに加え,ホテル(ルートイン)でのインターネット閲覧にも活躍。少しずつ,本来の機能を発揮しつつある?(ちなみに,まだ無線LANを使ったことがない。)
 
 しかし,夏の旅行は暑い。それも醍醐味といえるが。ただ,どうも我慢できなかったのは,大宮駅の暑さ。さすが,都市部は違うのだなと妙に納得。

 あれ,春日山を忘れていた・・・。




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